2020年6月25日木曜日

「アフターコロナ」再論

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 「アフターコロナ」の状況をいろいろな観点から検討します。
ねらい:
 先がどうなるか、真剣に考えましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今最も多くの人が関心を持っているテーマは、
第2波問題も含めて「アフターコロナ」でしょうね。


日経コンピュータ誌2020.6.25号の「アフターコロナに踏み出せ
IT部門が率いる、次の危機にも動じない3つのDX」
で主張する3つはこうでした。


1.業務デジタル化による働き方改革の支援
  (対面神話に決別、働き方の壁をなくす)
2.事業部門のDXの支援
  (環境変化に即応できない事業は生き残れない。
  クラウド活用重視)
3.情報システム部門自体のDX
  (IT戦略を月単位で見直し、内製化・アジャイル開発の促進)
今までも言われていることを、いかに素早く実現するかが
生き残りの道だとしています。


この記事で、一部納得できないことがありました。
集まってホワイトボードで検討を行うデザイン思考を
リモート環境で(仮想ホワイトボードで)行う方法が
紹介されていました。


「けっこういける」という評価のようでしたが、
「それでもできる」というのと「その方が良い」というのは
別だと思います。


検討成果も集まった方が良い出来だと思いますが、
集まってお互いに交流する意義は、
人間社会として非常に重要だと思います。
すべての仕事がリモートだけでできるようになることは、
嬉しいことでしょうか。
 


この6月、
日経BP社発行の「見えてきた7つのメガトレンド、アフターコロナ」
の7つはこういうことでした。
1)分散型都市
  密集を避ける観点です。
2)ヒューマントレーサイビリティ
  個人情報保護も少し引いて、感染早期拡大防止が重要になる、
  この技術は老人のフォローにも有効。
3)ニューリアリティ
  ビデオ会議、在宅勤務、オンライン診療などが一般化する。
4)職住融合
  住まいにオフィス機能付きが当たり前になる。
5)コンタクトレス・テック
  密を避けるための技術・手法が普及する。
  人が集まり過ぎないコントロール、集まらないイベント、
  ロボット活用、非接触機器、殺菌光線、など。
6)デジタル・レンディング
  申し込みから入金まで自動で処理する融資サービス
7)フルーガル・イノベーション
  従来のサービスや製品、製造工程を新環境対応で再設計して
  新たな価値を生み出す。速さと非対面が武器。


これはどちらかというと、技術論・提供者側の論理中心で、
生活者とか働く人がどう変わるのか、
をもう少し掘り下げるべきだと思います。


こうなるのではないでしょうか。
1.生活者はどう変わる?
生活者は今回の外出自粛で「巣籠もり」状態となりました。
その結果、ネット・メディアに強くなりました。
買い物はECが多くなりました。
外食系ではマックが数少ない増収組ですが、
ネットで注文・店で受け取りのパタンが大成功したようです。


ネットでは情報が簡単に入りますから消費者は賢くなりました。
自分に合ったものを安く入手する方法を大いに学んだと思います。
売る側にとっては厳しいことになりますが、
それが本来の売買でしょう。
商品購入だけでなく、いろいろな情報を得ることについても
コロナ情報入手を突破口にして敏感になりました。


つまり、
非対人の活動が増えて今後もその傾向が続くということでしょう。
このまま、何でもネットになるでしょうか?


そうはならないでしょうね。
人間は本来「社会的欲求」を持っています。
会社は給料をもらうだけの場ではありません。
人間生活のバランス形成に必要な人づきあいをしているのです。


現時点ではほとんどの人と会う場がストップしています。
人と話す場がなくなってストレスがたまっています。
今でも新宿夜の街が感染源になって大騒ぎするほど、
人間は人との交流をしたいのです。


おそらく1年もすればワクチンも治療薬もできるでしょうから、
3密禁止は完全に解除になります。
そうなると、今まで以上に人との交流の場が盛んになるでしょう。
この禁断状態で懲りて、多くの人が、
今まで以上に人づきあいの場を求めるようになると考えられます。


学校・会社のクラブ活動、体操・運動クラブや囲碁将棋クラブ、
各種教室などが今まで以上の隆盛を示すでしょう。
ゲートボールの集まりなど脱認知症に有効です。
居酒屋も復活ですね。


つまり、生活は
ネット生活と対人交流生活が併存するということです。


2.働く人はどう変わる?
デジタル化が仕事の場でも加速しますから、
デジタル化に対応できる能力が要求されます。
しかしこれは、ほとんどの人はその気になればできるでしょう。


もっと根本的な問題があります。
多くのオフィスワーカの仕事は、
時間給から成果主義に変わっていきます。
今までも、時間給方式が日本の低労働生産性を招いているので、
成果主義に変えるべきだ、ということは言われ続けてきました。


しかし、岩盤に当たってほとんど実現できませんでした。
ところが、テレワーク・在宅勤務となると「仕事ぶり」は見えませんので、
どうしても成果給方式に変わっていかざるを得ません。
そうしないと、
在宅作業による低生産性は看過できない状況になるでしょう。


成果給となると、できる人、できない人が明確になります。
努力して能力を高めて高い給与を得ようとするか、
諦めて低賃金に甘んずるか、を選択しなければならないのです。
今までは、できる人・できない人の選別は40歳代くらいでしたが、
今後は格段に早まります。


各人は早くに、
自分の得意分野を見つけてそこで力を発揮するようにする
ライフプランを立てる必要があります。
早くにその選択をすることは、
50歳になってから「第2の人生を考えなさい」
と放り出されるよりはるかにいいはずです。


今はしごと人生60年ではなく、間もなく70年は当たり前になるでしょう。
その長い先を早めに考えるのです。


システム企画研修社では、自分がどういう仕事に向いているかを判別する
ツール(CAT・コンピテンス・アセスメント・ツール)をご提供しています。
ご関心ある方は以下のサイトをご覧くださいませ。
http://www.newspt.co.jp/data/menu/11CAT.pdf









2020年6月22日月曜日

ジム・ロジャーズの「大予測」 世界はどうなる??

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 ジム・ロジャーズ氏の「アフターコロナ」論を知りましょう。 
ねらい:
 以下は、概要・結論のみですから、
       詳細は本書でご研究ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


この危機、ロジャーズ氏はどう見ているのだろうか?が、
氏のファンが知りたいところでしょう。


一言で言えば、
世界はこれから回復ではなく、
たいへんなことになる、という予測です。


ジム・ロジャーズ氏につきましては、
当ブログ2019.9.25「日本への警告」でご紹介しました。
http://uenorio.blogspot.com/2019/09/blog-post_55.html


コロナショックを受けて、
別の出版社が氏の先見性に期待して出版したのが、
この「激変する世界の見方 大予測」です。


前掲書における氏の主な主張はこう,でした(上掲ブログ)。


1.日本がダメな点
1)子どもを作らない
2)移民を積極的に受け入れない
3)後世に残る巨大な財政赤字
4)日銀の金融政策


この内容自体は広く取りあげられていることです。
それを著者の見識で力強く解説しています。


2.日本人が今克服すべき課題
1)女性の活躍の場を広げる
2)外国人に対する差別意識をなくす
3)日本の学校を外国人に開放する
4)子や孫に中国語を学ばせよ
5)昔ながらの高品質を武器にせよ


6)マニュアル主義を見直せ
7)農業を強化せよ
8)アジアから押し寄せる観光客に勝機を見出せ
9)未来を読むために歴史を学べ
10)世界を旅し変化を肌で感じよ


日本に関してはほぼその路線での解説ですが、
本書は世界が舞台です。


以下に、主な主張部分(「談」の編集者による整理)を
ご紹介します。


・コロナショックで実体経済がひどい縮小をしている。
・これが金融市場にも波及し過去最大の金融危機が来る。
・株式の乱高下は、
 マーケットの参加者が疑心暗鬼になっているからだ。
・各国中央銀行もいつまでも下支えはできない。
・株に関して言えば、コロナショックの前からバブル状態だった。


・今のコロナショックは、マスコミの責任、騒ぎすぎである。
 今までのインフルエンザで毎年アメリカで4万人、
 全世界で数10万人が死んでいる、というのに。


・だがその恐怖心が誘因となって、
 数年、数10年かけて起きる変化を一挙に実現している。
 在宅勤務の進展がその好例である。
・急激な変化が起きているということは、「チャンス」でもある。
・「チャンス」を活かす企業が生き延びる。


・航空会社、シェール関連企業の多くが破たんする。
・日本でも大型倒産が続出する。
 債務の少ない企業は生き延びる。


・西欧先進国はばらまきの債務超過で皆破たんする。
・特にアメリカは、国を閉じて発展した例はないことを知るべきだ。


・中国は高度成長を続けた結果で、
 非常に豊かで人材も育てられるようになった。
 世界で最も多くのエンジニアを輩出している。
・中国はますます豊かになり、世界の覇権を握るだろう。
  上野注:経済人としてのジム・ロジャーズの客観的意見で、
      我々日本人は「そうですか」と言っているわけにはいきません。
      中国の支配下に入るのは何としても避けたいものです。


・北朝鮮はこれから伸びる余地が大きいという面で
 魅力的な國である。
・韓国も国境が開かれればその恩恵を受けられる。
 (因みに、今の韓国があるのは、
 アメリカの莫大ね経済援助のおかげである)


・日本は、前掲のような理由で停滞から脱しにくい。
・20年後はたいへんな国になる。
 自分が日本人なら海外脱出するか、
 自動小銃を使えるようにする。


前掲書の「日本人が克服すべき課題」に
真剣に取り組まねばならない、と言っていますが、
ロジャーズ氏は半ば諦めているようです。


我々日本人は諦めるわけにいきません。
どうしましょうか!!!

2020年6月20日土曜日

マズローの「欲求5段階説」に代わる「人の価値目標体系」!

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 人間の欲求の体系=価値目標体系を確認していただきます。
ねらい:
 これの使い道を考えていただきます。
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今回のコロナ騒動で分かってきたことがいろいろあります。
その一つは、
人間が望むことは次々実現できていっているということです。

通勤がたいへん⇒在宅勤務が広がりました。
買い物が面倒⇒ECが急速に普及しました。
友だちがほしい⇒SNSがカバーしました。
楽しみたい⇒ゲーム類が多数受け入れられました。

探すのがたいへん⇒Google検索
連絡を楽に確実に取りたい⇒メール,LINE
などは、従来から進展しています。


そこで、
人間が満足感を得られる全体はどうなっているのだろうと
その体系を整理してみました。

それは私の表現だと「価値目標」体系です。

 
価値目標の実現をしていけば、
人類の幸せにつながって行くのです。

人間の価値目標体系は、以下のようになっているのでしょう。
これが満たされている人は、命を終えるときに
「幸せな人生だった」と思えるのです。


なお、この価値目標体系は個人を対象にしています。
法人としての価値目標(最終的には法人の発展)は別になります。


       
       嬉しい、幸せ、人生の満足

           ↑



その説明は、次のとおりです。
番号は単なる識別記号です。順序等を示すものではありません。

価値を感じる領域

その説明

1.五感の満足 

日常生活で感じる感覚で得られる価値です。

2.生活の充実

日常生活・非日常生活で得られる価値です。

3.肉体的負担の軽減

身体の物理的維持・改善の価値です。

4.精神的負担の軽減

精神的安寧の価値です。

5.時間的負担の軽減

時間的負担感改善の価値です。

6.金銭的負担の軽減

金銭的に少ない負担で得られる価値です

7.楽しさの実現

楽しさ・快適性で得られる価値です。

8.社会的欲求の実現

他人との愛・組織への帰属感で得られる価値と人生目標達成で得られる価値です。

9.承認欲求の実現

自分の存在価値が他人に認められる価値です。

10.自己実現欲求の実現

自己の向上実現の価値です。



1.2は基礎的価値です。
3~6は各種負担(マイナス)の削減の価値、

7~10は前向き(プラス)の価値を示します。

8~10はマズローの表現を使っています。
ただし、8「社会的欲求の実現」には、
人生目標達成の欲求を追加しています。


因みに、マズローの「生理的欲求」「安全の欲求」を含めた
欲求5段階説ではすべての欲求を網羅していません。
両者の対比を以下に示します。
マズロー説では、前向きの満足や負担の軽減が含まれていません。
生理的欲求と安全欲求から、
いきなり社会的欲求に飛んでいるのです。

人の価値目標体系と

マズローの欲求5段階説の対比


人の価値目標体系

マズローの欲求5段階説

1.五感の満足 

なし

2.生活の充実

なし

3.肉体的負担の軽減

生理的欲求、安全欲求

4.精神的負担の軽減

なし

5.時間的負担の軽減

なし

6.金銭的負担の軽減

なし

7.楽しさの実現

なし

8.社会的欲求の実現

社会的欲求、

ただし富裕欲求などは

含んでいない。

9.承認欲求の実現

承認欲求

10.自己実現欲求の実現

自己実現欲求
具体的な生活に関わる事物と価値目標体系の関連を例示します。


衣食住は、
「五感の満足」「生活の充実」「肉体的負担の軽減」を基礎にして、
「精神的負担の軽減」(安心、安全)や、
人によっては、
「承認欲求」(自慢)や「自己実現」(自分で作る)もあるでしょう。


自動車は、
基本は、「肉体的負担の軽減」「時間的負担の軽減」ですが、
「楽しさの実現」も大きく、
「承認欲求」(ステータスシンボル)の人もいるでしょう。
カッコイイ(五感の視覚)を評価する人も多いでしょう。
人によっては、五感の聴覚の満足(轟音)を求める人もいます。
逆に静かを評価する人もいます。
嗅覚訴求はあまり聞きませんね。


行政は、「肉体的負担の軽減」を第一にして、「精神的負担の軽減」
困窮者に対する「金銭的負担の軽減」も図っています。
公園づくりなどによる「楽しさの実現」「生活の充実」にも貢献しています。



以下に1.~10.の価値の内訳を示します。
現段階では例示のレベルです。








































これは何に使えるのでしょうか?

後付けで考えてみました。


1.自分の価値観はどこに重点があるのかを認識する。
 それによって、意識の改善方向を判断していただきます。
 しかし、「その必要はあるのだろうか、
 それで人生全うすればそれでいいではないか」
 という考えも成り立ちます。


2.商品・サービス開発のヒントを探る。
 自社の商品・サービスの開発・補強の方向について、
 この表で点検していってヒントを得ていただきます。


 たとえば、「いい匂い」でGoogle検索すると、
 次のようなページが表示されます。
 これから何かヒントになる情報が得られるかもしれません。
  しかし、その実験はできていません。
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「いい匂い」で商品開発のヒントを思いつきました。
それは、自動車の「いい匂い」です。
車に弱い人・酔う人がいます。
揺れにも弱いのですが、あのガソリン臭い匂いが気持ち悪い、
という人も多いはずです(私の孫娘もそうです)。


そこで、車に乗るといい匂いがするようにするのです。
車のエアコンに設備するのだと思いますが、
いつも同じ匂いだとその匂いが気持ち悪さを招くようになります。
そこで、入浴剤がそうなっているように、
いろいろな匂いに切り替えられるようにします。
「今日は何の匂いにしようかな」と楽しみになります。


どうでしょうか。
このように、価値目標体系を眺めていると、
ヒントが出てくるということがあるのではないでしょうか


3.心理学者やカウンセラーのチェックリストにする。
 全体系が分かるということは、
 いろいろ使い道があるはずです。
 どうでしょうか?


はたして何に使えるのでしょうね。

2020年6月19日金曜日

「アフターコロナ」はどうなるのでしょうか?

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 アフターコロナの状況を考えてみます。
ねらい:
 それぞれのお立場で、どうなるのかを考えてみましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まだ、コロナウィルスを撃退できたという状況ではないのに、
緊急事態宣言が解除されたこともあり、
このコロナ騒動が収まった後、社会や市民はどうなるのか?
という「アフターコロナ」がいろいろ取りざたされています。


そこで私もこのテーマについて考えてみました。
ご参考になれば幸甚です。



従来も社会の変化はあったのですが、
その対応はゆっくりでも間に合いました。

例えば働き方改革でのIT対応です。
テレワーク、電話会議、RPA、等々。


しかし今回のコロナショックで、社会は急激な変化を経験しました。
「やればできる」し「やらなければならない」を体験したのです。
そういう意識が社会全般に行き渡ったと言えるのではないでしょうか。


しかも、「やらなければならない」につきましては、
「完全にやらなければならない」ではなく
「すぐにやらなければならない」になったのです。


副作用のない完全な治療薬ではなく、
効果がある治療薬を早く、になったのです。


日本の次世代スーパーコンピュータ「富岳」は、
完全を目指さずに1年前倒しでリリースしました。
9年ぶりの世界最高速を獲得しました。。


消費者も漫然と過去の習慣を延長するのではなく、
「よりいいもの、よりいい方法を選択する」という意識になりました。


科学研究論文の世界でも、査読を経ずにいきなりネットで公開し
世に問うスタイルが増えてきているそうです(6/22日経新聞)


ネットによる情報拡散力と相まって
「いいもの」の普及スピードが早まるでしょう。


プログラミングの世界の「ノーコード」もしかりです。
専門的なプログラミングをしなくても、
プログラムが作れる仕掛けです。
「第4世代言語」など、従来からその必要性は認識されていました。
普及の壁は、技術・製品の未熟さもありましたが、
アマチュアに対するプロの抵抗が大きかったと思われます。


これからは、素直に「いいもの」に対する選択が強まります。
抵抗を乗り越えるイナーシャ(惰性)が付いたのです。
マイナスを超えるプラスを評価する、という思考に変わるのです。


こうなると、ますます早く変化に対応する企業が生き残ります。

米国のIT大手では、新技術を開発した新興企業を
巨額の費用で買収する例が増えています。
時間・スピードをお金で買っているのです。


この状況からしますと、ビジネスでは、
仕事ができる人、できない人、=考える人、考えない人 
がはっきりします。


変化に対応する仕事を考える人と
考えられた仕事をこなす人=単純作業者に分かれるのです。


従来もこうなっているのですが、未曾有の変革期になって、
仕事を考える人の重要性が高まります。


「仕事を考える人」が有効なのは、
 新しいビジネスに取り組む人、
 競争力のあるビジネスに取り組む人
 市場・お客様の変化への対応を考える人、
 さらに言えば、お客様の考える先を考えられる人、
 状況変化に対応する仕事の方法を考える人
 業務の生産性を高めることに貢献できる人、などです。


「仕事を考える人」は
サントリーの創業者鳥井信治郎氏の言葉を借りれば
「やってみなはれ」に応えられる人です。


こういう人たちがビジネスを引っ張らなければ
10年後のビジネスの発展は見通せないでしょう。


「仕事を考える人」の現時点での最大のテーマは
アフターコロナの課題への対応です。


アフターコロナの課題は、
テレワークの仕組みやテレビ会議の仕組みの定着
ですむものではありません。


一般的には以下の課題の試行錯誤が必要でしょう。

1)働き方の基本的方向性決定
  (単純に在宅勤務有利とは限らない)
2)弾力的な働き方を前提にした業務環境の整備
3)弾力的な働き方を前提にした業務成果の評価方法導入
  (これが最大難度の課題と思われます)
4)弾力的な働き方に対応した上司・管理者の役割明確化
5)弾力的な働き方に対応したガバナンスの仕組み整備

6)働く人それぞれが先を見越した自分の進路の判断


これらについてどう対応すべきかにつきましては
業務改善やの私としましてはそれなりの見解を持っていますが、
3)につきましては、以下でその構想を発表しています。
上野則男のブログ2015.11.2
「どうすれば世界一低い労働生産性を高められるか!」
http://uenorio.blogspot.com/2015/11/blog-post_40.html


6)につきましては、当社が「CAT」(コンピテンス測定ツール」
をご提供しています。
http://www.newspt.co.jp/data/menu/11CAT.pdf


現時点で発表されている「成功例」は、
短期的な評価に基づいているもので、
もう少し長いスパンで見ないとその成否は判定できません。
またどこにも適用できる一般解はないと思われます。


それぞれがそれぞれのビジネス環境に合致した方法を
考えるしかないのです。


考える方法の基本の一つが、
弊社が長らくお勧めしている「価値目標思考」です。
ここからは若干我田引水的になることをご容赦ください。


何かを検討するときに、

 「これは何のためにしているのか?」
 「この仕事の目的・ねらいは何か?」
 「これを改善する目的は何か?」
 「新しいものが目指すべき価値は何か?」
と考えるのです。

そこから考えの突破口が得られます。
忠犬ハチ公のたとえで言いますと、こうなります。
忠犬ハチ公が「ここ掘れワンワン」と言ったので、
そこを掘ったら「大判小判」がザクザク出てきました。
その「ここ」が求めるべき「目的」なのです。


といいうことで、「価値目標思考」は
故堺屋太一氏が喝破されましたように
「新時代対応の思考法」なのです。


「価値目標」につきましては、以下をご参照ください。
拙著「価値目標思考のすすめ」(堺屋太一氏ご推薦)
「世界で初めての目的達成の授業」
 (システム企画研修株式会社ホームページに掲載)
 http://www.newspt.co.jp/data/info/book/book4.pdf
MIND-SAマニュアル「目的・ねらいの設定手法}
システム企画研修株式会社ホームページ掲載(無償公開)
 http://www.newspt.co.jp/contents/manual/yes/ob/mkob.html