2010年12月23日木曜日

官僚が優秀性発揮!

 12月17日、政府はこれから10年の防衛計画の
 方針を決める「防衛大綱」と「中期防衛力整備計画」を
 発表しました。

 この中では、日本全国土を守るという基盤整備から、
 軍事力を危機に対応して機動的に動かすことのできる
 「動的防衛力」の強化に方針転換しています。
 南西諸島を中心にした、
 「島しょ防衛の強化」も盛り込んでいます。
 
 これら、特に後者は、
 尖閣諸島トラブルを意識したものです。
 中国をけん制するのは、非常に重要です。

 このように迅速に長期の計画をくみ上げることのできる
 官僚組織の能力はなかなかのものではないでしょうか。
 おそらく、以前からこのような方向を把握・感知して、
 対応策を検討していたのでしょうが、
 今回の尖閣問題発生から、この大綱発表までは
 わずか2ヶ月半強です。

 もう一つ。
 菅総理が法人税の引下げ5%を発表したのが、
 12月13日夜、
 その後、来期予算政府案の基本方向を発表したのが、
 18日です。

 この政府予算案には当然ながら、
 法人税減税分を穴埋めする対策が盛り込まれています。
 減税幅が5%か3%か、とかで検討していて、
 13日から18日までですべてを検討したのでないでしょうが、
 それにしても予算編成担当部局の早技です。

 政府はいい加減な世論に迎合して、
 さっぱり筋を通さないので評判を落としていますが、
 官僚は優秀ですね。
 方向付けを正しく設定すれば、力を発揮してくれるのです。

 ところで、穴埋め財源ですが、
 給与所得控除の削減、相続税の控除額の縮小など
 基本的に高所得者に負担を求めるという方針は
 正解だと思います。

 低額所得者に負担を求めるか、
 高額所得者に負担を求めるか、といえば自明でしょう。
 
 それと「高額所得者団体」などは存在しませんから、
 反対論が沸き起こる心配もありません。
 その面では、ある意味で、
 民主党らしい「弱いものいじめ」的な側面があります。

 「高額所得者の負担増は
 国民の上を目指す思考に水を差す」
 という批判論が聞かれましたが、
 これなどは、何でもケチをつけようという評論家根性で、
 知識人としては恥ずかしい意見です。

 ところで、法人税減税5%は、
 日本の企業が日本から逃げ出すのを防ごう、
 国内で投資をしてもらい、雇用も確保しよう、
 という目的(菅総理のもくろみ)のようです。
 
 しかし、片やで研究開発費の損金算入の削減など、
 企業の力を削ぐ政策も入っています。
 これなどは、何を考えているのだろうかという
 目的軽視の愚策です。
 目的で筋を通してほしいものです。
  

2 件のコメント:

  1. 官僚が優秀で、早期に対応できたことには異論がございませんが、穴埋め財源としての「高所得者に負担を求める」ことには反対です。

    税については、たしかハイエクも語っていたと思いますが、1割を上限とすべき、というのが本来だと思っています。
    そのためには、もっと小さな政府を目指し、国家的なインフラ投資を行い、新たなビジネスの創造を展開していくべきと存じます。

    「金持ちはお金があるから、文句を言わない」とのことですが、金持ちほど、お金の有用性を良く知っていますから、金持ちに不利な制度を作ると、日本から金持ちがいなくなってしまいます。
    そうしたら、一体誰が新しい産業を創造するのでしょうか?
    むしろ金持ちの税を下げ、金持ちのセンスでもっとお金を使ってもらったほうが、国にとっては、よい効果をもたらすと思います。

    金持ちも一般人も、公平な税制度にするべきであって、税の不足は、上述の小さな政府、国家的基盤投資、新たなビジネス創造、そして人口増加にてカバーすべきと思います。

    又、先進国は、皆移民を受入れております。
    オーストラリアでは、欧米の移民政策の失敗から、自国の防衛に対する誓いに加え、言語、文化の理解度テストを行い、
    生活に支障のない方のみを受入れていると聞きます。

    日本もそろそろ純血主義をやめ、世界の常識を果たす時期ではないでしょうか?
    もっとも、純血主義というのは、最近のことで、平城京、平安京の時代は、外国の技術者や文化人をたくさん受入れていたのですから、本来のオープンな国に戻るということかと思います。
                      以上 HY記

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  2. HYさん

    ご意見ありがとうございます。

    あなたのご意見は正論でそのとおりの面があると思います。

    ですが、今年度の政策は今年度に決着しなければならないのです。小さな政府を待っているわけにいきません。
    このままだと、大変な赤字垂れ流しになって、後世の若い世代につけが回ってしまいます。

    富裕な人から税を取らないとすると、相対的には貧乏な人からも税を取ることになります。どっちから取るのかとなったら、富裕な人からとることになるのではないでしょうか。

    公平についてですが、貧富に拘わらず定額の税又は定率の税というのは公平ではありません。富裕な人は本人の努力もあるでしょうが、今の社会のおかげで富裕になっている面もあるのです。しかるべく負担していただくのが筋でしょう。

    富裕な人は日本から去っていくというのは考えすぎでしょう。企業は出ていきますが、個人はそう簡単に外に出ていくことはできません。

    上野 則男

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