2016年2月29日月曜日

「天才」って誰のこと?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 石原慎太郎さんの「天才」を知っていただきます。
 田中角栄さんの功績を再評価しましょう。
 (過去の)米国という国の恐ろしさを再認識しましょう。

ねらい:
 日本の歴史の正しい認識をしましょう。

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多くの方はご存じのように
「天才」は石原慎太郎さんが書かれた
田中角栄さんの評伝です。伝記小説かもしれません。





















石原さんは衆議院議員の若い頃、
田中角栄さんの金権政治を批判する急先鋒でした。

しかしあらためて田中さんの功績を振り返ってみると、
たいへんな人物であったことを再認識されました。

それが、
この本での田中さんへのはなむけになっているのです。

しかし、関係者が存命の中での実名での著述は
ずい分気を使っただろうと思われます。
いい加減なことは書けませんからね。

田中さんがどう考えたかということを
田中さんの第一人称で書かれています。
書きぶりはこんな感じです。

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その1 若き頃

サンクレメンテでの日米首脳会談で俺は
ある大事な提案をして押し切った。

「早撃ちコナリー」という異名を持つとかいうニクソンの
片腕のヨナリーに、いきなり日米経済戦争の一年間の停戦を
提案して強引に押し切ってやった。

この反撃で彼等の日本を見る目が微妙に変わってきたと思う。
つまり日本が本気で拗(すね)れば彼等にとっても厄介なことに
なるという認識でなければ、いつまでたっても、
こちらの浮かぶ瀬があったものではないのだ。

第二回のトップ会談の後、ニクソンは俺たち日本側の首脳を
昼食会に招いた。
どんな報告を受けていたのか知らぬが、ニクソンは
ひどく上機嫌で俺の肩を叩いて抱きかかえてテーブルに
案内してくれたものだった。

その前に会議場から昼食会の会場までゴルフカートを
自分で運転し、その車に佐藤と俺だけを乗せたのだ。
福田(赳夫)はその後から歩いてやってきた。

その途中ニクソンが俺に君はゴルフはするのかと尋ねたので、
俺はまだビギナーだが、かなり腕を上げたのでその内に
マスターズに出るつもりだと片言だが英語でいってやったら
彼は大笑いしていたものだった。

昼飯の会場に入るまでもニクソンは自分のゴルフについて
何やら自慢だか愚痴だかを一人で話してみせたが、
俺は分かっても分からなくても大いに頷いてみせてやった。

そのせいかどうか昼飯の会場では思いがけぬことが起こった。
ニクソンが自分の席の隣にいきなり俺を座らせてしまったのだ。
ニクソンの席順無視で声には出ないが動揺が走るのが
感じられて分かった。
特に日本側の出席者、
外務省の役人たちにはショックだったろう。

彼等にしてみればニクソンと福田を隣り合わせに並ばせ、
福田を佐藤のプリンスと見せることに
気を使っていたに違いないから。

実際に前年の日米貿易経済合同委員会では
ニクソン・福田会談がセットされ、
メディアはポスト佐藤の角福の品定めのために
アメリカ側が俺たち二人を招いたが、
俺がいかに大声でまくしたてても、
ニクソンと会談できたのは福田だけで、
二人の勝負はもうあったと報じていたものだったが。

しかしまあ、サンクレメンテでの出来事を
どう解釈するかは人によっていろいろあろうが、
ニクソンが俺に、いってみれば気さくに、
まあ俺のそばに座れよと誘ったのは、俗にいえば
「こいつは話せる奴だな」と思ったということだろうが。

佐藤派から離脱してすぐに、かつて都市政策調査会長
としてつくった都市政策大綱を下敷きにした、
この国全体を地ならしして地方の格差をなくす
『日本列島改造論』を発表した。

高速鉄道の新幹線を日本中に走らせる。
各県には飛行場を設置する。
かくすれば国民はこの国のどこへでも簡単に赴けるし、
むしろ地方がかかえている地方の特色は保たれ文化は栄える。

狭小な国土をしか持たぬこの国はコンパクトながら
もの凄く機能的なものになるはずなのだ。

この大計画を聞いて国民は度肝を抜かれ
賛否両論がまき起こったが、多くの国民はどこに住んでいようと
これでそれぞれの夢を持てたはずだ。
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その2 振り返り期

しかし俺のやったことの何が間違っていたというのだろうか。
だってそうではないか、今のこの国を眺めてみろ、
俺のいった通りになっているではないか。
俺の予見の何が外れたというのだ。

まあそれはいい。
俺がやったことの正しさはその内に歴史が証してくれるだろうに。

しかしこうなってしまった今、ものがいえなくなってしまった今こそ、
俺はこうして身動きできぬまま俺に問いなおして
確かめておかなくてはならぬことがあるのではないのか。

昔、六法全書をまる暗記までしてみせた俺が思いつかずに
見落としていたものがあるのではあるいは
俺のこの病はいつか何かの力で治るのかもしれない。

いや、きっとそれがある。
ある筈だ。
なければおかしい、だってこの俺はこの俺なのだから。
それを信じることを誰が、何が禁じるというのだ。
いつか、思いもかけぬきっかけでまたあの俺が蘇ることが
ないと誰にいえるのだ。
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田中さんの日本列島改造論は、
今の日本を先取りしています。
非常に頭の切れる天才の一端ですね。

それ以外にもお役人の知恵ではとても出てこない
発想をしていることが紹介されています。


この本の内容はこうなっています。
1)若いころの頭脳・才覚を使った努力  土建業としての成功
2)若くして議員になった頃の活躍ぶり  素晴らしい時期
3)権力を得た活躍  意外とこの時間は短かった
4)ロッキード事件で訴えられた後の無念  再起を念じていた
5)晩年の反省期  本当はどうだったのでしょう?


本文以外に以下が付いています。
6)年表
7)田中角栄さんが提案者として成立した議員立法の35法案一覧
8)石原慎太郎さんの「長い後書き」

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ところで、田中さんのロッキード事件は、
裁判所の判断は有罪ということでした。

実際におカネを受け取ったかどうかはともかくとして
(本書でも受取ったことになっています)
ニクソンの仕組んだ罠だということは
大いにありそうなことです。

本書内でも
その罠だということははっきり出てきています。

ニクソンは自分の立身出世のためなら
何でもする男です。

ケネディ暗殺の黒幕だったことは
かなり知られた事実です。
この点については、私のブログでも
落合信彦さんの著書を紹介しています。

上で引用しましたようにニクソンは、
「田中は放っておくと
日本としての主張をどんどんするようになり
米国のためにならない」
と思ったでしょう。

アメリカの頭越しで中国と国交を回復したり、
アメリカに盾付いたりしました。
石油を米系メジャーから調達せずに
アラブから直接調達するなど。

日本としては当然の措置ですが。
ニクソンにしてみれば、
顔をつぶされて「この野郎!」と思ったでしょう。

そこで仕組んだのです。
ケネディのときに比べれば
何のことはなかったと思われます。

日本の司法にまで手をまわしました。
日本の裁判のロッキード側の証言に、
日本では認められていない司法取引をして、
いい加減な「有力」証言をさせたりしたのです。

田中さんは金権政治をしたかもしれませんが、
それよりも日本という国を立てるために、
多くのことをしてくれたのです。

これは石原さんの愛国主義から言えば、
素晴らしい先達です。

田中さんを賛美する本を書こうと思われたのは
当然でしょうね。

小説としてはあまり面白くありませんが、
石原さんとしては、
若気の至りで金権政治批判をして田中さんに矢を向けた
償いをする作業を成し遂げたということでしょう。

組体操は危険?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 組体操の危険性について考えていただきます。
 効果とリスクの関係について考えていただきます。
 マイナス思考だと日本はじり貧ではないか、
        という点について考えていただきます。
ねらい:
 プラス思考になるように努力したいですね。

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流山市は組体操を新年度から全面「廃止」
という情報が「流れ」ました。
大阪市は一足早く組体操の中のピラミッドとタワーの全面禁止
を決めています。

注:廃止と禁止と言葉が違うので確認しました。
  廃止は自分で決めること。”定期昇給制度の廃止”
  禁止は権限のある者が他に対して指示すること。
  この場合の廃止は校長会で、禁止は教育委員会でした。

私はこの情報に接して、初めは「何だまた、安全第一か!」
と情けなく思いました。

「たかだか骨折くらいで大騒ぎするな!」
リスクを優先して冒険心・向上心がなくなれば、
ますます日本はダメになる、といういつもの考えです。

テレビでも子どもたちの「できた時の達成感が大きい」
という小学生の嬉しそうな顔を見て「そうだ、そうだ」
と思ったのです。

ところが、調べてみますとこんなに事故が多いのです。

以下Wikipedia「組体操」
1983~2013年度の31年間に、
学校の組体操において障害の残った事故が88件発生。
(そのうち2012年度までの10年間で後遺症が残る事故は20件発生)。
2012年度に小学校で起きた組体操による事故は6533件、
2013年度での事故事例は8500件超となっている。

それだけでなく、死亡事故や障害が残る事故も発生しています。

  • 1983年、群馬県の小学校で人間タワー2段の練習中、
  • 2人の肩の上から転落して女子児童(当時6年生)が死亡した。
  • 1988年、愛媛県の小学校で卒業アルバム撮影中に
  • 人間ピラミッドが崩れ男子児童(当時6年生)が圧死した。
  • 1990年、福岡県の県立高校で3年の男子生徒が8段ピラミッド
  • (平面型8段を目標にして、5段目までが完成して6段目にとりかかるとき)
      の崩落により首の骨を折り脊髄損傷の後遺症を負った。
  • 1990年、神奈川県相模原市立鵜野森中学校にて体育祭の予行練習中、
  • 教員8人が補助にあたっていた「人間タワー」がリフトアップの際に崩れ
      男子生徒(当時3年生、2段目担当)が首を骨折し、搬送先にて死亡した。 
  • 2014年4月、東京都北区立の小学校で4段タワーの練習中、
  • 上から2段目と最上段が立ち上がろうとしたときに崩れ、
      最下段で四つん這いの姿勢でいた6年生の女子児童が下敷きとなり
      左手首靱帯を損傷、左肘の脱臼、骨折の重傷を負った。
      卒業までに3回の手術を行ったが後遺症に悩まされるようになった。
  • 2015年5月、松戸市の小学校で3段タワーの練習中に
  • 1番上にいた男子児童が落下、頭と腹を強く打ち開頭手術を行った。
      幸い出血が少なく、一命を取り留めたが後遺症で左耳が難聴になった。
  • 2015年9月、千葉県の柏市立の中学校で
  • 平面型の5段ピラミッドを練習中に
      上部から2段目の3年生の男性生徒が落下、
      右太ももを強く打ちつけて骨折した。
      手術を受け、一ヶ月以上入院したが完治のめどはたたず
      右腿から右足首にかけて金属製の装具をつけての生活を
      余儀なくされている。

    こういう事故を見ますと、怪我くらいいいじゃないかとも言えなくなります。
    責任を追求したくなる親の気持ちも分かります。

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    因みに、組体操の事故発生率には県別にかなりの差があるようです。
    大阪経済大学の西山豊教授の調査です。
    2012年・2013年のデータで、生徒万人当りの事故発生率です。
    ワースト
     1 兵庫  20
     2 福岡  15
     3 大阪  14
     4 三重  14
     5 鳥取  13
     6 和歌山 12
     7 奈良  12
     8 長野  12 
     9 広島  11
    10 京都  10

    ベスト
     40 福井  1
     41 青森  1
     42 島根  1
     43 秋田  1
     44 富山  1
     45 福島  0
     46 新潟  0
     47 山形  0

    東京は19位で8です。

    ワーストはほとんどが関西です。
    関西は岸和田をはじめ、
    荒っぽい勇壮なだんじり祭りのお国柄です。
    関西の方が「自然」の面影を残しているのです。
    男が弱弱しくなったらダメではないですか!!

    「儲かりまっか?」の挨拶だって
    飾らないで聴きたいことを聴いている「自然」です。
    東京は格好つけるようになって寂しいですね。
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    この問題についてどう考えたらよいのでしょうか。
    私はこう考えます。

    1.プラスの効果がある事項については
     積極的に進めるべきである。
     
     組体操はチームワークの造成に願ってもない機会を与えます。
     チャレンジ精神の涵養にもなります。

    2.しかしリスク対策には万全を期する。
     1)学習指導要領への組体操指導要領の記載
     現在は組体操について学習指導要領への記載はなく
     現場の判断に任されている、そうです。
     それは教育側の怠慢です。
     ずいぶん前から事故は発生していたのです。
     
     2)現場での十分な準備練習の実施
     指導要領にも基本精神は入るでしょうが、
     怪我を発生させないための練習や心構えを徹底します。
     柔道の練習だって受身から始めるのです。

     その面で以下のネット上の寄稿は参考になります。
     是非ご一読ください。

    「それでも私が組体操に取り組む理由。ある現役教師の告白」
     http://athlete-knowledge.jp/reports/371

    一般に意思決定では、効果は見えにくいことが多く、
    費用やマイナス面は具体的に見えるものです。

    今回の案件でも効果は分かる人でないと分かりません。
    そうするとマイナス面だけで評価することになります。
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    話は変わりますが、現在当社で改善に取り組んでいる
    ソフトウェア保守の世界でもこういうことがあります。

    保守業務のおかげで毎日システムの恩恵を受けているのに、
    それは当り前になっていて担当が評価されることはありません。

    そして、何か障害・事故があると、たちまちボロクソです。
    「何をやっているんだ!」
    これでは担当は浮かばれません。
    そんな仕事に意欲を持って取り組む人はいないでしょう!
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    マイナス評価を恐れるという面ではお役所仕事がその典型です。
    我が家の前の立派な公園についてこういうことがありました。
    品川区の公園管理の担当殿からこういうメールが届きました。

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    ご無沙汰しております。突然のメールで申し訳ありません。

    二葉公園の「のりもの玩具」については、
    昨年6月に再スタートしてから
    公園利用者の皆様や周辺の方のご理解のもと
    順調に運用されているとの認識でいたところです。

    ところが、先週2/12(金)に公園の前にお住いの方から、
    お休みの土日に
    「のりもの玩具」を公園の外周道路(歩道状に整備した部分)で
    乗り回す音に困っているという苦情をいただきました。


    遊べる場所については下段の広場内という表示がされてはいますが、
    徹底することは難しいと感じています。


    その方は、
    そもそも私物(のりもの玩具)の放置を認め遊ばせること自体、
    品川区が認めているのはおかしい、撤去を要望されています。

    品川区としましては
    苦情をいただいたことに対しての対応策を示さなければならないため、
    その対応策として本日、
    「のりもの玩具」で公園の外周道路では遊ばないよう、
    遊べる範囲を示す注意看板を増設いたしました。


    おそらく、状況が改善されなければ、
    さらに強い苦情が寄せられるものと考えています。
    つきましては勝手なお願いではありますが、
    土日の午前中についてお時間の許す範囲で結構ですが、
    のりもの玩具で遊んでいる様子を見ていただけないでしょうか。
    ご協力をお願いいたします。
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    そうして、公園内に何枚もこういう立て札を立てたのです。














    公園で喜んでいる子どもたち・その親たちの意見は聞かないで
    1人のクレームだけでこんなことをするのですから情けないことです。

    私は、申し出に協力する旨を述べた上で、
    「区がのりもの玩具を公園に持ち込むことを認めているのは
    何らの法にも条例にも反することではない、
    1個人のエゴに公共の福祉を優先させてはならない」
    という返信を送りました。

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    近くの別の小さな公園(通称プリン公園)では、
    入り口をバリアフリーにする、とか言って始めた改築で
    目玉の「プリン」をこんな面白くないものに変えてしまいました。




    以前は、上に登る方法に
    20センチくらいの網目の太網の部分がありました。
    これなど、小さな子供には結構難しく
    孫娘も何度かチャレンジして登れるようになりました。

    それと
    「うんてい」(この名前を覚えていますか?)もありました。
    うんてい経由でこの上に辿りつくのです。
    孫娘はこれはまだクリアしていませんでした。

    どう見ても今回の改築で安全度は高まり、
    面白さは格段に下がっています。

    何のために公園はあるのでしょう?
    管理者が問題を起こさないためにあるのではない
    でしょうが!!

    そういうマイナス思考だと日本はますますじり貧ですね!!
    プラス面を積極的に見ましょう!
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    「公園での遊具事故6年で1500件」
    という新聞記事も出ていました(2月11日日経新聞)。
    こういうことが大々的に報道されると
    公園の管理者は安全な遊具の設置に流れますね。

    因みにこの記事によると、
    滑り台の事故が最大なのです。
    そうしたら「滑り台は危険だ」ということになるのですか?

    滑り台の事故が多いのは、
    滑り台の台数が多く、利用者も多いからです。

    事故は利用者の利用方法次第なのです。
    これは保護者の責任ですね。
    どう考えても滑り台が悪いということにはならないでしょう??
    一般的な言葉で言うと
    「運用が大事、運用次第」ということになります。

    「おひとりさまの『肉食』投資術」

    【このテーマの目的・ねらい】
    目的:
     才媛村田美夏さんの新著を知っていただきます。
     素晴らしい語り口というものを知っていただきます。
     
    ねらい:
     面白い本です。是非お読みください。

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    これは、村田美夏さんの著書名です。
    村田さんは、2014年2月の私のブログ
    「東大卒にもこんな素敵な女性がいます!」
    でご紹介した女性です。

    そのブログは、
    なんと34万アクセスで私のブログでダンダントツの1位です。
    村田さんはその後テレビでも人気となって
    今や人気セミタレントです。

    その彼女が2月に出した初の著作です。
    今年の同窓会の新年会でいただきました。

    この本の副題はこうなっています。
    「億を稼ぐ 東大卒トレーダーが教える」
    「ウルフ流お金引き寄せ思考」

    ウルフというのはオオカミのように獲物(お金)を狙う
    という意味で付けられたようですが、
    獲物にはオトコも入っているのではないかという
    期待?もあるようです。
    切れ味よく言いたいことを言っている傑作です。
    第1章の一節をご紹介します。
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    「エリートは決してスーパーリッチになれない!?」


    いい大学を出て、いい会社に動め、安泰な老後を迎える。
    恐らく、これが普通の人の成功人生だと思います。

    この人生を送るためには、まずいい大学に入学することが
    必須条件だと多くの人は思い込んでいるので、
    親は子どもを学習塾に入れるなど教育にお金をかけるわけです。

    でも、私が知っているスーパーリツチな人々を見ると、
    実は大学を出ていない人がけっこう多かったりします。
    それも、お金持ちの家庭に生まれた生まれ持ってのお金持ちではなく、
    自分一代で数十億円、数百億円の資産を築いたような、
    叩き上げの人ほど、その傾向が見られます。

    昔の、日本を代表する実業家だってそうですよね。
    本田宗一郎しかり、松下幸之助しかりです。
    お2人とも、日本の高度経済成長期を代表する経営者ですが、
    最終学歴は尋常小学校です。

    だからといって、勉強はしなくてもいいというわけでは
    ありませんよ、念のため。

    そもそも、大学を出ていないのにスーパーリッチな人たちは、
    総じて頭脳明晰です。
    なかには、あまりにも頭がキレキレで、学校の授業なんて
    バカらしくて受けていられないから、
    大学には行かなかった人もいるくらいです。

    ちょっとカッコイイ言い方をすると、
    ストリート.スマート系なんですね。

    ストリート.スマートの対語は「アカデミック・スマート」
    といって、これは文字どおり、いい大学に入って、いい成績を
    残している頭のいい人です。

    日本のキャリアでは、これまでアカデミック.スマート系の人が
    求められていました。
    特に官公庁はそうですし、
    企業規模が大きくなって官僚組織化したところになるほど、
    この傾向が強まると思います。

    でも、実業の世界になると、アカデミック.スマートな人が
    必ず成功を収めるとは限りません。
    実際、アメリカの有名ビジネススクールに入学し、
    そこで膨大なビジネス知識を身につけて会社勤めをしたものの、
    それを実践で生かすことができずにいるなどよくある話です。

    あ、だからといって
    学歴そのものを否定しているわけではありませんよ。
    詳しくは後述しますが、
    この手の学歴は取れるものなら取っておいたほうがいい。
    まあ、ないよりはあったほうがマシという程度の話ではありますが。
    で、ストリート・スマートについてですが、
    日本語でいうと、いろいろな解釈があります。

    「ズル賢い」「世渡り上手」「抜け目ない」「すれっからし」……。

    う~ん、あまりいい表現にならないのですが、
    要するにストリート・スマートとは、
    自分の能力でサバイバルできる能力を兼ね備えている人で、
    人間関係の構築がうまく、困難に直面してもへこたれず、
    信念を曲げることなく自分の目標達成に向けて突き進んで行ける人
    ということになるのだと思います。

    ---------------------------------------------------------------

    あと二つ私が気にいった彼女の語り口をご紹介します。

    その1
    1ミリだけ自分の居場所をずらしてみる

    中略
    お金を稼ぐという点でもこの方法(1ミリずらして考える)は有効です。
    例えば、ビジネス用語に「レッドオーシャン」「ブルーオーシャン」
    という言葉があります。ご存じですか?
    (上野:こういうひとことを入れるのがなかなかニクイですね)

    レッドオーシャンというのは、中略

    これに対してブルーオーシャンは、
    競合相手がほとんどいないような、ニッチなビジネス分野を指します。
    この分野を見つけること自体が非常に難しいのですが、
    たとえばTENGAという会社などは、
    まさにブルーオーシャン戦略の最たるものです。

    えっ?TENGAって何の会社かって?
    それを女の口から言わすか?
    ご自身でお調べになってくださいませ~。
    (注:男性用オナニー器具です)

    その2
    破産したとき、愛人に捨てられる人、助けてもらえる人

    中略
    「金の切れ目が縁の切れ目」などと申しますが、
    これは愛人との関係にも当てはまります。
    愛人を囲うには、ある程度の資力が必要であることは
    言うまでもありません。

    殿方は女性に好かれようとして、
    資力に任せてさまざまな貢ぎ物をします。
    中略

    男性は、自分の好きな女性の喜ぶ顔を見るのが大好きです。
    そして、そうした貢ぎ物は男性の資力が続く限り、
    贈り続けられます。
    そういう同僚が、(キャバクラ時代)私の周りには何人かいました。

    え?私はどうだったのかって?
    聞くな!
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    肝心の㈱の儲け方についてもいくつか開陳されています。

    彼女の20年の投資経験から生まれたもので
    それなりに価値あるものだと思いますが、
    ほとんどはいわゆる「セオリー」どおりなのではないでしょうか。

    関心ある方は本書をお読みください。
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    それよりも、彼女の真髄は人生哲学ですね。
    世の多くのハウツー本よりもはるかに説得力があります。
    よく40そこそこでここまでのことが言えると大感心です。

    終章の見出しをご紹介します。
    まったくそのとおりだと思います。

    人生は、何をやっても無駄なことなど一つもない!

    イヤだと思ったら来世志向で
    発想を変えてみよう
    働きたい人が働けばいい

    お金よりも好感度
    人を見るときはいいところを見るようにしよう
    お友達ネットワークは巨額の現金にも余裕で勝る

    失敗してもいいから、一度チャンスに飛びついてみる
    ギャップを三つ持てば、どんな世界でも生き残れる
    ソリが合わない上司でも悪口は言わない

    得意な分野を何か一つだけ作る