2013年9月30日月曜日

「トライアングル思考法」って何でしょうか?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 企画書作成の秘訣を知っていただく。
 「トライアングル思考法」を知っていただく。
 

ねらい
 「トライアングル思考法」を読んでいただく。
 
 企画書作成のコツは何だろうと考えていただく。
 企画書作りに上達していただく。

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「トライアングル思考法ー
自分の企画書に自信が持てる七つの法則」は
「仕事品質」改善教室代表の大島道夫さんの最新著書です。



















大島道夫さんは、
システム企画研修㈱が主宰しているDMクラブメンバで、
トライアングル思考法は、
システム企画研修㈱の丸い三角形の拡張版です。


























七つというのは、
上に示した拡張版丸い三角形の〇の数を示しています。

1.お客様にとって価値があるものが「ねらい」

2.「ねらい」のために実現することが「目的」

3.「あるべき姿」と「現状」のギャップが「問題」

4.「問題」を起こしているのが「原因」

5.「目的」を達成するためにやることが「解決策」

6.「改善目標」に共感すると「目的・ねらい」が達成できる

7.「目的・ねらい」のために支払ってもよいのが「コスト」

大島さんは・本書の執筆目的を「はじめに」で
以下のように書いておられます。

このような応援団がいてくださることは、
当社にとってたいへん嬉しいことです。
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はじめに

本書は、
「トライアングル思考法」の7つの法則で企画書を見える化し、
よ~く考えることで、
お客様や上司が重要視する企画の目的・ねらいを
腹に落とし込むこと、
つまり、自分の企画書に自信を持つための本です。

自信がある企画書は、とおせる、ブレない企画書となり、
お客様や上司からYesを引き出すことができるでしょう。

その結果、「その企画、私にやらせてください!」と
明るく、楽しく、元気よく仕事ができることを願って書きました。

 
「トライアングル思考法」とは、
システム企画研修株式会社が開発した「目的達成手法」という
業務改革の方法論に、同社から承認をいただき、
私の約30年間のビジネスマン経験を加えてとりまとめた
企画書を見える化して、よ~く考えるための思考法です。

システム企画研修株式会社は、
システム開発で一番大事な「システム企画」という
上流工程に関わる研修を中心に
ビジネスをしている研修専門会社です。

また、
単なる問題解決よりも前向きなとらえ方をするために、
問題解決という言葉を裏返して「目的達成手法」と称し、
約200社、30,000人超の研修実績がある
画期的な方法論です。

考えてみると企画書作りと言っても、
いろいろなものがあるでしょう。

お客様や自社内の業務改革だけではなく、宴会も、結婚式なども、
ある意味では、企画と言えるでしょう。

共通して言えることは、
「それは、何のためにやるのか」
という目的・ねらいがあると言うことです。
何だかちょっと難しそうですか? 
でも「トライアングル思考法」は、
ビジネスの基本となる5W2Hがベースですからとてもシンプルです。

また本書は、
物語風に架空のサンキューソリューション(株)営業部の木村主任が、
「トライアングル思考法」をコンサルタントから学びながら、
お客様の業務改革のための企画書作りに苦労して、
そして最後には、
自分の仕事に自信をつけていくサクセスストーリーで書かれています。

楽しく読んでいただければ幸いです。

          「仕事品質」改善教室 代表 大 島 道 夫

※ご参考 5W2H
 ・Why(何のために、効果)
 ・What(いかなる問題を解決するか)
 ・Where (いかなる対象範囲を)
 ・When(どれだけの時間をかけて)
 ・Who(どういう体制で)
 ・How(どのような方法により)
 ・How Much(いくらかけて)

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本書は、「もしドラ」
(「もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの『マネジメント』を読んだら」)
や「世界一やさしい問題解決の授業」
で脚光を浴びるようになった物語仕立てでの解説書です。

本書の物語仕立ても、なかなかのものです。
以下の例をご覧ください。

第1の法則の中の文章です。
木村主任の相手は野上社長というコンサルタントです。
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・お客様をうらなせる「価値目標」

「木村主任、まだ先ほどの社長の気持ちでいてくださいね」

「はい、わかりました。何だか、ワクワクしますね」

「一般的に、何がどのようになると会社の利益ができますか?」

「それは、売上増大、生産性向上、シェア拡大、品質向上などの
 『増えるのが良い』ものと、 社員数、工数、コスト、スペースなどの
 『減るのが良い』ものとの差が利益だと思います。

「素晴らしい、そのとおりですね。今、言われたことを経営に
おける価値目標として一覧表にしたものがここにあります。」
価値目標一覧表を挿入(掲載省略)

 
木村主任は、これは、良い資料だ、できたら欲しいなと思った。
野上社長は、続けた。

「これらの10項目をA4一枚にまとめてあります。
これを二つ折りにすると木村主任が今持っている
そのA5サイズの手帳にちょうど納まります。
 
これをいつも手元に置いておくと企画書作りに便利ですよ。
今日は、特別に差し上げます」

「えぇ~、いいんですか! ありがとうございます。嬉しいです。
あれ?この紙は、ちょっと厚いですね。」

「そうです。ふつうの紙ですと使っているうちにボロボロに
なってしまいますから、 チラシなどを作るときに使用するツヤが
あって少し厚めの紙に印刷してあります。
お客様満足度向上のためのコンサルタントとしての一手間ですね。
おっと自慢話になってしまいましたが・・・」

「いえ、とんでもありません。感動しました。
昨日、鈴木部長からコンサルタントに相談してみたらと言われた時は、
正直、なんだか面倒臭いと思っていたのですが(失礼)、
野上社長は、私の思っていたコンサルタントではなく、
クライアントの成長を本気で願っている方なんだと 思います。
お会いできて本当に感謝しています」

「そう言っていただけると、私も嬉しいですよ。
木村主任とこうして出会うことができたのも鈴木部長の
おかけですね。感謝しなきゃいけませんね。
そのためにもこの企画書を良いものにしましょうよ。」

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あまり褒めると自己宣伝にもなってしまいますが、
大事なことがやさしく書いてありますので、
企画書作りや提案書作りに関心のある方は、
是非お読みいただければ、と思います。

このテーマにご関心をお持ちいただきましたら、
私自身の書いた「世界で初めての目的達成の授業」

http://www.newspt.co.jp/data/info/book/book4.pdf

もご覧になってみてください。
全文を無料でご覧いただけるようになっています。

「おっと自慢話になってしまいましたが・・・」



残念橋下さん、地域分権の落とし穴に落ちてしまった!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 
 
 堺市長選挙結果の意義を考えていただく。
 維新の会の敗因を考えていただく。
 地域のエゴは強いと再確認していただく。

ねらい:
 
 「良識人」は全体最適思考を心がけましょう。

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ご承知のように、堺市長選挙で
維新の会の推す候補者が落選してしまいました。

橋下さんのコメントは、
作戦が甘かったという素直な反省です。

ところが、マスコミは何と言っていますか?

記者たちは「辞任しないのですか」という
何も考えていないお決まりの質問をしています。

朝日新聞は、
「(橋下氏から)民意が離れた」
「大敗を喫した」と否定的な言い方をしています。
しかし差は、198対141(千票)なのですよ。
橋下さんの足を引っ張ろうという報道意図が見え見えですね。

日経新聞でも「橋下氏、求心力に陰り」と見出しをつけています。

確かにそういう面もあるかもしれませんが、
ことの本質はそうではありません。

「地元可愛い」派の選挙民が、
「大阪都構想に参画したくない、
自分たちは今のままの独立がよい」と
部分最適を選んだだけのことです。

小選挙区では、
日本のために頑張る候補者は当選せずに、
地元に利益誘導してくれる候補者に投票する
というのとまったく同じ構図です。

このような地域優先を考える人たちに対して
全体最適の利点をアピールできなかったのは
橋下さんたちの失敗だったのでしょう。

しかし、あらためて、地域・地方重視政策の難しさを
感じさせられました。
地方と言ってもどのレベルを言うのかは、
これからも揉めるのでしょう。

それを乗り切って大同団結できる
ビジョン・見識と説得力・リーダシップがないと
明るい地方の時代は来ないでしょう。

今回の敗北は
橋下さんにとってもいい勉強になったはずです。
今後に期待したいと思います。


今年はギンナンをご提供できませんというご報告 続き

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 
 「今年はギンナンをご提供できませんというご報告」
  の決着を知っていただく。
 蘇峰公園の手入れが「顧客無視」であるとのクレーム
 に対する大田区の回答を知っていただく。
 それに対する私の憤慨を知っていただく。

ねらい:
 お役所仕事に対してはあまり期待してはいけませんね。

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「今年はギンナンをご提供できませんというご報告」
 http://uenorio.blogspot.jp/2013/09/blog-post_24.html
に掲載しました大田区長への申し入れ分に対して、
以下のような返信がメールで直ちに来ました。

すぐ対応するということは、素晴らしいことなのですが、
言い訳・自己弁護ばかりで納得いきませんので
そのメールに対して返信しました。

これ以上は私もエネルギーをかけられない「岩盤」です。
なかなか行政を動かすことはできませんね。

ここでご報告して証拠を残し、
「ギブアップ」とさせていただきます。

大田区からの回答
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上野 則男様
たびたびのご指摘を頂きまして大変恐縮です。
ご指摘の銀杏5本は前回の剪定から数年間放任してあり、
繁茂し広がった重みで折れ枝の落下が見られたため、
危険と判断し初夏に剪定しました。
 
広がった枝ぶりを一旦コンパクトにしてから再生させる目的で強剪定しました。
樹木を管理する側としては上野様のようなご意見は大変心強く思います。
 
しかし住宅に囲まれた立地がほとんどの区立公園は、
近隣住民への影響がじかに及びます。
また、自然に放任することは利用者にも危険ですから、
大きくなりすぎた樹木は一旦強く切り戻す剪定が必要な場合もございます。
 
蘇峰公園は徳富蘇峰邸の庭を復元した公園です。
ご要望の中に「自然環境の提供を重点に」とありますが、
自然に放置しては強く切り戻すという管理サイクルではなく、
隔年程度でまめに手入れする方が庭園として相応しい樹形を保てると思います。
 
都市の中の自然を味わえるよう、管理方法を適宜見直してまいりますので、
今後も蘇峰公園を温かく見守って下さい。
 
なお、園路舗装については、公共施設をバリアフリー化するという条件と、
庭園の雰囲気を損なわず残すという条件を、
両立させるよういろいろ検討した結果です。
 
砂利道ですと車椅子の方々が利用し辛いので、
誰でも周回できるよう主要通路を舗装しましたが、
枝通路は未舗装にしたり、舗装は茶系の塗装に、
石張りの目地は墨色にしたり等で景観に配慮をした設計ですので
ご理解いただきますようお願いします。
 
都市基盤整備部 大森まちなみ維持課 公園管理担当 

私からの返信
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都市基盤整備部 大森まちなみ維持課 公園管理担当 さま

 
早速のご丁寧な回答、ありがとうございます。
 
ご回答に対するご意見を申しあげさせていただきます。
 
1.バリアフリーは、公共の場(道路等)では必要ですが、
 限定された人が利用する当公園に
 その配慮は優先度が低いと思います。
 
 現に私が30年ほど入園させていただいた中では、
 車いすの方を見かけたことはありません。
 それよりは多くの人に砂利道を味わっていただく方が
 重要な提供価値なのではないでしょうか。
 
2.私の「自然環境の提供」という意味は、
 自然林にしなさいという意味ではありません。
 (話をすり替えないでください)
 緑を提供するということが自然環境の提供です。
 緑を減らしてはいけません。
 
3.数年ぶりの剪定と言われますが、
 あの枝落としぶりは常軌を逸しています。
 参考までに、私が撮った写真を見てください。
 
 次回は10年以上剪定しないでよいように
 手間を省いているとしか思えません。
 その間公園に来る人に「坊主」を見せていていいのですか!!!
 
4.枝が落ちて危険と言われますが、
 元気な枝が落ちるのは、
 公園を閉鎖しなければならないほどの台風のときでしょう。
 そうでない枝が落ちるとすれば、
 管理人さんが見回っていれば気がつくはずです。
 「管理人さんにはそれをする時間がない」
 とは言わせませんよ!
 
 自分たちの都合のよい理屈をつけているとしか思えません。
 思考の怠慢です。
 
5.舗装は茶系の塗装に、石張りの目地は墨色にしたり等
 
 この点はそういう配慮をされていることは
 気がつきました。
 しかし、そもそもそうすることが必要ないのです。
 必要ないものに工夫する価値はありません。
 
以上、事務所の中で考えるのではなく、
もう少し現場に則して、
利用者の立場でお考えいただきたく思います。
 
お互いに蘇峰さんにがっかりされないように
頑張りましょうよ。
 
よろしくお願いいたします。  上野 則男

「専門家」は信用できない?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「専門家」の弱点を再認識していただく。
 あらためて、「原発事故の被害」について考えていただく。

ねらい:
 専門家の言うことを「冷静に」受け止めましょう。

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タイトルの注釈をしておきます。
専門家はまったく信用できない、ということではありません。

専門家の意見は、
その「専門」からの意見だということで受けとめるべきで
その人の意見が結論と思ってはいけない、
ということです。


柏崎刈羽原発の再稼働に対して、
新潟県知事泉田裕彦氏は最後まで反対を表明していました。

地元の柏崎市と刈羽村が
原則賛成の意思表明をしているにもかかわらず、です。

主義主張はともかくとして、どうしてだろうと思っていました。
「泉田氏は防災の専門家である」という記事を見て、
「そうか」と思い、泉田氏を調べてみました。

そうしたら、京都大学法学部出身で、
根っからの防災専門家ではないが、
「中央防災会議委員」を務めている
ということが分かりました。

中央防災会議は、
内閣官房が主管する会議で、
「内閣の重要政策に関する会議の一つとして、
内閣総理大臣をはじめとする全閣僚、
指定公共機関の代表者及び学識経験者により構成されており、
防災基本計画の作成や、
防災に関する重要事項の審議等を行っています」

この中に知事を代表して
「全国知事会危機管理・防災特別委員長」の泉田氏が
27人の委員の中に入っているのです。

ですから、防災に関しては一家言も二家言もある方で、
その立場からいってもそう簡単にOKを出せない、
ということなのでしょう。

しかし、物事には複数の側面があります。
原発についても、
安全という面からみることも
産業や生活という面からみることもでき、
もめ続けているのです。

その両面のバランスを的確に見抜くことができる人が、
ビジネスでは「バランス感覚がある」と言われ、
成果を出すことができるのです。

泉田さんは、その面で防災に偏り過ぎている、
のではないかと思っていました。

ところが、最終的には地元の賛成意見にも押され
条件付き容認に転じました。
今のところその条件は極めて厳しいもので、
私のバランス感覚からすると、
そこまで必要かというレベルです。

ある新聞記事に
「泉田さんも政治家である」というコメントがありました。
もともと絶対反対ではなく、
潮時をみていたのでしょう。

本当の専門家だと妥協しなかったでしょうね。

ということで、専門家はその世界には強いけれども、
必ずしもバランス感覚があるとは言えないのです。
専門家の意見だけで物事を決めてはいけません。

専門家ということでは、
私の父は法医学者で「専門家」でした。
死因を究明するのが一つの社会的使命でした。
死んだ人ばかりを見てきたのです。

そのため、家族に対しても、
「そういうことをすると、死ぬぞ」と
普通は大したことがないこと
(たとえば、兄弟喧嘩で頭を打つ)
に対して神経質に注意をしていました。

その可能性は極めて低いのですが、
父の目からは100%です。
一般人からすると目が狂ってしまうのです。

さて、原発の「防災」という観点から言うと、
本来的には以下が言えるのです。

1.原発事故は
 原子力発電機の不備で起きたものではない。

  予備電源を置いた場所と
  強いて言えば、予備電源を送る装置の不備で
  起きたものです。

  これは当事者の配慮不足で起きたもので
  まったくの人災です。

  そのために、原発の防災を厳しくするのは
  原因に対する対策とはなっていません。
  ムダなことです。

  この点については、当ブログでも何度も述べましたが
  まとめとしては以下をご覧ください。

  福島原発事故の原因―上野見解最終集約
  http://uenorio.blogspot.jp/2012/07/blog-post_31.html
  

2.不幸にも発生してしまった原発建屋の爆発によって
  まき散らされた放射線の被害ですが、
  ほとんどの地域は低線量で健康に悪いどころか
  良い地域が大半です。

  悪影響があるということで、
  除染とか避難とかが続いています。
  そのほとんどがまったくのムダです。

  これは誤った科学的もどきの情報が、
  未だに完全に否定されていないために起きている
  「熱つものに懲りてなますを吹く」のたぐいのことです。

  この点についても、何度も触れましたが、
  これをご覧ください。

  「放射線の被害を騒ぐのはやめてほしい!」
  http://uenorio.blogspot.jp/2012/02/blog-post_3905.html

  「放射能は怖い」のウソ!」
  http://uenorio.blogspot.jp/2011/10/blog-post.html
  


  
いずれも、「専門家もどき」の言うことは信用できない
ということです。

ご注意くださいませ。



2013年9月28日土曜日

「仕事は半分の時間で終わる!」秘訣を勉強しましょう!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 仕事を短時間で終えられる方法をご研究いただく。
 

ねらい
 
 
 「仕事は半分の時間で終わる」を読んでいただく。
 もう少しこのテーマについて研究していただく。
 ご自分なりの「方法」を考えていただく。

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「仕事は半分の時間で終わる!」は、当ブログでもご紹介した
「津曲公二さんの「坂の上の雲」名言集は素晴らしい」
 http://uenorio.blogspot.jp/search?updated-min=2012-01-01T00:00:00%2B09:00&updated-max=2013-01-01T00:00:00%2B09:00&max-results=50
津曲公二さんとその部下でいらっしゃる清水茂さんの共著の書名です。














「仕事をもっとてきぱき進めたい」は、
仕事を持っている人の悲願です。
どんな解決策があるのでしょうか。

お二方の永年の経験や
現在お二人の会社㈱ロゴで取り組んでおられる
ゴールドラット博士が提唱された「TOC理論」を基に、
この課題の解決法を解説されています。

おそらく、文章は津曲さんが主導されていると思いますが、
たいへん分かりやすく読みやすくできています。

当書の主張のあらすじをご紹介します。

まず、仕事が遅れる原因を以下のように整理されています。

・パーキンソンの法則(時間と予算は全部使うまで浪費される)
・学生症候群(余裕があったのに着手せず、最後に慌てる)
・ゆでたまごの基準(あいまいな完了基準は、「念のために」と時間を浪費する)
・予防線を張る(予定より早く安くできても、
 あとあとの立場を悪くしないためすぐ手離さない)

そのとおりですね。

「パーキンソンの法則といえばこれ」というくらい有名な
もう一つの法則も紹介されています。

私もこれまで単に「パーキンソンの法則」として使っていましたが、
一般には(パーキンソンの)「凡俗の法則」と言うのだそうです。
そして、
パーキンソン自体はこの法則を以下のように定義しています。

「議題の1項目の審議に要する時間は、
その項目についての支出の額に反比例する」

一般には「つまらないことに議論が集中する」
ことの説明として使用されています。

原典では「職員の自転車置き場建設」の件で
役員会が紛糾する例が紹介されているようですが、
私は昼食の弁当を何にするかで会議がもめる例を使っていました。

さて、肝心のどうすれば半分の時間で仕事を終えられるかです。
ここで「時間」は、経過時間のことを言っていて
工数のことではないことを確認しておきます。
工数の半減だと生産性の改善しかないですから。

1.いきなり仕事を始めずに計画を立ててから着手する
  これは当然でしょうが、なまじ少し分かっていると
  計画を立てずに取り組んでしまうことがあります。
  それは決してやってはいけないことです。

2.全体の作業を必要作業に分解して
  それぞれの作業は最少時間で見積る。
  (プロジェクトマネジメントの世界では
  作業の分解をWBS化と言いますが
  本書は一般向けですからその言葉は使っていません)
  
  

  かたや個々の作業の最大時間をもとに
  全体の最大時間と最少時間の差の半分を
  全体の予備(バッファー)として設定する。
 
  (これはTOC理論を基礎にしたCCPMの手法です)

  こうすると、
  個々の作業では最少時間を目指して仕事をするが、
  万一遅れても、全体のバッファーを使えばよい。

  これによって納期順守率は飛躍的に高まります。

3.本質的には作業時間は求められる品質との兼ね合いなので、
  最初の段階で、要求者と納期優先か品質重視かを
  (複数案提示して)決定する。

  そうすることによって、
  ムリな納期順守や過度な品質目標を避けて
  妥当なスケジュールで進めることができる。

  品質目標を適切に設定できれば、
  納期も無理なく設定できるのです。
  

4.かけ持ちをせずに、一つずつ「集中」して片付ける。
  かけ持ちをして並行作業をすると、
  仕事の切り替えをするときに
  再立ち上げの段取りや頭の切り替えでロスが発生する。
  机の上の片付け一つとってみても分かる。
 

  そのとおりです。
  私も原則として一つずつ片付け派です。
  集中していると、そのことのアイデアも湧いてきます。

  その時に集中している案件があれば、
  アイデアや構想は夜中か明け方に出てきます。
  
  複数案件を漫然と考えている時はアイデアは湧いてきません。

5.80:20の原則jに従い重要な項目に集中する。
  「20%の対象で80%のウェートを占める」
  というパレートの法則に従い重要な項目を選択して集中するのです。

6.複数の仕事をこなさなければならないときは、
  得意なこと・好きなことから始める。
  こうすると調子が出て、余裕もできる。
  私もお勧めの方法です。

7.仕事のボトルネックを押さえ、
  それをうまく乗り越えることにエネルギーを費やす。
  仕事が延びるのはこの捌きがよくない場合なのです。

8.他人の力をうまく借りる
  それぞれ得意分野も持っている人がいます。
  その人脈を作っておいて上手にその力を借りるのです。

9.一から作らずに既製品を活用することを考える
  
  情報システムのパッケージ利用がその典型です。

ということでとても役に立つことが述べられています。

そこで、本書の主張を私なりに
「仕事を半分の時間で進める7つの鍵」
としてまとめてみました。

1)相手の目的・ねらいを明確に
  仕事の依頼者はもちろんのこと関係者に、
  真に望んでいることはどういうことかを確認します。
  「ニーズ」というあいまいな言葉でなく
  「目的・ねらい」として捉えることが鍵です。

  
2)段取り8分
  これは職人さんがよく使う言葉です。
  段取りとは計画と準備です。 
  それができたら8割済んだようなものだ、という意味です。
  
  
  いきなり着手しない。
  ボトルネックを考慮した計画を立てる。
  パレートの法則を考慮する(重点思考)。

3)バッファーはまとめて持つ
  個々の作業は最短見積りで後ろにまとめたバッファーを。

)人の力をうまく借りる
  餅は餅屋、頼んだが勝ち。

5)一から作らず既存を利用
  過去の遺産の活用。
  自作にこだわらない。

6)かけ持ちは一つずつ片付ける
  1件ずつに集中する。

7)得意なところから片付ける
  かけ持ちのときこうして余裕を作り難問に挑む。

2013年9月25日水曜日

五輪招致成功のプレゼンに学ぼう!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 2020年五輪招致成功の
  嬉しい気持ち・余韻を反芻していただく。
 五輪招致最終プレゼンの成功要因を振り返っていただく。

ねらい:
 
 プレゼン方法を研究していただく。
 プレゼンをなさる際の参考にしていただく。
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久々の朗報でした。
オリンピックで金メダル続出より、
ワールドカップのサッカー優勝よりも
日本中が盛り上がったのではないでしょうか。

最後のプレゼンが評判になりました。
私は、
このプレゼンは歴史に残る名プレゼンだったと思います。

日本人が下手なプレゼンで
結果を出したのですから凄いですね。
日本人もやればできる、ということです。

「プレゼンで勝ったのではない、
勝負はその前についていた」
と知ったかぶりをする人もいました。

しかし、個人の投票内容が公表されない形での投票方式では、
浮動票はプレゼン(その場の会場の雰囲気)
に影響されることは否定できないでしょう。
今回の浮動票は15票と言われていました。

ある「通」は日本の得票数を44票と読んでいましたが、
結果は42票でした。

念のために、投票経緯を記録しておきましょう。

        東京  イスタンブール  マドリード

1回目     42      26      26

2回目             49      45

3回目     60      36

おそらく、イスタンブールの1回目と2回目の差10票の中には、
イスタンブール支持というよりは、
どこの国とは言いませんが、
アンチ東京の票が入っているのでしょう。

ご記憶でしょうが、前回の時はほぼ確実と言われながら、
どんでん返しでした。

今回も関係者はほぼ全員「これだけ読めないレースはない」
と言っておられました。

この「歴史に残る名プレゼン」は、
ぜひ日本で語り継がれるべきものと思います。

プレゼンターは以下のとおりでした(敬称略)。

・高円宮妃 久子
・佐藤 真海 (パラリンピアン)
・竹田 恆和 (招致委員会理事長)
・水野 正人 (招致委員会副理事長/専務理事)
・猪瀬 直樹 (東京都知事/招致委員会会長)
・滝川 クリステル (招致“Cool Tokyo”アンバサダー)
・太田 雄貴 (オリンピアン/招致アンバサダー)
・安倍 晋三 (内閣総理大臣)

全員がIOCの公用語である英語またはフランス語で
スピーチをしました。

冒頭の佐藤さんのスピーチはとても良かったですね。
右脚を失っていながら、
そして郷里が津波の被害に遭っていながら
終始笑顔を通したのは感激でした。

武道の試合でも、先鋒が勝つとチームが奮い立ちます。
その流れを作った佐藤さんは素晴らしいと思います。

佐藤さんを起用した経緯がどうなっているか知りませんが、
その「監督」の貢献も非常に大きいでしょう。

プレゼンを中心にしたアドバイザーとして
「五輪招致請負人」の異名を持つとかいう
英国人ニックバレー氏を起用したようですが、
その方の貢献も大きかったのでしょう。

ですがなぜか、
この方はあまりマスコミ等に登場しませんでした。
コンサルタントは、あくまで影武者なのですね。

私どもも、コンサル業として大プロジェクトに
かなりの貢献をした実績が多々あります。
ですが、システム導入に成功した場合でも
表彰とかを受けたことはありません。(グチ)

猪瀬さんや安倍さんの英語は
決してうまいとは言えませんでしたが、
ジェスチャーも適宜入れて一所懸命でした。

全員の役割分担等ずい分リハーサルをしたようです。

とにかく、チームワークが素晴らしかったですね。
猪瀬さんは、勝因についてインタビュを受けて、
たびたび「チームワークだ。各省庁の連携プレーだ」
と言っておられました。

文科省、外務省、内閣官房、東京都、招致委員会、
各競技団体等が緊密に情報共有して活動した成果だ
と言われるのです。

そうとすれば、縦割り社会の日本では
やはり画期的な成果でした。

忘れてならないのは、石原前都知事の貢献です。
石原さんの「熱き思い」がなければ、
今回の成功はなかったのです。
やはり、石原さんは凄い方です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
分析やとして、この画期的イベントの
プレゼン成功要因を分析してみました。

私は知情意の切り口で整理してみました。

「知」  
 論理、作戦、 内容、ストーリー
 これは最低限度の必要条件です。 
 前回の招致プレゼンはこれのみだったようです。
 (東京がいかに素晴らしいかを訴えた)。

 「相手の得になるか?」も重要なポイントです。
 相手の利害関係を考慮しなければなりません。
 裏での根回しではいろいろな条件提示をしたようです。
 日本が苦手なロビー活動は必要ですね。
 今回のイベントはその成功例でした。

 「機先を制する」「問いかけをする」も重要でしょう。
 安倍さんは、
 「福島は安全」とのみ宣言し質疑を誘い込みました。
 猪瀬さんは、
 「(福島について)
 新聞の見出し(Headline)だけで判断するな、
 詳細を勉強して質問してほしい」と投げかけ、
 IOC委員を黙らせてしまいました。

「情」 
 情に訴える、 かわいい、魅力的、
 信頼できそう、真面目そう、心に響く、
 「また会いたい」「付き合いたい」と思わせる。
 
 
 男性には女性、女性には男性がいい?

 傲慢・自信過剰はダメ

 身振り手振りは心に訴える、
   これは「心証」をよくする。
   内容は良く分からない時にこれが効く。
  
 フランス語使用(高円宮妃、クリステルさん)
  これも心証を良くした。

 佐藤さんが自己のつらい体験を訴えた。

「意」
 熱意、自信、 熱き思い。
 全員、危ないと思って必死だった。
 その熱は委員たちに伝わったでしょう。

というような分析を途中までして、
インタネットを調べてみました。
そうしましたら、やはりプレゼンの研修をする「先生」方は、
みな発言していました。

その中では、野村尚義さんという方(コンサルタント)が、
本格的な分析レポートを公開しておられるのが秀逸でした。

オリンピックプレゼンの決め手は?として
以下の3点を挙げておられました。
 1.IOCの心配のタネをつぶす。
 2.IOCの現実的なニーズに応える。
 3.IOCの理念的なニーズに応える。

として素晴らしい論旨を展開しています。

その点は脱帽ですが、
この3点は、私の知情意の知だけのことですね。
情や意のことは前段で触れていて
「それも良かったが、こちらが決め手だ」
とされています。

関心のある方は、ご参考になさってください。
 
http://www.strategic-presentation.com/olympic-presentation-04/

近々当社では、
「五輪招致プレゼンに学ぶ プレゼンの極意」
という研究セミナを開催しようと企画しています。

近日中にご案内いたします。



日本人の精神は欧米人の論理性をはるかに超えている!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「創造思考」を知っていただく。
 「創造思考」が「日本の強み」であることを知っていただく。
 「創造思考」が日本復活の鍵になりうることを考えていただく。

ねらい
 
 「創造思考」セミナに参加していただく。
 「創造思考」を実践していただく。
 日本復活を期待する。

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八木橋英男さんの
「テトラレンマ論理(東洋論理)」が示す創造思考の真髄」
というセミナに参加してきました。
平日の夜2時間でした。

八木橋さんは、
興銀情報システムのSE、新日本証券テクノロジーのPMO部長
などを経験され、現在は㈱Mの代表取締役をされています。
連絡先:当社にお問い合わせください。
 mind-pc@newspt.co.jp

当社が主宰している「DMクラブ」のメンバです。
DMクラブは、それぞれの得意分野を持ち寄って、
当社が推進している価値目標思考を世間に広めよう
というグループです。

㈱Mとは何かと質問しますと、
出身の盛岡のMだと言いますが、
おそらくもっと深い意味があるのでしょう。

このセミナの内容はこういうことでした。
こんな一般受けしないセミナと思われますのに、
当日の参加者は31人もいました。

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ものごとを考え整理する一般的な思考法には、
ものごとを掘り下げていく論理思考、
飛躍した発想を求める水平思考がある。

論理思考の特徴(の一つ)は「排中律」で、
真か偽かの2値しか認めず中間を認めない。

論理思考はビジネスでは必須で、
「共通理解を容易化」
「原因・結果の必然性の追求」
「判断根拠の共有化」
にメリットがある。
(上野注:なるほどそうだ)

しかし論理思考一辺倒だと弊害も多い。

そこで水平思考で、
現状の枠組みからの脱却を求める。

水平思考は
「既成の枠に捉われずに
視点を様々に変えて問題解決を図る思考方法
(1971年、エドワード・デボノ)」であるが、
元祖は有名なオズボーンのチェックリスト(1948年)である。

マーケティング論の大家コトラーは、
過去の思考法二百数十種類を分析して、
その本質は、
「要素を置き換える」「要素を追加する」など
6種類に集約されると主張している
(コトラーのマーケティング思考法、2004年}。

しかし、水平思考を、新事業創造などの場面で
実際に適用して見た経験では、
アイデアが多岐に亘る半面、
真に有効なアイデアは出ない傾向がある。

そこで、到達したのが創造思考でである。

きっかけは、
「全脳思考」(神田昌典)およびその原典である
「頭脳の果てーアインシュタイン・ファクター」
(ウィン・ウェンガー、リチャード・ポー)
を学んだことである。

この創造思考は潜在意識を用いて求めているものを探す。
顕在意識ではどうしても既成概念に捕われてしまう。

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この創造思考体験をセミナで実施しました。

講師が各人に5センチ角の袋に入った紙を渡します。
中は見えません。

「この袋を手に握って、その中身のことを考えて
思い浮かぶイメージを紙に3つ書きなさい」
と指示されます。

その作業に入る前に、
深呼吸その他のりラックス運動をします。

各人が書いたものに対してその意味解釈をします。
それを4人グループで披露しあい、
他の意味解釈を追加します。

私の所属したグループでは、
Aさんが「青、空、川」と書きました。
その解釈は以下のようでした。

青:自由、広がり、ーーーーー
空:羽ばたく、自由、広がり、無限、遠く、
川:変化、生命、澄み渡った、流れる、

ここで最初のお題紙を広げます。
すると、その紙には
「今後『生き生きと活動する』にはどうしたらよいですか」
と書いてありました。

そこで当チームでは、
「もっと自由で変化のある仕事をしたいということだ」
というような結論にして発表しました。

そうすると講師は
「起業をしたい、ということではないのですか」と質問しました。
するとAさんは
「実はそうです」と答えました。
そうなのか!ということで一同納得でした。

もう一つ別のチームの発表もありました。
太陽、教会のイメージが含まれていましたが、
講師が「社会貢献したい」ということではないですか?」
と質問しますと
発表者は「そうです」と答えていました。

私自身の浮かんだイメージは、
鬼、走ってる、鳥でした。
私の解釈は、
「早く借金から逃れて自由になりたい」でした。

この答えは顕在意識のものでもあるのですが、
それが潜在意識からも把握できたということは、
驚きでした。

創造思考の解釈が、以下のように講師から示されました。

この創造思考は日本人の思考に
DNA的に備わっているものである。

それは「空(くう)」「間(ま)」という概念で
色即是空、「間を読む」「阿吽の呼吸」などの言葉に表れている。

俳句はその思考法の究極の姿で、
17文字からその背景にある広大な領域を想像できる、
素晴らしい文化というか思考法です。

 静けさや岩にしみいる蝉の声
 古池や蛙飛びこむ水の音

このような思考法の原点は仏教に求められるが、
日本がその極致を極めた。

そこで、
なるほどそうか、と以下のように思い至りました。

もともと日本文化や日本人の思考法は
創造的だったのに、
論理万能の西洋文化が入ってきて
それを見失ってしまったのではないか。

現在、西洋文化型の世界では、
日本は、どんどん後進国に負けつつありますが、
創造思考の発揮方法を強化すれば、
文化面だけでなく、文明面でも
日本の復活・興隆が可能となるのではないか。

日本文化ということで思い出すことがあります。

「日本人の脳」の著者角田忠信博士が発見したことですが、
日本人(正確には日本語環境で育った人)は、
虫の音を左脳で聞く、
ポリネシアを除くそれ以外の人種は虫の音を右脳で聞く。

日本人は自然環境と一体で育ち、
虫の声を解釈しようとして左脳で聞く、
それ以外の人種は虫の音を雑音として右脳で聞くのだろう、
というものです。

日本人は特別な能力を持っている可能性があるのです。

この創造思考は、
日本人の潜在力を引き出す力を持った思考法なのです。

日本復活の鍵として大いに広めましょう!!

2013年9月24日火曜日

今年はギンナンをご提供できませんというご報告

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 私の銀杏採りがピンチに陥っていることを知っていただきます。
 私の勝手な憤慨を知っていただきます。
 行政のムダの例を知っていただきます。

ねらい:
 特に何もありません。

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私は銀杏採りを半ば趣味にしているということを、
当ブログ「私の趣味『銀杏採り』のご紹介」でもご披露しました。
 http://uenorio.blogspot.jp/2011/10/blog-post_6221.html

毎年この季節にお会いする方々には、
少しずつ差しあげたりもしていました。
それを楽しみにしておられた方もいらっしゃったようです。

ところが、
今年は、いや少なくとも2,3年はご提供できなくなりました。
私の猟場である蘇峰公園の銀杏が大幅剪定され、
実がならない姿にされてしまったのです。



蘇峰公園の入り口













他の場所にも銀杏はありますが、
とても皆様に差しあげられる量は収穫できません。
したがって、申し訳ありません。しばらくはご勘弁ください。

その点に憤慨して、
管轄の大田区長に以下のクレームjをしました。
でも「覆水盆に返らず」です。
残念です。

銀杏の枝を切っただけでなく、
私から見ると税金の無駄使いの手入れをしています。
その点も併せてクレームしました。

まだまだ行政はムダがありますね。

以下の写真は、このブログのために挿入したものです。
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大田区長様

  私はときどき蘇峰公園までジョギングをしています
(以前は毎週行っていました)。

 しばらくぶりに公園の中に入りましたらビックリしました。
公園内の6本の大きな銀杏の樹の枝がすっかり落とされていたのです。







 









東屋の右手の樹も枝を切られた銀杏です。






 私は毎年この公園でギンナンを採って
仲間に食べてもらうのを楽しみにしています。
私以外にも10人くらいがギンナン拾いの常連で皆さん楽しみにしています。
ところが今年は、
すっかり実のなる枝を切られてしまったので一つも落ちていません。

 

 以前、銀杏以外の大きな樹の大幅な剪定をされたときに、
管理人さんに質問したところ、
「周辺の住民から落葉が飛んでくるというクレームがくるから」
という返事でした。

 都会の公園は緑の提供が住環境への大きな貢献だと思います。
周辺住民はその恩恵を受けているのに、
しかもほとんどの方は蘇峰公園ができた後から住み出した方なのに、です。

 そんな住民のエゴにおもねる必要はない、
是非銀杏は切らないでほしいとお願いいたしました。
2009年12月に、
下にコピーしましたようにその点を大田区長様にお願いしました。
 
その経緯を「上野則男のブログ」でも公開させていただきました。

 ところがこの度、
2009年の大田区担当からのお返事にあった「貴重な緑を大切に」
という文言に反して、
銀杏たちはあえなく無残な姿になってしまいました。
 
 入り口のところに生えている銀杏は2009年に剪定されました。
今ようやく枝が伸びだしたところです。
今回剪定された銀杏が実をつけるまでおそらく数年以上かかるでしょう。


 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  今回は他にも園内の整備をされています。
入り口の階段部分に手すりをつけたのは、
高齢の来園者に配慮したということでは意義があることでしょう。


 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ですが、砂利だった遊歩道部分を舗装してしまったのはいただけません。

自然が損なわれています。
 


ここも砂利道でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 おそらく園内の掃除の効率を考えてのことでしょう。
特に落葉の時期の。
 
 ですが、私は
「落葉も自然の一部なのですから
そんなに几帳面に掃除をする必要はない」
と管理人さんに意見を申しあげたことがあります。
お返事は「そうもいかない。うるさい人もいる」
ということでした。

  あらためてご質問します。
蘇峰公園は何のための公園なのですか?
徳富蘇峰を偲ぶということもあるでしょうが、
大きなミッションは自然環境の提供なのではないでしょうか。
 
そこを重点に考えれば、
自然を破壊するような今回の剪定や舗装は全くいただけません。
税金の無駄使いです。

 以上、今後の公園行政のご参考にしていただければ幸甚です。

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 以下は2009年のやり取りです。ご参考までに。


2009年12月13日に
大田区長に以下の文書(Web)を送りました。

 私は品川区民ですが、
ここ40年間ほど毎週蘇峰公園までジョギングをして
公園で休憩するのを楽しみにしています。

 ところが、ここ数年気になることがあります。

 公園の木が切り倒されたり、大幅に枝払いをされたりするのです。

 ご承知のように現在、
環境保護の点、温暖化対策の点から期待されている、
せっかくの緑が少なくなっていくのです。

 なぜかと公園の管理人に聞きますと、
近所の人からのクレーム
(葉っぱが道路に散る、とか家の中に飛んでくるとか、
陽が当たらないとか)があるからというのです。

 なんでクレームがあると
何の考えもなくそれに従ってしまうのでしょうか。

 その人たちは、
蘇峰公園ができた時より後に住みだしているのですよ。

 蘇峰公園を前提にしているはずです。
しかも素晴らしい緑の環境だ
ということで住んでいるのではないのですか。

 高層マンションが建つ心配のない環境でしょう!

その利点を無視して都合の悪い方だけを言うとは、
全く自分勝手な市民です。

  私はそういうことを言う人がいたら、
徹底的に理不尽であることを諭してあげたい気がします。

 もし、クレームがきて公園の管理が嫌なら、
あるいは公園の維持にお金がかかって大変なら、
いっそ公園をつぶしたらいかがですか。

 そうしたら、何も煩わしいことがなくなるでしょう。

でも、近隣の人たちは、
つぶさないでほしいと嘆願するのではないでしょうか。

  

 今後は一方的な判断で行動をしないようにお願いいたします。

 私と同意見の人は蘇峰公園利用者でたくさんいます。

 利用者の声も聞いてください。

 なにとぞご高配のほどよろしくお願いいたします。

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 これについて、すぐ12月18日に以下のような回答がきました。

 

 上野 則男 様

 ご意見ありがとうございます。

 蘇峰公園には多くの大木があり、街に残された貴重な樹林です。

 しかし、街なかの公園ですし、徳富蘇峰旧居であった公園ですので、
自然林として管理をするということではなく、
住宅の庭のような管理をしております。

  

 また、毎年剪定することもできませんので、
ある程度まとめて支障枝などを剪定しております。

 樹木の伐採につきましては、
れ木と実生で他の木の生育を妨げる木を間引いております。

 今後も貴重な緑を大切に管理を行ない、
利用者の皆様に愛される公園づくりをすすめてまいる所存です。

 どうぞご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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 これについても納得ができませんから
以下のように12月18日に再質問しました。

 ご回答ありがとうございます。

 申し訳ありませんが、
当方の質問・意見に対して反論も肯定も無く、
建前論ではぐらかしておられます。

 今年の正門前の銀杏の木3本をすっかり枝落としをしたのも
支障枝の剪定なのですか。

 公園入口の黄色と中のもみじの赤のコントラストは

近隣にない最高の情景でした。

 公園の右側の木を大幅に間引いたのも
「枯れ木と実生で他の木の生育を妨げる木」だったのですか?

 左側の剪定もやり過ぎでしょう。

 入口、右側、左側のどれもどう見ても
我儘な近隣住民の意向を気にしての定見・見識のない
対応としか思えません。

 自然林であって欲しいとは言いませんが、
貴重な樹林への対応とは思えません。

 今後は是非こんなバカバカしい対応はされないようにお願いします。

 納得いかなかったら、区民を誘って区議会へでもどこへでも陳情に行きます。

 

 あるいは高価な区の資産を一担当の判断で切り倒していると訴えを起こします。


 何とぞよろしくお願いいたします。