【このテーマの目的・ねらい】
目的:
2020年五輪招致成功の
嬉しい気持ち・余韻を反芻していただく。
五輪招致最終プレゼンの成功要因を振り返っていただく。
ねらい:
プレゼン方法を研究していただく。
プレゼンをなさる際の参考にしていただく。
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久々の朗報でした。
オリンピックで金メダル続出より、
ワールドカップのサッカー優勝よりも
日本中が盛り上がったのではないでしょうか。
最後のプレゼンが評判になりました。
私は、
このプレゼンは歴史に残る名プレゼンだったと思います。
日本人が下手なプレゼンで
結果を出したのですから凄いですね。
日本人もやればできる、ということです。
「プレゼンで勝ったのではない、
勝負はその前についていた」
と知ったかぶりをする人もいました。
しかし、個人の投票内容が公表されない形での投票方式では、
浮動票はプレゼン(その場の会場の雰囲気)
に影響されることは否定できないでしょう。
今回の浮動票は15票と言われていました。
ある「通」は日本の得票数を44票と読んでいましたが、
結果は42票でした。
念のために、投票経緯を記録しておきましょう。
東京 イスタンブール マドリード
1回目 42 26 26
2回目 49 45
3回目 60 36
おそらく、イスタンブールの1回目と2回目の差10票の中には、
イスタンブール支持というよりは、
どこの国とは言いませんが、
アンチ東京の票が入っているのでしょう。
ご記憶でしょうが、前回の時はほぼ確実と言われながら、
どんでん返しでした。
今回も関係者はほぼ全員「これだけ読めないレースはない」
と言っておられました。
この「歴史に残る名プレゼン」は、
ぜひ日本で語り継がれるべきものと思います。
プレゼンターは以下のとおりでした(敬称略)。
・高円宮妃 久子
・佐藤 真海 (パラリンピアン)
・竹田 恆和 (招致委員会理事長)
・水野 正人 (招致委員会副理事長/専務理事)
・猪瀬 直樹 (東京都知事/招致委員会会長)
・滝川 クリステル (招致“Cool Tokyo”アンバサダー)
・太田 雄貴 (オリンピアン/招致アンバサダー)
・安倍 晋三 (内閣総理大臣)
全員がIOCの公用語である英語またはフランス語で
スピーチをしました。
冒頭の佐藤さんのスピーチはとても良かったですね。
右脚を失っていながら、
そして郷里が津波の被害に遭っていながら
終始笑顔を通したのは感激でした。
武道の試合でも、先鋒が勝つとチームが奮い立ちます。
その流れを作った佐藤さんは素晴らしいと思います。
佐藤さんを起用した経緯がどうなっているか知りませんが、
その「監督」の貢献も非常に大きいでしょう。
プレゼンを中心にしたアドバイザーとして
「五輪招致請負人」の異名を持つとかいう
英国人ニックバレー氏を起用したようですが、
その方の貢献も大きかったのでしょう。
ですがなぜか、
この方はあまりマスコミ等に登場しませんでした。
コンサルタントは、あくまで影武者なのですね。
私どもも、コンサル業として大プロジェクトに
かなりの貢献をした実績が多々あります。
ですが、システム導入に成功した場合でも
表彰とかを受けたことはありません。(グチ)
猪瀬さんや安倍さんの英語は
決してうまいとは言えませんでしたが、
ジェスチャーも適宜入れて一所懸命でした。
全員の役割分担等ずい分リハーサルをしたようです。
とにかく、チームワークが素晴らしかったですね。
猪瀬さんは、勝因についてインタビュを受けて、
たびたび「チームワークだ。各省庁の連携プレーだ」
と言っておられました。
文科省、外務省、内閣官房、東京都、招致委員会、
各競技団体等が緊密に情報共有して活動した成果だ
と言われるのです。
そうとすれば、縦割り社会の日本では
やはり画期的な成果でした。
忘れてならないのは、石原前都知事の貢献です。
石原さんの「熱き思い」がなければ、
今回の成功はなかったのです。
やはり、石原さんは凄い方です。
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分析やとして、この画期的イベントの
プレゼン成功要因を分析してみました。
私は知情意の切り口で整理してみました。
「知」
論理、作戦、 内容、ストーリー
これは最低限度の必要条件です。
前回の招致プレゼンはこれのみだったようです。
(東京がいかに素晴らしいかを訴えた)。
「相手の得になるか?」も重要なポイントです。
相手の利害関係を考慮しなければなりません。
裏での根回しではいろいろな条件提示をしたようです。
日本が苦手なロビー活動は必要ですね。
今回のイベントはその成功例でした。
「機先を制する」「問いかけをする」も重要でしょう。
安倍さんは、
「福島は安全」とのみ宣言し質疑を誘い込みました。
猪瀬さんは、
「(福島について)
新聞の見出し(Headline)だけで判断するな、
詳細を勉強して質問してほしい」と投げかけ、
IOC委員を黙らせてしまいました。
「情」
情に訴える、 かわいい、魅力的、
信頼できそう、真面目そう、心に響く、
「また会いたい」「付き合いたい」と思わせる。
男性には女性、女性には男性がいい?
傲慢・自信過剰はダメ
身振り手振りは心に訴える、
これは「心証」をよくする。
内容は良く分からない時にこれが効く。
フランス語使用(高円宮妃、クリステルさん)
これも心証を良くした。
佐藤さんが自己のつらい体験を訴えた。
「意」
熱意、自信、 熱き思い。
全員、危ないと思って必死だった。
その熱は委員たちに伝わったでしょう。
というような分析を途中までして、
インタネットを調べてみました。
そうしましたら、やはりプレゼンの研修をする「先生」方は、
みな発言していました。
その中では、野村尚義さんという方(コンサルタント)が、
本格的な分析レポートを公開しておられるのが秀逸でした。
オリンピックプレゼンの決め手は?として
以下の3点を挙げておられました。
1.IOCの心配のタネをつぶす。
2.IOCの現実的なニーズに応える。
3.IOCの理念的なニーズに応える。
として素晴らしい論旨を展開しています。
その点は脱帽ですが、
この3点は、私の知情意の知だけのことですね。
情や意のことは前段で触れていて
「それも良かったが、こちらが決め手だ」
とされています。
関心のある方は、ご参考になさってください。
http://www.strategic-presentation.com/olympic-presentation-04/
近々当社では、
「五輪招致プレゼンに学ぶ プレゼンの極意」
という研究セミナを開催しようと企画しています。
近日中にご案内いたします。
1 件のコメント:
今回のメルマガの1番に拝読しました
とても役に立つ分析だと思います
五輪招致だけでなく生活すべてに通じるものがあるのでは・・
いつも 色々 教えて頂きありがとうございます (*^_^*)
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