2011年3月31日木曜日

福島原発事故から学ぶこと

 今回の激震、津波、原発事故は多くの教訓を
 社会に与え続けています。

 この項では、福島原発に焦点を当てます。
 この事故の教訓は、
 ソフトウェア業務にもぴったり当てはまるのです。
 それを考えてみたいと思います。

 本稿は長いので2部構成といたします。
 前半は、ソフトウェア業務として
 この教訓をどう活かすべきかを述べます。

 ソフトウェア業務に関心のない方は
 この部分を飛ばして後半をお読みください。
 
 後半(ーーーーの後ろ)は、
 福島原発事故の問題点です。
 以下の5項目を挙げました。

   1.外部依存の弱み
   2.元締めの担当が技術を知らない、
         技術屋は専門領域しか分からない。
   3.上の人間が現場の状況を知らない。
   4.副系統の軽視
   5、バックアップに対する考え方の不備

 【第1部 福島原発事故から
             ソフトウェア業務が学ぶべきこと】
 
 1.外部依存の弱み

 現在のソフトウェア業務には、
 新規にソフトウェアを作る開発業務と
 開発されたソフトウェアを環境やニーズ変化に合わせて
 手を入れる保守業務とがあります。
 
 この保守業務は、これをしないと
 経営機能が止まってしまう非常に重要な機能です。
 
 開発業務でも、
 多くの依頼者(東京電力に相当する法人)は
 外部のソフトウェアベンダ
 (一般にパートナ企業と称しています)
 を利用して開発しますが、
 多少は自分たちも実質的に関与して
 開発内容を理解しています。
 
 ところが、保守業務については
 「丸投げ」と称して、
 実質全面外部依存の場合が多いのです。
 
 そうする理由はいろいろありますが、
 「限られた人材に
 より付加価値の高い仕事をさせよう」
 というのが一番でしょう。
 ということは、保守の軽視です。

 そうなると、
 最近起きたみずほ銀行の処理不能トラブルなど、
 何か障害が発生しても、
 依頼者側(みずほ銀行)では、さっぱりその原因も
 対応法も分からないのです。
 「早く何とかしてくれ!」と言うばかりです。

 これではビジネスの命取りになりかねません。
 保守の軽視などとんでもないことです。

 2.元締めの担当が技術を知らない、
         技術屋は専門領域しか分からない。

 原子力発電業務と同じことが
 ソフトウェア業務でも起きています。

 現在のソフトウェアの保守業務の発注企業の担当は、
 まもとな開発業務に関わった経験のある人が
 少なくなってきているのです。

 ソフトウェアの保守業務がどんなものであるか、
 観念的にしか分からないのです。
 とても、外部の企業の指導など覚つきません。

 それではパートナ企業の言いなりです。
 パートナ企業に首根っこを押さえられているようなものです。
 パートナ企業は、ほとんど日本の企業ですから、
 悪いことはしないでしょうが、危険極まりない状態です。

 「技術屋は専門領域しか分からない」の典型例は、
 ソフトウェアを作る技術者は、
 対象のビジネス業務が分からないという点です。
 そのためにトンチンカンなソフトウェアを作ったり、
 大きな工数のコミュニケーション作業が必要になるのです。

 多様化した技術領域について、
 自分の得意分野(言語とか使用ツール)以外は知らない
 ということもあります。

 3.上の人間が現場の状況を知らない。

 ソフトウェア保守業務は、
 信じられないことですが、
 旧態依然たる「人依存」の方法で実施されています。

 ソフトウェア保守業務の実務は、
 ほとんどが情報サービス業が担当しています。
 
 情報サービス業のトップは、
 保守業務の現場の実態や苦労をご存じないでしょう。
 
 毎日、毎日とめどもなく残業が続くとか、
 いくら努力してもミス(事故、トラブル)が発生して怒られる、
 報われない絶望感に打ちひしがれている、
 などが典型例です。
 
 3Kや7Kと言われる所以です。 

 トップは「頼んだよ」「ご苦労だね」とか、
 一応言うだけで本当のところは分かっていません。 

 4.全体が分かる人がいない

 システムの世界でも、「全体が分かる人がいない」
 ということが大問題です。

 システムが巨大化してきて、
 全体を見通せる人がいなくなっているのです。

 一つのシステムでも、
 10年も使っていると
 (企業のシステムは平均13年間使われています)
 増築増築で複雑な構造になっています。
 
 皆様もそのような旅館に
 泊まられたことはありませんか?
 旅館の構造くらいは少し観察すれば分かりますが、
 裏でどのようにつないでいるかは
 図面がないと分からないのだそうです。

 一つのシステムでもそうなのです。
 今のビジネスのシステムは
 多くのシステムが
 他のシステムと複雑につながっていますから、
 そのつなぎがどうなっているかは、
 正確な資料(図面)がないと分かりません。

 ところが、その図面が当てにならないのです。
 そこで、人頼みの仕事のやり方になっています。
 恐ろしいことです。
 ですから、思わぬところから
 爆弾(障害)が発生するのです。

 図面を整備し、
 その図面を解析・分析できる仕組みや
 それができる人材を養成しなければなりません。

  5.副系統の軽視
 
 ソフトウェア業務でいえば、
 開発業務は花形で、
 eビジネスだ、クラウドだ、スマートフォン利用だ、
 とか新しい技術も追いかけられます。

 ところが、保守業務は脇役です。
 「そんなに難しいことではない、彼にやらせておけ」
 という感じになっているのです。

 ソフトウェア業務の事故・トラブルの原因の8割は
 保守が原因なのです。
 開発は10年間以上に1回なのに対して
 保守は10年以上続けるのですから
 当然その不備が多くなるでしょう。

 保守の方が重要なはずなのに
 今は副系統の扱いです。

 6.バックアップに対する考え方の不備
 
 原発でのバックアップは機器に対するものですが、
 人間の業務であるソフトウェアについても
 バックアップの考えは必要です。

 あるシステムの担当が一人しかいない
 (そういうケースが一般です)場合、
 その人が病気になったり、いなくなったりすると
 その保守業務はストップしてしまいます。
 現在の仕事のやり方が、
 担当の頭の中にある知識に依存する方法だからです。
 
 そこで、現在ようやくその対策が、
 検討・実施されつつあります。

 以上、現在のソフトウェア保守は
 極めて重要な業務でありながら、
 極めて危険な状態にあるのです。

 いずれ、みずほ銀行だけでなく
 いろんなところで問題が爆発しそうです。

 その対策の一つが、
 「ソフトウェア業務の改善ができる」
 ということは、
 「ソフトウェア業務に対して目利きのできる」
 人材を養成する「SWEEPER養成研修」です。

 ご関心ある方は、
 ぜひ別稿3月1日作成の
 「SWEEPERってご存じ?」をご覧ください。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  【第2部 福島原発事故の問題点】

 1.外部依存の弱み

 東京電力は、
 (お客様ですが、以下敬称略とさせていただきます)
 発電所を作るときには東芝などの重電機メーカ、
 重工業、エンジニアリング会社などの力を借りています。
 おそらく、
 それらの企業が多くの「下請け」も使っていたでしょう。

 現時点の維持・運用段階でも、
 また同じような企業の世話になっています。

 しかも、世話になる領域は、
 核分裂に強い人、
 炉の容器や冷却系統に強い人、
 電気系統に強い人など、
 さまざまな専門家が必要です。 

 そうすると、東京電力の社員は
 とてもその専門領域についていけませんから、
 他人任せ、他人依存になります。

 技術の深いところ・肝心なところは
 概念的な理解したできないようになってしまいます。

 ですから、東京電力の人たちが記者会見していても
 質問を受けると、
 さっぱり要領を得ない、
 頼りない対応しかできないではないですか。

 それは、外部依存の悪い影響結果なのです。

2.元締めの担当が技術を知らない、
         技術屋は専門領域しか分からない。

 福島原発は1970年代、
 今から30年以上前にできたのです。

 今や、その原発の設計や建設に関わった人は
 ほとんどいないのです。
 作っているときには、
 設計者は、設備の構造や作動原理がよく分かっています。
 こういう人は原子炉の実務的専門家と言ってよいでしょう。

 福島の原子炉について
 現役の実務的専門家は今ほとんどいないそうです。
 今回の福島と同じ沸騰水型原子炉が
 日本で最後にできたのは94年ですから。 

 エンジニアリング会社のベテランが言っていました。

 「昔は、設計屋もプラントなどの現場に這いつくばって
 仕事をしていたので、現場が分かっていた」
 
 因みに、「原子力工学科のある大学はなくなった」
 のだそうです。
 日本には、
 原子力発電の理論的な専門家もいないのです。

 今回の登場人物のような、
 決められた設備の維持・メンテナンスしかしない人は、
 異常事が発生すると、
 設備の基本が理解できていないので、お手上げです。
 右往左往しかできないことになります。

 マスコミ関係者が当事者たちにする
 「(福島の原発)この先どうなるのでしょうか」
 という質問に対して、
 いい加減な答えしかできません。
 「そんなこと分かるわけないでしょう」なのです。

 トイレ掃除の要員に
 「この便器のつまりを直してくれ」と言っても無理でしょう?

 また、学者的な専門家は、
 専門領域についての単なる理屈しか分かりません。

 現在テレビにしょっちゅう「専門家」が登場します。
 放射能・放射性物質の専門家は、
 各放射性物質の特性(放射能の強さとか半減期とか)しか
 分からなく、原子炉のことは分かりません。
 原子炉の専門家は放射能のことはよくは分かりません。

 テレビの司会者等が偉い先生だから分かるだろうと
 「専門家」に何でも質問しますが、
 それは「筋違い」です。
 専門のことしか分からないのです。

3.上の人間が現場の状況を知らない。

 これは今、最もひんしゅくを買っていることです。

 何日か前から、
 福島原発の注水や通電復帰作業に関わっている作業者が
 極めて過酷な信じられない状況で
 働いていることが分かってきました。

  毛布1枚だけで寝泊まりしている
  食べ物はわずかなビスケット類
  飲み物ほとんどなし
  水がないのでコンタクトレンズが洗えずに
              そのまま連続使用している

 なんで?
 外部と連絡が取れない場所ではないのでしょう!!

 その状況の責任者は誰なのでしょうか。
 作業員しかいなくて責任者はいないのでしょうか。
 ありえないような話です。

 当然、勝俣会長はインタビュで「知らなかった」
 と言われました。
 そりゃそうでしょう、とんでもないことですから。

 責任者が現場の状況をよく分かっていない、
 ということはままあることですが、
 今回のは極端ですね。 

4.全体が分かる人がいない! 
                 この項は4月4日追記
 
 またビックリするようなことが起きてしまいました。
 ピットとかの割れ目から
 高濃度の放射性物質が海に流れていることが
 4月2日に分かりました。

 高濃度の放射性物質が海に流れ出していることは、
 大変なことですが、
 それ以上に「ビックリ」は、
 その漏出源が今頃分かったことです。

 海水の放射性物質の濃度が高いということは
 ずいぶん前から気がついていたことではないですか!
 
 そうしたら、当然それはどこから漏れているのかを
 調べるでしょう!
 なぜその時に調べなかったのか、
 あるいは調べたのなら、
 なぜ漏出源が分からなかったのでしょうか。

 福島原子力発電所敷地内の設備がどうなっているか
 という設計図面があるはずです。
 それを見れば、海につながっている、
 あるいは漏れにつながりそうなところが
 分かるでしょうに。

 なぜその時に
 しらみつぶしに調べなかったのでしょうか。
 放射能があるから調査ができない、
 なんてことは言えないでしょう!
 まともな防護服がたくさんあるのですから。

 結局のところ、
 そういう全体が分かっていて、 
 全体の調査とかを指揮できる人が
 いないということなのでしょう。

5.副系統の軽視
 
 今回の事故の発端は
 もちろん100年に1回とかの大津波ですが、
 原子炉が温度上昇して危機的状況になった直接原因は、
 予備電源のディーゼルエンジンが
 機能しなかったことです。

 原子炉自体は、
 あれだけの地震でもびくともしなかったのです。
 よくできていましたよ。

 当然、主電源の切断を想定して
 予備電源を設けているのです。
 しかも念入りに2系列で。
 ところが、予備電源の建屋に水が入って
 2台の発電機とも動かなりました。

 何のための予備ですか!
 そこまでの水が来るとは想定しない、と
 原子力安全委員長や原子力安全・保安院の長は
 考えていたようです(3月26日朝日新聞)。

 予備電源は最後の切り札ですよ。
 建屋を完全防水型に作ればよかっただけのことです。
 それだけのことは技術的にも費用的にも
 大したことではありません。

 その設計担当責任者が
 そこまで考えなかったというだけのことです。

 予備とは何か、主がダメになった時の代役です。
 主がダメになる時は、大変な時でしょう!
 予備をどのくらいの前提で作るかは、
 しっかり考えれば、
 分かることだったのではないでしょうか。

 私が思うには、副系統の軽視です。
 主系統、つまり原子炉自体については
 優秀な技術者が多数寄ってたかって
 良いものをとことん追及したはずです。

 ところが予備電源の発電機については
 「そんなもの、適当にやっておけ」
 という感じだったのではないでしょうか。
 その担当は主系統に比べれば、
 一流の技術者ではなかったでしょう。

 「こんなところで、足を掬われるとは!」と、
 (ご存命であれば)
 全体の責任者は忸怩たる思いでしょう。

(5月9日追記)
 5月2日の日経新聞に以下の報道がありました。

 原子力安全委員会は、
 原子力発電所の耐震指針の見直しに乗り出す。
 (中略)

 見直しの柱となる津波対策は、
 地震に伴う付随事項の位置づけで
 重視してこなかった。

 まさに、私の言う「副系統の軽視」です。

6.バックアップに対する考え方の不備

 5.の続きですが、
 予備の発電機2台は、
 同じ建屋の中に置いているのです。
 この場合に救えるのは、一方の発電機自体か
 周辺の電気系統が損傷した場合だけです。
 これは定期点検とかで事前に分かるはずです。
 
 主電源が破壊された時の予備に、
 1台が使用不能でも、もう1台が、
 というバックアップとして置くなら、
 もっと大きな事故を想定すべきだったでしょう。

 その時は、今回のような場合です。
 同じ場所に置くというのはナンセンスでしょう。

 コンピュータの場合、
 災害に備えるというバックアップの主機器は
 地理的に別の場所に置くことは
 ごくごく当たり前の常識です。

 以上、分析すればするほど
 今回の事故はひどいものですね。

 今復旧に当たっている人の責任ではありません。
 その方々のご努力が報われることを
 願ってやみません。

2011年3月22日火曜日

福島原発の状況、これが本当!

 以下は、友人から受け取ったメールの内容です。
 その友人もその友人の友人から受け取っています。
 ご参考までに全文ご紹介します。

 (直接の友人■のコメント)
 原発トラブルについては悲観論から楽観論まで
 様々な見方が識者よりメールが入っていますが、
 その中で最もニュートラルなものをご参考までに転送します。

 -----Original Message-----

 From: ■(私も知っている昔の帝人の仲間です)
 Sent: Tuesday, March 22, 2011 10:52 AM
 To: 帝人の仲間宛のグループメール
 Subject: Fw:福島原発の問題についてメディア(特に海外の)は心配し過ぎ

 各位
 ■■です。
 友人からの情報 ご参考までに転送いたします。
 --------------------------------------------------

 From: <■■■@mbg.nifty.com>
 Sent: Saturday, March 19, 2011 2:38 PM
 To:
 Subject: Fw: 福島原発の問題についてメディア(特に海外の)は心配し過ぎ

  福島原発に関する専門家の見解をまとめたものです。
  MITのサイトは
  初めFacebookでコメントしてあるのを見つけたのですが
  毎日新しいことが付け加えれてています。

 前に書いた日本語訳のものはなくなってしまったみたいです

  ----- Original Message -----
 Subject:福島原発の問題についてメディア(特に海外の)は心配し過ぎ
 From: ■■■■ <□@nifty.com>
 Date: Sat, 19 Mar 2011 12:35:35 +0900
 Cc: 省略
 To: ■■■@mbg.nifty.com

 福島第一原子力発電所の諸問題について:
 僕(■■■■)は
 今度の原子炉のトラブルについては大きな関心をもち、
 いろいろ読みあさり、考えました。
 
 中でも大きく学んだのは、M.I.T.の Dept. of Nuclear
 Science and Engineering のサイトである
  http://mitnse.com/ からでした。

 また、大学の数学科の同級で、
 卒業後は東芝で原子炉の製造に関わってきた友人
 とは度々電話で話し合い、いろいろ教わりました。

 これらの「素人のにわか勉強」の結果達した結論は、
 日本のメディアは騒ぎ過ぎ、
 アメリカ等海外のメディアはもっと悪い。
 最悪、全ての努力が不成功で、諦めて放置したとしても、
 そう大したことにはならない、というものです。

 しかし、こんな結論を素人がいくら大声で触れ回っても、
 誰も真面目にとりあってはくれないでしょう。

 ところが、今度、
 現役の友人の東大の工学部時代の仲間で、
 卒業後は日立の原子力を30年くらいやって来て,
 定年後,東工大の原子力工学研究所の教授をしている
 西村氏が友人知己に回したメールが手に入りました。

 それは僕が到達した結論と同じことを
 専門家がじゅんじゅんと説いてくれている文章であって、
 貴重なものでした。
 これを英語で書いて NYTimes あたりに投稿して
 くれないかな、と思いました。
 これはいくら世間に広めても構わないそうで、
 皆さんもご自分が納得されたら
 メールを使っているすべてのお知り合いに
 転送してあげてください。
 
 さて、西村氏のメール2通を以下に・・・

 +++++++++++++++++++++++++

 2011/3/17 午前中のメール:
 
 1.燃料プール以外の原子炉本体の状況

 地震時に運転していた1号機、2号機及び3号機については、
 制御棒がきちんと挿入され炉心の核分裂は停止しました。
 
 その後、外部の電力が断たれたため、
 非常用ディーゼル発電機が起動しました。

 しかしながら、その後襲った津波のために、
 ディーゼルエンジンの燃料を供給す

=========================
 上野注:大事なところが途中切れています。

 たまたまこのポイントです。
 私が今回の福島原発の事故の初めから、
 これが直接原因だ、と思っていたこと
 を開陳します。

 今回の事故(火災、爆発、放射能漏れ等)は
 すべて原子炉を冷却できないことから発生しています。
 その原因は、予備電源のはずだったディーゼル発電機
 (予備を含め2台らしい)が水をかぶって
 動かなくなったことなのです。

 他の設備に
 地震による破壊等の障害は一切起きていません。
 
 今後の対策として、
 津波が来ないようにもっと標高の高い所に設置したらよい
 などという意見を言う人がいるようですが、
 いい加減なものです。
 
 簡単なのは、この発電機を完全防水状態の建屋に
 閉じ込めればよいのです。
 
 以上、超ど素人の意見です。

 原文に戻ります。
=========================== 

 でしょう。

 原子炉が停止すると
 あとは核分裂生成物から出る崩壊熱をどう除去するかです。

 この崩壊熱は
 原子炉停止直後は全出力の7%くらいですが、
 1日経つとこの10分の1、
 更に1日経つとその半分位に落ちます。

 したがって、3日も経つと
 普通は原子炉の蓋を開けられるくらいに冷えます。

 現在これらの炉心には海水が注入されているようですので、
 これが順調に行っていれば、
 もうこれ以上はひどいことにはならないと思います。

 2.燃料プールについて

 燃料プールに入っている燃料から出る発熱量は、
 大変少ないものです。
 十分時間が経っていれば
 空気中に出しても問題ないくらいです。

 しかし、あまり止めてから時間が経っていない燃料だと
 冷却しなければ温度が上がってきます。

 温度が上がると燃料の被覆管が高温になって
 周りの水と酸化し酸素を吸着しますので、
 残りの水素が気体となります。
 この水素が燃焼したのだと思います。

 蒸気だけでもかなり冷却します。
 なんとか水を入れて冷却をしてほしいと願っています。

 なお、構造的に燃料プールで臨界になって
 核分裂が起こることは考えられませんので、
 メルトダウンを起こす元気は残っていないはずです。

 3.放射線について

 現在、TVで報道されている数値の範囲であれば、
 原子力発電所内を除いて、
 健康上の被害は全くないと言えます。

 チェルノブイリの時もそうでしたが、
 一番の影響は精神的障害と報告されています。

 つまり、実際の放射線の被害は無いのに、
 それを気にして精神的に参ってしまうことが
 一番の健康上の問題です。

 なので、どうぞ皆様、
 ご家族を含めて冷静に対応して頂くようにお願いします。
 
 分かる範囲でご説明しますので、
 何かご不明な点があれば連絡ください。

-----------------

 2011/3/17 の夕方のメール:
 確かにあの写真はショッキングですね。
 [どの写真の事か■■■■には不明]

 多分ああならないように
 東電の所員達は懸命の努力をしてきたのだと思います。

 技術的には、燃料に含まれる核分裂性生成物が
 最も放射線が高いので、
 これをなんとか外へ出さないようにできれば良いのです。

 核分裂が停止した状況では、
 核分裂性生成物はその約60-70%がペレットに
 残っています。

 その外側に燃料棒の被覆管があります。
 今回おそらくこの一部はヒビが入ったりしてると思います。
 それにしても
 中身が全て外へ出てくることは無いと思います。

 さらにその外側に圧力容器があります。
 この圧力容器内の水(炉水)は、通常ですと、
 温泉水の1/2から1/4位の放射能しかありません。
 (温泉水の放射能も結構高いのですが、
 それでも健康上問題ありません)

 今回、
 今のところこの圧力容器は全号機とも壊れていません。

 さらにその外側に格納容器があります。
 2号機ではこれの一部が壊れたようですが、
 それでも普通、その外側にコンクリートの壁があって、
 完全にリークを抑えられる訳では無いですが、
 実際には相当強固なものです。

 建屋は水素爆発を考慮して少しヤワに作っています。
 中の格納容器や圧力容器を守るためです。

 したがって、私はまだまだ大丈夫と思ってます。
 福島第一原子力発電所は所長以下、
 私の知人がたくさんいます。

 その人たちが多分、不眠不休で頑張ってると思います。

 皆さんそれぞれプロですから、
 なんとか頑張ってくれると私は信じています。
 どうぞご理解お願いします。

>>================================== (おわり)

節電は良いこと

 福島原発の事故で、
 電気がいくらでもあるのが当り前ではなく、
 貴重な資源だ、ということが身をもって分かった
 若い人が多いのではないでしょうか。

 これを機会に節電意識が定着すれば、
 「災い転じて福となす」(福は福島の福です)
 となりますね。

 電車が節電をして
 「通勤者に負担を強いている」というのに、
 「とんでもないことだ!!」と私が怒ったことがあります。

 私の自宅側通勤駅の都営地下鉄中延駅です。
 この駅では、1年ほど前にエレベータを設置しました。
 このエレベータは南北に長い駅の両側をつないでいる
 通路の真ん中にできたのです。
 そのためにその地下通路も新しくしました。

 その時に、私はクレームしました。
  「なんでそんなに明るくするのだ!」と。
 ほとんど人が通らないその通路に
 蛍光灯が煌々、こうこうと輝いているのです。

 駅員は、「暗いと危険だ」とか言うのです。
 「誰も、消せとは言っていない。
 半分にすればいいではないか」
 と言いました。
 それきり、半分とかにする気配はありませんでした。

 そこで、今回頭に来まして、
 「以前にも申しあげたが、無駄だ」
 若めの駅員は、四の五の言うので、
 「設備が半分消すようになってないなら、
 蛍光灯を外せばよい。そんなことはすぐできる」
 と息巻くと、
 「上司に報告します」ということでした。
 
 これが19日でした。
 今朝22日に、駅に着くと
 なんとその通路の蛍光灯が半分消えているのです。
 しかも蛍光灯は装着されたままです。
 「何だ、もともと設備で対応できるのはないか。
 なんという怠慢だ」と憤慨しましたが、
 結果オーライです。

 いいではないですか、多少暗くたって。
 階段も暗くなっていましたが、
 ホームはフルについていました。
 それで良いのです。

 家庭の中でまめにスイッチを切るのは面倒ですけれど
 それが習慣になれば面倒でなくなるでしょう。
 私は以前から家内に言われて
 うるさく思っていましたが、
 今は慣れました。
 そうして、人に言う番になったのです。

 今回のテーマの目的論です。
 「明るくするのは何のため?」
 「暗くて事故があるとまずいから」
 「だったらそんなに明るくなくてもよいでしょう?」
 ということです。
 お騒がせしました。

 【都営地下鉄中延駅の後日談】
 3月22日から上記の通路が暗くなっているので、
 23日に駅員に聞いてみました。

 たまたま、私がクレームした若い駅員がいました。
 「いつから暗くしたの?」と聞くと
 「言われた次の日からです」
 「どうしたの?」
 「お客様に言われたので
 上司(多分駅長でしょう)に報告しました。
 そうしたらこうなったのです」
 
 素晴らしいことだと感激しました。
 駅長の判断で実施したのです。
 うるさい上層部から何か言われないのかしら、
 と気になりましたが、
 たいへん良いことです。
 他の駅でも見習ってほしいものです。
  
 【27日追記】

 やはり階段が薄暗いのは危険だと思い、
 23日の帰りに
 「階段まで暗いのは危険ではないの?」
 と訊きますと、
 「そうなんですが、一括でなっていて
 部分ではできないのです」ということです。
 それでは仕方ないな、
 方法がないわけではないけれど、と諦めました。
 
 でもよく考えてみると、
 おかしな設計です。
 「何のために」半分を切れるようにしたのか、です。
 何でもよいから半分にすればよい、
 ってものではないでしょう!

 何らかの理由で半分にするということは、
 今回のような場合でしょう。 
 だったら、一律はまずいですね。
 目的を考えないとこういうことになるのです。

 この時ついでに聞いてみると、
 この駅長は、
 他の駅にもこのような節電を勧めているのですって。
 いいですねー。

 しかし、東銀座のホームは相変わらず、
 煌々と明るいのです。
 前から気になっていたのですが、
 そのままです。

 そこで26日に駅長に申し入れました。
 駅長は若い人でした。
 「検討する」ということでした。

 この時に分かったのですが、
 この東銀座駅のホームは
 今年の2月に改装したのです。
 その頃は、節電のせの字もなく
 日本の成長期の価値観を引きずっての
 設計だったのでしょう。

 今回のようなことがあると、 
 今まで、
 過去の延長で「いいわ、いいわ」で来たことを見直す
 非常によい機会になります。
 「そんな細かいこと!」とか「みみっちい!」と
 言われないですみますしね。
 
 しかし、改めて他の駅を見てみますと、
 JRも営団地下鉄もみな節電しています。
 民間企業と公営の差ですね。
 民営化は、効率経営には必要なようです。

 【3月30日追記】
 本日、
 東銀座駅のホームの電気が半分になっていました。
 もともと2列になっていて、1列で十分な明かりなのです。

 少し対応が遅かったけれど、結構なことだと思い、
 駅員に「電気半分にしたんだね」と言うと、
 「ええ、順番にそうしていくようです」とか
 のんきなことを言っていました。
 自分の家は停電の憂き目に遭っていないのでしょうか。
 大げさに言うと国民の意識のばらつきを感じました。
 

2011年3月17日木曜日

被災地救援 「自分のできることをしましょう!」

 たいへんな事態ですね。
 亡くなられた方が一番お気の毒ですが、
 この寒空で、不十分な環境に避難しておられる方も
 非常にお気の毒です。

 今朝(17日)、東京も真冬並みの寒空でした。
 朝のジョギングをしながら、
 「これでは被災地の方はさぞかし」と考えました。

 そして
 「自分のできることをしましょう」という標語から
 思いつきました。

 「我が家に余っている毛布を送ろう」と。
 別稿「自由にお持ちください」で書きましたが、
 布団類も大量にあったのです。

 敷布団は10枚ほどありました。 
 ですが、近所の布団打ち直し店に聞いても
 再利用の方法はなさそうでしたので
 ゴミ処分にしてしまいました。

 毛布は未処分で残しておいたのです。
 かき集めると10枚ほどありました。

 これをどうやって被災地に送り届けるか、
 が問題です。
 個人の荷物は被災地に届けられません。
 宅配便業者も受け付けてくれません。

 日本赤十字社に問い合わせましたら
 物は取り扱っていない、ということでした。
 その代わりに同社では、
 物を扱ってくれるNPOを教えてくれました。

 ところがそこでは、
 新品のみしか取り扱わない、ということです。
 現地の状態を考えたら
 毛布は古くたって使えるではないですか!
 (「目的を考えろ!」と言いたいです)

 しかもなぜか、
 名取市向けしか取り扱っていないということでした。

 そのうちに調べていましたら、
 「救世軍」が中古品を取り扱っている
 ということが分かりました。

 問い合わせてみると
 「毛布と防寒具は大歓迎」ということでした。

 そこで神田にある救世軍の本部に
 宅急便で毛布10枚を2包みにして送りました。
 新しくてふわふわのものもありましたが、
 そういうものこそ喜ばれるのだ、と思いきり?ました。
 
 送料が約3千円かかりましたが、
 早く現地に届いて、
 3千円以上の価値を感じていただければよいな
 と思っております。

 ちなみに、亡父の実家は大船渡市盛町です。

 昭和35年の三陸海岸の津波の際も被害に遭っています。
 その時の地元の新聞岩手日報では、
 「三陸沿岸の被害甚大 大船渡、廃墟と化す
 死者・不明73人」 と報じています。

 今回もおそらく被害に遭っているのでしょうが
 連絡がつきません。
 電話回線が切れているのでしょう。通じません。
 
 【追記】
 3月18日の日経MJ(旧日経流通新聞)に
 こういう記事が載っていました。
 「被災地の支援本格化」という記事に、
 UCCホールディングスが、毛布約3千枚他を送った
 という記事が出ていました。

 イヤー負けました。 
 どうして、どこにそんなに多くの毛布があるのだろう?
 と不思議に思いました。

 各自治体では、
 災害に備えて毛布等を保管していると思いますが、
 コーヒ屋さんが、持っているわけがないのです。
 どうしたのでしょうね。
 
 それでも、2000か所以上の避難所に、
 24万人とか30万人とかの
 被災者がおられるのですから、
 まだまだ足りないのでしょう。

2011年3月15日火曜日

「電力の安定供給」の呪縛

 東京電力が非難を浴びています。
 その一つが「計画停電」です。
 
 3月14日から東京電力管内で「計画停電をする」
 ということを、前日夕方発表しました。
 具体的な実施スケジュールは当日開始ぎりぎりになり、
 しかも「今日はやらない」「やはりやる」と
 方針が二転三転しました。

 計画停電実施は、
 1951年の同社設立以来初めてということでの
 不慣れはあったでしょう。
 不慣れの時に的確な捌きができるのが実力だ、
 という批判もできそうです。

 しかし私は別の見方をしてみます。
 東京電力では、
 設立以来「電力の安定供給」を社是としてきました。

 この安定供給とは、
 「いかなる山間僻地といえども需要者がいる限り
 都市部と同じ条件で電力を供給する」
 というものです。

 ということは、極論すると、
 人里から離れた山の中に住んでいる一家のために
 送電線網を張り巡らせて、
 しかも事故等を考慮して代替網まで設定するのです。
 
 「お上」の仕事としては、
 そういう理念もある面で許容されるかもしれません。

 しかし公益事業とはいえ、株式会社の事業です。
 そのコストは
 都市部の利用者が負担していることになるのです。

 ところが、この方針は錦の御旗として
 長く社内で受け入れられてきました。

 この錦の御旗に対して、
 93年から99年まで社長を務められた荒木浩氏が、
 トップとして初めて、コストとのバランス
 あるいはコストダウンの概念を主張されました。

 荒木社長は、社長になられる前から、
 既成概念に対して異論を唱える改革派だったようです。
 そういう改革派を社長にした那須翔社長(当時)も
 偉い方です。

 今回の件は、
 なぜ二転三転したかというと、
 何とかギリギリ可能な範囲で電力を供給したい
 という使命感のなせるわざだと思えます。
 良かれと思ってのことなのです。

 しかし受け側からすると、
 停電は困るが、どうなるか分からない方がもっと困る、
 ということへの配慮が足りなかったのです。

 個人は予定外に電力が来れば
 「良かった」ということでしょう。
 しかし、法人の場合は、
 自分のところのサービスをどうするかを決めて、
 段取りをしなければなりません。

 変更されたら困るのです。

 「電力の安定供給」が、
 何にも勝る行動基準だという思い込みが
 悪い結果を産んでしまったのです。

 ちなみに、荒木社長は99年の東海村の
 原子力事故の責任を取って辞められました。
 
 

2011年3月14日月曜日

「自由にお持ちください」

 (この記事は、大震災前に書いたものです)

 私ごとで恐縮ですが、
 今月我が家の1階に娘一家が引っ越してきました。
 
 この1階は、
 以前、家内のお母さん(義母)が住んでいましたが、
 17年前に亡くなってから
 多少手入れをして、子供たちの集会所や
 一族が集まる新年会の会場として使うくらいで
 ほぼ空き家状態だったのです。

 この1階のキッチンには、
 スペースがあるものですから、
 義母の時代からの食器類が大量に保管されていました。
 
 おそらく、
 お祝いや引き出物・志等でいただいたものなのでしょう。
 年に1度の新年会でその一部が使われましたが、
 まったく使われたことのないものも多数ありました。

 この食器類を片付けることになりました。
 
 お手伝いに来ていた隣の奥さんは
 捨てるのが大好きな人で
 その旦那と二人で片っ端からゴミ袋詰めしてしまいました。

 もったいないな、でも使わないなら仕方がない、と
 私は見守っていました。
 
 ところが翌朝思いつきました。
 「そうだ、道路に並べて
 『自由にお持ちください』と書いておけば
 持っていく人がいるかもしれない。
 ダメモトだ」

 そこで、早速出勤前、
 それらの食器を陳列しました。
 丁度、粗大ゴミで出そうと思っていた
 2段重ねの和ダンスがあったので、
 その上に並べたのです。

 その時の陳列状態は写真1,2をご覧ください。
 写真2の引き出しの中に多数の湯飲み茶わんが
 写っています。
 写真1


 写真2

 

 家族は、
 「そんなの持って行く人がいるわけない。
 時間のムダだ」
 と、極めて、極めて冷ややかでした。

 しかし、並べているそばから
 「何をしているのですか」と聞く人が続出し、
 その朝、並べ終わるまでに3人が
 お皿やコップを持って行ってくれました。
 
 楽しみにして仕事から帰ってくると
 半分以上が無くなっていました。
 これはだめだろう、と思っていた
 少し埃で汚れた大皿たちもありませんでした。
 
 そこで、予備として道路にじかに置いていたものを
 棚の上に置きました。

 そうして2日目帰宅してみると、
 ほとんどのものが無くなっていました。
 景品でもらったようなガラスコップ多数や灰皿数個も
 ひとつ残らず、です。
 今どき、灰皿を新規に入手する人がいるのは驚きです。
 
 近所の飲み屋さんに「要りませんか」
 と持って行ったら、
 「今頃は日本酒を飲む人はいないので」
 と断られた徳利とお猪口多数もありませんでした。
 誰が持っていくのでしょう。

 2日間合計で、
 200点以上を引きとっていただいたのです。
 私は、良いことをした、という満足感で一杯でした。

 すっかりなくなった状態の写真3.4をご覧ください。
 写真3

 
 写真4

 

 残されたものが、なぜなのかは不明です。
 1枚ものは他にもありましたし。
 好みや考え方なのでしょうね。
 価値観の多様化時代を実感できました。

 私たち世代は
 「もったいない」という価値観を強く持っています。
 その次の世代人は
 「要らない」という価値観が強いのです。
 
 でも今は、
 ものを大事にするエコの時代になったのです。
 使えるものをどんどん捨てるのはいけません。

 省資源時代のキーワードは3Rなのですって。
  Reduce:使うのや捨てるのを減らす。
  Reuse:再利用、今回のがそれです。
  Recycle:再資源化

 「目的・ねらい」論でこのことを考えてみましょう。

 「食器を片づける」は「目的」です。
 「捨てるため」か「リサイクルするため」かは
 「ねらい」です。

 「捨てるための片づけ」であれば、
 割れてもかまわずに袋に放り込めばよいのです。
 
 しかし今回は
 片づける人が「割れると怪我をする」と言って
 一つずつ丁寧に紙でくるんでいました。
 そのために、片づける過程で割れたものは
 一つもありませんでした。
 捨てる目的からすると過剰品質です。

 したがって、捨てるつもりの片づけが
 リサイクルのための片付けに転用できたのです。
 結果としては、非常に良いことにつながりました。

 これがビジネスであれば、
 捨てる目的での片づけなら
 丁寧に包むなどということはありえないでしょう。

 「ねらい」によって、
 「目的」のあり方は変わるという一例でした。 

 【3月27日追記】
 その後、味をしめて、
 不用品を同じように並べました。

 引きとっていただけたものは、以下のとおりでした。

 プラスチック製の衣装箱 5個
 上掲写真和ダンス・開き戸の中の桐製の引き出し
                            4枚
 テーブル(和室用) 1台
 傘 男物4本、
    女物日傘2本(家内の母が使っていた古いもの)
            変色していたもの1本はさすがに残りました。
 金属製の本立てのようなもの 3点

 わが方にとっては、粗大ごみの引き取り料
 (衣装箱は1個200円なので、5個で1000円です) 
 が助かった上に、ものを捨てないで
 どなたかに使っていただけるのですから
 たいへん嬉しいことです。
 
 

2011年3月11日金曜日

東日本大地震、さあ避難!

 3月11日、私は市ヶ谷で講演会に参加しているときに
 この大地震に遭いました。

 この講演会の会場だったアルカディア市ヶ谷では、
 避難を誘導した後、
 全員退出・継続使用不可の指示が出ました。

 その会館では
 いくつもの講演会等が開催されていましたが、
 すべて中断の憂き目に遭いました。
 利用者の安全を考えてと言うと聞こえはよいのですが、
 私からみると責任逃れ意識と思えました。
 
 あの立派なビルは倒壊などありえません。
 余震があるとしても本震より強いことはないのです。
 危険はないと言っていいでしょう。
 それでも、
 「何かあると困るから」
 という防衛意識だったのではないでしょうか。

 おかげで、多くの参加者たちはいる場所・行く場所を
 失ってしまったのです。

 その後が問題です。

 私は用があったので、
 小伝馬町のオフィスまで4~5キロの道を歩きました。
 時間があったので、ある人と食事をした後でしたから
 17時くらいでした。

 電車は全く動いていないのに、
 多くの人が都心の道路を歩いているのです。
 どうするつもりなのでしょう。
 新宿方面に歩いている人は、新宿まで行けば
 ひょっとして新宿に着くころには
 電車が動いているかもしれない
 と思っているようでした。
 
 ケータイは通じないし、情報が入手できないのです。
 ケータイは便利なコミュニケーション手段ですが、
 緊急の時に使えないのではダイナシですね。

  私も必死で我が家に電話しようとしました。 
 我が家は木造2階建て瓦葺築60年ですから、
 倒壊の危険性があります。
 5時間後位にようやく無事が分かりました。

 当てもなく?歩いている人のことですが、
 「電車は一旦止まると、
 安全確認のため線路をすべて点検するので
 復旧にはたいへんな時間がかかる」
 ということを知っているか、
 復旧見通しの情報が入手できていれば、
 歩いたりしなかったでしょうに。

 18時くらいになると幹線道路は歩いている人で
 一杯になりました。
 その人たちはどこへ行ったのでしょうか。

 歩いていて思いました。
 道路にもっと地域表示板(案内)があるとよい、と。
 知らない所を歩くときはこれが頼りですから。
 交番はそんなにあるものではないし。

 そのほか、今回の地震で首都圏の弱みが
 ずい分分かったと思います。
 大震災の予行演習になったのです
 (今回も十分大地震でしたが)。

 何時ころか知りませんが、
 政府から
 「交通機関がないので
 帰宅しようとしないで事務所にいてください」
 という勧告が出たそうです。

 そのとおりです。
 もっと早くにこの勧告が出ていれば、
 「流浪」の被害に会う人がもっと少なくて済んだでしょうに。
 
 ところで、ビルから避難するのは何のためですか?
 直接目的は、身体的被害に遭わないことです。

 であれば、ビルの倒壊の危険がなければ
 ビルから出ない方がよいでしょう。
 ビルから出ないで、
 倒れたり落ちてきたりしそうな物のそばにいない
 ことが有効な対策です。
 
 次いで、避難後どうするのですか?
 帰宅できなければ不安な、場合によって危険な状態に
 遭遇することになってしまいます。

 「安全に帰宅する」が
 最終目的(ねらい)のはずです。
 その観点からすると、
 交通機関がなく帰宅できない状態なのに、
 「早く帰宅させる」という方針で社員を放り出した
 会社は無責任です。
 無責任ではない、「目的・ねらい」を十分考慮した
 避難方法を考えなければならないのです。

 一夜明けて12日午前、
 被害状況を観察しました。
 
 外食チェーンでは、
 ラーメンの日高屋が
 「食材が確保できませんので休業」と出ていました。
 うどんのなか卯は営業していました。

 牛丼チェーンでは、
 松屋は平常メニュを提供していました。
 いつもより込んでいたようです。
 吉野家は限定メニュ(牛丼のみ)でした。
 すき屋は休業でした。

 この点からすると、
 すき屋が最も効率的な事業運営をしているようです。
 在庫をギリギリで回しているのです。
 しかし、
 非常時の食の生命線確保には貢献してくれません。

 トヨタのカンバン方式と同じで、
 一旦ことあると、生産に影響をあたえてしまいます。

  (つづく)
 
 

2011年3月10日木曜日

前原外務大臣を辞めさせた!

 日本を守ろうという信念のありそうな
 前原外務大臣が辞任してしまいました。

 前原さんは、尖閣諸島の衝突事件の時に
 中国に対して強硬に対応すべきであるという
 正当な意見を持っておられました。

 それに対して、菅総理は逃げ腰姿勢で、
 あのような無様な、中国に舐められる対応で
 押し切ってしまいました。
 
 何たることかと憤慨したのは
 私だけではないでしょう。
 
 前原さんは日本の外務大臣として
 交渉力は未知数ですが
 筋を通すということで期待ができたのです。

 今回は、自民党があのようなことをほじくり返してきて
 前原さんを辞任に追い込んでしまいました。

 確かに法律に反しているのかもしれませんが、
 状況を知れば、
 辞任しなければならないほどのことではないのです。
 年間5万円を何年間か
 近所の焼肉屋のおばさんからカンパを受けた
 だけのことです。
 
 前原さんも悩んだでしょう。
 日本の外交のために頑張らなければならない
 という思いと、
 政治倫理を通すという筋論とのはざまで。

 しかし、政治資金のことに関して
 厳しい姿勢を示してきた手前、
 ああなってしまえば、
 辞任するしかなかったのでしょう。

 自民党は何を考えているのでしょうか。
 政党政治ですから、
 敵対する政党の力を弱めようとするのは
 ある程度やむをえないことでしょう。

  しかし今は、
 日本国内で争っている場合ではないでしょう!
 日本の政治がうろうろしていることで
 世界に恥をさらしています。

 恥ずかしいだけならまだしも
 中国やロシア、
 韓国にまでも弱みにつけこまれてしまいます。

 自民党は、日本よりも自分の党が大事なのですか!!

 今回の件は、
 大局観なく些事をほじくり返した自民党が悪い!
 どうみても自民党の評価は高まっていませんね。

 「今回の目的は何なのだ!」
  民主党をやっつけること、なのでしょう。

 「ねらいは何なのだ!」
  自民党が復権すること、しか考えないのですか?
  日本をどうしようとしているのですか?
  国民はどの政党であろうと日本を良くしてほしいのです。
  それが「ねらい」であってほしいのです。
 
 お願いしますよー。国会議員さん!
 
 

2011年3月1日火曜日

SWEEPERってご存じ?

 サッカーファンならご存じでしょう。
 私は、サッカーを知らないのでWikipediaを見ました。
 そうしたら、以下のような解説がありました。 

 スウィーパー(英: Sweeper)とは特定のマークを持たず、ストッパーの選手が抜かれたときのカバーリングや2列目から飛び出してきたMFの選手に対する守備などを行うポジションである。
 以前はカバーリングなどを行う為にストッパーの選手の後方に位置することが多かったが、ディフェンスラインをフラットに保ち、ラインの高さをコントロールすることが重要視される現在では、ストッパーと並び横一列になる場合が多い。

 要するに、
 守備の機動力で、最後の守りを固めるのが役割のようです。
 攻撃を「スウィープする(一掃する)」が語源のようです。

 ですが、ここでご紹介するのは、別のSweeperです。
 SoftWare Enhancement Evolution Professional ExecuteR
 の略で、ソフトウェアのエンハンスメント(保守)の改革を
 推進するプロフェッショナルで、
 保守業務をスウィープする(きれいにする)のです。

 これは当社の造語です。
 このプロフェッショナルを本格的に養成する半年講座を
 今年6月から始めようと準備中です。

 その趣旨は以下のとおりです。

 ・ ソフトウェア保守業務は、
  今や開発保守業務の中で7割前後の比率を占める
  重要な業務である。
  (私は、2010年以後は保守の時代である、
  2010年までの30年間は開発の時代だった、
  と言っています)

 ・ これが滞ったりミスが発生したりすると、
  ビジネスに重大な影響をもたらす。

 ・ それにもかかわらず、
  保守業務の系統的な改善はほとんどされてきていない。

 ・ その原因は、
  その改善に取り組む専門的なスタフがいないからである。
  (さらにその原因は、
  経営者・責任者がこの改善を重視しなかったからである)

 ・ 改善に取り組めば「宝の山」状態で、
  大きな成果が期待できる。

 ・ そこで、日本の衆知を結集して、
  保守業務の改善をミッションとするプロフェッショナルを
  育成しよう。

 ・ この講座は、単なるお勉強講座ではなく、
  保守業務の改善・改革を実践・推進できる人材の養成
  を目的とします。

 この事業は社会的にも非常に大きな意義のあるもの
 であると信じています。

 ご関心のある方は、以下のURLをご参照ください。
  http://www.newspt.co.jp/data/sweeper/sweeper.html