2016年1月31日日曜日

そうだ!!「世界の生産構造の大変化への対応」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 日本経済の低迷の原因について考えていただきます。

ねらい:
 日本の雇用制度改革に力を貸しましょう!!

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本編は学士會会報2016‐Ⅰ号に掲載された
松元崇氏(第一生命経済研究所特別顧問・元内閣府事務次官)
の書かれた
「世界の生産構造の大変化への対応」のご紹介です。


その基本論を連関図に示しますと以下のようになります。
(クリックすると拡大します)
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問題点連関図 我が国低成長の原因 2016/1/29 上野





















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これで見ると、終身雇用制度が諸悪の根源です。
極めて明快ですね。


この解雇をしない・できない日本の雇用制度は、
高度経済成長時代には、
安定的かつ高意欲・高スキルの労働力の確保手段として
日本の経済発展を支えました。

ですが、産業構造の転換期を迎え、
その雇用制度が足かせになっています。
高い生産性を実現できるはずの産業に
労働力が向かっていかないのです。


したがって、弾力的な雇用制度への転換が必要である。
 ↓
そのためには、
解雇されても路頭に迷わないセーフティネットの構築が必要である。
(再教育の強化や失業中の保障など、北欧諸国にその例がある)

 ↓
その財源は高齢者施策からの振り替えが有効である。

と、持論を展開されています。


以下は引用です。


わが国の高齢者施策への支出はGDP比で見て、
福祉先進国と言われるスウェーデンよりも多いのです。


日本・スウェーデン・米国の高齢者向け施策と

家族・現役向け施策のGDPに占める比率(2009年)


日本
スウェ
ーデン
米国
高齢者向け施策
(年金・医療・介護)(A)
16.3
15.7
10.4
家族施策(B)
0.9
3.8
0.7
現役施策(C)
5.0
10.2
7.9
(A)/(B)+(C)
2.8
1.1
1.2

(備考)
1. OECD Social Expenditureより作成
2. 医療費の高齢者・現役の内訳については
  日本は「国民医療費の概況」に基づく平成21年度の実績値、
  スウェーデン・アメリカの医療は高齢者とそれ以外の
  1人当たりの医療費を4:1と仮定して按分



そんな実感はないと言われそうですが、
今日65歳以上の高齢者は、
年金、医療、介護で1人255万円もの給付を受けています。

老夫婦2人なら510万円。
正規雇用者の平均年収468万円よりも多い額です。
(そうですか!高齢者の一人として申し訳ないですね)

他方で現役世代への支出は
小さな政府といわれる米国よりも少ないのです。
(中略)

柔軟な雇用の議論は

幅広い国民レベルでの議論が望まれます


そのとおりです。
投票率の高い高齢者からの反発を恐れていては、
大局観を失い長期的視点での全国民の沈没を招いてしまいます。



これは凄い!「日本経済再生の処方箋」

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 日本経済再生の決め手は地方の産業を興すことだという
 冨山氏の体験に基づく主張を聞きましょう。

ねらい:
 地方の活性化に尽力しましょう。


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著者冨山和彦氏は凄い方です。
まず以下の略歴をご覧ください。

 1985年東大法学部卒業
 ボストンコンサルティング・グループ
 スタンフォード大学でMBA取得
 コンサル会社「コーポレイト・ディレクション」社長
 2003年産業再生機構COO担当
 2007年コンサル会社「経営共創基盤」設立CEO就任

因みに、産業再生機構は4年間の活動期間で
41案件を支援したが、3分の2は地方の百貨店、バス会社、旅館など
地域密着型の会社だったそうです。

経営共創基盤はその100%出資子会社で
岩手県、福島県、茨城県、栃木県、鎌倉市の
バス会社やモノレール会社を傘下に収め経営再建に取り組んでいます。

また、AI産業にも乗り出して
リクルートが配信する「受験サプリ」(AIが家庭教師になる)などにも
取り組んでいます。

冨山氏は実業家でもあるのです。

一般に、私を含めコンサルタントは、
他人のことはよくわかり指摘・指導しますが
自分のことはうまくできないのです。

大金持ちになった競馬評論家や株式営業もいないようです。

ところが、冨山さんは
地方のバス会社の経営をして軌道に乗せているのですから脱帽です。

本論も明快です。

経済・産業の世界には
グローバル(G)とローカル(L)という
全く別の世界があると言われます。

Gの経済圏とは
貿易財を扱う製造業やIT産業などで、
この領域は世界市場で常に激しい競争に晒されていて
世界規模で「規模の経済性」が働きます。

そのため資本集約的になり、
高度な設備と技術集積を持つ企業が有利です。
生き残った企業の労働生産性は
世界トップクラス(よって高賃金)です。

ただし、
Gの領域の企業は生産拠点を世界最適地に建設するため、
必ずしも自国に大量の雇用を生みません。
自国で雇うのは国内上位数%のエリートだけです。

また、海外で生産する限り、
自国のGDPにも寄与しません。

これらの企業が自国に残すのは本社機能、研究開発、
マザー工場のみです。

その結果、日本の高度成長時代には、
中小企業が大企業の下請けでそれなりに存立できましたが、
今や、生産拠点の海外移転で下請けの恩恵には与れません。

Lの経済圏とは
非製造業やサービス産業などです。

この領域の多くは労働集約的なので、
雇用を生み出しやすく空洞化しにくいのですが、
一方でサービス内容の善し悪しや価格の高低よりも、
「自宅から近い」「他に利用できる店(交通機関)がない」
などの理由でサービスが選好されます。

その結果、企業は生産性を上げる努力をするより、
地域で濃密は寡占構造を作る方が儲かります。
これを「密度の経済性」と言います。

そのため労働生産性が上がりにくく(よって低賃金)、
競争の不完全さ故に
生産性の低い企業やサービスの悪い企業も生き残ります。

GとLの大きさ
グローバル化が進展して、
今や日本の製造業全体がGDPや雇用に占める比率は3割未満です。
(中小企業を含めても、です)

日本のGDPと雇用の7-8割を占めるのは、
地域密着型のサービス産業です。

こうしたローカル企業の多くは労働生産性が低く、
非正規雇用も多く賃金水準も上がりません。
ここに現代の格差問題が生まれる構造的要因があります。

GとLの日米欧の労働生産性比較
Gの経済圏に属する製造業では日本の労働生産性は
世界のトップクラスです。

しかしLの経済圏に属するサービス業では、
日本の労働生産性はアメリカの半分で、
ヨーロッパと比較しても低水準です。

Gの経済圏の成長戦略(本稿の主題ではありません)
資本の生産性を高めること(詳細省略)
新陳代謝を早める(ダメな事業を早く見限る)
事業・経営ルールを世界基準に統一(詳細省略)

Lの経済圏の成長戦略のテーマ
新陳代謝による労働生産性と賃金の持続的上昇です。
日本ではこの世界の新陳代謝は極めて少ないのです。

しかし、M&Aによる新陳代謝を行えば生産性が上がることは、
経営共創基盤がM&Aによって運営するバス会社の事例が
示しています。
4年で収益は倍以上、賃金は11%上昇し、
設備投資も実施できているのです。


(上野)いかに経営改善の努力がこれまで行われてこなかったか、
ということを示しています。
違う目で見て、その気になってアタマを使えば改善は必ずできるのです!


これに関連して、
日本企業の現状維持、無改革性について連想したことがあります。

1)ある大手電気工事会社で
 半年で23億円の改善利益を実現した当社のコンサル
2)「現状のソフトウェア保守業務は
 徹底的に改善すると2倍の生産性にできる」
 と当社が主張しているのに誰も真剣に取り組まないこと、
などです。


Lの経済圏、成長戦略の挑戦課題
要点をご紹介します。

1)スマート・レギュレーション(賢い規制)
サービス産業の最大の業種は公共サービスです。
交通、医療、介護、保育などです。

現状で規制が非常に多いのですが、
大切なのは既得権益保護に繋がる参入規制は緩和し、
最低賃金・労働基準監督・安全監督などにかかわる規制は
強化することです。

(本稿の基になる講演時には、
草津のバス事故は発生していませんでしたが、
「安易な規制緩和をするとバス事故が多発する」と述べておられます)

2)コンパクト・シティ化で消費密度を上げる
地方の人口30万ー50万人の中核都市のターミナル駅周辺に、
人口、都市機能、生活関連のサービス産業を集約する。
そうしないと産業の生産性が高まらない。

(もともと、日本の人口はそれなりに地域で集まっていたのを、
戦後の引揚者と空襲で焼け出された都会の人々が
過疎地に済むようになったものなので
原点回帰すればよいのだと主張しておられます)

3)中央に偏在する人材を地方に還流する
江戸時代までは地方に優れた人材がいた、
維新で一挙に中央集中になってしまった、
元に戻す政策をとるべきである、ということです。

4)一般大学を高度な職業訓練校へ転換する
日本の高等教育は
大企業で働く偏差値エリートを想定してきました。

しかし、今や大企業で働く人の比率は10%台で、
圧倒的多数は中小企業で働いています。

そんな彼らの技能を向上させ、
プロ意識とやりがいを持たせ、
労働生産性と賃金を上げ、雇用を安定させるために、
大多数の大学と学部を
「プロフェッショナル人材を養成する実学専門の職業訓練校」
に改変することが必要です。

一方グローバルで通用する高度な人材の養成は、
東大など一部のトップ校に限定するべきです。
日本以外の先進国は、
どこも基本的にこのような二山構造になっています。

(上野)なるほど、それが現実的な対応策かもしれないと思いますが、
強い抵抗勢力もあるでしょう。
下村文部科学相だったら取り組んだでしょうかね。

5)ゾンビ企業を生き残らせる制度を廃止する
現在の信用保証制度は、
市場から退出すべき企業の延命に利用されている。

信用保証協会はローカルな経済圏で中小企業が
穏やかに退出することの足枷になっています。

ゾンビ企業が自ら退出を願っても
保証協会は絶対に債務免除に応じませんし、
経営者が個人保証をしていれば自己破産を要求してくるので、
企業は延命せざるを得ません。

今後はゾンビ企業の延命にではなく、
「転廃業支援金」「事業譲渡促進支援金」などの名目で、
彼らの円満な退出にお金を使うべきです。

地方創生が持続的創生となるために
現在地方から都市に人口が流れるのは、
地方に有力な職場がないからです。

しかし若者が都市に出てきても年収は200万円台なので
夫婦で働いても400万円程度にしかなりません。
これでは子どもを産み育てていくことはできません。
東京は日本で最も出生率が低い都道府県です。

そこで地方で世帯年収500-600万円で
やりがいのある仕事が供給できれば、
若者は地方に留まり、地方で就労、結婚、子育てをするはずです。

地方創生のリアルな課題は、
「平均的学力の若者の年収を、
200万円から300万円に上げること」です。

(上野)㈱経営共創基盤は小規模ながらその実現をしているのです。

こういう意見も開陳されています。

なお、近年観光業が脚光を浴び「おもてなし」と盛んに言われますが、
弊社が旅館再建を多く手掛けてきた経験から言うと
お金を取らずにおもてなしをしてはいけません。


Lの経済圏の就業者の労働生産性をさらに下げるからです。
これは経営者の責任です。

(なるほどごもっともです。実践結果での発言ですから重みがあります)

これからの産業の発展方向
IT化の進展、特にAIの発展により、エレクトロニクスの世界で起きた
スマイルカーブ現象が、
自動車、重電、農業、医療などを含むすべての産業領域に拡大する
と予想されます。

そうすると製造業は、
川下のニーズを把握して製品企画に活かして事業展開するようになる、
(製造機能はキーコンピテンシーではなくなる)
サービス業も
技術装備率を高めて付加価値を高める事業展開する企業が生き残る。






私個人は、
新興のコンピュータ企業ではなく伝統ある大手製造業こそ、
新時代に相応しい経営方式を生み出すと思います。

と述べておられます。
最後の点について、私は全面的には賛成しかねます。
抵抗勢力に打ち克つ経営者の革新マインド次第でしょう。

結びはこうなっています。

千載一遇のチャンス到来
人口減少は世界の先進国共通の課題ですが、
日本がその最先端です(周知の事実)。

日本の地方は、
人手不足ですが移民の受け入れは少なく、
高齢化とエネルギー災害という問題も抱え
まさに「世界の課題の最先進地域」です。

日本には高度な技術基盤や研究機関もあるので、
今こそイノベーションと生産性革命の絶好の機会と思います。

新しいビジネスの好機は地方にあります。

コマツの無人運転の管理システムも、
建設業界の人手不足に対する解決策として生まれたものです。

医療や介護の分野でもイノベーションが起きれば、
今度はそれが世界に売る商品になります。
Lの経済圏で生まれたサービスや商品が,
Gの経済圏を席巻するのです。

Lの経済圏で革新を実現している著者の発言ですから
説得力があります。
冨山氏の言われる方向を産官学挙げて実現すべきですね。

「あの人が同窓会に来ない理由」



【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「あの人が同窓会に来ない理由」のフィクション紹介
 そのことについて考えていただく。

ねらい:
 今後のクラス会幹事の際の参考にする??
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これは、はらだみずきさんの書かれた小説の紹介です。
日経新聞に載っていた書評を見て、
小説ではなく調査分析レポートだと
早合点して買ってしまいました。




多少幹事役をすることのある私としては
どんな調査結果なのかと関心を持ったのです。
本を手にとってすぐに私の誤解に気が付きましたが、
「せっかくなので」読んでしまいました。

私の知見では、
同窓会に来ないのは以下の理由だと思っていました。


 ・そういう会に関心がない。
 ・現在不遇である。自慢できることがない。
 ・お金がない。
 ・超多忙である。
 ・クラスの誰かとまずいことになってその人に会いたくない。


この小説では、このほかに
 会いたい人が来ない
 あの人に会いたくない
という理由を付けくわえて、
その謎を解いていくサスペンス風物語にしています。


最後は、この複雑な関係のキーパーソンを押さえて、
その出席を確保し芋づる式に参加者を獲得します。


また、
同窓会代行サービス業者なるものが登場し、その謎解きを助けます。
その業者のこのクラスの担当は30歳のそれなりの才媛で、
この物語の主人公の1人と結ばれそうな結末となっています。
結婚しない人が増えている中で嬉しい「ハプニング」です。

いずれにしても、作家というのは、こんな面倒くさい関係を設定して、
物語を上手に進める能力は、やはり大したものだ、と感心しました。


せっかく読んだので、登場人物の整理をしてみました。
ここから関連図を作成しようと思ったのですが
時間切れで諦めました。



 あの人が同窓会に来ない理由
 
    ・現在37歳
  ・中学のクラス36人
  ・前回同窓会15人参加



氏名
在学当時の
状況
卒業後の状況
結婚
来ない理由
次回
宏樹
役員苦手
地味
マイペース
5年前に独立
ガーデンエクステリア業
今回クラス幹事
独身
会いたい人=湯島が来ない
吾朗
宏樹の友人
家業の建設業従事
独身
同窓会は常連
今回クラス幹事
甚野
成績優秀
住所不明
その後,Facebookで連絡付いた。
 
 
磯崎
野球部キャプテン、女子の人気№1
湯島に魅せられてつきまとって事件を起こした。
野球で大学に進むも生活の乱れで中退、その後生活破たんして友人にも迷惑をかけている。
住所不明
 
皆に不義理をした。
細井
野球部、あだ名付け名人
子どもがいる。子どもがイジメに遭い反省
 
やや不遇
水島
無口でおとなしい「静かちゃん」
住所不明
 
会いたくない人=細井
山田学
成績が芳しくなく「マナバナイ」
税理士になった。
 
会いたくない人=細井
志水
発言が多く「ヒーロー」
住所不明
カメラマン
 
(会いたくない人=細井)
宮本
毛髪が弱い
 
 
 
 
東勝代。太っていたので「トンカツ」
 
既婚
会いたくない人=細井
吉野
 
 
 
 
 
斉藤
 
銀座の出版社勤務
今回クラス幹事
離婚協議中
 
田代
クラス委員長
実家住まい?
母の面倒見
バツイチ
会いたい人=塩野が来ない
塩野
クラス副委員長、マドンナ
田代と同じ高校進学。実家住まい?失業中
結婚予定が流れた。独身。
不遇
会いたい人=湯島が来ない
栗原
今回クラス幹事
市役所職員
 
 
 
鍋島
ナベ、野球部
 
 
 
 
菅原
ソフトボール部
 
 
 
 
豊島
磯崎ファン
大学卒業
 
会いたい人=磯崎が来ない
海老原
磯崎ファン
 
 
会いたい人=磯崎が来ない
井ノ口
イノ。おとなしくまじめ
シェフ
厨房で突然死
 
 
 
三井
ミッコ
 
独身
 
湯島
転校生。魅惑的女性、母子家庭
クラスで疎外されていた。
住所不明
 
クラスに良い思い出がない。
小此木
 
 
2児の母
子どもの状況
 
鈴木
クラス書記
 
 
 
 
小林
 
住所不明、その後転居先判明
 
 
 
合計
 
 
 
 
28






え!今度は「会社という病」ですって?

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 現在の日本企業はどんな「病」を抱えているのかを再認識いただきます。
 その病に対してどうすればよいのかを研究してみようか
  と思っていただきます。

ねらい:
 ぜひ「会社という病」をご一読ください。
 会社の病を治す方法を研究いたしましょう!

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「家族という病」(下重暁子さん著)に続いて、
今度は会社が病ですって!


勤め人にとって、どちらも切っても切れないご縁ですものね。

今度の問題提起者は江上剛さんです。
江上さんは1954年生まれで、
20数年間第一勧銀(のちみずほ銀)勤めをされています。

江上さんの小説は、
会社内部のしがらみや暗部を抉ったものが多いようですが、
ご自分の体験が基になっているのです。

今回の問題提起もほとんどが、体験が基礎になっています。
江上さんの指摘される日本企業の悪弊は、
多くの大企業に残っていると思われますが、
保守性という面では銀行が一番でしょう。
そういう意味では、舞台としてはいいのかもしれません。

以下の表のように29種類の病が取りあげられています。
よくこれだけの「病」を見つけられたと感心します。
しかも僭越ながら、江上さんよりも長く会社を見てきたつもりの
私から見てほとんどが「そのとおりだ!」と思えるものです。

若干「それは一般的状況ではないだろう、
某銀行または銀行業界の特殊例だ」と思えるものもありますが、
反面教師としての意義はあると思います。

「家族という病」と違ってかなり一般性があると思われますので、
ビジネスに関わる方には一読をお勧めいたします。

江上さんは在行時代から、
会社に対しては「正論」を吐かれてきたようです。
ただ者ではありませんね。

たまたま、日経新聞の1月の「私の履歴書」を担当された
小椋佳さんも第一勧銀出身です。
結構マイペースで主張し行動され、
それでも結構偉いところまで出世されています。

江上さん流に言えば重病の企業体質なのに、
よくそのような「健康人」を擁していたな、
と不思議に思います。
たまたま運が良かったのでしょうか?


         会社という病


病の種類
江上さんの主張(処方箋)
備考(補足説明
または上野意見)
1人事という病
そんなに偉いか東大卒
東大卒尊重の人事の業(ごう)
2出世という病
昇進が常に幸せとはかぎらない
病気になったり、責任を取らされたり。
3派閥という病
持病として付き合うしかない
 
4上司という病
バカ上司からは逃げろ。または大声で戦え
 
5左遷という病
不本意な異動から開ける運もある
 
6会議という病
この世の会議の9割はムダである(たぶん)
 
7残業という病
それは上司の無能度のバロメーター
上野:上司に経営者まで含めてそのとおり!!SCSK殿では会長の統制で残業の大幅削減を実現。
8現場無視と
いう病
ニセモノの「現場重視」に要注意
 
9就活という病
諸悪の根源は「新卒優先」
 
10定年という病
経営者にこそ厳格な定年制を
 
11広報不在と
いう病
「真の仕事」をするほど上から嫌われる役回り
 
12成果主義
という病
結局は、経営者の哲学が有るか無いかだ
上野:なるほど、そのとおりだと思う。
13根回しと
いう病
一見、不毛なようでいて意外な利点も
社内ネットワークができる。能力向上の場になる。
14社長という病
会社を生かすも殺すもこの人次第
 
15部課長と
いう病
出世ではなく仕事と向き合えるかが勝負
 
16ハラスメント
という病
自省するしかない「完全なビョーキ」
 
17取締役と
いう病
社長に異論を言えないような役員は失格だ!
上野:私の経験からも同感です。
18同期という病
時には同志、時には憎い敵
 
19創業者と
いう病
すべてを失う覚悟もなしに起業するな
上野:得る方のことばかり考えて起業していました。
20先輩という病
地位が逆転する時に歪みが起こる
 
21営業という病
こんなにクリエイティブな仕事はない(でも評価は低い)
上野:これは事業次第だと思われます。営業の評価が高い企業もあります。
22経営企画と
いう病
この時代、本当に「経営を企画」なんてできるのか
上野:そのとおり。本当の「経営企画」は社長にしかできないものです。
23査定という病
会社を「人件費削減病」に陥れる元凶だ
 
24数字という病
数字を過信するものは、いつかは数字に騙される
 
25給料という病
永遠に解決されることのない「適正金額」
 
26新規事業と
いう病
多角経営は日本企業に向いているのか?
資金を基に多角化を行う方法は日本に向いてない。
27ボーナスと
いう病
短期的な利益だけで支給額を決めるな
 
28経理という病
経理部は会社の実態を正確に写す鏡
実態=ウラも含む。その扱いには気をつけよう。
29計画値と
いう病
作りっぱなしでPDCAを回せない日本企業の悪習