2010年12月23日木曜日

ソフトウェア保守のコスト半減?

 たまには、私が従事している
 仕事の話をさせていただきます。

 昨年から今年にかけて、
 力を入れて取り組んでおりますのは、
 情報システム
 (専門家はエンタプライズ系などと言います)
 のソフトウェア保守業務の改善です。

 保守という言葉は後ろ向きでイメージが悪いので、
 エンハンス(機能拡張)業務と言おうというのは
 野村総合研究所殿です。
 
 ごく最近出されました
 「野村総合研究所のやる気を引き出すチーム改革」
 (アスキー新書)という図書で、
 エンハンス業務の改革をどう進められたかを
 紹介されています。

 保守と言おうが、エンハンス業務と言おうが、
 その範囲には、
 そのシステムに新しい機能を追加すること、
 有効性を高めるための改善、
 会社の制度や組織が変わることへの対応、 
 誤りがあったことの補正、などを含みます。

 この保守業務は、
 長年使いこんできているソフトウェア資産の
 在庫に対して必要となるために
 新規にシステムを作る開発業務と保守業務の比率は
 1対3くらいで
 圧倒的に保守業務の比率が大きいのです。
 
 この保守業務を間違えますと、
 大きなシステム事故につながります。
 駅の改札が止まったり、発券ができなくなったり、
 空港で搭乗手続きができなくなったりするのです。 

 それなのに、これまでいろいろな理由から、
 保守業務の品質を高めたり、
 生産性を高めたりする改善は、
 多くの企業でほとんど実施されてきませんでした。

 野村総研殿では、
 「これではいかんではないか」ということで、
 2005年から「エンハンス業務」の改善をする
 専門組織を作られたのです(先述の図書に記載)。

 重要な業務であるのに
 あまり改善がされてこなかった、ということは、
 改善の余地が極めて大きい宝の山だ、
 ということです。

 そこで、兄弟会社である㈱データ総研と
 当社システム企画研修㈱が組んで
 昨年度から、保守業務の改善を研究する研究会を
 野村総研殿にもご参加いただいて開催しています。

 その合間に(これが本業ですが)
 保守業務の改善のコンサルテーションも
 数多く実施しています。

 その成果を踏まえて、
 新年早々から
 「保守コスト半減支援コンサル」を
 トライアル実施させていただくこととしました。
 
 保守コスト削減の目標は3年で3割、
 5年で5割削減です。

 改善の入り口は、無料診断で改善の可能性を
 評価させていただくところから始めます。

 ご関心のある方はお問い合わせください。

  システム企画研修㈱ 
  業務改善コンサルグループ
  TEL:03ー5695-3130
  mind-pc@newspt.co.jp

介護も医療も現状是認ではダメ!

 高齢化社会になって、
 介護と医療の制度は破たんすると言われています。

 今の介護制度は要介護度の認定をして、
 「その介護度だとこれだけの介護を受けられる」と、
 介護度によって受けられる給付が決まってきます。

 この制度が悪いわけではありませんが、
 この方法だと、
 介護度が高いほど手厚い介護が受けられますので、
 介護度を高い方に認定してもらおうとします。
 そう言っては悪いのですが、
 悪い方に進もうというインセンティブが働いてしまいそうです。

 これは法律や制度を前提にする考え方です。
 お医者は、患者が具合が悪いと言うと薬を出してくれます。

 特にひどいのは、外科・整形外科の医院で、
 たくさんの老人がやってきて、
 マッサージ等の治療を受けています。
 ご老人たちはその医院をサロンのように思って
 会話を楽しんでいます。

 その対応ができる設備を持った医院は
 どんどん立派な医院に建て替えていきます。

 これでよいのでしょうか。
 こんなことをしていたら、どんなに消費税を上げても
 追いつきませんよ。

 どこかのテレビでやっていました。
 寝たきりになりかけている老人に
 自立できるような手助けをしている介護施設では
 老人がどんどん立ち直っていっていました。

 介護度が下がれば、
 もらえる介護費も下がるのでしょうが、
 偉い介護施設です。

 このように今の状態を前提に治療や介護を行うのではなく、
 少しでも健康になるように指導していく
 治療や介護が必要です。

 どんな人にどれだけの治療費や介護費を出すかの
 制度設計をするだけでなく、
 どうすれば、弱っている老人たちを元気にできるかを
 真剣に検討すべきではないでしょうか。

 そして、そういう施設やクラブに助成金を出す方が、
 治療費の補助(保険金等の給付)をするより
 安上がりのはずです。
 そのことは、企業別の健保組合が、
 組合員の健康維持・強化にお金を使おうとすることを見ても
 分かります。

 もっともっと、高齢者が楽しめて元気になり、
 元気を維持できる施設を作り強化すべきです。

 この問題は、目的論で言うとこうなります。
 介護制度の目的を、
 「要介護者に適切な介護サービスを提供する」ではなく、
 「要介護者が、介護を必要としなくなるような、
 あるいは、介護度の改善が進むような手助けを行う」
 とすればよいのです。
 そうして、その目的の達成度に応じて、
 介護サービス提供者に
 追加報償を支給するようにすればよいのです。
 
 同じように、医療制度の目的を
 「治療を必要としている人に、適切な医療を施す」
 ではなく、
 「治療を必要としている人が、
 1日も早く治療を必要としないようにする」
 とするのです。

 こういう政策を検討できませんでしょうかね。
 

官僚が優秀性発揮!

 12月17日、政府はこれから10年の防衛計画の
 方針を決める「防衛大綱」と「中期防衛力整備計画」を
 発表しました。

 この中では、日本全国土を守るという基盤整備から、
 軍事力を危機に対応して機動的に動かすことのできる
 「動的防衛力」の強化に方針転換しています。
 南西諸島を中心にした、
 「島しょ防衛の強化」も盛り込んでいます。
 
 これら、特に後者は、
 尖閣諸島トラブルを意識したものです。
 中国をけん制するのは、非常に重要です。

 このように迅速に長期の計画をくみ上げることのできる
 官僚組織の能力はなかなかのものではないでしょうか。
 おそらく、以前からこのような方向を把握・感知して、
 対応策を検討していたのでしょうが、
 今回の尖閣問題発生から、この大綱発表までは
 わずか2ヶ月半強です。

 もう一つ。
 菅総理が法人税の引下げ5%を発表したのが、
 12月13日夜、
 その後、来期予算政府案の基本方向を発表したのが、
 18日です。

 この政府予算案には当然ながら、
 法人税減税分を穴埋めする対策が盛り込まれています。
 減税幅が5%か3%か、とかで検討していて、
 13日から18日までですべてを検討したのでないでしょうが、
 それにしても予算編成担当部局の早技です。

 政府はいい加減な世論に迎合して、
 さっぱり筋を通さないので評判を落としていますが、
 官僚は優秀ですね。
 方向付けを正しく設定すれば、力を発揮してくれるのです。

 ところで、穴埋め財源ですが、
 給与所得控除の削減、相続税の控除額の縮小など
 基本的に高所得者に負担を求めるという方針は
 正解だと思います。

 低額所得者に負担を求めるか、
 高額所得者に負担を求めるか、といえば自明でしょう。
 
 それと「高額所得者団体」などは存在しませんから、
 反対論が沸き起こる心配もありません。
 その面では、ある意味で、
 民主党らしい「弱いものいじめ」的な側面があります。

 「高額所得者の負担増は
 国民の上を目指す思考に水を差す」
 という批判論が聞かれましたが、
 これなどは、何でもケチをつけようという評論家根性で、
 知識人としては恥ずかしい意見です。

 ところで、法人税減税5%は、
 日本の企業が日本から逃げ出すのを防ごう、
 国内で投資をしてもらい、雇用も確保しよう、
 という目的(菅総理のもくろみ)のようです。
 
 しかし、片やで研究開発費の損金算入の削減など、
 企業の力を削ぐ政策も入っています。
 これなどは、何を考えているのだろうかという
 目的軽視の愚策です。
 目的で筋を通してほしいものです。
  

共通番号制度に誰が反対するのか

 政府は12月3日、
 共通番号制度導入に取り組む方針を発表しました。
 (6月の政府の閣僚検討会の大枠方針を受けての
 実務検討会としての方針だそうです)

 共通番号制度は、
 これまで国民総背番号制度と言われてきたもので、
 国民1人1人にユニークな識別番号をつけて、
 必要な範囲でその情報を集約して利用できるようにしよう
 (専門的には「名寄せ」と言います) 、
 というものです。
 
 この制度の日本における導入検討は、
 1968年の佐藤内閣の時から始まります。
 反対にあい頓挫しました。
 40年以上の歴史があるのです。

 このような番号を使用すれば、
 年金の不照合問題など起きません。
 保険料の支払いの時にこの番号を使用し、
 どこへ転勤しても、この番号が付いて回っていれば、
 一生の掛け金が一元的に把握できるからです。

 佐藤首相の先見の明が実現していれば、
 年金不照合問題は起きなかったのです。
 本当に惜しいことをしました。
 これは、悪しき民主政治の例です。

 共通番号制度は、
 主要国ではこういう範囲で共通化されているそうです。
          税務 年金など社会保障 行政サービス
 ドイツ      ○   
 アメリカ      ○      ○
 スウェーデン   ○      ○          ○
  適用範囲が広いほど、その効果も大きいのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 では誰がどういう理由で反対するのでしょうか。
 
 一番分かりやすいのは、
 郵便貯金の小額非課税枠(マル優)の悪用
 (1人1口座の規定に対して偽名・借名で複数口座利用する)
 を防止するために考えられたグリーンカードの例です。
 これも一種の共通番号制度です。

 この時の反対者は、郵政省や金融業界でした。
 法案が通った時点で、富裕層の預貯金が引きだされ
 海外に流れたためです。
 結果としてこの法案は廃止になりました。

 この時、反対の先鋒だった政治家、
 金丸信氏(当時自民党副総裁)が、
 その後多額の闇献金が発覚した「錬金師」だったことは、
 反対の背景に自らの利害が関係したのではないかと
 疑わせるものでした。

 現在、共通番号制度に反対している一例は、
 「全国保険医団体連合会」です。
 反対の理由は、共通番号制度で実現しようとする目的である
 「所得再配分機能」「給付と負担のバランス」実現への懸念、
 「プライバシの侵害」となる懸念、などとなっています。

 これらは、
 共通番号を利用する制度の運用法への懸念であって、
 基本的に番号制度への否定条件となるものでは
 ありません。

 ということは、保険医にとって、
 この制度はマイナスの影響があるということです。
 容易に名寄せができるようになりますと、
 過剰投薬や過剰医療が抑制されることになります。
 つまりは保険医の収入減です。

 収入をいろいろなところから得ている「稼ぎ手」
 の所得が確実に捕捉できるようになりますので、
 そういう人たちは反対でしょうね。
 反対するということは、
 現在は税金をゴマカシテいるということになります。
 
 反対派の表向きの最大の理由は、
 常にプライバシの保護・個人情報の保護です。
 しかし、本当に国民の多くがプライバシの保護を理由に
 番号制度に反対しているのでしょうか?

 一部の利害関係者の意見に左右されたマスコミの誘導が
 国民に錯覚を与え、それに感化された人が
 「そうだ、そうだ」と
 付和雷同しているだけではないでしょうか。
 
 共通番号制度のメリットをよく理解したうえで、
 それよりもプライバシの保護が重要だ、
 と思っている人はごく少数でしょう。
 
 保護されたい情報は、
 身体障害等の社会的弱者が抱える情報よりも、
 富裕者が抱える資産情報の方が
 圧倒的に多いのではないでしょうか。
 
 つまり、強硬な反対意見は、
 理念からくるものではなく、利害からきているのです。
 その人たちが「プライバシの保護」とかいう、
 きれいごとの隠れ蓑を使っているだけ
 なのではないでしょうか。

 ちなみに、共通番号制度の制定と情報の一元管理とは
 別物であることを認識しておきましょう。

 共通番号を決めたからといって、
 税務の情報は国税庁が管理し、
 年金の情報は社会保険庁が管理し、
 行政サービスの情報は総務省(のもとでの各自治体)が管理
 することになります。
 必要な場合に、相互でのデータのやり取りはするでしょうが、
 すべての国民の情報が1か所に集中する
 わけではありません。

 それと、反対派の主張する情報漏洩、プライバシ侵害等は
 情報の管理運営問題であって、
 集中した方が漏えいが起きやすくなるとは
 一概に言えません。
 漏えいしない対策をどう実現するかを検討すべきで
 漏えいの心配があるから反対というのは、
 どう考えても本質論ではありません。
 本末転倒と言うのもはばかられる、感情論か利害論です。

 このテーマの核心は、正当な目的論に対して、
 目的実現過程で生じる悪影響を懸念しての反対論が
 横行しているということです。
 一般的には、目的の価値が大きければ、
 悪影響を緩和する対策を講じて
 目的を実現する方法を検討するのが筋です。
 
 悪影響の議論が先行して、
 目的の実現を諦めるのは異常です。

 ということで、この共通番号制度は
 民主党の衆院選マニフェストに入っていたそうですから、
 菅総理に、
 妥協せずに実現に努力していただきましょう!!
 
 

2010年12月12日日曜日

尖閣諸島についてもっと知りましょう!

 以下は、雑誌「到知」の2011年1月号に掲載された記事を
 到知出版社が、
 読者等に「到知」の内容をPRするためのメールで
 要約したものです。
 そのままご紹介します。
 詳しくは、「到知』の当該号をご覧ください。
 http://www.chichi.co.jp/i/article2011/i-201101urabe.html

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 実は尖閣諸島にはれっきとした日本人の開拓者、
 所有者がいました。

 明治以来、
 長い間におよんで古賀辰四郎及び子息の善次、
 その後は善次の妻がこの島を守ってきたのです。

 古賀辰四郎が沖縄に来島したのは明治12年、
 24歳の時です。
 爾来、石垣島に古賀商店を開いて海産物を取り扱い、
 尖閣諸島の開拓をはじめ多くの功績を残し、
 明治42年には藍綬褒章を下賜されたほどの人物でした。

 古賀は、明治28年に政府が尖閣諸島の領有を宣言するや、
 「官有地拝借御願」を内務大臣に提出。
 大臣は30年の期間を設けて
 尖閣諸島のうち魚釣島と久場島の貸与を許可します。

 明治33(1900)年に開かれたパリ万国博覧会では、
 尖閣諸島などで製造した真珠や貝殻類を出品し、
 見事銅賞を受賞。
 
 明治36年の内国勧業博覧会では、
 出品の真珠2点を皇太子殿下が御買上げになる
 という栄誉にも浴しています。

 大正7年に古賀辰四郎は63歳で死去しますが、
 この壮大な事業は長男の善次が継ぎました。

 善次は昭和6年に国に払い下げを申請し、
 翌年、尖閣諸島のうち魚釣島を含む四島が
 善次の所有となったのです。
 
 中国政府及び台湾の一部勢力が
 尖閣諸島の領有を言い募るのであれば、
 善次が遺した次の証言を刮目して見よと言いたい。

 「大正8年、中国福建省の漁船が、
 尖閣列島沖合いで難破しました。
 そのとき、たまたま私の船がそれを発見し、
 難破船と31人の乗組員を助けて石垣島へつれてきて、
 手厚い保護をしました。

 私だけでなく、石垣の人たちも彼等を親切にもてなし、
 修理をおえた船とともに中国へ帰してやったのです。

 翌年ですよ、中国政府から
 私をはじめ石垣の関係者に感謝状が送られてきましてね。
 その宛名は、
 日本帝国沖縄県八重山群島尖閣列島でしたよ。

 いま中国がいっている魚釣台ではなく、
 ちゃんと尖閣列島になっています。
 個人からの手紙ではありません、
 政府としての感謝状なんです」

 ここに紹介された中国政府から贈られた「感謝状」は
 現在も保存されています。

 今を遡ること90年前から、
 中国は尖閣諸島は日本の領土であると認識していた
 決定的な証拠にほかなりません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 古賀善次さんの子孫が今も尖閣を所有していて
 石原都知事が譲ってほしいと交渉をした
 相手なのでしょうか。
 (そのことは、当ブログの
 2010年11月1日「尖閣諸島問題その2」でご紹介しました)

 尖閣諸島のどこかの無人島に上陸した
 石垣市の議員がいたようです。
 そういう実効支配をして、
 ことを荒立て中国のクレームを引きだし、
 国際的な話題にするのは一つの手ですね。
 そうなったら、
 今回記事のような証拠を突きつけていくチャンスが
 出てくるのですから。
 

菅総理 社民党との連携?

 菅総理は、衆議院の乗り切り対策で
 (参議院で否決された案件を
 衆議院で再可決するのに必要な3分の2の議席を確保する)
 社民党に声をかけています。

 社民党の福嶋党首は
 「今度は私を『ぶちぎれ』させないでよ」
 などと得意満面です。

 「ぶちぎれ」は
 普天間問題とか日本の防衛がらみの案件が火種です。

 12月12日のフジテレビ「新報道2001」で
 石破茂氏がこう言っていました。
 「何のための連携なのか。
 何かの法律を通すために
 日本の安全を脅かすようなことになったら
 とんでもないことではないか」
 そのとおりです。

 菅総理の浅慮で、
 日本をおかしくしないでほしいものです。
 この「復縁」は、
 なりふり構わずを超えているでしょう!!

解体現場の事故多発?

 「今年の10月岐阜県で、
 自転車で通りかかった女子高校生が
 解体中に倒壊した建物の外壁の下敷きで死亡」
 という痛ましい事件はまだ記憶に新しいことでしょう。
 なんと不運なとんでもない被害に会う人がいるものだ。
 と思ったものです。

 以下、12月6日の日経新聞からの紹介です。
 「同じような事故が
 03年に静岡県で起き4人が死亡」
 「それを受けて国土交通省は
 解体工事の事故防止ガイドラインを策定」
 「だがこれは強制力はなく
 対応は業者任せになっている」
 「2008年の全国の建設業での死亡事故は
 04年から08年までに3割減ったが、
 解体現場での死亡事故は、
 前年比で11件増の42件もある」
 
 「最近は公共工事の縮小や景気低迷で、
 解体コストの削減圧力が高まり、
 手抜き工事で利益を出そうとする悪質な業者もいる」
 「解体は壊すだけ、と軽く見られがちなところに
 事故の芽がある」
 
 「高度成長期の建築物は、
 後に増改築が繰り返され
 構造が複雑になっている場合が多く、
 解体工事を難しくしている」
 「工法や建材も多様化しており、
 解体時には十分な配慮と計画的な作業が求められる」
 
 「古い建物は
 設計図面や改修図面が無くなっている場合が多い。
 ボルトで接合されていると思っても
 実際はつながっていないケースもある」
 「解体工事の事故を防ぐためにも
 建物の図面はきちんと保管しておくべきだ」

 この記事を読んで
 ソフトウェアの機能拡張や改良を行う「保守」が
 まったく同じ状況であると思いました。

 保守を間違えると
 システム停止などの事故が起きるのです。
 東証の取引が中断したり、
 自動改札が使えなくなったり、
 飛行機便や新幹線の発券が
 できなくなったりしています。

 その原因は、上述の解体の場合とまったく同じです。

 建設(システム開発)よりも
 解体・増改築(保守)の方が易しい、
 という「たかが」意識があり、
 取り組んでいる人の意欲・レベルが低い。

 多年に亘る改修によって
 (10年以上使っているシステムはザラです)、
 非常に複雑な構造になっていて、
 保守作業は極めて難しい。

 それなのに、
 図面(システムのドキュメント、改修記録)がない。

 しかし、実際にはたいへん難しい仕事なのです。
 システム業界でも、
 保守のあり方を改善しようという動きが
 活発になってきています。
 
 その改善の目的は、
 事故を起こさない、ということが一番ですが、
 保守コストの削減や納期短縮もあります。
 
 システムの開発・保守コストの中で、
 保守の占める比率は75%なのです。
 そのコスト削減を放置するわけにはいきません。

 納期短縮は、ビジネスが目まぐるしく変わる時代に
 システムの改修が足手まといになってはいけません。
 これからますます
 保守の短納期化が要求されるでしょう。
 
 
 

2010年12月4日土曜日

日本の消費者が望むのは「安い」だけか?

 福岡発の、安売りを前面に出す量販店
 (ディスカウントストア、DS)
 「トライアルカンパニー」が快進撃をしているそうです。
 ここ5年程の売上伸び率は14~23%程度で、
 かなりのものです。
 しかし、
 2011年3月期の予想売上高は2600億円ですから、
 小売りのトップ企業に比較すると1桁以上の差があります。

 この企業の基本方針は、
 とにかく安く消費者に提供することです。
 たとえば、すべてPB(自社ブランド)ですが、
  コーラ350ml缶        29円
  ポテトチップス55グラムもの 59円
  2Lペットボトル入りお茶    79円
  カップめん            59円
 といった具合です(日経流通新聞12月1日号による)。
 すごいですね。
 
 このような激安PBを、これまで2000品目作ったそうです。
 なぜ、そんなに安くできるかというと、こうです。

  1 PB商品を「数打てば当たる」方式で開発している。
    ・売れないものには拘らない。
  2 生産は韓国・中国メーカを重視する。
  3 物流センター全国4か所を自前で運営する。
    ・無理の効く機動的な運営ができる。
  4 廃業した同業の店を居抜きで使う。
    ・まともに作ると1店3億円かかるのを節約できる。

 この方法で今後も売上は急拡大するでしょうか。
 そうは思えません。
 なぜなら、以下の理由です。

 1.仮に、日本中の消費者を対象にするとしても
  これらの商品を消費する限界があります。
  ・日本全体の消費支出のうち、この業態のPBに適した
   広い意味の加工食品の比率は約7%で
   金額に換算すると約20兆円です。
  ・この企業はそのシェアを1割とれば上出来でしょうね。

 2.消費者は、購入する加工食品として、
  「安い」だけを求めるのではなく、
  「うまい」「楽しい」の要素も求めています。
  ・この安売りモデルで対象とできる売上は限定されます。
  ・20兆円が分割されるのです。
 
  現に、12月3日の日経流通新聞には、
  「圧倒的な品ぞろえ」「臨場感あふれる対面販売」
  「産地直送の徹底」で成長する関西の食品スーパーが
  紹介されていましたし、
  節約疲れをした消費者が「ましなもの」を買い始めている、
  という記事も紙上を賑わせています。

 3.居抜きの店舗は今後はそんなに見つからないでしょう。

 そもそも、このような安売りが通用する世界は
 「ニッチマーケット」(すきまビジネス)です。
 現在、大手の小売業が実現できていない分野を
 専門的に掘り下げて実現しているのです。

 この企業はお手本にしている
 ウォルマートの安売りモデルは、
 西友系で実現しようとしましたが、
 日本では長らく成功しませんでした。

 アメリカでは貧民の比率・実数が日本よりかなり多く、
 ウォルマートはその人たちの支持を受けて発展したのです。
 日本での窮乏者は、「今のところ」それほど多くありません。

 ウォルマートも、
 日本では、そのままのビジネスモデルでは成功しない
 と気づき、
 モデルチェンジをして最近は軌道に乗りつつあるようです。
 アメリカでも、
 貧民市場は飽和したので別の市場をも獲得するために
 単なる安売り路線を軌道修正しています。

 その辺の事情は、
 この企業の経営者も織り込み済みで
 中国進出を計画しているようです。
 やはり大した経営者ですね。
 
 とにかく、「他人がやらないことを工夫してやる」
 のはたいへん偉いことです。
 日本の発展のために、
 どんどん、そのような経営者が出てきてほしいですね。

品川区へのクレームーその3

 今度は小学校の樹木jの剪定にクレームしました。
 まずは11月14日に発信した品川区長あての
 「ご意見箱」への文章です。
 濱田区長は2月ほど前の選挙で再任されました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 濱田区長様 再選おめでとうございます。

 今後とも
 品川区の改革を他の区に先駆けて実践してください。
 
 私はいつも区内の近所をジョギングしています。
 11月13日に大間窪小学校の前を通りましたら、
 なんと、
 見事なギンナンが成っていていつも楽しみに見ていた
 イチョウの木が丸坊主にされているのです。

 これは憤激の限りです。
 イチョウはこれから、黄色になって美しくなるのです。
 生徒たちが季節を感じる大事な生物です。

 都会で家に引きこもりがちな生徒たちが、
 自然に接する機会は非常に重要です。
 「きれいだな」という気持ちを仲間と共有できることは
 非常に大事な教育ではないのでしょうか。

 なぜ、この時期に剪定などするのですか?
 おそらく、
 依頼している業者の都合で順番にしているのでしょうが、
 では、何のために校庭に桜やイチョウがあるのですか?

 業者に仕事をしてもらうためではないのでしょう?
 だったら、樹を植えている目的が達成できるように
 業者の活動をしていただくようにしてください。

 今後こういうことのないように
 担当管理課および業者の指導をしていただけますように
 よろしくお願いいたします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー                 
 そうしましたら、12月1日付で以下の返事がきました。
 まずまずの早さでまともな回答ですね。

 こういう案件は、
 指示を出せば済むのは早くできるのでしょうね。
 (「公園に犬を入れないでください」の件は
 未だに何の進展もありません)

 業者さんは、
 仕事の効率的な作業段取りの検討を要求されるでしょうが、
 お役所の方は、自分たちとしては予算も関係ないし、
 ということでしょうか。
 
 それはともかく、
 すぐに対応していただけるということは嬉しいことです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 上野 則男様
             品川区教育委員会 教育次長 氏 名

 この度は、大間窪小学校のイチョウの剪定について
 ご意見いただき、ありがとうございました。
 早速、現場を確認いたしました。

 しながわ中央公園の木々も色づき秋深き季節となりました。
 上野様のご指摘のとおり、自然と接し季節感を育むことは、
 教育活動の中でたいへん重要でございます。
 イチョウの木をはじめ様々な樹木は、
 その季節ごとに自然のすばらしさを教えてくれる、
 情操教育の貴重な教材でもあります。

 今回のイチョウの剪定は、
 教育委員会の担当者と業者との打合せが
 十分でなかったため
 実施に至ってしまったものでございます。

 今後は、このような事態を再発させぬよう、
 関係職員および業者を指導してまいりますので、
 ご理解のほどよろしくお願いいたします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 付言:教育委員会だけあって、
 文章展開、用語・用字など大変よくできていて
 「たいへん」勉強になりました。

2010年11月29日月曜日

日本の国家の危機

 当ブログ11月14日付け「外交危機の責任」という題で、
 鳩山前総理の責任を追及しました。

 ところが、その後また事件が起きています。
 北朝鮮の韓国攻撃です。

 このままいくと外交の危機ではなく、
 日本の国の危機がやってきてしまいます。
 この責任は菅総理です。
 
 この事件が起きて1時間後に
 米国は非難の声明を出しました。
 
 菅総理は、事件直後には
 「まずは、情報を把握・分析する」と称し、
 漸く7時間後に非難声明を出しています。
 正に「風見鶏」の真骨頂です。

 「そんなことで、有事対応ができるのか」
 「総理が官邸に入ったのは1、2時間後だ。何たることか」
 「安全保障会議を開いていない。これでよいのか」
 とか、散々叩かれっ放しです。

 その一つずつに対して
 民主党政権は抗弁・説明しています。

 その一つずつの非難事項がどうこうや
 抗弁が正当か、などは大して重要ではないでしょう。
 菅総理の国際感覚。危機管理意識が、
 希薄か欠如していると言わざるを得ません。

 菅総理は野党時代は、 
 政府のアラ探しをして追及していればよかったのです。
 そういう意味ではなかなか切れると評価されていたようです。

 自分の責任で物事を考えるという思考はなかったのでしょう。
 善し悪しの判断で発言するのではなく、
 何でも政府・政権を批判していればよかったのです。
 
 「免責決議を受けた者が居座るとはどういうことか!」
 と追及していました。
 今はどうですか。 
 「辞める必要はない」と言っています。 
 
 この感覚で国際社会を渡るのは無理ですね。

 菅総理の目的意識は、
 「自分が偉くなればよい。頑張れれば良い」
 ということではないでしょうか。

 「日本の国を救う。強くする。国民を幸せにする」
 という目的意識があれば、
 行動は変わってくると思うのですがねー。

蛇足ー風邪引き原因の仮説

 私はいつも健康なのですが、
 年に1回はどうしても軽い症状ですが、
 2週間ほど風邪を引いてしまいます。

 今年は、11月14日に原因不明で引いてしまいました。
 治ったと思うとまたぶり返すのです。
 ぶり返すときは、「寒いな」と思う時です。
 寒いなと思う時が危ないのです。

 そこで、どういうときに「寒いな」と思うのだろうと考えました。
 分かりました。

 背中が寒い、と思ったり、
 首筋が寒い、と思ったり、
 足首が寒い、と思ったり、
 つまり、体の一部が寒いと思う時がいけないのです。
 そうすると大体ぶり返します。
 足首が寒いと思う時は、股引と靴下の間に隙間があるときです。

 寒い中を走っていても風邪を引いたりはしません。
 体全体が同じ状態なのです。
 
 冷房をしているときに、
 吹き出し口の下にいたりするとてきめんにやられます。
 この時は、顔とか肩とか体の一部が風を受けています。

 つまり、体の一部が他の部分と異なる状態(寒さ)にあると、
 体の温度調整機能がうまく働かずに、
 体の異常状態(風邪引き)になるのではないでしょうか。

 体全体が同じ状態であれば大丈夫と言っても、
 長時間に亘り寒い中にいれば、
 やはり体の温度調整機能は追いつかないのでしょうが。

 結論(仮説)
 普通の状態では、
 寒い思いをすると風邪を引くのではなく、
 体の一部が寒く感じる時に風邪を引くのです。

 対策は、
 体の一部を風にさらしたり、
 体の一部が寒いと感じるような服装をしないこと、です。
 気をつける場所は、
 首、肩、手先、足首、などでしょうね。

 冬でも脚を出している女性は強いですねー。

 本稿は、目的論とまったく関係がないですね。

2010年11月23日火曜日

新卒採用方法の見直し論

 来年度の大学卒の就職内定率が
 この方式で統計を取りだした
 1996年以来の過去最低の57%だそうです。

 片や、就職活動が大学3年から始まり
 落ち着いて勉強ができないので、
 就職活動の開始時期を4学年の8月以降にしようという
 提案が商社業界からされています。

 このような自主規制は、
 自分たちに都合が悪くなると破られるのです。
 求職より求人が上回る需要超過になると
 需要側が規制破りを行います。
 現在は供給超過ですから、
 需要側が「いいこと」を言っているのでしょう。

 「そもそも入社を新卒の年1回としているのがおかしいから、
 米国のように随時採用としたらどうか」
 という意見も出されています。

 この意見は米国と日本の労働市場の違いを無視した
 欧米かぶれ論者の妄言です。

 労働市場が流動的で、
 でき上がっている人材を採用する米国と
 入社してから、必要な新入社員教育を施して育てている
 日本では、基礎条件が違います。

 随時採用になったら、
 今のような新入社員研修はできません。

 新入社員研修のいらない職業・職種であれば、
 米国式もできるでしょうが、
 当座の新卒者の就職改善には繋がりません。
 
 良く事情のわからない評論家的な人の発言は
 世の中を迷わせます。

 前論の「事業仕分けがIT人材育成を槍玉に!」
 でも同じことが言えました。

 採用方法改善の目的は何なのでしょうか?
 需給のアンマッチかミスマッチを改善して
 需給双方がハッピーになることでしょう。

 だとすれば、以下が対策となるでしょう。
  日本の産業を強化して採用者数を増やす。
  日本の産業が必要とする人材を大学が育成する。
  (今の大学教育はいい加減すぎます。
  本人の覚悟も必要です)
  
 こういうこともどうでしょうか。
  国債を発行して資金を調達し、
  大量の(10万人単位)職業訓練事業を興して
  就職できない人を何年間か訓練します。
  この対象としては、
  過疎地の村興しなども候補ではないでしょうか。
  この人たちが将来日本で稼げるようになれば、
  国債は償還できるでしょう。

 とにかく半端なことでは
 この窮状は救えませんね。

事業仕分けでIPAのIT人材育成事業が槍玉に!

 ご承知のように国の事業仕分け第3弾は
 主として事業法人が実施する特別会計事業を対象としています。

 その中で、日本の情報処理の底上げを目標としている
 情報処理推進機構(IPA)が取りあげられました。
 以下の結論だったようです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 本事業については2つに分けて評価する。
 一つは試験事業であるが、
 そもそも不要で廃止とした方が2名、
 事業・組織の見直し行うが9名、
 その内訳として民営化・民間で実施すべき6名、
 試験の企画・問題作成は国あるいは独法が行い
 運営自体は民間で行うが1名、
 その他2名だった。

 評価者からのコメントとしては、
 民間で十分実施が可能、という意見がある一方で、
 独法で行うことによる魅力というものも勘案すべき、
 あるいは試験料を見直すことも必要だ、という意見もあった。

 以上を踏まえ、多数意見に従い、
 本WG としては
 試験事業については民営化・民間実施を結論としたい。

 また、試験以外の事業(スキル標準、研修等)については、
 そもそも不要で廃止すべきが3名、
 事業組織の見直しを行うが8名、
 これについても民営化・民間実施という意見が一番多く、
 7名いた。
 その他1 名だった。

 評価者からは試験事業以上に、
 民間で十分であるという意見が多かった。
 以上を踏まえ、本WG としては、
 試験と同様、民間で実施を結論としたい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 この結論を見て疑問に思うことがあります。
 なぜ、民営化がよいと判断するのであろうか、
 「何が目的なのか」です。
 まさか、官から民へという流れがあるから
 何でもかんでも、民営化とうわけでもないでしょうが。

 「民でもできるから民営化」という意見のようです。
 これは一面的な見方です。
 民でできることは何でも民がよいのでしょうか。
 民の方が安くできるから民にするというなら一理ありますが、
 その点を検討している形跡はありません。
 
 官の方が良いという点も検討して、
 民の方が良いという点と比較して優劣を決めるべきでしょう。
 民間企業の意思決定では
 当然実施されている検討方法です。

 官の方が良い点は、
 資格に対する権威です。
 国家資格と民の資格では権威が違います。

 ITSS(IT技術者の要求スキル標準)にしても
 (個人的にはあまり良い出来栄えとは思いませんが)、
 民で検討する標準よりは安心でしょう。
 特に、お上意識の強い日本では。

 この標準を東南アジアにも広めようというのは
 良い考えです。
 国でないとできないことでしょう。 

 そのようなことを主張した委員がおられたようですが、
 多数決に押し切られてしまっています。

 これを見ると、
 良く事情が分からない人が合議で物事を決めるのは
 怖いことですね(民主主義の弊害と言われることです)。
 
 そういうことですから、
 すべてが筋の通っている抵抗ということでもないでしょうが、
 事業仕分けの結論に従わない官がいるのも頷けます。

 こういう問題は
 もっと腰を落ち着けて検討しないとダメですね。
 素人だけでは無理でしょう。
 今の事業仕分けのやり方の限界ですね。

2010年11月14日日曜日

日航 「収支管理を1便ごとに」

 こういう見出しの記事が
 少し前ですが10月2日の日経新聞に載っていました。

 親方日の丸と言われる日航は、
 あらゆることがどんぶり勘定だったのでしょう。

 収支が悪化していて改善しようとしたら
 どこが悪いかを見極めなければなりません。

 再建に乗り込んだ稲盛会長としては
 製造業の感覚からして当然のことだったのでしょう。

 製造業や流通業の人たちから見れば
 「そんなこと今までやっていなかったのか!」
 という感想でしょう。

 儲かっているときは、
 そんな計算にコストをかけることはない、
 という感じも分かります。

 このことで思い出すことがあります。
 私は、長らく食品流通業のシステム面の
 お手伝いをしていました。

 食品流通業は粗利(売買差額)が数%で、
 儲けが薄い商売です。
 
 この企業でもどんぶり勘定から始まりました。
 その頃は赤字でした。
 最後は、取引先別・単品別の損益、
 それも物流費なども配賦したほぼネットの損益を
 毎日見れるようになりました。

 ここまでやる必要があるのか、
 という意見も経営者の中から出ました。
 
 しかし、採算管理を厳しくするという目的以外にも、
 営業がいい加減な取引をするとすぐ表面化する
 というけん制効果もありました。
 営業は、業績管理が厳しくなると
 あの手この手のうら手口を考え出しますからね。
 
 分かるようになっているということは
 内部統制上、非常に大事なことなのです。

 システムは、一度その仕掛けを作ってしまうと
 定常的にはそんなにコストがかからないのが
 利点です。

 稲盛会長には
 どんどん親方日の丸にメスを入れて
 日本の空輸企業を再生させてほしいものです。

 

外交危機の責任

 11月13日、菅総理は米国・中国・ロシアの
 首脳と相次いで会談しました。

 それぞれ、国内事情を背負っての会談です。
 米国は、民主党の中間選挙での敗退で失地番会の必要性、
 中国は、首脳交代に加え国内批判世論抑圧の必要性、
 ロシアも、ほぼ同じ必要性、です。

 菅総理が国内で最も弱い立場かもしれません。

 ここで、はっきり見えてきたのは、
 中国・ロシアになめられて、
 米国頼み、頼もしい米国という絵柄です。

 なぜなめられるようになったのでしょうか。
 これは、鳩山前総理の責任が重大であると思います。

 鳩山総理は、
 「友愛」を掲げて2度もロシアに行っているのです。
 日ソ国交回復を果たした
 祖父鳩山一郎の成果を引き継ぎたい、
 という思いだったようです。
 しかしこの2回のロシア訪問は
 何らの成果も得られませんでした。

 そうして人類はみな愛し合うべきだ、という
 「友愛」の精神で中国にも臨みました。

 何よりも米国の価値を過小評価しました。
 よく米国が許してくれたと思います。
 
 その後の事件で
 米国の後ろ盾なくしては日本はどうにもならない、
 ということが明確になりました。

 鳩山さんは、まったく世間知らずのボンボンです。
 日本や民主党は、
 鳩山さんのような人が総理になる国である、
 鳩山さんを総裁にする民主党である、
 とすっかり世界中の評価を落としてしまったのです。

 菅総理も大変な時に総理になってしまいました。
 ご苦労だと思いますが、
 前原大臣や岡田幹事長の力を最大限に活用して、
 鳩山さんが開けた大穴を修復してほしいと思います。

 付言
 私は、尖閣諸島問題のこのブログで
 中国はこちらが引き下がるといくらでも付け込んでくる、
 向こうにも弱みがあるのだから強気で臨むべきだ、
 という「常識」を強調しました。
 
 その例を
 11月14日のフジテレビ「新報道2001」で見ました。

 橋下大阪府知事の奮闘ぶりは以前にもご紹介しました。 
 その奮闘の一つであった上海万博の閉会式のことです。
 当初日本バッシングの一環らしく、 
 知事に招待状が来なかったのです。
 知事がクレームをつけたら、招待状が来たそうです。 
 黙っていたらそれきりで、
 次も甘く見られるところだったのです。

 

ロッテの優勝!!

 今年の日本シリーズは、ご承知のように
 千葉ロッテマリーンズが勝利し日本一になりました。
 
 私は、オリオンズ(マリーンズの前身)ファンでした。
 今は、プロ野球にはほとんど関心がなく、
 監督や有名選手が誰かも知らない程度でした。

 以下の情報の多くは、
 10日発売のスポーツ紙ロッテ優勝記念号によります。
 この記念号はコンビニで買ったのですが、
 14日にまだ売れ残っていました。
 ロッテファンは
 都内では隠れキリシタンのようなものなのでしょうね。

 なぜ、オリオンズファンになったかというと、
 プロ野球に関心を持ちだした頃に
 新しくできた毎日オリオンズが
 阪神から別当選手、土井垣選手など
 大量の一流選手を引き抜いてスタートし、
 たしか日本一になりました。
 話題になる強いチームに関心を持ったのです。

 子供の頃は、強いチームに関心を持つのが自然で、
 我が息子が広島ファンになったのも、
 その頃(1980年前後)広島が強かったからです。
 
 今回のロッテの奮闘ぶりは凄かったですね。
 通常のパリーグ終盤の3戦で1回でも負けると4位で、
 クライマックスシリーズに出場できないという時から
 以下のような成績で勝ち続けました。

  パリーグ終盤戦
    7-2 楽天
    3-2 オリックス
    5-4 オリックス 逆転勝利

  クライマックスシリーズ 相手は西武 2勝0敗
    6-5 延長戦 11回 逆転勝利
    5-4 延長戦 11回 逆転勝利
 
  ファイナルシリーズ 相手はソフトバンク 4勝2敗
    3-1
    1-3 負け
    0-1 負け
    4-2
    5-2 逆転勝利
    7-0 

  日本シリーズ 相手は中日 4勝2敗1引き分け
    5-2  逆転勝利 
    1-12 負け
    7-1
    3-4  延長戦 11回負け
   10-4
    2-2  歴史に残る大延長戦 15回引き分け
    8-7  延長戦 12回逆転勝利

 延長戦や逆転で勝利した試合も多いのです。
 最終戦は3回に4点差で負けていたのをひっくり返しました。
 4点差をひっくり返したのは
 60年の日本シリーズで9年ぶり8度目ですって。

 とにかく凄いですね。
 プレッシャに弱い日本人と言われますが
 そのかけらもありません。

 なぜなのでしょうか。

 ①突出した選手がいない
  日替わりで殊勲者が登場するという感じでした。

 ②西村監督の采配がうまい
  「和」を重んじながら、「自分勝手・自由」を制限した。
   ユニホームの着こなしや髪形も指導。
   猛練習を課し、オーダも頻繁に変えずに安定させた。
  長打を避け安打狙い
   金森打撃コーチの指導も良いようです。
  奇をてらう作戦がない
   オーソドックスで分かりやすい。1種の見える化です。
   選手が方向が読めて安心できます。
   この例として、以下がありました。
   最終戦で好投していた内投手を、
   9回の守りで替えました。
   手堅くセーブ主体の投手で締めくくるのは定石です。
   しかし、これは裏目に出て同点になってしまいました。
   私は、これは監督の判断ミスだと思いました。
   この判断ミスが尾を引き、
   日本シリーズ敗退となるのでは、と思いました。
   結果的には、延長12回に点を入れて勝ちました。
 
 ③チームワークがよい
  各自が責任意識が強く手を抜いていない、
  全員安打に近い状況が何度もありました。

 ④もめごとがない
  変なライバル意識もないようです。

 ⑤開き直っている
  もともとくらいマックスシリーズ出場は、
  諦めかけていたところからの生き返りです。
  ダメもとの精神で変なプレッシャがなかったのでしょう。

 これに引き換え相手チームは、
 それぞれ勝たなければならないプレッシャがあったようです。

 私流の解釈をすると、
 監督やコーチの指導も勝つという目的に徹して
 長打狙いではなく確実にヒットを打つという方針でした。
 ピッチャ返しのセンタ前ヒットが多く見られました。

 ロッテの選手たちも、
 (長打で)自分が成果を挙げて評価されることよりも
 チームの勝ちを目的にして行動したのです。
 勝たなければ、すべてが良くなりません。
 ベンチに引き下げられても不満そうな顔をしませんでした。
 自分が下がった方がチームの勝ちに繋がる
 のだと思うからです。

 そう思うようにしたのは
 やはり監督の力量でしょうね。
 
 それにしても勝敗を左右するのは、
 少なくとも短期勝負では投手力ですね。
 投手が崩れてしまうといくら得点しても追い付きません。

 歴史に残るのは、
 1958年の日本シリーズでの稲尾和久投手の活躍です。
 (全試合に登板して4勝2敗で西武に優勝を齎しました)
 
 高校野球もそうです。

 ところで、
 このロッテの大逆転勝利に野村克也氏は批判的です。
 「ソフトバンクが144試合戦って獲得した
 リーグ優勝の価値を低下させた」と言うのです。
 
 かたや、江本孟紀氏は
 「大したものだ。
 (大逆転・下克上と言うけれど通常リーグでの)
 ソフトバンクとの白星の差はわずか1つだ」

 見方によって評価は違うものです。

-------------------------
 そのような例では、11月13日の朝
 興味深いテレビ番組がありました。

 それは、尖閣諸島の漁船衝突の44分間の(流出)ビデオを
 日本人学生3人、日本にいる中国人学生3人に見せて
 意見を聞くというものです。

 なんと中国人の感想は、
 「自分の領海で漁をしているのを何で追っかけてくるのだ」
 「当たっていない。並行して走っただけだ」
 「追い詰められたら当ってしまう」
 というものです。

 画面を見てもそう思うのですから、
 画面なしだったら、いかようにもアナウンスできるのです。

 マスコミの報道にも気をつける必要があります。
 画面は絶対と思ってはいけません。
 その画面は真実でも、
 そこまでの経緯によって違う解釈が可能です。

 衝突場面でも、航空写真で全経緯を映していれば、
 反論の余地はなかったでしょう。
 せいぜい、
 前述の意見では1番初めだけが言えることになります。
-------------------------
 ロッテの優勝の状況を、
 会社の経営に引き直してみるとどうなるのでしょう。

 上述のロッテチームのあり方は
 一つの勝ちパタンです。

 どのチームも選手の力には何倍もの開きがない状況です。
 その状況下では、
 戦略よりも選手個人の力を余すところなく引き出すことが
 勝ちに繋がるのです。
 右肩上がり時代の大企業はこのパタンで勝てたでしょう。

 日本としては、このパタンで勝ちたいところです。
 このパタンは、日本の歴史から言って、
 おそらく日本が他のどの国よりも得意でしょう。

 ところが、現在のビジネス界は
 試合のルールがないところでの戦いのようなものです。
 どういう戦略で臨むかが非常に重要です。
 ここでは強いトップのリーダシップが勝負となります。

 ソフトバンクの孫社長、楽天の三木谷社長、
 ファーストリテーリングの柳井会長兼社長、
 今は若干苦戦ですが吉野家の安部社長、
 日産のゴーン社長、松下電器の中村社長(当時)、
 サムソン電子の李会長(当時)などが、
 この好例で、創業から大発展を成し遂げたり
 中興の祖となったりしています。

 投手力は経営で言うと何でしょうか?
 勝利の決めてという意味では、
 広い意味の技術力でしょうか。

 ロッテの優勝は
 この厳しい後ろ向きの日本社会に
 ある意味での希望や夢を与えてくれました。

 何とかこの「美型」を残していきたいものですね。

TPPに参加しないのですか??

 突然また新しい3文字略語です。

 TPPの元祖4国
 (ニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイ)
 がTPPを創設したのは2006年なのに、
 一般に知られだしたのはごく最近です。

 米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアが
 参加の意向を表明して協議中です。
 
 Trans-Pacific Patnership(環太平洋経済連携協定)と言い、
 数年の間に相互の国の間では、物だけでなく、
 サービス貿易、政府調達、知的財産権などあらゆる取引
 の関税を0にするという協定です。
 労働の移動も自由にするという含みもあるようです。

 日本では、このTPPに参加するか否かで
 国論が割れています。

 反対は、今のところ農業関係者です。
 関税が0になったら日本の農業は壊滅し
 安全な食料自給率も維持ができないと言うのです。
 
 賛成派は、これに参加しない場合、
 参加した国との競争に勝てず
  日本の産業の発展は期待できない、と言います。

 仮に韓国がこれに参加して日本が参加しない場合、
 日本の製造業がどのくらい影響を受けるかの試算
 も行われています。

 客観的に見て加入しない手はないのです。
 日本の国の経済的発展を目指す、
 またはその破たんを回避したいならです。

 260万人しかいない農業就業者のために
 残りの6000万人の就業者が犠牲になることは
 あり得ません。

 日本発展の目的を追求しないことは
 考えられないのですから、
 まずは、TPP参加の結論はありきです。

 当然ながら、自由貿易協定はTPP一本に絞るのではなく
 TPP参加と並行して他のFTA等は実現してしかるべきです。

 次は、そのための制約条件となる農業をどうするか、です。
 まずは、農業対策のための資金枠を確保すべきです。
 他の産業が衰退するリスクを回避するのですから
 当然その原資は確保できるはずです。

 農業対策として何をすべきか、ですが
 農業生産として何をどの程度残すかの方針を決定します。
 競争力のあるユニークな農産品がたくさんあります
 (米だって輸出しているのです)。

 さらなる生産の集約化も必要です。

 今の食料の自給率の計算はいい加減です。
 10割の自給率は別として、
 「4割だったら安全で2割だったら危ない」
 という根拠はありません。

 「危急のとき」はいつ起きる可能性があるのか、
 その時はどうやって対応するか、
 を検討しておくことが重要です。
 コンティンジェンシ・プランです。

 しかし、最終的な答えはあるのでしょうか。
 全地球的な飢饉状態になったらどうにもならないでしょうね。

 取り残される農業からの失業者をどうするか、が問題です。
 多くの農業従事者は、かなり高齢化していますから、
 年金のような制度で救済して行くことになるのでしょう。


 すなわち、この問題の対処方針は以下のとおりでしょう。

  日本の経済・産業の発展を第1目的にする
         ↓ 
  その目的のためにTPPに参加する
         ↓
  農業対策は万全を期する


 この方針で、
 強い立場でTPP参加交渉を推し進めるべきです。
 農業がどうのこうのと言っていたのでは、
 当方がお願いしても加盟させてもらえません。

 このテーマは「目的は何か」の典型的な題材です。

2010年11月1日月曜日

尖閣諸島問題 その2

 尖閣諸島問題については9月27日に
 第1回の情報発信をしました。
 
 その時の結論は以下のとおりです。

 中国の覇権主義(中華思想)には最大の注意を払うべきである。
 (小沢一郎氏の朝貢はとんでもないことである)
 中国はこちらが譲歩するとつけこんでくる。
 (だから不当な要求は受け付けるな)
 国際社会を味方にして戦え。
 (国際社会の多くは中国の脅威を感じている)

 その後の動きは
 前原外務大臣の活躍等により
 ほぼこの筋書きで進んでいるようです。
 結構なことです。

 菅総理が余計な口出しをしないことを期待します。

 10月24日フジテレビの報道2001で
 石原都知事の意見を聞きました。
 
 なぜか当日は、いつもと違ってあまり攻撃的ではない発言でした。
 「尖閣に自衛隊が駐屯して実効支配したらよい」
 くらいが目立った主張でした。
 これだけでも発言としてはすごいことですけどね。

 他に分かったことは以下の点です。

 1.1978年に(石原氏が衆議院議員の時に?)
  尖閣諸島に自分たちの資金で灯台を建てた(現存している)。

 2.尖閣諸島は個人(埼玉県人)の所有である。
  石原氏が最近、土地所有者に譲渡を申し入れたが応じない。

 もしこの島を中国が買ったらどうなるのでしょう。
 「日本国の領土だが所有者は中国人」となると、
 国と個人の権利等はどう調整されるのでしょうか?
 さらに、ややこしいことになりそうです。
 
 日本では外国人の土地所有を認めていますが
 認めていない国もあるそうです。
 それが正しいでしょうね。

 お金のある中国人が
 どんどん日本の土地を買っていったらどうなるのですか。
 現に北海道の山林とかずい分外国の人が買っているらしいですよ。

 日本に住んでいる外国人に選挙権を与えるのも
 同様の問題状況です。

 中国で起きている反日デモについては、
 多くの識者が言っているように、
 放置が得策です。
 
 中国のトップは国内の政府批判(格差の是正、貧困の改善要求)
 が恐ろしくて強く出れない状況です。

 日本は、現在その作戦をとっているように
 じんわりと東南アジア・米国中心の世界を味方にして
 中国に無言の圧力をかければよいのです。
 そうすれば、日本を甘く見ることはないでしょう。

 経済は切り離して、とぼけておきましょう。
 いま、日中取引中止となったら中国だって困るのです。
 中国は3年前の共産党中央委員会で、重点投資対象として、
 資源、技術、市場の3領域を挙げています。
 技術の導入先は何といっても今は日本なのです。

 ところで、今回の折衝過程で重要なことは
 何のための折衝か、ということです。
 それは「日本の領土を守る」ことのはずです。

 その目的で臨むのと、
 中国は重要な隣国だからうまく付き合っていこうとする
 「戦略的伍恵関係を維持する」ことを目的とするのでは
 交渉のスタンスが違います。

 石原都知事の方針は「日本の領土を守る」ということで明確です。

 「みんなとうまく付き合って行こう」は
 日本の長年の農耕文化の中で育まれた日本的思考法です。
 これは日本国内では大変結構な対人関係手法ですが
 国際社会では通用しません。

 尖閣諸島問題でも「目的は何か」の思考法は有効なのです。

 日本の領土を守るために前原大臣頑張れ!!!
 前原大臣が本件で頑張れば、
 後世で、民主党政権になった甲斐があった
 と言われことになってもおかしくないという気がします。

事業仕分け第3弾が始まりました

 事業仕分け第3弾の前半戦(戦いなのですか!)が終わりました。
 その成果は、4特別会計、8事業が廃止勧告
 予算削減は最大6000億円から1兆円ということのようです
 (報道機関によって幅があります)。
 4特会・8事業以外ですが予算削減対象となったものがあります。
 年金特別会計は、876億円の来期予算の2割削減でした。
 この中には年金特別便なども含まれていますが、
 基本的な部分は宙に浮いている分の照合作業です。

 この照合作業は鳩山さんが「半年で完全な照合をやります」
 と言って始まったものです。
 その後どんどん納期延長・予算追加が行われて
 それでもいつ終わるともしれない作業です。
 
 1件照合するのに5千円から1万円もかかるということで
 その効果を疑問視されているものです。

 そもそもこの問題は単純な事務作業の方法の話です。
 私も若いころに売掛金の照合問題として
 ずい分エネルギをかけてその改善方法に取り組んでいました。

 照合のノウハウは基本的に同じです。
 そういうことを知らない人たちが見通しもなく
 いい加減な方法でアルバイトやパートを使って作業をしていれば
 生産性が高いはずがありません。

 この照合作業も目的を明確にする必要があります。
 不一致分を無くするのが最終目的でしょうか。
 国民に不利益を与えないまたは不満を与えないということを
 最終目的にすべきではないですか。

 だとするとまずは、重要性の原則の適用です。
 不一致には金額の大小があるはずです。
 線引きをして金額の大きなものについて照合作業をします。
 おそらく、これで対象件数は1割程度になるでしょう。

 次いで、照合できない分については、
 申し出でがあったものについて
 状況証拠等を含めて本人の主張を検証して決着をつける
 ことにすればよいのです。
 これは現在も行われているようです。

 誰がその判断をどういう基準で行うのか
 の見直しが必要かもしれません。

 そのような抜本的な方法を考えれば2割削減とか言わずに
 半分とかそれ以下で決着できるのではないかと思います。
 勿体ないことです。

------------------------------

 驚きだったのは、埋蔵金ではない
 埋蔵借金が続々明らかになり

 最大は社会資本整備特別会計の場合は33兆円にも及ぶということです。
 民間の場合であれば破産しているのでしょうが、
 国の事業の場合は紙の上の計算だけですみますので
 こういうことが起きるのでしょう。

 事業仕分けをしないとこういうことが明らかにならないのは
 信じられないことです。
 おそらく関係者等や専門家は知っていたのでしょう。
 マスコミも国民の大多数も知らなかったのです。

 国の経営状態の全貌を見える化すべきです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 この第3弾開始の前日10月26日に
 「構想日本」の主催で
 「事業仕分け・オリジナル ―仕分けの本当の意義と生かし方―」
 というフォーラムが開催され参加してきました。

 あまり知られていませんが
 構想日本は事業仕分けの事務局(の一部)を担当しているのです。
 前身は日本船舶振興会です。
 
 このフォーラムはパネルディスカッション形式でしたが、
 この形式としては珍しく充実した内容でした。

 討論者は
 衆議院議員の河野太郎氏・山内康一氏、
 自治体で仕分けに関わっている方4人、
 司会役は学習院大学教授野中尚人氏でした。

 私としての収穫は以下のとおりでした。
 1.自治体でもずい分事業仕分けが行われている。
 
 2.事業仕分けは「公開処刑」だ、と言われることがある。
  ・これはマスコミにも責任がある。
  ・蓮舫さんの派手な追求にたじろぐ官僚などの報道ばかりをして 
   地味な検討の場を報道していない。
  ―そのとおり―

 3.事業仕分けの権限があいまい。
  ・事業仕分けの結論は命令ではなく勧告・参考意見である。

 4.事業仕分けの結論の結果がどうなったかを
   フォロする仕組みが明確でない。
  ・したがって、言いっぱなしとなる危険性が大きい。
  ・勧告なので、単純に従わなくてもよいが、 
   従わないと民主党や政府から仕打ちを受ける可能性があるので、
   表向き解散などを行い、別法人で同じことを継続するなどが行われている   
   (この例は10月31日のフジテレビの朝の番組報道2001で
   紹介していました)。

 5.事業仕分けの効果としてこういう面もある。
  ・省庁では「予算を採るのはリスクである」と考えるようになってきた。
  ・従来は予算を取るのが仕事で、それで終わりという感じであったが、
   今は、その成果がどうなっているかを追求されるので、
   そこでミソをつけるとまずいことになる、と考えるようになった。
  ―これは大変良いことですね―

 6.事業仕分けされなければならない状況が発生するのはなぜか。
  ・議員は予算書の項目名しか見ていない。
  ・予算委員会の予算審議の際にも実質的な内容審議はほとんどされていない。
  ・予算の執行状況や執行成果がどうなったかを審議すべき
   決算委員会はほとんど開かれたことがない。
   (10月31日の報道2001で
   石黒不二代ネットイヤーグループ代表(初登場)が
   計画や予算に対する結果を追求しないことは
   民間企業では考えられないことと発言していました。
   そのとおりです)

 7.無駄を温存する原因には、官庁・自治体体質もある。
  ・職員が問題をまき起こすことについては強いバッシングがされる。
  ・そのため、職員は問題意識を持っても頬かぶりしている。
   (改善しない)
  ―おそらく、こっそり情報提供を受け付ければ
    沢山の事業仕分けのネタが見つかることでしょう―

 8.事業仕分けは自民党でも自治体でもやってきていることである。
  ・今般、テレビで公開したので知られるようになっただけである。
  ―しかし、公開の効果は大きかったですね―

 9.事業仕分けの効用は、こういう点にもある。
  ・事業の整理でメリットを受けるのは納税者だが、
   そのメリットは一つずつ見ると薄い。
  ・それに対して削られる方は痛い、仕事がなくなったりする。
   当然抵抗がある。
  ・このためいったん始まった事業は
   当事者ではなかなか切れないという面がある。
  ・それを第3者の立場で整理を行うのである。

 10.事業仕分けの対象は、以下のようなものである。
  (明らかな無駄はそう多くない)
  ・制度創設時は必要性が高かったが、今はそう高くないもの
  ・コストパフォーマンスが悪いもの(他の方法の方が有効)
  ・その制度・事業の有効性の判断は専門家でないとできない面がある
   (スパコン開発の必要度など)が
  ・その経費の使い方に関しては疑問を持ちうる。
   (たとえば、休園中も開園中と費用が同じなど)
 
 11.地方自治の特色は、地元密着で施策が実施できる、
  ・地元と人間関係が強い、という良い面がある半面
  ・声の大きい人の影響を受けやすいという欠点がある。 
  ―なるほど―

 結論として、
 強力な第3者が入って違う目で事業を見ることは有効です。
 民間ではコンサルタントに事業診断を受けることに相当します。

 私たちもずい分そのような役割を果たしましたが
 提言・報告の多くは社員から聞き出したことでした。

 事業仕分けと目的論との関係で言えば、
 事業仕分けは何のために行うのかということを
 明確にしてそれを明示すべきです。

 私どもの研修でも、
 目的・ねらいを明確にすることは重要ですが、
 それを周知させることがもっと重要だと言っています。

 事業仕分けの目的がはっきりしていないために
 「削減金額が少ない」などと言われてしまうのです。

日本ITストラテジスト協会 創立10周年記念イベントのお知らせ

 日本ITストラテジスト協会(旧、日本システムアナリスト協会)は
 今年創立10周年を迎えます。

 その記念イベントが
 以下の内容で開催されます。

 ~ 日本のビジネスよ、浮上せよ! ~
 2010年11月6日(土)13:30~17:30 (受付開始 13:00)
 秋葉原UDXカンファレンスにて開催!(JR秋葉原駅から徒歩2分)

 【基調講演1】- ITによる事業革新‐
 セコム株式会社 取締役会長 木村 昌平様

 【基調講演2】- 岐路に立つ日本のIT人材 -
      (広がるITストラテジストの役割)
 独立行政法人 情報処理推進機構 理事 田中 久也様

 【パネルディスカッション】
  - 失敗事例から学ぶITストラテジストの役割 -
 モデレータ:日経BP社 コンピュータ・ネットワーク局長                          
                         桔梗原 富夫様
 パネリスト:JISTA会員4名

 *パネルディスカッションは当日、Ustreamにて放映

 【参加費】 JISTA会員:2,000円  一般:3,000円

 詳細は以下をご参照ください。
 http://www.jista.org/modules/area/index.php?content_id=33


 このイベントの中で上野が
 「パネルディスカッション」のパネラとして登場します。
 これまで見聞してきた失敗事例の一部をご紹介するものです。

 ご関心のある方はご参加ください。

保守業務の改善の研究会、成果が出始めています!!

 ㈱データ総研とシステム企画研修㈱の共催で進めております
 SLCM研究会ですが、
 昨年と今年は保守業務に焦点を当てて研究をしております。
 保守の対象範囲はソフトウェアです。
 研究メンバは、主催者側を除いて14社23人です。

 10月28日に今年度第3回目の研究会を開催しました。
 その成果は
 「障害削減に焦点を当てた保守プロセス整備」というタイトルの
 対策集です。

 保守業務を13プロセスに分け、以下のような整理を行っています。

 例:
 影響範囲調査・確認のプロセス
 障害に結びつく問題点:
  連携のない類似する別業務の影響範囲の確認漏れが起きる  

 原因:
  要望に別業務が入っていない。
  また、開発も業務を理解していないため指摘もできない。

 対策:
  ・業務フローを整備する。
  ・業務フローの要素、類似業務の関連をリポジトリで管理する。
  ・メンテナンス作業の中で類似業務を開発する際には
   台帳への登録を実施するよう手続きを定める、
  ・あるいは既存手続きのこの部分を強化する。

 問題点は70件、対策は150件に及んでいます。

 第3回研究会では、この対策集の活用法も検討し
 以下のような活用をすればよいということになりました。

 ①対策の部分をチェックリスト化して、
  新しく保守業務を決める際または改善する際に用いる。
 ②問題が発生した時に、
  原因究明または根本対策を検討することに用いる。

 とにかく、すぐに使えそうな成果物ができ上がったのです。

 次の第4回では同じ手法で
 保守業務の納期短縮・コスト削減を検討することになりました。

 ご関心ある方はお問い合わせください。

  田村八重子 電話03-5695-3130
           Mail tamura@newspt.co.jp

今年は銀杏が不作でした?

 銀杏は年によって豊作不作があるという人がいます。
 私はその説には賛成していません。
 その木ごとに年により豊作不作があるのだと観察しています。

 しかし、今年は猛暑のせいか全般的に不作でした。
 今まで収穫対象であった木の何本かが
 ほとんど実をつけないという状況でした。

 台風が来なく、したがって大風や大雨がなく、
 実が一気に落ちなかったことも
 不作の印象を強くしていました。

 成熟した銀杏は風や雨(特に風)に弱いのです。

 私は、毎年5千個以上は収穫しているのに
 今年は多くて3千個どまりかな、と思っていました。

 そうしましたら、10月26日夜半に少し強い風が吹きました。
 
 これは今年最後のチャンスだと思い、
 27日に早起きして、6時ころ、まず近所の小学校に行きました。
 小学校の校庭に植えてあるイチョウの枝が道路に出ていて
 実が道路に落ちるのです。
 残念ながら、実のたくさん落ちている校庭には入れません。
 (写真1 第1猟場の校庭)


 その第1猟場に到着すると、びっくりしました。
 なんと本当に同着で一人の男性がいるのです。
 
 大きな実が沢山落ちていましたから
 二人とも必死で採りました。
 ものの2.3分でその現場の銀杏はなくなりました。
 5分遅れたら全くありつけなかったことになります。

 タイミングというのはありますね。

 その日、私の基本猟場である蘇峰公園に行きました。
 (写真2 基本猟場 蘇峰公園の門)



 9時の開門と同時に入るのですが、
 なんと、ここではいつもの採集仲間が一人も来ていないのです。

 公園の中に入ると、
 晩熟(おくて)の木の下にびっしりと落ちているのです。
 (写真3 蘇峰公園、3本のイチョウの下にギンナンが落ちている)


 (写真4 蘇峰公園、正面の樹から実は小さいがたくさん落ちる)

 
 (写真5 蘇峰公園、写真4のあづま家の横の流れに集まっているギンナン)



 競争相手の常連さんたちはなぜ来ないのかと思いました。
 彼らは近所の奥さんたちだったり定年後の男性ですから
 私と違って毎日通っているのです。
 
 この前日ころはほとんど落ちていなかったようですから
 (管理人さんからの情報)、
 もう今年は終わりだと思ったのでしょう。
 あるいは、
 もう十分採ったから終わりということにしたのかもしれません。

 それはともかく、競争相手がいないのですから
 短時間に良い実を2500個くらい採りました。

 まだ1000個くらいは残っていましたが、
 入れる袋がなくなったのと、
 仕事にも行かなければなりませんので、諦めました。

 当日の収穫で、5000個を超えましたので
 もう終りにしようと思っていました。
 そうしたら10月30日に台風が来たのです。
 銀杏マニアとしては、
 「これはどうなっているか見届けなければならない」と思いました。
 
 31日に早起きして、先日のことがありましたから
 明るくなるのを待って5時半ころに第1猟場に行きました。
 そうしましたら、1個も落ちていないのです。

 1個もないということは先に誰かが来て採っているのです。
 夜明けの1番乗りだと思っていたのにがっかりでした。
 もう銀杏が欲しいのではありません。
 考えたことの成果がなかったことが悔しいのです。

 この場合の私の目的は、
 銀杏を得ること自体ではなく、
 仮説が成立して収穫ができること、だったのです。

 状況は推定できました。
 東京の都区部は街灯がついています。
 夜でも道路を明るく照らしていますから、
 銀杏が落ちているのは分かるのです。

 前日夕刻には嵐が収まりましたから、
 その直後に採りに行った人がいたのでしょう。
 
 第2・第3の猟場も同じでした。
 一つ経験知識が増えました。
 (写真6 第2猟場の見事なギンナン)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 第3猟場は神社の境内です。
 (写真7 第3猟場の入り口)

 
 (写真8 第3猟場のイチョウの樹々)



 樹の下の地面には全く落ちていませんでしたが、
 その横の塀の外に30センチくらいの幅の石垣の上縁部があります。
 そこに30個くらい落ちていました。

 この現場に採りに来た人も手が届かないので
 そのままになっていたものでしょう。

 そこで私は、1メートルほどの棒を探して
 その銀杏を3メートルほど下の道路に落としました。
 細い棒の先で小さな銀杏を突っつくのは結構一仕事でした。

 漸く落とし終えて
 神社の境内から回り込んでその道路に行ってみると、
 6時前でほとんど人がいないときなのに
 なんと、私が落とした銀杏を拾っているオバハンがいるのです。
 犬の散歩をしていました。

 こんな絶妙のタイミングで、びっくりしました。
 そこへの到着時間はせいぜい30秒の差でしょうね。
 「すみません。その銀杏は私が上から落としたものです!」
 と叫びました。

 そうしたら、そのご婦人は
 「そうですか」と言って銀杏を入れた袋を私に差し出すのです。
 
 その時私も冷静になりました。
 「まあいいや、自分は銀杏自体を欲しいのではない。
 びっくりしただけだ」と思い、
 「いいですよ。差しあげます」と言いました。

 婦人は「そうですか」と言って、
 感謝のぞぶりも見せずにあっさり行ってしまいました。
 道路に落ちている銀杏は拾った人の物ですものね。

 それにしても、こんなどんぴしゃりのタイミング、
 というのはあるものなのですね。
 今回は同じ状況を2度も経験しました。

 たまたま運命の2人の時間軸が交差して会う、
 ということがあるのでしょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 この日・10月31日も9時に蘇峰公園に行きました。
 27日にほとんど落ちてしまったのでしょう。
 台風の大風があったのに、それほど多く落ちていません。

 この日も競争相手がいませんでしたので
 (これは例年にないことです。毎年顔を合わせていた
 近所のおばあさんも姿を見せません。心配です)、
 
 若干小ぶりでしたが、一人で2000個くらい採りました。
 これで本当に今年は終わりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 今年の成果はもう一つあります。
 それは、銀杏の収穫方法です。
 
 今年の中盤から蘇峰公園で一緒になるご婦人がいました。
 その人は、右手に昔の火鉢に使うようなバネで開閉するハサミを持ち、
 左手に直径20センチくらいのお皿状の器を持っていて
 それに一つずつ入れていくのです。

 「かぶれるのが嫌で手袋を使わないのだろうな、
 これでは遅くて競争に勝てないだろう」
 と思って見ていました。

 するとなんとその動きが早いのです。
 1個収穫するスピードが、どうも我々より早そうです。
 分析好きの私としてはなぜだろう、と考えました。

 そうすると分かりました。
 ハサミではさむ技術は訓練で早くなっているのでしょう。
 挟んで器に持っていくまでは手の動きの早さが勝負で
 それは若さの関数でしょう。

 ところがそこから先がお皿方式が早いのです。
 我々は食品等のポリ袋を使っています。
 左手にその袋をぶら下げていますが
 採った銀杏をその袋に入れるには
 袋の口の隙間に押し入れなければなりません。
 これが意外に手間取っています。

 右手は単純な地面と袋との往復運動をしているようですが、
 袋に入れる段階に若干の停滞時間があるのです。

 単位時間当たりの収穫量を増やすという目的のためには
 袋などの器に入れる段階を改善すべきだということなのです。

 そのご婦人はそのことが分かってされていたかどうか
 定かでありませんが、大したものです。

 私は、その次から我が家の台所にあった
 直径30センチほどの竹で編んだザルを使いだしました。
 たしかに早いし、袋に入れるときのストレスがなく
 大変スムーズに採集活動をすることができるようになりました。
 別の男性に「新兵器を持ってきましたね」と言われました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 今年の総決算は8000個くらいで
 個人的には豊作ということになりました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 沢山採れるのは嬉しいことですが、
 その後の加工も結構大変です。
 そのプロセスをご紹介しましょう。
(写真9 ギンナンの加工場)


 1.採ってきた銀杏を水を入れた大きなポリバケツに漬けておきます。
  (写真9の1番手前)

 2.大きなごみ袋に入れて片足で踏み、紅いコロモを大よそ分離します。
  (写真9の大きなポリバケツの右上)

 3.小さなバケツに少しずつ移して、水を入れて流します。
   コロモは軽いので先に流れ出ます。
  (写真9の下から3番目)

 4.残った銀杏の実を選別します。
   割れているとか、芽が出かけているとか、ごく小さいとかは捨てます。
  (写真9の青いバケツから隣の大きなザルで受けて、
   カスはピンクの金だらいへ、実は小さなザルへ)

 5.その後、あらためて洗剤を使ってコロモの残りかすを洗い流します。

 ここまで、1000個処理するのに1時間程度かかります。

 6.これをざるやトレイに入れて乾燥させます。
  乾燥しきるまでは独特に匂いがして家の中には置けません。
  今年はからっと晴れた日がほとんどなく乾燥には何日もかかりました。
  好天で1日で乾いたものの方が美味しいようです。

 趣味の話になると長くなりますね。
 何ごともなく、これで終わりです。

2010年9月30日木曜日

多忙は怠け者の遁辞である

 これは徳富蘇峰氏の言葉のようです。
 遁辞は言い逃れ・言い訳という意味です。
 私のジョギングコースにある神社の掲示板に載っていました。

 「(時間がないというが)時間は作るものだ」
 というのも同じことを言っています。

 短時間で仕事をさばくのが「できる人」です。
 このことで思い出すのが、
 当時日本電気の専務であった西垣浩司氏です。
 私の友人の紹介でお昼に食事をしながらお会いしました。
 こちらからの頼みごとだったのです。

 話を聞かれた西垣氏は直ちにその場で部下に電話をしました。
 お昼休みでしたから、いませんでした。
 その日の午後、その部下の方から電話がありました。
 西垣氏の責任は果たせたのです。

 普通であれば、「お昼であるから連絡は後にしよう」
 と考えるではないですか。
 そうすると、仕事の在庫が増えてしまいます。

 仕事の在庫を増やさないで
 テキパキさばく人が仕事ができる人です。
 西垣氏はその後社長になられました。
 やはりそうか、と納得がいった次第でした。

 西垣氏以外にも
 多数の友人知人に頼みごとをしました。
 できる人は行動してくれました。
 「分かりました。考えます」のタイプの人は
 結局偉くなっていませんね。

 この時、西垣氏を紹介してくれたのは
 大学で同級のH君でした。
 H君も優秀で幹部候補生でした。
 行動の人だったのです。
 残念なことに体を壊して、
 奥さまは社長夫人になり損ねました。

 もう一人の優秀な同級生K君は
 一流商社の社長候補でしたが、
 非常に残念なことにガンで「夭折」してしまいました。
 その時は、子会社の社長でした。
 医者から寝ていないと命を落とすと言われながら、
 株主総会を優先して、亡くなったのはその次の日でした。
 壮絶な戦死の印象でした。
 彼も私のために動いてくれました。

 仕事を全うするには健康が第一ですね。

 話を戻します。
 その場で判断せずに待つ場合は
 判断するために何の情報が不足しているのか、を考えます。
 情報不足では的確な判断ができません。
 
 その不足情報はどうすれば入手できるか、を判断し、
 不足情報の入手の手配をします。
 こうすれば、情報が入手できた時には判断が可能となります。

 「そのうち、考えよう」は致命的です。
 行動しましょう。

2010年9月27日月曜日

わが子虐待、親の責任放棄、どうする?

 最近次々と、親が親の責任を放棄して  
 何日も小さい子供を放置して死に至らしめたとかいう
 悲惨な事件が報道されています。

 「何というむごいことを!」と、
 その親を張り倒したい気にかられる位とんでもないことです。

 どうすべきなのでしょうか、
 連絡を受けた生活指導員や警察がもっと積極的に介入すべきだった、とか言われています。

 そうでしょうか?
 そういうことが起きている背景・事情は千差万別です。

 そうして、これを起こしている親は
 基本的には一般社会の常識からいうと異常者なのです。

 昔だってこういう人はいたのでしょう。
 報道されなかっただけのことです。
 自然に淘汰されたのです。

 そういう異常事件を
 社会の仕組みとして救済するのは基本的に無理です。

 その発生率はどのくらいあるのですか?
 マスコミがとりあげるので
 さも多くの事例があるように見えますが
 コンマコンマ以下の発生率です。

 そのために国や自治体が何とかしようというのは、
 その発生原因が多岐に亘るのですから、
 手間ひまがかかり過ぎです。

 異常者はある率で発生するのです。
 これは受け入れざるを得ない社会的リスクです。
 そういうことがある、ということを社会が知ることは
 それなりの意味があるでしょう。

 そうして本人たちにとっては大変なことだし
 何とかしてあげたいとは思いますが、
 これを救う、あるいはそういうことが起きないようにするには、
 気の遠くなるほどのことを実現しなければむりでしょう。
 その前にやるべきことはたくさんあります。

 何万人という求職難民を救う方がはるかに大事です。
 そのような価値判断をして
 マスコミも社会も行動してほしいですね。

鈴木宗男氏の有罪確定

 鈴木宗男氏がとうとうあっせん収賄罪等での有罪が確定し、
 収監されてしまいました。

 氏は、利益誘導型の政治家で
 豪放磊落的な性格もあり地元では人気者でした。

 この方も、職業倫理の不備です。
 地元の発展に貢献するという目的は結構なことです。
 特にその地元は北海道という低開発地域でしたから。

 その目的を達成するに当たっては、
 その政策の実現によって利益を受ける事業者等から
 接待等を受けてはいけない、ということは承知していたでしょう。

 しかし、頻繁に接触していたりすれば
 「その辺で一杯やりますか」というところから始まって
 次第にエスカレートしていったことは想像に難くありません。

 「その辺での一杯」はそれだけであったら、
 起訴されることにはならなかったでしょう。
 連続的な変化だと歯止めが効きにくいでしょうね。

 「ゆで蛙現象」
 「どこで間違えてしまったのでしょう?」
 です。
 
 相撲界の賭博問題もそういう点があるでしょう。
 賭け麻雀は誰でもやっていることです。

 そこから次第にエスカレートする時に
 どうやって踏みとどまるかは、
 理屈でそう簡単に割り切れるものではないでしょう。

 結果からみると
 明らかに大きな不法行為をしているのですが、
 マスコミが一方的に糾弾するのはどうかと思います。

 賭けマージャンをやったことのある多くの国民は黙っています。
 裏ではいい加減なのに
 表では「建前論の通る日本」と言われる所以です。

 以上を要約しますと、以下のようになります。

 「目的達成には、前提条件・制約条件がある」
 「当然ながら、法を守らなければならない」
 「建前論が強く裏表のある日本では微妙な点もある」

検事の不正

 びっくりしましたね。
 
 警察や検事は取り調べに対して
 かなり強引な誘導をしている、
 被疑者は疲れ果てて警察や検事の言い分どおりに
 調書にサインしてしまう、
 ということは公知の事実でした。

 そういうケースでは公判になると
 被告人は一転否定ということになっていました。
 
 ところが、今回の件はそうではありません。
 証拠品を改ざんしてしまうという
 れっきとした犯罪を犯してしまったのです。

 なぜこういうことになってしまったのでしょう。

 検事の仕事は「悪を暴き、不正を犯した者が処罰される」
 ように証拠を準備することです。
 検事の仕事の目的(職責)は有罪を立証することです。

 前田氏は「はかせ屋」と言われ敏腕の検事だったのです。
 とにかく「有罪を立証すること」を目的として仕事をするうちに、
 次第に「有罪であることにする」に転化し、
 手段を選ばなくなってしまったのだと思われます。

 倉本聡さんのテレビドラマ「歸國」の解説の時に
 http://uenorio.blogspot.com/2010/08/blog-post.html
 「どこで間違ってしまったのでしょうか」
 という大変示唆に富むセリフをコメントしましたが
 前田氏もどこかで間違えてしまったのです。

 第一、目的が正しくても、
 選択する手段が何でもよいわけではありません。
  
 企業であれば、
 コンプライアンス(社会的・倫理的責任)条件
 を守らなければなりません。

 食品偽装事件は利益追求目的のために
 手段を選ばなかった典型的事例です。

 目的達成には、選択する手段に対して
 前提条件・制約条件があるのです。
 この点は、当然のこととして明示されない場合が多いので
 注意が必要です。

 「売上予算を達成すること。ただしコンプライアンス条件を満たすこと」
 などと言いませんからね。

 検事の職務規定でも
 「被疑者に対して
 不正・犯罪行為につながるような強制等を行ってはいけない」
 などと書いていないでしょう。

 だんだんこのような当然の論理が通用しなくなってくるとすれば、
 一いちこのような前提・制約条件を明示しなければならなくなります。
 そうなると面倒なことになりますね。

 今度は、「前提・制約条件に記述されていなかったからやった」
 などということが起きかねません。


 以上、要約しますと、
 「目的達成には、前提条件・制約条件の明示も必要である」
 「どこまで前提条件・制約条件を明示すべきかは悩ましいところがある」
 ということです。

「マニフェストは何が何でも守る?」

 民主党代表選挙で敗れた小沢氏は
 「国民に約束したマニフェストは
 (何が何でも)守らなければならない」
 と主張していました。

 基本的にはマニフェストは守らなければ
 何の意味もありません。

 ですが、もう一歩踏み込んで考えてみるとどうなるでしょう。
 マニフェストは何のためにあるのか(マニフェストの目的は何か)
 を考えなければなりません。

 マニフェストの最終目的は、
 その党が異常でなければ
 最終的には「国を良くするため」です。

 民主党の衆議院選挙の時のマニフェストは
 財源の裏付けのないばらまき政策で、
 その後の政権運営の中でそのままでは実現不可能と分かって
 修正しつつあったものです。

 マニフェストの少なくともその一部は、
 総合的観点からは国を良くすることに必ずしもつながらない、
 という現実的判断をしていたのです。

 それは国民も理解を始めていました。
 それだからこそ、
 消費税増税についてもやむを得ないという世論が起きてきていたのです。

 その1年間の動きを無視して
 国民に約束したマニフェストは守らなければならない 
 と建前論だけを押し通すやり方は
 説得相手を愚弄したものです。

 小沢さんの主張が通らなかったということは、
 相手(投票権を持っていた人)が賢明であったということになります。

 マニフェストを通すという目的は、何のためですか、
 それを「ねらい」と言います。
 「マニフェストを通すねらいは何ですか」という問いかけになります。

 目的自体が価値を持っていないものは
 目的の目的(ねらい)が何であるかを考える必要があるのです。

 「マニフェストを通す」こと自体では
 価値を評価できません。
 マニフェストの中の「子供手当を満額支給する」とかになると
 価値を認める人と認めない人が出てきて、
 それは検討対象となりえるのです。

 以上を要約すると、こうなります。

 目的自体に価値がない時は、
 「その目的の実現は何のためか?」
 と考える必要がある。

 その目的の目的(=「ねらい」)を明らかにして
 「ねらい」で是非を判断しなければならない。

 ということです。

「雇用、雇用、雇用!」の間違い

 ご存じのように、「雇用、雇用、雇用!」と叫んだ
 菅直人氏が民主党代表選で勝ちました。
 雇用を重視することは、間違いではありません。
 
 参議院選挙の時には、菅総理は
 経済・産業の強化、社会保障の安定・充実、財政の破綻回避
 の3領域をすべて重視する、と言っていました。

 ところが、今回は「雇用」を前面に出したのです。
 何が最もアピールできるかという菅氏らしい「機」を見たのでしょう。

 しかし、雇用を真っ先に考えるという考え方は
 社会党や共産党の発想で、政策の優先順位としては正しくありません。

 この点につきましては
 10年7月号の「政策の優先順位」
 http://uenorio.blogspot.com/2010/06/blog-post_26.html
 で詳しく述べました。

 雇用を重視するなら、まず経済成長を考えなければならない
 ということです。
 
 雇用重視優先で、
 最低賃金を上げたり、製造業派遣を禁止したりすれば、
 日本の産業は海外に逃げ出し
 雇用減につながり逆効果です。

 目的を雇用増大に置くなら、
 経済成長を第1に政策を実施すべきだということです。
 
 目的=雇用増大→手段(打ち手)=経済成長

 という関係なのです。

 「菅総理は経済に弱い」と言われているようですが、
 そのくらいのことは分かっていただきたいものです。

岩倉具三氏の死を悼む

 岩倉具三氏は2010年9月10日に急逝されました。
 心から哀悼の意を表します。

 氏は明治維新の元勲と言われる岩倉具視氏の曾孫です。
 同じ曾孫には、直木賞作家の有馬頼義氏、
 哲学者の森有正氏、女優の小桜葉子さん(加山雄三氏の母)
 などがおられる華麗なる一族の出です。
 
 氏は、東大空手部で私の2年後輩でした。
 苦労して入学されたので、私より年長でした。
 気品のある風貌をしていましたが、
 年長ぶることもなく、
 大変人懐っこく誰からも愛されていました。
 
 氏も政治家を目指し、
 まずは自民党政務調査会に勤務しました。
 主として農林領域で活躍をし、
 まさに政治主導の政策・法律の立案に大きな業績を上げられました。
 (私は、氏を知る前には、
 政党にそのような組織があるのだということを知りませんでした)

 残念ながら諸般の事情から国会議員にはなれませんでしたが、
 自民党議員の全員から評価される存在でした。
 四谷の聖イグナチオ教会で実施された葬儀には
 谷垣自民党総裁も参加されていました。

 若干余談ですが、この葬儀ミサのときに
  「各お祈りの後、ご列席の皆様も
  『神よ、わたしたちの祈りを聞き入れてください』
  と唱えましょう。」
 という式次第の記述がありました。

 そこで気がついたことがありました。
 購読している雑誌「到知」の10月号に
 行徳哲男氏の言葉として、
   ケネディ大統領は就任式の時に
   「私たちに困難と闘う勇気をください」と言い
   「守ってくれ」とは言わなかった。 
   そのケネディの勇気に恐れをなして
   ソ連はキューバに核ミサイルを持ち込むのを
   諦めたんですよ。

 なるほど、ケネディは神様に受身のお願いをするのではなく、
 能動的な発言をしたのですね。
 受身のお願いが教会の指導からきていたのだということが
 分かったのです。

 やはり、ケネディは偉大ですね。
 そのような強さを国のトップには期待したいですね。
 (別項の「尖閣諸島問題」をご参照ください)
 「政治主導」を叫んでも、
 政治家自体は動き回る活動が忙しいですから
 具体的な政策立案は無理でしょう。
 どうしても官僚スタッフに頼らざるを得なくなります。

 しかし、政務調査会のようなところに優秀な職員が集まれば、
 有効な政策検討が可能となります。
 氏はその走りだったのでしょうが、
 誠に残念なことでした。

 その後はどうなっているのでしょう。
 政治主導を実現するには、
 まずは政務調査会等の存在をアピールして
 有為な人材を集めることから始めるのが
 早道なのではないでしょうか。


 氏は毎朝2時に起き、近所で空手の稽古をしていました。
 当日もその日課をこなして帰宅し
 家族のために朝食の準備をしている4時ころに
 突然死が襲ったのです。

 脳梗塞でした。
 ご家族はじめ周りの人たちはみんな
 「信じられない!!」ショック状態だったのです。

 今日お彼岸のお墓参りに行ってきましたら
 51歳で亡くなった方の納骨がありました。
 ご遺族たちは落胆の極みの表情でした。

 我々はどうしたらよいのでしょう。
 定期的に人間ドックに行く。
 日常、健康管理に留意する。
 ということ以外に、
 いつお迎えがきてもよいように
 身辺の整理をしておくことも必要なのでしょう。

 たぶん、これが一番重要なのでしょうが
 なかなかできませんね。

尖閣諸島問題

 大事件が起きています。
 日本の力を中国から試されています。 
 日本の領海で不当な行為をした中国漁船を
 海上保安庁の巡視船が取り締まろうとしたら
 その漁船がぶつかってきたというものです。
 
 その時の状況写真もあるようですから
 公務執行妨害での立件は十分可能なようです。
 
 中国側が強硬策に出なければならない国内事情もある
 という解説もありますが、
 それは重要なことではありません。

 「中国側が強く出ると、日本は妥協する」
 ということが前例になれば
 (すでに小さいことでは起きています)、
 中国側は味をしめてどんどん強気で出てきます。

 現に、被疑者の船長を釈放したら、
 「謝罪と賠償」を要求してきました。
 この先は領土・領海問題等でどんどん攻め込んでくるでしょう。

 中国と国境を接している東南アジアの国々は
 もっと中国の伸張を恐れています。
 その国々は日本の対応をかたずを飲んでみていたことでしょう。
 結果はがっかりでしょうね。

 レアアースの輸出を止めるとか、
 閣僚級の交流停止とか、
 日本への渡航の自粛措置とか、
 そんな一時的な影響を気にしていてはいけないのです。
 
 このまま行くとどうなるかの先を読む必要があります。
 もちろん強硬策を採った場合の影響も考慮が必要ですが、
 証拠写真があれば堂々と国際世論に訴えることが可能です。

 中国を重要な市場であると考えている国は多いのですが、
 かたやで脅威も感じています。
 必ず筋の通った強硬策は国際社会で受け入れられたでしょう。

 この際、前原外務大臣と岡田前外務大臣・現民主党幹事長が
 強硬策だったことは評価できます。

 しかし、それをだれが曲げたのでしょう。
 「検察の独自の大局的政治的判断だ」
 などの言い訳は通るわけがないでしょう!
 
 さらに問題を抱えているのは海上保安庁です。
 違法行為があっても取り締まれない、
 ということでは、現場の士気の維持はできませんね。
 日々どうやって業務に取り組むのですか。

 この件は、
 歴史的に見て間違いなく大きな転機です。
 そのつもりで、国のトップは信念を持って
 この問題に取り組んでいただきたいと思います。

2010年8月30日月曜日

 問題発見シリーズ その3 問題発見の本質

 問題発見シリーズは今回で一旦終了です。
 これまでの検討経緯をまとめると、こうなります。

  (今回の検討の発端)
   「なぜ危機に気づけなかったのか」(マイケル・A・ロベルト著)
  問題は見つけ出して(問題発見)
  上司に報告すべきである。

  (上野の解説)
  では何が問題か?
  問題とは「目標と現状の差」である。
  したがって、問題発見するには、
  問題の基になる目標設定をすることが必要である。
  目標の中で、最も重要なのは「目的・ねらい」である。

 今回の検討の発端になった
 「なぜ危機に気づけなかったのか」(マイケル・A・ロベルト著)
 の場は企業です。

 企業が達成すべき基本目的は、
 紛れもなく業績の維持向上です。
 これを阻害する要因が問題です。

 そこで、業績の維持向上を阻害する要因の中で
 以下の条件に該当するものが、
 上司に報告されるべきものとなるでしょう。
 
 これを明確に設定して、社内に徹底することが
 重要なガバナンスであり、
 経営「危機」を避ける道なのです。

  第1優先順位 どんなことでも報告
   CSR(企業の社会的責任)に関わること
   事業継続計画(BCP)に対するリスクに関わること

  第2優先順位 状況によって報告
   (以下は例示)
   当社の業績に影響を与えると思われる他社の動向
   責任担当範囲内だが、手に負えなくなる可能性のある事象

 第1優先順位での報告が、
 的確に行われるようにするための課題は、
 自社のCSRとBCPが何であるかを社内に徹底させることです。

 第2優先順位での報告が、
 的確に行われるようにするための課題は
 管理者教育でしょうね。

 それでも、報告すべき事象かどうかは、報告者の判断によります。
 したがって、報告せずに事後問題が大きくなった場合は、
 その管理者は管理者としての能力を疑われることになります。

 経営の「危機」を避けるための報告基準は
 これですっきりできるのではないでしょうか。

 これに対して、 
 「なぜ危機に気づけなかったのか」
 の以下の主張はなんと本質をついていないものであるか、
 お分かりいただけるでしょうか。

   フィルターを避ける(生の情報が来るようにする)  
   人類学者になる(現場重視で観察せよ) 
   パターンを探す   
   点を結びつける
   価値のある失敗を奨励する   
   話し方と聴き方を教える
   ゲームの録画を見る(ゲームは試合のこと)

 結論
 問題発見とは、目標設定をすることである。
 目標で重要なのは「目的・ねらい」である。
 「目的・ねらい」(目標)をどう設定するかで
 問題は変わってくる。

 「目的・ねらい」の重要性につきましては、
 再々ご紹介していることですが、
 別の機会に掘り下げたいと思います。

2010年8月25日水曜日

科学的とは何か。日本学術会議の判断に疑問!

 8月25日の朝日新聞1面トップに
 「日本学術会議 ホメオパシー効果否定
 医療現場に自粛要請」という記事が載りました。

 ホメオパシーとは、当日の記事によると
 「植物や昆虫、鉱物などの成分を限りなく
 薄めた水にして砂糖玉に染み込ませた「レメディー」を
 飲み薬のようにして使う民間療法。
 がんや皮膚病、精神疾患などほぼすべての病気を治療できる、
 と普及団体は主張している。

 欧州では200年の歴史があり、
 一部の国では公的医療保険も適用されてきた。
 しかし、治療上の効果はないとする研究が相次いで発表された。
 ドイツでは2004年から保険適用をやめた」
 のだそうです。

 会長談話の要旨は以下のようです。
 「ホメオパシーが医療関係者の間で急速に広がり
 養成学校までできていることに強い戸惑いを感じる。
 治療効果は明確に否定されている。
 今のうちに、医療現場から排除されないと
 深刻な事態に陥ることが懸念される」

 この談話の引き金になったのは、
 昨年10月に山口で起きた女児死亡事件(詳細不明です)
 のようです。

 ホメオパシーの普及を推進している
 ホメオパシー医学協会では、こうコメントしています。
 「ホメオパシーの治療効果は世界中で認められている。
 きちんと調査することもなく、
 荒唐無稽と断定する極めて非科学的な態度にあきれている」

 一部のホメオパシー普及者の行動に問題がある行動
 (高い値段で売りつけるとか、
 新興宗教的に通常の医薬・医療との併用を認めない、など)
 があるのは事実のようです。

 だからと言って、「治療効果は明確に否定されている」
 と言うのは言い過ぎではないでしょうか。

 本質はこうでしょう。
 「日本学術会議は、本当に治療効果がないと証明したのか。
 山口の件は、本当にホメオパシー治療が直接死因なのか。
 ホメオパシー推進派は、
 どうやってホメオパシーの効果を証明しているのか」
 です。
  
 通常の医療でも、複合原因で死に至ることがあるので
 山口のような事件は起こりえます。

 効果が全くないという証明は、効果があるという証明より
 難しいはずです。

 軽々に「治療効果は明確に否定されている」
 と断言することはいかがなものでしょうか。

 因みに、この記事は日本経済新聞には

 一言も取り上げられませんでした。
 経済には関係しない、ということでしょうかね。


 これで思い出すのが、次の件です。

 一時、テレビで「超能力」「超常現象」が人気だった頃がありました。
 その頃,Y大のO教授が、
 「そんなものがあるわけがない。
 我々の習った教科書にそんなことは書いていない」
 と切り捨てていました。

 テレビ局ではその主張を面白がって
 その教授を引っ張り出していました。
 
 ある超能力者の引退番組の時に
 その教授と(松田聖子の夫だった)神田正輝が実験台になりました。
 二人ともある時から肩を痛めて
 右腕を肩の高さより上にあげることができませんでした。

 ところが、引退する超能力者がその二人の肩をなでると
 二人とも腕が上まで上がるようになってしまいました。

 これには、O教授も愕然として何も言いませんでした。
 それまでは、「それは単なる偶然だ」とか「やらせだ」とか
 うそぶいていましたのに。

 O教授は、いい恥さらしでした。
 この恥さらしは、しばらくテレビに登場しなくなりましたが
 ほとぼりが冷めた頃、また出ていましたね。
 本当に恥さらしです。

 この頃、著名な科学者が
 「『証明されていないことはない』と言うのではなく
 『そういうことはあるかもしれない』と言うのが
 真の科学的態度である」
 と言っておられました。

 そのとおりです。
 ニュートンがリンゴが木から落ちるのを見て
 引力を発見しましたが、
 「なぜリンゴが木から落ちるか分からないから
 リンゴが木から落ちることは認められない」
 とはなりませんものね。


 もう一つのこれに関連した話題です。

 8月8日の日経新聞のコラム「ナゾ謎科学」の
 「科学と疑似科学の違いは?」で
 疑似科学とみなされている主な例として、

 透視や念力などの超心理学(これは変な用語です。正式には超常現象です)、
 ホメオパシー、占星術、UFO、マイナスイオン、などと並んで
 ABO式血液型による性格診断、が挙げられていました。

 「血液型と性格に関係がある」に対する反論で、
 それこそ荒唐無稽なのは、 医学者が
 (インタビュに答えているので軽い気持ちで言っているのでしょう)
 「ABO血液型の差は赤血球表面の糖脂質の突起の差である。
 そんなもので人間の性格が変わるわけがない」と言うのです。

 私の反論はこうです。
 「たかが、赤血球の突起の差と仰いますが
 その突起の差によって輸血の不適合が起き、死に至ることもある、
 重大なものなのではないのですか」

 多くの科学者たちは先入観で判断し、
 「証明されていないものは(事実として)認められない」
 という立場をとり、
 血液型と性格の関係については、
 女子供の遊び事である、とバカにしているようです。

 前述の高名な科学者の判断基準で言えば、
 皆さん真の科学者ではないですね。

 そこで私は、20年以上前から
 血液型と思考法に因果関係があることを証明しようと
 取り組んできました。
 
 因果関係の論理仮説から物理仮説まで立て終わり、
 証明をしてくださる先生を探し始めました。

 論理仮説はこれをご覧ください。
  http://www.ni.bekkoame.ne.jp/uenonorio/ketueki_A/ketueki_1.htm
 そうしましたら、
 赤血球が硬貨を重ねるようになる「連銭」の形成が
 血液型によって異なるという実験をされている先生が見つかりました。
 
 ところが、その先生がこの実験をされたのは
 1984年(なんと当社の創業の年です)で、
 先生はすでに引退されていて
 実験設備もなく、あらためて私が期待するような条件で
 実験をすることは不可能だということが分かりました。

 ということで、私の仮説を証明して、
 「ABO式血液型による性格診断」が、
 科学か疑似科学かというテーマに決着をつける
 機会が遠のいてしまいました。

 今は、どなたかこの課題に取り組んでくださる方がおられないか
 探求中なのです。
 どなたかヒントはございませんでしょうか。

2010年8月24日火曜日

今度は、ごみ出しについて改善要望しました

 まずは、私が品川区長あてに出したお願い文をご覧ください。

 件名:近所のゴミ出し方法の不備に対する指導をお願いします。

 内容:環境課へのメール方法の案内がありませんので、
  これを使わせていただきます。

  私は以下に記述の住民です。
  毎朝、近所をジョギングしています。  

  豊町4-20-××に3階建て9戸が入っている集合住宅があります。
  ここのゴミ出しスペースは道路に面してむき出し状態です。

  分別して出している様子は見受けられません。
  毎日いろいろなゴミが収集日に関係なく置かれています。  

  青色のカラス除けのネットを使っているのですが、
  ぼろぼろで機能していません。

  私はネットがめくれたりしているときは、
  なるべく隙間ができないように伸ばしたりしています。  

  生ゴミが出ているとカラスが引っ張り出して
  頻繁に汚いものを散乱させています。
 
  1月ほど前、近所の方が堪りかねて
  「清掃の方へ。ここの所有者にネットを替えるように指導してください」
  というような張り紙をしていました。  
 
  しかし、その後、何らの変化も見られません。  
  こんなに近隣に迷惑をかけ、
  不衛生を発生させている無責任な集合住宅所有者に対して
  厳しい指導をすることはできないのでしょうか。

   「ネットを替えろ」
   「入居者にゴミの分別と出す日の徹底をせよ」
  とかの指導です。

  少なくとも分別していないごみは収集拒否をするくらいのことは
  できるのではないでしょうか。

  何とぞよろしくお願いいたします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 このメールを発信したのは、8月13日でした。

 ところが、
 翌週の19日には青色のネットが新しくなっていました。

 そこで、20日に
 「私の申し入れのおかげでそうなったのかどうか分かりませんが
 早速にご対応いただきありがとうございました」
 というような報告を、申し入れと同じ方法で
 区長宛にお送りしました。

 すると、24日になって品川区清掃事務所の荏原庁舎の方から
 電話がありました。

 「ご忠告ありがとうございました。
 広報課から上野さまからのご意見について伺いましたので
 早速対応いたしました」というようなことでした。
 
 そこで、私は興味本位でいろいろ聞きました。
 分かったことは以下のとおりです。

 ①青色のネット(防鳥ネットというらしい)は 
  区が貸し出しているものだ。
 
 ②その集合住宅は、レオパレス21の所有物ですが、 
  レオパレス21は、他でもごみ出しで評判が悪いらしい。

  清掃課からごみ出し方法の改善を申し入れても
  「住人がすぐ変わるのでごみ出し方法が徹底できない」
  とか言って改善されない。

 ③分別されていないごみは、
  回収員が分別して該当品を当日収集している。

 ④ふれあい指導班という組織があって、
  ごみ出しの指導も行っている。

 そこで意地悪爺さんの私は言いました。

 ①ネットが区からの貸し出し品であるなら、
  先般、住民から意見が出されたときに、
  なぜすぐに交換しようとしなかったのか。

  報告のチャネルはどうなっているのか、おかしいではないか。
  区長に申し入れるとすぐに改善されて
  そうでなければ放置というのはあんまりではないか。
  改善の必要があるのではないですか。

  と一担当官に向かってとぼけて言ってしまいました。

 ②③レオパレス21のような無責任な集合住宅オーナに対して、
  厳しく指導してほしい。

  分別していないごみは回収してはいけない。
  一般の各戸収集の場合は、分別されていないと
  収集しないで置いていくではないですか。

  回収員が分別するということは、
  余計な仕事を税金でしているということになる。
  まともに分別している人が
  そうでない人の分の税金を負担しているのはおかしい。

 というようなことを申しあげました。
 相手は分かりました。ふれあい指導班にも伝えておきます、
 というようなことを言っていましたが、
 責任者ではなさそうでしたので、それで済ませました。

 それでも、こういう直訴の方式があるのは良いことですね。
 見て見ぬふりをしないで行動すると
 世の中は良くなるし、分かってくることも多いようです。

 皆さまも是非行動してください。

2010年8月19日木曜日

要求分析における目的重視思考は海外にもある!!

 先日、ひょんなきっかけである人から
 当社の「専売特許」だと思っていました目的重視思考について、
 「その英語訳がGoal Orientedです。
 そのタイトルがついた英文の論文は10万件ありますよ」
 ということを教えていただきました。

 驚いて、
 10万件あるそのタイトルのついた論文の一部を読んでみました。

 そうしましたら、
 システムの世界とは関係ない論文も多数ありましたが、
 システムの世界では、
 Goal Oriented Requirements Engineering または
 Goal Oriented Requirements Analysis
 というタイトルがついた論文が多数見つかりました。

 でもよく見ると、論文の執筆者は限られていて
 なぜか、ベルギーとカナダの大学の方でした。

 「根っから目的重視の国アメリカでは
 そんなことは当然だ、という気があるので
 誰も追求しないだろう」という私の推論は
 今のところ当っているようです。

 Goal Oriented Requirements Engineering(GORE)を
 主張している中心人物は、
 ベルギーのLouvainカトリック大学コンピュータサイエンス学科の
 Axel van Lamsweerde(アクセル・ラムズウィールド)教授です。

 教授とその継承者の主張の要点は以下のようです。
 この部分は、我々の主張と同じです。

  ゴールとは、開発するシステムが達成しなければならないこと。
  上位のゴールは、ステークホルダの望む状態または状況を表す。
  下位のゴールは、それを実現するために行うことを表す。
  ゴールは要求の完全性を保証する。
  ゴールは上位の戦略レベルから
  下位の技術的要求までのトレーサびりティを提供できる。
  ゴールは要求をさばく基準になる。
  ステークホルダに対する要求の正当性の説明に有効である。
  関係者間の対立を解決するのに役立つ。
  ゴールは観測・制御可能な目標値を設定する必要がある。

 違う部分もあります。
 それは、どうやってゴールを導き出すかという点です。

 少なくともLamsweerde教授はこう言っています。
  既存のシステム文書から手がかりになるゴールを識別する。
  WHYの質問で上位のゴールに展開する。
  HOWの質問で下位のゴールに展開する。
  ステークホルダへの確認で適切なゴールを設定する。

 これに対して、我々の目的達成手法では
 ゴールは「目的・ねらい」と言っていますが
 「目的・ねらいは、対象業務または対象ビジネスの
 価値目標で把握する」
 としています。

  対象業務が実現すべき価値目標は何か
  対象ビジネスが実現すべき価値目標は何か

 を追求するのです。(この続きは9行先です)


 ゴールを整理する手法も異なります。
 Goal Oriented手法では、
 Goal Refinement Treeという図で整理をします。
http://scholar.google.co.jp/scholar?hl=ja&q=%22goal+oriented%22&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=&as_ylo=&as_vis=1
 の2番目の論文である
 Goal-orientedrequirements engineering: A guided tour
 をご参照ください。

 我々のMIND-SA手法では問題点連関図という図で分析します。
 http://www.newspt.co.jp/contents/manual/yes/oc/mkoc.html
 をご参照ください。

 価値目標は、簡単に言う時には
 「早い、うまい、安い」です。
 宅急便はこのモデルで説明しやすい事例です。

 「早い、うまい、安い」の元祖は吉野家でした。

 より詳細に検討する時には
 これをブレークダウンしたMRC,VQTHSFU
 というフレームを使います。
 http://www.newspt.co.jp/contents/manual/yes/ob/2a0e.html
 を参照してください。
 この中から、実際に何をゴールにしたいのか、を選定し、
 それを「定量化・具体化」します。

 これを意思決定者の意向に基づき検討し、
 最終的にその「目的・ねらい」達成のための必要資源と合わせて
 意思決定者に決定していただく、
 ことを基本ルールにしています。

 「目的・ねらい」の例として、宅急便の場合ですと、こうなります。

  早い: 特別の山間僻地を除き、当日18時までに受けた配送物は
       翌日中に配送する。
       指定がある分については午前中着も受ける。

  うまい:お客さまからの配送状況に関する問合せに対して、
      3分以内に回答する。
      受取人の予定に合わせて着時間の指定ができる。
      不在時の再配送が、
      お客様の時間希望によって1時間以内に可能である。

  安い: 重量・体積など配送物による料金体系とし地域の差を設けない。
       競合他社より平均的に1割安とする。

 これら記述内容は、
 「上位のゴールは、ステークホルダの望む状態または状況を表す」
 という前掲の条件を満たしていることがお分かりになりますでしょう?
 ステークホルダは経営者であり、お客様です。

 当初の吉野家の「早い、うまい、安い」は、
 極めてシンプルでした。
 今は、そんなシンプルなビジネスモデルは
 成り立たないのですね。

 ところで、
 初めに同教授が「Goal Directed」と言われたのは
 1991年です。
 (その後は、Goal Drivenとも言っておられます。
 この言い方が、主張するコンセプトに合致していると思います)

 当社の「MIND-SA・目的達成手法」がリリースされたのが
 1992年ですから、ほぼ同じころに発表があったということになります。

 我々は論文発表していませんから、
 世間の、特に学会の注目を集めることはありませんでした。

 日本でも、Lamsweerde教授たちの影響を受けて、
 要求工学の先生たちが、Goal Orientedの実践手法である
 KAOS(Knowledge Acquisition in Automated Specification)
 等の研究をされています。

 この論文発表の早いものは2004年でした。

 我々は井の中の蛙だったのですが、
 考えたことと考えた時期はたまたま他の先生たちと
 同じだったのです。

 ということがよく分かりました。

 要求や要件をはっきりさせたいというニーズは
 業務の機械化時代が終焉した1990年ころから
 切実な問題になったのです。

 業務の機械化時代は、機械化(手段)を実現すれば
 経営目的である「早い、うまい、安い」が実現できたのですから
 格別な理屈は必要ありませんでした。

 ところが1990年頃、業務の機械化が終了すると、
 新しい業務の仕組みを構築することになります。

 そうなると、何のためにそれを実現するのか
 という経営視点での目的が必要になったのです。
 
 その時代背景は日本も欧米もほぼ同じですから、
 「Goal Oriented」や「目的・ねらいの重視」が
 必要になったのです。

 結論として、
 目的重視思考は、当社の「専売特許」ではありませんでしたが、
 その思考法を支援する「丸い三角形」や
   http://www.newspt.co.jp/contents/manual/yes/tem/template.html
 「問題点連関図手法」(URLは前掲です)は当社のオリジナルで
 ユニークなものです。

 手法ですから、その有効性と簡便性で勝負することになります。
 さらなるツール化も必要ですね。
 頑張らねば!!

2010年8月18日水曜日

倉本聡の「歸國」を見ましたか (第1版)

 (8月19日現在、「歸國」は30万件以上のブログに取り上げられています)

 8月14日夜TBSの特別番組で
 倉本聡の「歸國」が放送されました。

 太平洋戦争で南方の海や島で散った英霊たち30人くらいが
 戦死した時のままの姿で、
 現代の日本に深夜4時間ほど一時「帰国」して
 懐かしい場所に行ってみる、65年経った日本の現状を見る、
 という基本ストーリです。

 なお太平洋戦争で、南方で亡くなった将兵は約30万人だそうです。

 いくつか心に残ったメッセージをご紹介します。

 戦死者の恋人で音楽教師をしていた女性(八千草薫の役)、
 彼女は独身を通しました。
 その女性は言いました。

 「この頃の子供は歌わない。明るくない。
 下を向いてケータイをやっている」
 そうでしょうね。

 ビート武演ずる軍人が
 愛していた妹の病床に赴きます。
 その妹はおそらく80代でしょう。
 もう4年間も生命維持装置のおかげで延命しています。
 意識はありません。

 ビート武は「なんでこんなむごいことをするのだ」と怒ります。
 
 病院の医師・看護師も疑問に思っています。
 でも「生命維持装置を止めると殺人になる」と言って
 ただただ処置を継続しています。
 倉本さんたちの痛烈な社会批判です。

 この生命維持のお金を出しているのは
 一人息子(父親が出征の前夜に1回限りの契りでできた子供。
 その父親も戦死)です。

 母親が女手一つでストリッパなどもしながら(小池栄子の役)、
 苦労して育てました。
 
 息子は東大を出て、偉い先生になり
 金融業界の売れっ子になって、深夜にも働いています。
 この息子は忙しくなって
 母親の見舞いにもほとんど行きません。

 ビート武は怒って「帰国」軍の禁を犯しその息子を殺してしまいます。
 
 殺された息子の霊が、ビート武のところに来て質問します。
 「以前は母親に感謝し大事にしていました。
 どこで間違ってしまったのでしょうか」

 ビート武は「そんなこと俺に聞いたって分からん」
 と言いますが、
 「君は人から叩かれたことはあるか」と聞きます。

 息子が「ありません」と答えると
 ビート武は、何度も強く息子の顔を殴りつけました。
 倒れた息子は起き上がりながら、
 「ありがとうございます。嬉しかったです」
 と答えました。

 「日本はどこかで道を間違えてしまった」
 いうのが倉本さんたちのメッセージでしょう。

 どこで間違えたのでしょうか。
 「日本は豊かになったが、心は豊かになっていない」
 というメッセージは何度も出てきました。

 英霊たちが南に帰る最後に
 隊長(長淵剛の役)が言った言葉
 「貧幸」は、倉本さんたちの強いメッセージの一つでしょう。
 (長淵剛さんは名演技でしたね。その印象が心に残ります)

 「我々は貧乏でも幸せだった。
 今の人たちは幸せなのか」という問いかけです。

 太平洋戦争における日本人の犠牲者は
 約300万人ですが、そのうちの軍人230万人のうち
 6割は餓死だったという説があります。

 戦後の本土の日本でも食うや食わずで
 餓死者も多い極めて貧しい状態だったと思います。
 私自身も「とにかく口に入るものなら何でもよい」
 と思うくらいひもじかった記憶があります。

 その窮乏状態から何とか脱却しようと、
 国民全体が必死で頑張ったのです。
 身体・命の維持が第一でした。

 それでも必死に生活の向上を目指す人たちは幸せでした。
 「貧幸」だったのです。

 片や、
 GHQの「誘導」を受けて日本の教育は
 徹底的に「脱愛国」:
 愛国=軍国=反平和への道
 という図式を叩きこまれました。

 軍国思想につながるとういうことで
 国旗の掲揚・国歌君が代の斉唱が認められませんでした。
 国旗・国歌を疎んずるという指導がどこの国にありますか!!

 日本の歴史とか国の在り方、
 心の在り方の問題はタブーになりました。
 日本人の心の拠りどころは無くなってしまったのです。

 当時は、思考・思想は二の次でまず生きなければならなかったので、
 それでも大きな支障はありませんでした。
 身体第一で心は空っぽだったのです。

 その結果、身体が満たされると、
 本来は心の充実を目指すはずが、
 次に目指すもののない空白状態となってしまったのです。

 また、全体主義・軍国主義に反する考え方として、
 間違った個人主義、個人の自由を尊重する考えが蔓延しました。
 本来の個人主義は個人の責任をまず果たす前提で
 生まれてきているものです。

 戦後日本に普及した個人主義は、責任部分を無視しているのです。
 
 また、戦前戦中の「産めよ増やせよ」の時代から
 窮乏生活の時代になりましたから、
 兄弟の数も少なくなりました。
 
 親は子供を大事にして、目をかけて育てます。
 よく電車や道路で駄々をこねている子供を見かけますが、
 親は、妥協するか、よくて無視で
 厳しく叱っている親はほとんど見かけません。

 甘やかされて育ち、自分の責任は意識しないで
 何でも満たされ窮乏感のない子供が増え、
 「人に叩かれたことがない」子どもが増えているのです。

 一方で、子供が少なく手がかけられるものですから、
 細かく、あれはダメ、これはダメと
 危ないことや冒険を止める親も多くなっています。
 そうすると、委縮して依存心が大きい人間になってしまいます。

  ではどうしたら良いのでしょう。
 
 人生・社会生活の先輩は、
 もっと積極的に後進たちを指導すべきでしょう。
 ダメなことをする若輩は「叩く」自信を持つべきです。
 
 見て見ぬふりを止める、ことも重要です。
 よその子供でも、悪いこと、倫理にもとることをしていたら
 注意するのです。

 逆切れの多い現代では、それは難しいことでしょう。

 まずは、他人に気楽に声をかける習慣・態度を
 身につけたら良いのではないでしょうか。

 都会の人たちはよそよそしいと言われます。
 電車で美人がいたら「きれいだね」と
 声をかけたらいいじゃないですか。
 (ただし、暗い夜道で声をかけるのはやめましょう!)
 可愛い幼児がいたら「可愛いね」と気楽に言えばよいのです。

 それが自然になるように。
 まずは「向う三軒両隣」で
 気楽に声をかけ合うようにしたらいかがですか。

 「向う三軒両隣」も戦時中に「危険人物」を見つけ出す、
 あるいは発生させないために、活用された仕組みなものですから、
 そのアレルギが残っているようです。

 近隣が仲良くするのは、
 国を国民全体が支える基礎条件です。
 どんどん強化していただきたいですね。

 そうすれば、「隣でいつの間にかご老人が亡くなっていた」
 というようなことは起きません。

 我が家の周りでは、「向う三軒両隣」が
 お互いに、季節のものを分け合ったり
 空き巣の見張りをしたりしています。

 お互いに「おはようございます」と声をかけ合うのは
 気持ちの良いものです。


 でも、それだけでは国は良くならないでしょう。

 今こそ政治は、国の進むべき方向を示すべきです。
 今のままでは、日本は高齢化無策で社会保障倒産でしょう。

 明治維新でも、敗戦後でも、頑張ったのは若い世代です。
 民主・自民・その他の政党を問わずに若い人が集まり、
 過去のしがらみは無しにして、
 日本をどうすべきかを議論して方向性を示してほしいものです。

 そういう新党を期待したいですね。

 そうしないと、
 日本はこのままゆで蛙状態で衰亡の道まっしぐらです。

 それでは、日本のために頑張ってくださった
 「英霊」は浮かばれません。
 
 このドラマの最後のシーンは、
 広い海がたゆ立っているだけで
 英霊たちは浮かんできませんでした。

2010年7月29日木曜日

常用漢字の追加、こんな字が!

 少し前のことになりましたが、
 文化審議会が6月7日に常用漢字の196文字追加
 を文部科学省に答申しました。
 年内にも告示となるようです。

 この追加の文字を見て
 あれ、これは今まで常用漢字ではなかったのか、
 と思う字が多数あります。

 そもそも常用漢字って何だろう?という疑問が湧きます。
 そこで調べてみますと、こうなっています。
 1981年に常用漢字が制定されたときに

 「法令・公用文書・新聞・雑誌・放送等、一般の社会生活で用いる場合の、
 効率的で共通性の高い漢字を収め、
 分かりやすく通じやすい文章を書き表すための漢字使用の目安」
 (その時の答申の前文)

 とされています。
 つまり漢字使用の「目安」なのです。
 その時は、1945文字でした。

 そういう性格の文字ですから
 義務教育の学校で学ぶことが想定されています。
 基本的な漢字1006字については、
 小学校の学年別に、
 文部科学省の『小学校学習指導要領』の付録『学年別漢字配当表』
 に定められています。

 常用漢字の前身は「当用漢字」で、
 1946年に1850字で制定されました。

 こちらは、かなり制限色の強いもので、
 前文で、「当用漢字は、法令、公文書、新聞、雑誌および一般社会を対象とする」
 と記され、使用上の注意として、
 「この当用漢字で書けない場合には、言葉を変えるか、かな表記にすべき」
 とされました。

 それが、1981年に95字が追加されると同時に
 制限のゆるい「目安」になったのです。

 日本新聞協会では、この常用漢字を基本にして
 独自の新聞漢字表を設定し、各社これに準じた運用をしているようです。

 常用漢字の他に人名に用いることのできる
 「人名用漢字表」があるのを皆様ご存じでしょう。
 現時点では、常用漢字の他に985字が利用可能となっています。

 人名用漢字は、厳格な規制で、
 対象文字以外は人名に使えません。
-------------------------------
 私が1983年に長男の名前を決めるときのことです。
 「はやと」という音の名前にすることを決めて、
 字を探しました。

 隼人は一般的ですが、隼の字が使えませんでした。
 (今、調べてみると1976年の追加で、隼の字は利用可能となっていました。
 私が調べた人名用漢字は当初のもので、そこには記載されていなかったのです)

 そこで「迅人」を検討しました。
 この字は使えましたが、姓名としての字画が悪かったので
 諦めました。

 最終的に落ち着いたのが「速人」でした。
 「走るのが速くなれ」「情報に早くなれ」という意味で命名しました。
 (この速人は今NHKのアナウンサをしています)

 こんな名前の人はいないだろう、
 と思っていましたら、
 お客様など仕事の関係者の中に何人かおられるのです。

 そのご両親は私と同じように考えられたのかな
 と大変近しく感じられたものでした。

【人名用漢字に関するトピック】

 2004年9月に大幅追加のときのことです。
 法相の諮問機関「法制審議会」でまとめた追加原案には
 以下のような文字が含まれていたそうです。
 (この時の最終案では、これらの文字は対象外となりました)
 
 糞、呪、屍、癌、姦、淫、怨、痔、妾、蔑、膿、腫、娼、尻、嘘

 こういうことになったのは、
 審議会では単に「使用頻度の高い漢字」ということで
 選定したからなのだそうです。
 
 人名に使うという最終目的を忘れていたのです。
 「目的・ねらい」を明確にしないと、こんなことが起きるのです。

-------------------------------
 脱線しました。
 以下、今回追加になった文字についてのコメントです。

 この文字が今まで対象外だったのですか!
  宛、唄、岡、俺、頃、誰、虹、阪、枕

 あらまあ?
  股、尻、釜、淫、媛、伎

 植物
  茨、柿、葛、藤、栃、梨

 体の部位 難しい字が多いのですね。
  咽、顎、拳、股、喉、尻、腎、爪、瞳、眉、膝、肘、頬、脇

 前向きの言葉は多くありません。
 せいぜいこれだけです。これまでに登録済みなのでしょうね。
  錦、憧、憬、爽、湧

 逆に嬉しくない字はかなり入っています。
 こういう字は使わないですみたいですね。
  畏、萎、鬱、怨、臆、潰、惧、嫉、腫、呪、溺、妬、貪、罵、蔑、闇、瘍、慄、弄

 こんな字書けませんね。
 書けなくても分かればよいのだそうです。
  鬱、彙、毀、傲、剝

 以下一つずつです。

 焼酎 今までは、焼チューと書かなければいけなかったのです。

 進捗 今までは、進ちょくと書かなければいけなかったのです。

 鶴も亀も、ついでに熊も虎も鹿も今までダメだったのです。

 妖艶という表現が可能となりました。

 あいまいが曖昧となりました。

 「捉える」は、ずい分今まで使ってきましたが漸く認知ですか。

 丼が今までダメだったとは!吉野家さんも大手を振れますね。

 瞭は追加になりましたが、石川遼の遼は人名漢字です。

 「目的・狙い」と書けるようになりましたが、
 今後とも「ねらい」は平仮名です。

 ということで、オチがつきましたのでお開きにいたします。

2010年7月28日水曜日

「ポジティブ病の国、アメリカ」-リーマンショックの遠因-

 これは、バーバラ・エーレンライクという
 細胞生物学で博士号をとった米国の女性(詳しくは分かりません)が
 2009年に書いた著書の翻訳本のタイトルです。

 原題の直訳は、
 「明るい側面への偏り-いかにポジティブシンキングの無慈悲な勧めが
 アメリカを蝕んできたか」です。

 驚きましたが、
 アメリカのポジティブシンキングは、
 我々が「前向きにものごとを考えろ」 「批判ばかりしていたら前進はない」
 と言うようなものとは異質のようです。

 この本によると、アメリカでは、
 ポジティブ=正
 ネガティブ=邪または悪
 と考えられる風潮があるようです。

 極端に言えば、ポジティブシンキングを批判すれば
 「国賊」扱いになるのです。

 「引き寄せの法則」
 (望みのものを思い描けば、現実にそれを引き寄せることができる)
 が多くの人に信じられました(あるいは信じられています)。

 その究極の結末が「リーマンショック」だというのです。
 不動産業者たちは、本来はその財力がない人たちに
 「大丈夫です。買った不動産を担保に融資してあげます」
 と、夢の持ち家を勧めました。

 「持ち家を欲しいと念ずれば持てるのです」
 という引き寄せの法則への便乗です。

 金利高騰等で、
 返済額が年収の130%になる例もあったそうです。
 当然ながら、夢は現実の前に敗れ
 破産者が急増したのです。

 返済能力の評価の低い人向けのサブプライムローンは
 焦げ付き大量発生によって、
 その債権を取りまとめて証券として販売した首謀者の
 リーマンブラザーズの破綻が起きました。

 同社では、
 不動産事業のリスクを説いた責任者を
 「後ろ向きでありこの事業の責任者にふさわしくない」
 として解雇しています。

 その意味で、ポジティブシンキングが
 リーマンショックの遠因であるというのです。

 このようなポジティブシンキングは一種の宗教ですね。
 現に、ポジティブシンキングの布教(普及)で
 飯を食っているコンサルタント類がたくさんいるのだそうです。

 その背景には、アメリカには貧困層も多く、
 ポジティブシンキングでも持ち出さないと暴動が起きてしまう、
 それに対して、
 「ポジティブに物事を考えれば、いつかは良くなるよ」
 という考え方を経営者や支配層が悪用しているのだ、
 という面もあるようです。

 ポジティブシンキングの思考特性は「何とかなるさ」
 だと思われますが、
 それは家計の貯蓄率の低さに表われます。

 「主要国の家計貯蓄率の推移」
 http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4520.html

 を参照してください。

 アメリカは世界の主要国の中でずっと最下位です。
 貯蓄がなければ失業すると
 すぐに借金の返済は不能になりますね。

 なお、本書によると
 アメリカでポジティブシンキングがもてはやされるようになったのは、
 必ずしも開拓者魂の延長ではなく、
 開拓民が持ち込んだカルヴァン主義(ピューリタニズム)
 に対する反抗からだったのだそうです。
 ですから、単なる楽観主義ではないのです。

 ここまでの分析・解説は大変勉強になりました。

 しかしバーバラさんは、科学者であるせいか
 あるいはアメリカの風土のせいか
 病気における心と体の関係、つまり心が体を変える、
 というポジティブな効果についても否定的です。
 (ご自分が乳がんで苦しんだ経験を踏まえても、です)

 私の妻の母親は、
 二人が結婚する頃から、、医者から
 「(ガンのため)あと3ヶ月の命です」と言われました。

 ところが、皮膚、乳房、肺、脊髄と転移を繰り返して、
 寝たきりから歩けるように復活するなどの「奇跡」を起こしながら
 20年間生きました。

 「孫の顔を見たい」「孫の成長を見たい」
 という強い思いがガンに勝ったのだと思っています。
 これは科学の世界ではないですね。

 このメルマガ7月号の「医学と医療、「BOK」と技術書」
 でご紹介した帯津三敬病院の帯津良一先生は、
 「気」の活用等の東洋医学と西洋医学の併用で
 ガンの治療に大きな成果を挙げておられます。

 アメリカは、科学的に証明されていない
 「気」の世界は苦手なようですから、
 結果がものを言う治療中心の医学では
 日本は世界的に見て、かなり有利な立場にあるようです。

 帯津先生にはもっともっと頑張っていただきたいものです。

2010年7月27日火曜日

プロマネ研修でコシヒカリパーティ

 「たまには肩のこらない楽しい話題を提供してください」
 という求めに応じて、この報告をいたします。

 7月24日土曜日の夜、
 第38期超プロマネ養成研修の第5回講座
 「進捗・コスト管理」の終った後のことです。
 当日の担当の佐藤義男講師も交え
 この会が催されました。
 (写真1参照)


 この会のきっかけは、
 大島道夫さんが故郷のお米を自慢したことでした。
 (写真2参照。いいですねー。村興しに気が惹かれます)



 この研修は半年間ですので、
 学校になぞらえて、
 校長、副校長、クラス担任(現在空席)、級長、副級長
 が決められています。

 幹事役の副級長大島さんからの案内は以下のとおりでした。
 きちんと「目的・ねらい」が記述されています。
-----------------------------
 第6回 情報交換会 (新潟県津南町のコシヒカリを食す)
 【目的】 絶品のコシヒカリと一品のおかず&絶品のワイン等で、
      美味しい「食」と「時間」を楽しむ。
 【ねらい】 
  (1)参加者が、今後、
    超プロマネとして活躍するための仲間の絆を深める。
  (2)今後の超プロマネ養成研修の参加者のために
   「超仲間づくり」の参考手段となるようにする。 
  (3)ご指導いただいた先生への御礼と
    超プロマネ養成研修の発展の祈念の場にする
  ●ご案内────────────────────────────────
 1.日時 2010.7.24(土) 18:00~21:00<予定>
 2.場所 株式会社データ総研様研修室→いつもの場所です。
 3.参加者 校長、副校長、受講者全員およびゲスト
 4.ゲスト 株式会社ピーエム・アラインメント佐藤社長
 主催者 級長(鈴木:雅)、副級長(大島)
  ●調達の役割分担───────────────────────────
 追加の差し入れは、大歓迎ですのでよろしくお願い致します!
 (1)電気釜、ボール等  →校長先生
 (2)お漬け物、お箸、お皿、お塩等  →副校長先生
 (3)ワイン  →松本さん、西寺さん  
   ※要求仕様 ・イタリアワイン・価格 1,350円~2,350円超
         ・赤2本、白2本以上
 (4)佃煮とおにぎり用の焼き海苔 →級長(鈴木:雅)さん
 (5)ウナギ →鈴木(健)さん
 (6)だし巻き卵 →島崎さん
 (7)おにぎり器 →栗林さん
 (8)コシヒカリと八海山 →大島
 (9)当日の司会進行 →級長(鈴木:雅)さん
-------------------------------
 
 このイベントのトピックスを幾つかご紹介します。
 1.持ち寄りの分担は、それぞれの得意分野で決めました。
  お米 言いだしっぺの大島さん
  ワイン 酒類卸もしている菱食の二人
  うなぎ 浜松の鈴木(健)さん
  だし巻き卵 「おいしいのを知っているよ」ということで島崎さん
  お釜 「余っているのがあるよ」と上野
  海苔 「それでは」と鈴木(雅)さん
  おにぎり器 「それでは」と栗林さん
 写真3は、そのおにぎり器で作ったおにぎりです。



 実は、ご飯の炊き上がりは今いちのようでした。
 私の持参した古い電気釜のせいではないかと
 申し訳なく思っているのです。

 2.どくだみ卵
 ご飯はおにぎりで食べるはずだったのが、
 当日、大島さんが「どくだみ卵」なるものとどんぶりを持参して
 「卵かけご飯」を推奨しました。
 皆さん、「ぞっこん参った」という感じで
 おにぎりは不人気となってしまいました。
 (写真4参照)



 どくだみ卵は、北九州市の田中鶏園特性の卵です。
 どくだみの葉を餌に混ぜて鶏に与えると
 鶏も丈夫になり、
 卵も黄身が色鮮やかで弾力あるものになるのだそうです。
 20個800円で直販されています。
 (写真5参照)


 3.心配りのできる人
 準備をしているとき、会が始まったときでも、
 心配りの得意な人とそうでない人が見えてきます。
 
 Kさんは、米をとぐには天然水が良いのではないか、
 という話になると、さっさと近所で買って来ました。
 ほとんどのメンバは、心配りをする人でした。
 プロマネですからね。

 そこで思い出しました。
 ある会社が新入社員の採用試験の代わりに
 キャンプ場でバーベキュ会をしているそうです。

 そこに参加した人を観察していると、
 採用面接では決して分からない人間性が分かる
 ということでした。

 4.代理副校長
 当日は、緊急の用件で副校長の田村八重子が欠席で
 代理を近藤千穂が担当しました。
 
 「いつもの副校長よりも研修運営のプロです」
 と紹介され、やや緊張し、
 落ち度がないように、と頑張りました。
 
 生徒の評判も大変良かったようでした。
 ご褒美に、美味しい卵かけご飯とうな丼にありついて
 ご満悦でした。

 5.プロジェクトの成功要因 
 当日参加した佐藤義男講師が
 参加メンバに当日の大成功を賞して送った言葉があります。

  プロジェクトは人が基本。
  人は心で動く。
  プロジェクトでは、心をひとつにして働けるチームが成功する。
 
 そのとおりでした。

 システム開発プロジェクトがこのようにいけば
 よいのですが、ねー。

 6.蛇足 
 当日私は2時間で途中退席しました。
 (会は9時まで行われました)
 それは、当日が私にとって「3重喜」の日だったからです。
  その1、妻の誕生日 これは誰にでもある日です。
  その2 結婚記念日 これは計画すればできることです。
            級長もそうだと言っていました。
  その3 娘の誕生日 これは真似ができないでしょう。
            ここでブッチギリです。

 以上で当日の報告は終りです。
 これを契機に、このクラスの人たちが
 どこまで、成長されるのか大変楽しみです。

国家予算の1割削減方針

 政府は、来年度予算の概算要求基準として
 一般的な政策経費の一律1割削減を設定しようとしています。
 (7月17日時点)

 各大臣からは、以下のように不満続出状態となっています。
  国交省は、「国交省管轄の経費削減目標を達成しているのに
  上乗せでの一律削減は飲めない」
  文科省は、「成長の原動力である知的基盤を破壊する」
  各省も、マニフェスト等を盾にとって反対表明をしています。

 私は、前著「目的達成の教科書」で
 以下のように一律経費削減の非を説いています。
------------------------------
 一律経費削減
   何のために経費削減をするのか、
   その目的に照らしてメリハリ付けるべき。

 会社の業績が悪くなってくると、必ず実施されるのが経費削減です。
 多くの場合、
 一律10%カットとかの基準で実行されることが多いようです。

 一律である根拠として、
 個別事情を考慮するとなるとそれぞれに尤もな理由があり、
 それを議論している時間がない、今は緊急事態である、
 というようなことが言われるのです。

 はたしてそうでしょうか?

 この場合も、何のために経費削減を行うのか、
 を検討する必要があります。
 多くの場合は利益を確保するために経費の削減を行うのでしょう。

 だとすれば、利益の確保に繋がる程度に応じて
 削減率を変えたらよいのです。
 営業成果に直接つながるような経費
 (例えば、営業手数料、ある業界の広告費、イベント費用、営業の交通費)
 は削減0、
 営業成果に間接的につながるような経費
 (例えば、交際費、営業の人件費)は10%削減、
 それ以外は20%削減、
 とかにすればよいのです。

 何らかの理由で経費の絶対額を減らさなければならないのなら、
 額の大きな費目で減らすのが、
 手間暇がかからなくてよいことになります。

 一律削減は、
 それを実施する事務方の無能さを表わしているといる
 ということになりそうです。
 
 個人の出費削減なら一律にはしないでしょう?
 削減の影響や効果が判断できるからです。
------------------------------
 一律削減は、
 無能な管理担当が持ち出す便法だということです。

 では、今回の国家予算の場合はどう考えたらよいのでしょうか。
 「何のための予算削減か」が検討の鍵です。
 支出を抑えることが最終目的ではありません。

 何年かの計画で、財政の収支をバランスさせることが
 最終目的のはずです。
 そうであるなら、収入増(税収増)に繋がる可能性のある支出は
 絞ってはいけません。

 税収減は、さらなる支出減を要求して
 デフレスパイラルに入ってしまいます。

 したがって、以下のような基準を設けるべきでしょう。

  将来の税収増に繋がる支出は     削減なし
                  または、増枠
  マニフェストで公約した支出のうち、
          優先度の高いもの  削減なし
  同じく、優先度の中程度のもの    5%削減
  同じく、優先度の低いもの     10%削減
  その他の支出           15%削減
  (優先度は、将来の税収増に繋がるかどうかで判断すべきです)

 などとすればよいのです。

 民主党のその後の動向では、
 ほぼそのような動きになりつつあるようです。

 一律1割削減の財務省方針は、
 敢えて議論を呼びそうな方針を持ち出して
 議論を早く進めようとした作戦だったのかもしれません。
 もしそうだとすると、
 財務省のお役人はやはり大変優秀ですね。
 
 (以上は7月27日寄稿)

 と思っていましたら、
 7月27日開いた臨時閣議で、
 当初予定どおり
 社会保障などを除く政策経費は「全省庁一律1割減」
 と決定されました。

 1兆円の特別枠で個別事情に対応しようというのが
 せめてもの進歩でしょうが、
 1兆円では、とても足りそうにありません。

 途中経過は今回も結局迷走だったことになります。
 司令塔不足の状況が続いているようです。
 (以上7月28日)
 

2010年7月26日月曜日

問題発見シリーズ その2 問題とは何か

問題発見シリーズその1で取り上げた
「なぜ危機に気づけなかったのか」(マイケル・A・ロベルト著)は、
そもそも問題発見を勧める書なのに
問題の定義がないのはどうしてなのでしょう。

皆様に初級の質問ですが、
「問題とは何かを定義してください」
どうでしょうか。

「問題と思うことである」
「問題意識が重要だ」
これでは答えになりません。

ではどういうことでしょう。
「問題とは何か?」は、
 システム企画研修㈱の研修で
 20年以上前から使用している小演習テーマです。

 「以下の4つの文章のどれが問題でしょうか?」
 と質問するのです。
 
  1.伝票1枚処理するのに5分かかる。
  2.請求書を締め後3日目に出している。
  3.給料が20万円である。
  4.子供が10歳である。

 そうすると、以下のようなさまざまな回答が出ます。
  1番が問題
  2番が問題
  3番が問題
  1番と2番が問題
  2番と3番が問題
  すべてが問題
  どれも問題でない
  4番は問題でない

 このいずれも正解ではないのです。
 では正解は何でしょうか。

 正解は「どれが問題であるか分からない」です。
 なぜでしょうか。
 それは、「目標が示されていないから」です。

 問題の定義は、「目標と現状の差」なのです。
 先ほどの4つの文章は、現状を示しているだけで
 目標が示されていませんから、
 「問題かどうか分からない」が正解なのです。

 では、「4番は問題になるのでしょうか?」と質問すると、
 問題にならない、という回答をする方もあります。
 (講師の誘導尋問ですね)
 「なぜですか」と質問すると
 「改善できないから」という答が返ってきます。

 問題の必要十分条件は「目標と現状の差」です。
 改善できるかどうかは関係ありません。
 「遊園地で、子供が10歳だからあの遊具を利用できない」(問題だ)
 「利用したい、12歳だったらよいのに」
 と思うのは自然です。
 
 「それは問題ではないでしょう」と誰かが言ったとすると、
 その人は怒るでしょうね。
 「何を言っているんだ。私にとっては問題だ!」と。

 ところが、世の中には30種類か、もっと多く、
 「問題解決何とか」という本が出ています。
 その中には「解決できないものは問題ではない」
 という定義をしているものもあります。
 その本の中でどう定義しようと、それは勝手ですが、
 世の中一般の使用法と異なるのはまずいでしょう。

 私どもと同じように、
 問題とは「目標と現状の差」
 という定義をしている解説書も多いようです。
 この説明をしておきます。

 (少なくとも当初の)QCでは「問題」を
 「基準と現状(または事実)の差」と言っていました。
 QCでは、決めてある基準から乖離しているものは問題だ、
 としていたのです。
 QCは、それをなくす方法を追及していたのですから、
 当然と言えば当然の定義です。

 「理想と現状の差」と言う書もあります。
 どうやって理想の状態に近づけるかを探求するのであれば
 それもよいでしょう。

 ですが、一般に使用されているの用語法は、
 あるべき(基準)、ありたい(理想かどうかは不問)
 の総称としての目標と現状の差です。

 ついでですが、
 先ほどの4番は他と異なる面を持っていました。
 それは「改善または解決できない」という面です。
 改善または解決できない問題は、
 問題にならないのではなく、課題にはならないのです。

 私どもは、これも一般的な用語法に従っていますが、
 「課題とは、ある目的を達成するために解決すべきであり、
 解決の可能性のある問題である
 (問題の中で目的指向性と解決可能性を持つもの)」
 と定義しています。

 年金制度の課題の一つは
 徴収率の改善ですが、
 これは年金財政を破綻させないという目的を持っていて
 工夫すれば何とかなるのではないかと考えているので
 課題なのです。

 「何ともならない!」と匙を投げれば難題となってしまいます。

 そこで、重要なのは目標である、
 ということがお分かりになったと思います。

 目標がなければ問題はないのです。
 私どもは、先ほどの小演習問題のときに
 以下のように申しあげています。
-----------------------------------------------------------------------
 よく「問題意識を持て」と言いますが、
 本当は「目標意識を持て」と言うべきなのです。
 問題意識は、否定形です。
 「こんな伝票1枚処理するのに5分もかかっていてはダメだ」
 「請求書を締め後3日目に出しているなんてとんでもない」
 「給料が20万円だなんてやってられない」

 これだと、だんだんあれもダメだ、これもダメだと
 落ち込んでいきます。
 そういう癖がつくと、だんだん土壷にはまって
 行き着く先は「不平不満居士」「窓際族」ですよ!

 それに対して、
 こうあるべきだ、という前向きの目標意識だと
 「この伝票1枚3分で処理できないだろうか」
 「請求書を締めたらすぐに発行できないだろうか」
 「給料を何とか30万円もらえないだろうか」
 となります。

 これだと、ではどうしたらよいか、
 と前向きに検討が進むことになります。
---------------------------------------------------------------------------
 ところで、目標にもいろいろあります。
 何かをするときの納期の目標、費用の目標などがあります。
 しかし、最も重要なのは
 「何のためにそれを行うのか」という「目的・ねらい」の目標でしょう。

 「目的・ねらい」につきましては、
 このメルマガやブログでも再三その重要性について
 解説してまいりました。

 「何のためにそれを行うのか」が
 すべての目標の起点です。

 小学生のお子様が二人いる「夏休みの計画」
 を題材に考えましょう。
 目的は、子供に喜んでもらう。
     良い思い出を作ってもらう。
     親も楽しむ。
 ねらいは、親に対する信頼を強化する。
      楽しい変化に富んだ経験が人間形成に貢献する。

 ということだと考えたとします。
 そうすると、その条件を満たす目的地やそこで何をするか、
 が出てきます。
 目的が曖昧だと、ただ単に2・3日どこかに行って楽しもう、
 というようなことになってしまいます。

 前掲の目的だと、
 「子供たちにも企画に参画してもらう」
 ということになるかもしれません。

 子供たちは、
 「こういう風に企画を作るものだ」
 「結構いろいろなことを検討しなければならないのだ」
 「うちの親は大したものだ」
 という風に思うでしょう。

 楽しさが増すだけでなく、
 「親に対する信頼を強化する」ということにもつながります。

 この続きは、次回の問題発見シリーズ(その3)です。

2010年7月12日月曜日

参院選結果の評価

 ご承知のように、民主大敗、自民大勝、みんなの党躍進、
 という結果になりました。

 民主の敗因はなんでしょうか。
 消費税のことをあげる人もいますが、
 これは主原因ではありません。
 自民党はもっと明確に消費税増税を主張していたのですから。

 単純な菅首相の個人的責任でもありません。
 国民の冷静な審判の結果です。

 以前、佐々木毅東大元総長の
 概ね以下のような発言を引用しました。
  評価には2種類ある。
  一つは実績に基づく評価である。
  基本的には事実は曲げられず、ほぼ正当な評価が行われる。
  自民党はダメだと評価された、のはこれである。 
  もう一つは、未来に対する評価である。
  これは期待に基づくので、幅ができる。
  昨年の衆院選での民主党に対する評価は実績ではなく
  期待に基づく評価だったのである。

 ところが、期待が実績に変化してくると、
 評価は変わっていきました。

 以下がその事例です。
----------------------------
 民主党系地方選で2連敗  上野則男のメルマガ10年3月号
 ご承知のように、民主党系の候補者が、長崎県知事選、
 町田市長選で連敗しました。

 地元の事情や民主党幹部の「金」問題等も影響したでしょうが、
 これは大きな流れで見ると日本人のバランス感覚の結果です。

 自民党はダメだという裁定が8月の衆院選でした。
 でも、その結果は多くの国民が想定したバランスポイントを
 はるかに超えてしまいました。
 その状況ではバランスの極致2大政党制は実現しそうもありません。
 民主党の弱さもかなり露呈しました。

 そこで、「これはいかん」というバランス感覚による補正が入ったと
 見るべきでしょう。

 おそらく、今度の参議院選挙もその「補正」の続きでしょう。
------------------------------
 そのとおりのことになりました。
 個々の選挙区では、それぞれ勝因敗因があるでしょうが、
 日本人のバランス感覚が勝敗を左右したのです。
 大局的に見ると、日本人のバランス感覚は大したものです。

 みんなの党の勝因は、
 政策の優先順位(成長第一、など)の適切さと
 政策がぶれないことが評価されたものでしょう。

 共産党、社民党の敗因は
 時代の流れです。
 日本は、もうずい分前から1億総中流となってしまいました。
 両党の支持基盤が失われつつあるのです。
 この点は公明党についても当てはまります。

 大きく見ればその2党ないし3党以外の党は
 保守の中での政策の差ですから
 本質的な差はありません。
 優先順位くらいのことです(これは非常に重要ではありますが)。
 今回の選挙のマニフェストを見ても分かります。

 社会的弱者の救済は、
 保守の政策の中で実現していかなければならないのです。

 ということで、
 私のこのコメントも常識的ですね。
------------------------------------------------------------
以下は、7月19日の追記です。

 私は、6月24日に参院選の予想をしました。
 その予想内容はこういうものでした。
 6月11日現在の時事通信社の支持政党調査に基づくと
 民主党は、選挙区で32人、
      比例区で21人、合計53人が当選という予想でした。

 これは残念なことに、大きく外れてしまいました。
 
 民主党の実際の当選者数は、
      選挙区で28人(上野予想比12.5%減)
      比例区で16人(上野予想比24%減)
 ということですから、比例区の方が減が大きいです。

 もともとの私の予想ロジックが
 無党派層の影響が比例区の方が大きいというものでした。
 
 その点からすると、
 無党派層は6月11日以降に
 民主党NOという意思表示を強化したということになります。
 これは選挙結果の一般の解説と異なっておりません。
 (残念ながらユニークな予想や解説をお届けすることができませんでした)  

2010年7月6日火曜日

サッカー・ワールドカップの勝因

 これだけ日本中を沸かせたテーマを無視するわけにはいきません。
 新聞各紙を見ると、
 反省とか課題とかのスタンスがが多く、
 勝因を述べている記事は多くありません。

 そこで日本チームが決勝リーグに進出できた「勝因」に付いて、
 整理してみましょう。
 岡田監督の出した守備重視の作戦や個人の体力強化も
 成績向上に貢献したでしょうが、
 それだけでは競合ひしめく中で勝てません。

 勝因の第1は、誰もが言っているチームワークの良さです。
 目立ちたがりの個人プレーではなく、
 チームワークがよくなければ勝ち残れません。

 優れた多数の個人を擁しながら
 チームワークが悪く敗退した典型はアルゼンチンです。 
 マラドーナ監督の流儀ではそうなりますね。

 なぜチームワークが良くなったのでしょう。
 それは、監督の指導ではなく、
 選手達が自分達で話し合ってその雰囲気ができたのだそうです。

 事前の親善試合で負け続きで監督の辞表届け騒ぎなどもあり、
 選手達に危機感が生まれたのです。
 この危機意識が、第1戦での勝利で好循環を生んだのです。

 勝因の2番目は、強気・攻めの精神で戦ったことでしょう。
 実力伯仲の中では、
 一瞬の隙・気のゆるみがパスのミスにつながり
 失点に結び付いてしまうのがサッカーゲームの特質です。
 
 守りの「気」では、精神状態が完全ではありません。
 守りに回るとガタガタになるということは
 過去に何回も経験しています。

 その点、今回は守備重視の布陣でしたが
 選手たちは常に「攻め」の精神で臨んでいたようです。
 
 これができたのも、前述の危機意識でした。
 開き直りの前向き精神が、
 緊張で固くなるという方向に行かずに良い方向に進んだのです。

 その意味では、
 前哨戦での負け続きが勝因だと言うこともできそうです。

 そう言っては申し訳ないのですが、
 3番目の勝因は運です。
 紙一重の実力・気力とすると最後を決めるのは運でしょう。
 第1戦がカメルーンだったことも幸運です。

 シュートがバーに当たるかギリギリで入るかは
 実力だけとは言い切れません。
 カメルーン戦での本田のフリーキックが、
 左にシュートして右上ゴールぎりぎりに入ったのは
 まさにそういう感じでした。
 「入るときは入る」と彼は言ったようでしたが、
 そのとおりでしょう。

 何度もポールやバーに当たってゴールできなかった試合が
 たくさんがあります。
 「あれが入っていれば試合の流れは変わっていた」
 ということがあるのです。

 「チームワーク」「強気・攻め」「運」、
 これは会社の業績・盛衰でも同じです。

 まず「チームワーク」
 個人個人の力で大きな成果を実現できるのは、
 研究開発だけでしょうね。
 他は、上司と部下、部下同士の連携が重要です。
 どうやってチームワークを良くするかは
 人事コンサルタントの稼ぎどころです。

 ですが、チームワークを強化する一番の方法は
 やはり、危機意識の醸成です。
 競争に負けてきて、「このままでは会社が危ない」となると、
 仲間内の競争をやめて、全員が外と戦うようになります。

 国家が、敵を作って国民の意識を外に向けさせる作戦は、
 人類の歴史で繰り返し行われてきた常套手段です。

 次は「強気・攻め」、その逆は慢心です。
 シェアナンバ1の会社が落ちていくのは
 守りに入ると、必死がなくなり慢心するからです。
 私のメルマガでも、以前、
 キリンビール、日経新聞、トヨタなどの例を挙げました。
 今のアサヒビールは大丈夫でしょうか。

 最後はやはり運です。
 「人事を尽くして天命を待つ」と言います。
 すべて自分たちの努力の賜物である、と思うのは不遜です。

 今の日本、
 全員が努力をして幸運を呼び込む国になって欲しいですね。
 政治には、国民への迎合ではなく、
 国の方向を示した上で、国民に全うな努力を要求することを
 期待したいものです。