2016年12月26日月曜日

上野則男のメルマガ100号の分析

【このテーマの目的・ねらい】
目的 
 上野則男のメルマガ100号の分析をご提示します。
 ぜひお読みいただきたいと思う10選をお届けします。
 あらためて、上野見解での戦後日本の総括試案をもご提示します。

ねらい:
 何かを得ていただければたいへん嬉しいです。

――――――――――――――――――――――――――――――
1.歴史

「上野則男のメルマガ」は2008年10月から始まりました。
毎月発行しましたので、8年強で100号ということになります。
2010年5月からGoogleを使ったブログにしまして、
ブログの1か月分をまとめてメルマガとしてご提供する
ようになりました。

2.月別のブログ件数

初めの頃のテーマは2~3件でしたが、
次第に増えて累計666件となり、平均では6.6件です。

最高の時は2011年7月で20テーマでした。
このときは、2011年3月の大震災後に「これからの日本をどうする!」
という問題提起が非常に多く発表されましたので、
私見を交えテーマごとに整理をしたものが11ありました。

それ以外の通常テーマが9件ということです。
月別件数のグラフを示します。



3.アクセスベスト10

アクセス数は1位が飛びぬけています。
「1億稼ぐデイトレーダー」「ウルフ村田」とか
マスコミ界に騒がれた村田美夏さんのおもてのビジネスを
ご紹介した記事です。

私のメルマガ・ブログの配信先からのアクセスではなく
彼女の名前で検索されたものでしょう。
マスメディアの世界は凄いですね。
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(2016/12/12現在 ページビュー)

405,091
東大卒にもこんな素晴らしい女性がいます! 2014/2/23)

http://uenorio.blogspot.jp/2014/02/blog-post_9202.html

13,806
怖ろしい!ケネディ暗殺の真相に迫る! (2014/3/31)

http://uenorio.blogspot.jp/2014/03/blog-post_9613.html

2,798
これはタメになる「できる大人のモノの言い方大全」 (2014/2/5)
http://uenorio.blogspot.jp/2014/02/blog-post_9045.html


2,428
南海トラフ大地震はいつ来るのか?? (2014/11/24)

http://uenorio.blogspot.jp/2014/11/blog-post_24.html

1,551
福島原発の状況、これが本当! (2011/3/22)

http://uenorio.blogspot.com/2011/03/blog-post_7161.html

1,404
私の趣味「銀杏採り」のご紹介 (2011/10/31)

http://uenorio.blogspot.com/2011/10/blog-post_6221.html

965
インドはなぜオリンピックが弱いのか (2012/9/30)

http://uenorio.blogspot.jp/2012/09/blog-post_4648.html

886
「低放射線量は有益である」という証明 (2011/5/14)

http://uenorio.blogspot.com/2011/05/blog-post_14.html

866
日本人と中国人・アングロサクソン民族の違い (2012/5/26)
http://uenorio.blogspot.jp/2012/05/blog-post_26.html


793
「1日1食」中止のご報告 (2013/5/19)

http://uenorio.blogspot.jp/2013/05/11.html

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私がご紹介した「これが真実だ!」ものは、以下の3点です。
 1.ケネディ暗殺の真実
 2.福島原発事故の真因
 3.低放射線量は有益である

それぞれランクインしています。
1番、3番は他の方の主張の紹介ですが、2番は独自推定です。

「できる大人のモノの言い方」は軽くご紹介したものですが、
なぜこんなに上位なのか不思議です。

「日本人と中国人・アングロサクソン民族の違い」は、
日立製作所役員OBの久野勝邦さんの講演のご紹介が中心です。
内容は凄い見識なのですが
類似テーマはいくつか掲載している中で
なぜこれが人気かは不明です。

地震は皆さん恐れているのですね。

1日1食は珍しい話題だったのでしょうか。
銀杏やインドがなぜ上位なのかは不明です。


4.材料のソース分析

100号の半分の50号分について
ソースを調べた結果はこうなっていました。



書籍・論文、時事テーマ、その他がそれぞれ30%くらいです。
その他は、季節の風物を含め何か気が付いたことです。
当社ネタは遠慮して23件しかありません。


5.テーマ領域分析

表のように10分類しました。














(ちょうどゾロ目です)

「政治」は、政治に関わっている人のこと、
中国・韓国との関係を含んでいます。

「経済」は、私が経済学部卒なのに案外少ないのです。
経済の問題は分かりにくいですからね。

「社会・社会科学」は社会に関することまたは
社会科学的知見です。

「文化・人文科学」は文化的な内容に関することまたは
人文科学的知見です。
歴史テーマはここに入れています。

「技術・自然科学」はそのままですが、
自然科学として必ずしも証明されていないものも含みます。
原発事故の原因、気の有効性などです。

私の本業は方法論屋なので,How Toモノは案外あります。
当社のビジネスやプライベートなことは遠慮気味です。


6.テーマ領域別推奨ブログの解説

10領域から一つずつお勧めブログを選定しました。

1.政治

ケネディ暗殺の真相 要約
http://uenorio.blogspot.jp/2014/04/blog-post_247.html
  • 落合信彦氏が命がけで情報収集した
    恐るべき米国の裏側暴露のご紹介です。

2.経済

物価2%アップは日銀の責任か!再論
http://uenorio.blogspot.jp/2013/04/blog-post_4109.html
  • なぜ金融が物価を誘導できるのか、
    こんな中学生レベルの問題提起をしたのですが、
    経済学者・実務家が延々と議論しているのです。そのご紹介です。
3.社会・社会科学



日本の社会制度は崩壊の危機です!!
http://uenorio.blogspot.jp/2014/02/blog-post_598.html


  以下のような内容です。
  • 非正規労働者が増えるのは個人も企業にもよくない。
    それなのに増えるのは正規労働者の解雇不能制度が原因である。
  • 世界では、労働流動性が経済発展の基本条件になっている。
  • 定年延長もよくない、
    早めに第2・第3の中高年齢者向きのキャリアに踏み出した方がよい。


4.文化・人文科学

こんなむごい!!非人道の原爆投下!
http://uenorio.blogspot.jp/2015/07/blog-post.html
  • 原爆投下直後に、住んでいた瀬戸内海の島から甥姪を探して
    広島市内を歩き回った著者の体験記です。
  • 島では、投下直前に広島へ行って命を落とした両親の帰りを
    岸壁で毎日待つ3歳の女の子がいました。
  • その叔父が見かねて広島に探しに連れていきました。
  • 2日だけだったのですが女の子は原爆症になり、
    最後まで「お父さん、お母さん、どうして帰ってこないの!」
    と言いながら亡くなりました。
  • こんな事例が多数紹介されています。

5.技術・自然科学

福島原発事故の原因―上野見解
http://uenorio.blogspot.jp/2012/07/blog-post_31.html
  • 福島原発事故は、原子炉の冷却ができずに起きたものです。
  • なぜ冷却ができなかったかは、
    冷却水を送るためのエンジンが防水されない建屋の中にあって
    動かなくなったからです。
  • 福島第2原発では、
    冷却用エンジンは、防水完全な原子炉建屋の中に据えられました。
  • その時点で、関係者は第1原発の不備に気づいたはずです。
  • しかし責任者が「いいからほっておけ」と無責任対応をしたのでしょう
    (これは上野推論です)。
  • たったそれだけのことがあんな大惨事を引き起こしたのです!!
6.IT・システム



公共事業問題とソフト保守問題は同じだ!!
http://uenorio.blogspot.jp/2013/08/blog-post.html
  • 社会資本投資である公共事業は新設が減り、
    維持管理費と更新費が大きくなっている。
  • 維持管理は「票にならない」と政治家が熱心でない。
    維持管理の専門技術者も少ない。
  • ソフトの保守費用も新設・更新の費用を上回っている。
  • しかし、経営者はその必要性を認識せずに、人材・予算を投入しない。
  • その行動原理を改めるべき時期に来ている、のです!!

7.ビジネス

どうすれば世界一低い労働生産性を高められるか!
http://uenorio.blogspot.jp/2015/11/blog-post_40.html
  • そんなわけないのに、と思うでしょうが、
    データではそうなっているのです。
  • その原因は、働いても働かなくても給料が同じ、
    同じ働きをしているのに(正規・非正規で)給与が違う、
    という日本の給与体系です。
  • そこでどうすれば、成果を正当に評価した給与体系ができるかを
    政府の「働き方改革」に先駆けて設計してみました。
  • この方式は実現できるはずです。

8.HowTo・人生訓

幼少のころから目的思考の訓練をしましょう!!
http://uenorio.blogspot.jp/2013/12/blog-post_25.html
  • 日本人は育ってきた歴史背景から目的を考えない思考をしている
    というのが私の仮説です。
  • 過去の延長でものごとを考えられる時はそれで良かったのですが、
    変革の時代には目的を考えなければ新しいことはできません。
  • いつから教育すればよいかとなれば
    「三つ子の魂百まで」ですから幼稚園だ、
    こういう訓練をすればよいという主張です。
9.当社のビジネス



エンハンス業務の革命を起こしましょう!!
http://uenorio.blogspot.jp/2016/12/blog-post_94.html
  • エンハンス(保守)業務の革新につきましては、
    試行錯誤をしてきましたが、そろそろ対策の本命登場の時期です。
  • 賛同される方はお誘いします。
10.プライベート・その他



「赤血球の連銭の生成要因」の共同研究者を募集しています。
http://uenorio.blogspot.com/2011/11/blog-post_2328.html
  • 上野は30年前から赤血球の「連銭」という状況が脳内で発生することが、
    ABO血液型による思考特性の差を生んでいるという仮説を立てています。
  • 論理的にはほぼ証明できているのですが、
    実際に生化学的・医学的に証明する実験を行いたいのです。

7.日本の分析の総括―
  日本が停滞しないための課題は何か

私が、今の日本をどう見ているかを連関図で整理してみました。

画像をクリックすると拡大します。
PDFファイルでもご覧いただけます → PDFファイルへ




今の日本のすべては、
数百年の歴史ある伝統と敗戦の結果からできています。


農耕文化と他国との孤立によって、純粋培養的な思考法ができました。
それが伝統的連続思考です。
過去の延長に現在・未来があるのです。
この思考法は変化の激しい現代にはまったく合いません。


他方、敗戦によって日本人の骨抜きを狙った占領軍政策によって
考えない知識偏重の教育、
責任を伴わない個人主義が蔓延してしまいました。

この大きな二つの流れの相乗作用によって
現在の社会的不具合が発生し、
結果として、右端にある
  •  経済が停滞する
  •  社会の活力が失われる
  •  少子化が進む
  •  生活レベルが低下する
  •  悲惨な事件・慨嘆すべき事件が頻発する
という状況になっています。

この右端の5事項は相互に因となり果となっています。

では何が解決すべき課題かというと、
2重枠になっている以下の4つの問題の解決だと思います。
  •  経済・社会の制度変革が遅れる
  •  雇用の流動性が低い
  •  核家族化が進んでいる
  •  考える能力が低下している
この4つ以外に、
敗戦の結果の負の遺産として北方領土問題があり、
中国からの脅威があります。

以下、この4課題について若干の説明をします。

1.経済・社会の制度変革が遅れる

健康保険・年金などの社会保障制度の改革、
消費税の増税、農業の改革などがなかなかできません。
酒税の改革だって数年かかると言うのですよ!


ここは安倍総理の実行力で押し通していただく領域です。
本来は独裁者が必要ですね。

2.雇用の流動性が低い

先進格国の雇用の流動性と国家経済の成長率は正比例関係なのです。
そりゃそうでしょう。
新しい価値ある領域に労働が移動した方が
所得が高くなります。

そのためには、北欧諸国のように、
転職者の再教育の強化等の国の後押しが必要です。

3.核家族化が進んでいる

核家族の逆は、親子3代以上の同居です。

もともと人類は、何万年・何十万年の歴史の中で、
女性が閉経して子どもを産まなくなり、
その代りに孫を育てるという設計になっているのです。

当然そういう家族の世代構成によって、
人間の知恵が引き継がれていきます。

3世代同居の補助制度を強化すべきだと思います。

4.考える能力が低下している

自分で考えないということは、
どう見てもあらゆる進歩の阻害要因です。

私の30年来の主張は、
「それは何のためなのか」と常に考えなさいということです。

今回のトップ10の中では
「幼少のころから目的思考の訓練をしましょう!!」
http://uenorio.blogspot.jp/2013/12/blog-post_25.html
で詳述しています。

逆にアメリカは世界で最も目的思考の強い国で、
「目的のためには手段を選ばない」というところまで行きます。
その例が原爆投下であり、ケネディ暗殺事件です。
これらは、国際的な価値基準からすると完全に行きすぎです。

いかがでしょうか。
要約しすぎのようですが、
あらためて連関図をご覧いただければ幸甚でございます。

2016年12月22日木曜日

エンハンス業務の革命を起こしましょう!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 ソフトウェア・エンハンス業務の革命を起こす活動が
  始まっていることを知っていただきます。

ねらい:
 何年間か成果を見守ってください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
システム企画研修株式会社は10年前から
ソフトウェア・エンハンス業務(保守業務とも言います)
の改革・革新の旗振りをしています。

当社はコンサル業ですから、
「お手伝いしますよ。
この業務は手つかずで放置されていますから改善の宝の山です。
現状業務は半分に圧縮できます」
と言ってきました。

「よーし、やってください」というお客様が現れないものですから、
研究会をしたり、改善リーダの養成研修をしたり、してきました。

「リーダは多忙でとても改善などに手が回らない、
そのためどんどん多忙という悪循環である」
ということが分かって、
「個人個人が自分で自分の業務を改善して楽になりなさい」
という研修も始めています。

これはそれなりに成果が上がっているのですが、
日本中に浸透するには
気が遠くなるほどの時間がかかってしまいます。

そこで乾坤一擲、新しい推進法を編み出しました。

それはこういうことです。


1.改善ではなく、発明的な新手法を導入する。

2.適用対象業務は、当面以下の4つ。
  1)見積り
  2)変更仕様書作成
  3)影響調査
  4)テスト計画

3.数社でクローズなアライアンスを組んで、
  共同で新手法を開発し使用する。

  (このアライアンスの募集は公開していません。
  成果を信じていただく方にご参加いただいています。
  この12月にアライアンスとしての活動を開始しました)

4.新手法のうち二つは発明済み、二つは発明のアイデア段階
  発明済みは 2.の1)と2)、アイデア段階は3)と4)

5.当面はエンハンス業務の総工数の2割削減、
  最終的には5割削減、を実現する。
  (非常に大きな改善金額になります。
   1社で年間億円単位以上です)

6.業務品質も向上するので、
  エンハンス業務の圧倒的競争優位状態を実現できる。

7.担当要員も沈滞から脱却し、大きく活性化する。


このアライアンスで開発した手法が、
広く日本中に普及するようになれば、
日本の情報サービス業の競争力が強化されるとともに、
情報システムを利用する各産業の競争力が強化されます。

利用者が要求するシステムが、
迅速に的確にできるようになるのですから!!


なぜ今までできなかったのだろう?と疑問を持たれるでしょう?
それは、
真剣に業務の革新・発明を考える人がいなかったからなのです。
必要は発明の母です。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。







「『偶然』と『運』の科学」 なるほどそうですか!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
   あらためて偶然と運とは何であるか考えていただきます。
 偶然とか運の事例を知っていただきます。
 こういうことを研究している人たちがいることを知っていただきます。
 私の偶然・運の事例を知っていただきます。

ねらい:
 偶然を自分の運に引き寄せる努力をしてみましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これは、世の中で起きることには、
偶然とか運とかがある、ということを実証している
非常に興味深い図書です。




















訳者あとがきではこう書かれています。
本書は、
イギリスの一般向け科学雑誌「ニューサイエンティスト」
に掲載された(1990年から2015年まで)、
偶然や不確実さやランダムにまつわる27篇の解説記事を
まとめたものである。

以下に概要をお伝えします。

第1章 ここにいることの幸運

灼熱の地球からどうやって生物が生まれ人類に至ったか、です。


進化では説明できない最大の謎は、
無機物からどうして複合有機物が生まれたかです。


1953年に
メタンとアンモニアと水蒸気と水素の混合気体を入れた試験管で
放電を起こすことによって
アミノ酸(単純は有機物)が生成される実験に成功したシカゴ大学の
学者がいました。
アミノ酸生成はあまり難しくない偶然のようです。


アミノ酸から
たんぱく質のような複雑な高分子化合物を生成するのは、
何らかの偶然であろうということのようです。
(詳細は私には理解不能です)


第2章 偶然VS脳

ジャンケンや賭けなどは、偶然か運か、コントロールできるのか、
の章です。
ここでの特筆事項は、これです。

ジャンケンは出す人の癖(ランダムではない)があるので
それを見破ると勝てる。
多くの場合は、最初にグーを出す。

1998年に日本の数学者芳沢光雄氏が
725人のジャンケンの手を調べたら、
 グーが35%
 パーは33%
 チョキは31%
だった。


僅かな差ですが、無意識の時に出しやすい順番のようです。
赤ちゃんは指を握っています。
チョキは最も高度な指の動きが必要ですね。

ルーレットも機械の特性があって
あらゆる数字が同じ確率で出るのではないようです。
その状況をPCに入れて大儲けをした人がいるそうです。

科学的発明が偶然に左右されているかどうかについても
興味深い報告があります。

ペチュニアの色をもっと紫にしようとして
色素遺伝子を追加したら白くなり、
このことによって遺伝子の発現を抑制するRNA干渉
という事実の発見になった。

塩素化した糖化合物が殺虫剤になるかどうか
テストしろと上司に言われた化学者がテイストした結果、
甘味料の発見につながった。

心臓病の治療薬として研究されていたバイアグラが
別の機能が発見されヒット商品になった。

フレミングによるペニシリンの発見は偶然だった。
この場合、フレミングは細菌を殺す化合物を探していたのだが、
意図しない方法で偶然発見できたのである。

こういう場合を「見せかけの偶然の発見」と呼ぶらしい。
「間違った船に乗って正しい目的地に着いた」
ようなものだそうです。
そういうことは他でもあるようです。

偶然の発見がどの程度あるかの調査が
行われたことはありましたが、
論文で偶然に言及しているのは8.3%しかなかったそうです。
実際にはこれより多いだろうと言及されています。

地道な努力だけで発見がされるのではないほうが、
研究者の希望があってよいと言っています。
そうでしょうね。

もう一つ、前向きになれる報告をご紹介します。

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もっと大勢の人に″自分の運の程度″を評価してもらって、 
一連の実験やアンケートをおこなった結果、
運の良い人と悪い人との大きな違いが浮かび上がってきた。

運の良い人は、たとえば人脈を作ったり、
おおらかな心構えで生活したり、
新たな経験を受け入れたりすることで、
チャンスを作ってそれに気づく能力に長けていた。

また、厄介で重大な問題に直面したときには、
自分の直観に耳を傾けてより効果的な決断を下す傾向があった。

運の良い人は、未来は幸運な出来事に満ちていると信じている。

そうした予想がおのずから実現するのは、
それによって自分や周りの人に刺激を与えるからだ。

最後に、運の良い人はとくに立ち直りが速く、
不運な目に遭っても、たとえばもっと悪い事態を思い浮かべたり、
自分の置かれた境遇を手なずけたりして立ち向かうことができる。

研究の最終段階では、運の良い人と同じように考えて
行動することで運を高めることができるかどうかを調べた。

心理学の分野では、その手の変化をめぐってかなり異論が多い。

根本的な性格は脳の中に組み込まれていて変化しにくいと
考えている研究者もいる。

それに対して私のような研究者は、性格のいくつかの面は
本当に変えることができると信じている。

研究では、自分は運が良いとも悪いとも思っていない
人のグループを集め、
通の良い人と同じように考えてもらうために工夫した、
一連の単純な訓練をおこなってもらった。

たとえば毎日数分間、自分の人生のプラス面に
意識を集中させ、人とより多く交わり、
もっとおおらかな心構えで生活してもらった。

そして数か月後に、彼らの幸福度や健康状態、
そしてもちろん自分はどれだけ運が良いと考えているかといった、
生活の質を評価した。

結果として全般的に被験者は、
より幸せに、より健康に、より運が良くなっていた。

要するに、考え方や振る舞い方を変えると、
実際に長期にわたって人生を良くすることができるのだ。
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「第3章 数を読み砕く」

確率論などです。
特筆事項は、ベイズ論と頻度論です。


両者は発生が不確実な事象の発生率を予想する方法ですが、
頻度論はかなりの数のサンプルが得られる場合に
その確率を算定する方法です。


しかし、十分なサンプルが得られない場合に、
各種の関連状況証拠から推定を行うのが、ベイズ論方式です。
学会ではけっこう強い論争があるようです。


分かりやすい例で言うと、米国大統領選挙で
サンプリング調査の結果でクリントン氏と予想することに対して
(頻度論)、
国民の心理状況等を考慮してトランプ氏と予想する(ベイズ論)
ようなものです。

著者は両者の長所を組み合わせて使う方法も提起しています。


「第4章 私の宇宙、私の法則」

要約は不能です。
この中にアインシュタインが言った「神はサイコロ遊びはしない」
(科学的に説明できないことはない)に対するアンチテーゼで
「神はサイコロ遊びをする」という説が入っています。


「第5章 生物のカジノ」

生物の進化の仕組みに迫ります。
生物の進化は、
DNAの突然変異(偶然)とその後の「自然選択」によることは
定説になっています。

自然選択は、
突然変異を起こした個体が環境により適応できるようなら
その変異が種に引き継がれていくということです。

興味深い例が紹介されています。

進化しつつある個体群がたどる正確な道のりは
もっぱら偶然に左右されるかもしれないが、
それでも結果は互いに似ていることになるかもしれない。

例えば翼や鰭が何度も独立して進化したのは、
飛ぶ方法や泳ぐ方法が限られているからだ。

北極と南極の魚は、
それぞれ同じように機能する不凍たんぱく質を
互いに独立に進化させている。

いくつものヘビの系統は、
捕食したイモリが分泌する毒に対処するための
それぞれまったく同じ方法を、
互いに別々に生み出している。

DNA本体に影響を与えない形質の変化があることが
分かってきています。

例えば、妊娠しているラットに殺真菌薬を注射すると、
そのオスの生殖力が2世代以上にわたって低下する。
ところがこの薬がオスのDNAを変化させることはない。

今では、
DNAやそれをくるむたんぱく質に
一時的な”タグ”が付けられたり
あるいは精子や卵子に特定の分子が含まれたりするなど、
何種類ものDNA以外の遺伝形質のメカニズムが
発見されている。

そのことによって、
同じDNAから異なる形質の個体が生まれてくることが
説明できています。


終章「第6章 偶然を生かす」

編者の考えるまとめです。

「迷子になろう」が結びの編ですが、
「われわれの生活から
すべての不確実性を取り除いてしまうことはやめておこう」
という主張をしています。

おすすめシステムやGPSのような安全技術に縛られることで、
リスクに対する人々の寛容さが
変わりつつあるのではないだろうか。

ワシントンDCにあるピュー研究センターによれば、
アメリカではここ数年、自動車の運転を習う10代の子供が減り、
自転車の売上が急激に落ち込み、
若者たちはたとえより良い仕事に就けたとしても
別の州に引っ越したがらなくなっているという。

私もこの説に賛成です。
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そこで改めて「偶然」と「運」について考えてみました。

本書ではその定義はされていません。
原題は Chance です。
たしかにChance は偶然も運も含んだ言葉です。

偶然とは何か
 あるタイミングで起きること(持続することは偶然と言わない) 
 起きる可能性がかなり低いこと
 起きることが予想できないこと
                                        (予想して励むことは偶然にならない)
 再現性のない条件で発生すること

 
 サイコロは6つのうちのどれかなので偶然と言わない。
 ルーレットも少し母数が多いが有限の中で起きるので
   偶然と言わない。
 街角で10年以上もあっていない友人とばったり出会う、
                             これは偶然です。
運とは何か
 起きる可能性が低いことが起きること。
  良いことが起きる→運が良い。
  悪いことが起きる→運が悪い。
 起きることが予想できる場合も含む。
 再現性がある場合もある。
  宝くじに何度も当る人もいますね。

私は、くじ運には恵まれず、
宝くじは「当たることを予想して」20数年買い続けていますが、
未だに千円以上は当ったことがありません。→運が悪い

しかし東大付属高校入学の際、
百倍以上の競争率だったと思いますが当りました。→運が良い
ここは教育研究の目的があってか、
試験なしの抽選だけで入学者を決めていたのです。

私が運が良かったのはこれだけです。
この時に運を使い果たしたのだと思っています。

ここで、私が経験した大きな2テーマで
偶然か運かの例題演習をしてみます。


MIND-SAの爆発的?普及

1984年に創業した当社の前身企業で
ライセンス料数百万円のMind-SAが
250社にも売れたのは以下の条件の結果です。

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1.私が帝人時代に日本能率協会の年間通しのセミナに
                                                                               参加したこと。

2.そこで講師の吉原賢治さんと知り合い
                                                          二人とも酒好きだったこと。

3.吉原さんの所に転職後、
       システム開発方法論prideと知り合ったこと。

4.その縁で米国ツアーに参加しSCSのYさんと知り合ったこと。

5.Yさんの要望で、Mind-SAの母体を
         SCS殿の社内マニュアルとして開発したこと。

6.Mind-SAの提供を開始したその年にジャスコ社長になった
  F氏に第1号ユーザになっていただいたこと。
  日本では実績のない商品は決して売れません。

7.その頃、日本はバブル時代であったこと。
  開発方法論などという信用第1の商品なのに
  「日本」の「零細企業」が提供するものが売れたのは、
  バブル時代で日本企業に余裕があったからです。
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この7条件のどれか一つが欠けても
MIND-SAの驚異的普及はなかったのです。

これは偶然ではないですね。
運が良かったのでしょう。

わが社または私がMind-SAの提供をしていなくても、
誰かが同様の商品を開発したかについては
ほとんどありえなそうです。

なぜなら、システム企画の方法論は、
次の条件が成立しないと開発できないのです。

1.システム企画の経験を積んでいる。
2.開発方法論の「真髄」を学んでいる。
3.分析的アプローチが得意である。
 (それでないと方法論は作成できない)

それぞれ日本で1%の比率で該当者がいると仮定します。
そうすると、3条件併せ持った人は
掛け算で100万分の1となります。

当時、システム関係に従事していた人は100万人程度です。
ということは1人しか該当者がいないのです。

でもこのことは、ある時間の長さで起きたことですから
偶然とは言わないでしょう。

運が良かったとは言えそうです。


 結婚は人生最大のチャンス

私の場合、
結果的には「結婚しても良かったかな」と思う女性が
3人いました。
高校時代が1人、帝人勤務時代が2人です。

このうち二人は、「偶然」名前が子の付く同じ3文字でした。
この一人とは学校まで歩く道でほぼ10分、
もう一人とは通勤の電車でほぼ10分、
毎日のように時間を合わせて一緒になり
わくわく話に夢中になっていました。

それでもそれ以上には進みませんでした。
手も握っていません。
その二人とも美人で才女でした。

もう一人は可愛い純真無垢の努力家でした。


いずれも、私に結婚という選択肢がなかったから、
それ以上に進まなかったのです。

今の妻との出会いはこういう経緯です。

空手部仲間で1番の親友と学生時代は
しょっちゅう飲んでいました。
大阪勤務から帰って来た時に、
彼がよくいくスタンドバーに連れていかれました。

その時、たまたまアルバイトできていたのが
現在の妻です。
感情の強さに負けました。

これも偶然と言わないでしょう。

人生では、しょっちゅう新たな人と会います。
そのたびに偶然とは言いません。

たまたま、その日だけ友人の代りにいた、
というなら偶然でしょうか?

結果的には他の女性と結婚しないで、
妻と結婚できたのは運が良かったのでしょうか。
そう思いたいですね。
子供は二人恵まれ、東大と早稲田にいき、
孫3人は元気で夢のある状態なのですから。


こうしてみると、
人生において意味ある偶然というのはそうはないもののようです。

皆様はいかがでしょうか?







小池知事頑張っている!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 小池知事が、
  日本的経営の全員合意意思決定方式にメスを入れた
  ということを強く認識いただきます。
 「当たり前」を疑うことが重要であることを
                     再認識していただきます。

ねらい:
 「何かおかしい」と思うことにはどんどん意見表明しましょう!
 日本の旧来型の悪弊はどんどん排除していきましょう!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
小池知事は、豊洲新市場の盛り土問題で
「厳正な」処分をしました。


ご承知のように、
盛り土をしないことを決定したときの部長会に出席していた
幹部8人のほか、合計18人を懲罰対象にしたのです。


日本的経営では、
根回しをした上で会議で決定します。
特定の誰かが責任者である形をとらないのです。


良く言えば、全員合意型意思決定、
悪く言えば無責任体制です。


この意思決定方法にメスを入れたのは、
画期的なことです。


日本的経営に染まっている人にはできません。
「仕方ないな」(特定の人に責任を負わすわけにいかない)
と考えます。


しかし、その場で決めているのですから、
誰かが責任をとらなければならないのです。
「全員」というのは「なるほど!」でした。


小池知事の活躍ぶりを見ると、
これまでの知事は石原さんを含め
「何をしていたのだろう?」と思えてきます。

モリなんじゃらとかの旧来型の政治やとも
どんどん戦ってほしいです。


日経MJ紙12月9日付けのインタビュ記事で
小池知事は、
「マーケティングとはいかにして共感を得るかということ。
選挙こそマーケティングそのもの」
と言っておられます。

マーケティング学もかなり勉強されていて、
選挙活動中、緑のシンボルカラーを使うとか成功させました。

人生・政治の「当たり前」にメスを入れると公言しています。
「なんでそんなに予算が膨らむんだ」だって当然の疑問です。
「それはおかしいんじゃないか」の発想がきっかけになるのです。

すっかり定着した「クールビズ」は小池さんが環境相の時に
発案したものなのですって。

都民の「共感を得て」小池劇場で戦いを繰り広げ
怖いもの知らずです。
それでもストレスはたまっていないそうです。
凄い精神力ですね。

総理大臣よりも東京都知事の方が
やりたいことができるのではないでしょうか。

ここのところ、多少トーンダウンですが、
そのくらいが適正スピードでしょう。
頑張ってください!!

2016年12月9日金曜日

顧客不在の「B-1グランプリ」イベント!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 ひどいイベントがあるものだ、ということを知っていただきます。
 (私は腹の虫が収まりませんでした)
 出展者を集めるのに注力し、
        そこへ参加するお客様のことを考えていないのです。
 企画運営責任があいまいだとそうなるのだ、
                    ということを考えていただきます。
ねらい:
 世の中いろいろあるから仕方ないですね。
 テレビでの紹介・宣伝にうかつに乗るのは止めましょう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ご当地グルメを紹介するイベント「B-1グランプリ2016」が、
12月3・4日に東京臨海副都心青海N・O・P・R地区で開催されましたので、
孫たち二人のお伴で?行ってきました。


主催は、2016B-1グランプリスペシャル実行委員会、
ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会(愛Bリーグ)とかで
素性がよく分かりません。


ひどいものでした。
ご当地をPRしたい相手につけこんで、
業者優先の企画とみました。


私が問題があると思った点
1)会場がだだっ広すぎて、地元の神社等のお祭りの雰囲気がない。
  出展者によっては、
  多くの人を使って踊りや呼び込みをしているのもありましたが、
  から騒ぎの感じで盛り上がっていませんでした。


2)食べ物を売っているのに、食べる場所の提供がない。
  とんでもないことでしょう!!
  この点が最大のクレームです。
  みんなその辺で立って食べていました。
  きわめて殺風景な光景です。
  
  あるいは会場外の芝生の場所まで行って食べるのです。  
  我々もそうしましたが、そこへ行くまでに食べ物は冷えてしまって
  美味しくもなんともないのです。
  
3)多くの食べ物はパックに入れて積んでありそれを買う。
  焼きそば、焼うどん、餃子などですが 出来たてでなくなっています。
  美味しいわけがないでしょう。


  因みにグランプリに輝いたのは明石の玉子焼きでしたが
  これはその場で鍋からパックに入れる方式でした。
  たまたま我々も食べましたが「まあまあ」の感じでした。


おそらく運営主体があいまいで、
責任を持ってこのイベント全体を企画した人がいなかったのでしょう。
「2度と行かない」と思った人が多かったと思います。


このB-1グランプリイベントは年々参加者が減って来ています。



2016年11月29日火曜日

魚5000匹氷漬けリンク閉鎖ですって?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 是非の難しい問題について考えていただきます。


ねらい:
 皆様は賛否どちらですか? 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
11月28日の新聞にこのことが報道されました。
北九州市のテーマパークで11月12日にオープンしたものです。


アジやサンマといった身近な魚約25種のほか、
ジンベエザメやエイなどの写真もスケートリンクの氷に埋め込みました。


魚と一緒に海の上を滑るイメージを想定したそうです。


しかし「かわいそう」「気持ち悪い」という批判が寄せられ
中止となりました。


おそらく、この企画については
「おもしろいではないか」「なんでダメなの?」という人と
「とんでもない!」「センスを疑う!」という人とがいるでしょう。


私は「センスのない人間がいるのだなー。どうしようもない」
と思いました。


この企画者は、
「かわいそうと仰いますが、いつも食べているのでしょう?」
「食べるときに気持ち悪いのですか?」
と言いたいでしょうが、これは感覚の問題です。


多くの人は、牛肉や豚肉を喜んで食べますが、
丸ごとで見るのは嫌ですね。
そういうことは理屈ではないのです。


こういうことを教育するのは至難です。
どういう風に教育すればよいのでしょうか?


「いじめてはいけない」「殺生はいけない」とも違います。
魚釣りはしますし、食べますものね。


基本的には生き物に対する慈悲・愛情の心が
あるかどうかの人間性に帰着します。


教育としては難しい問題です。


組織であれば、上司の責任です。


組織の問題となると、会社のためには不正もするのか、
ということにもつながってくる気がします。


つきつめると価値観です。
やはり教育しかないのでしょうか?

日本人はどこから来たか!??

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 日本人の起源の最新学説を知っていただきます。


ねらい:
 「日本人とは日本国に住んでいる人」
                 ということになっていくのでしょう。
  
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日本人の起源についてどう思っていましたか。
「昔」の人は天孫降臨・万世一系の日本人であると教わってきたでしょう。

少し前にはこうなりました。
もともと大陸からやってきた縄文人が住んでいた。

その後稲作文化を持った弥生人がこれも大陸から九州に渡ってきて
土着の縄文人と混血しながら日本全土に広まった。

現日本人はほとんどが混血である。
アイヌ人と沖縄琉球人は縄文人がそのまま残ったものである。

ところがこの説では縄文人の正体が分かっていなかったのです。
DNA分析によると現日本人のDNAは蒙古人のDNAと近いので
その辺が縄文人の起源ではないか、などと言われていました。

ところが、
最近の本格的DNA分析により考古学の進歩は目覚ましいのです。

現時点の学説をご紹介します。

この際ですから、日本人の起源を大きく捉え、
生物の歴史から整理してみました。

その前に,DNA分析なるものについて、
學士会会報2016-Ⅵ号に掲載された
篠田謙一国立科学博物館人類研究部長の解説をご紹介します。


この記事は講演要旨なのですが、
講演要旨は最新であるのと、エッセンスだけを話されるので、
初心者が知らないことを理解するにはたいへん便利です。

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90年代には古代人のゲノム研究がスタートしました。

当初はミトコンドリアDNAの研究でしたが、
2006年以降、膨大な遺伝情報を解析できるようになると、
核ゲノムの分析が主流となっています。


人体は約27兆個の細胞で構成されます。
細胞の中には核があり、
核の中には22対(計44本)の常染色体と
一対(計2本)の性染色体が納められています。


これらは両親から23本ずつ、均等に受け継いだものです。

性染色体にはX染色体とY染色体があり、XXで揃うと女性、
XYだと男性になります。


つまり、Y染色体は父から息子へと受け継がれます。

染色体の中に、核DNAが折り畳まれています。
核DNAは二重らせん構造で、約31億個の塩基対を持ちます。
この塩基の配列が、「人体の設計図」なのです。


一方、細胞質の中にミトコンドリアがあります。
ミトコンドリアは16,569個の塩基対からなる環状のDNAを持ちます。
卵子のミトコンドリアが子どもに伝わるので、
そのDNAは、母から子に受け継がれます。


つまり、ミトコンドリアDNAを調べれば母系を辿ることができ、
Y染色体を調べれば父系を辿ることができることになります。


Y染色体以外の核DNAは両親から伝わりますから、
混血の有無なども知ることができます。


今日では、あらゆる遺伝子解析が簡便化したので、
私どもはこれらのDNAを調査し、
人類がどのように展開してきたのか研究しています。


2000年、世界の様々な地域に出自を持つ53人を選び、
彼らのミトコンドリアDNAの塩基配列を比較する研究が行われました。


その結果、アジアやヨーロッパに住む人類(ホモ・サピエンス)の
ミトコンドリアDNAは比較的似通っているのに対し、
アフリカに住む人同士のミトコンドリアDNAは、
大きな違いを持っていることがわかりました。


この事実から、人類が生まれたのはアフリカだと判断できます。
ミトコンドリアDNAは母から子に伝わるうち、
稀に突然変異を起こします。


だから個人ごとのミトコンドリアDNAの配列は異なっているのです。

その違いが最も大きい地域こそ、時間と共に蓄積する突然変異が
人々の間に最も多く存在しており、
最も昔から人類が住んでいたと考えられるからです。


さらに突然変異の起きる確率を元に計算したところ、
人類の持つミトコンドリアDNAは、
15万~20万年前のひとりの女性の持つタイプに収斂する
こともわかりました。

つまり現生人類の誕生はその頃ということになります。

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なお、国立科学博物館は今年7月に3万年前の航海を再現する
プロジェクトを遂行しました。


ヒメガマという草で船を作って島を渡る実験です。

残念ながら成功しませんでした。
昔の人類のチャレンジ精神はは偉いですね。



 









1.生物の歴史


その1 古代の生物史 
      出典「人類進化の秘密が分かる本」Gakken


生物の始まりは35億年前です。



















その2 哺乳類 類人猿の登場まで 
      出典「人類進化の秘密が分かる本」Gakken


哺乳類の始まりは3億年前です。
















2.類人猿の歴史


類人猿が分かれた順番は、
オランウータン(遠い)、ゴリラ、チンパンジー(近い)です。
  
 
出典「人類進化の謎を解き明かす」ロビン・ダンバー著

  著者の注:
  類人猿の系統樹を地質年代に対応させて示す。
  中新世にはアフリカとユーラシアにきわめて多様な類人猿
  (プロコンスルやその子孫)が生きていたが、
  この年代の終わりごろに
  熱帯の大森林が縮小すると大半が死に絶えた。
  黒表示は現生属、グレー表示は絶滅属を示す。
  波線は確証のない類縁性(たとえば、ヒト科に対する初期ホミニン、
  サヘラントロプス、オロリン、アルディピテクスの位置」)



3.人類の歴史

その1 人類の系統樹



  
 















 出典「人類進化の謎を解き明かす」ロビン・ダンバー著
  
  著者の注:
  600万年にわたる人類の進化を、
  主な種とそれぞれの存続期間について示す。
  人類進化の大半の時期をとおして、
  同時に存続していた数種のホミニンがいた。
  
  最初期の種はいずれもアウストラロピテクス類で、
  約200万年前に頑丈型アウストラロピテクスと、
  現生人類に繋がる系統に分岐した。


ネアンデルタール人を含む何種かの人種が絶滅しているというのは
脅威ですね。



その2 人類の世界拡散の経路

















 出典:「古代ゲノムで解明する日本人の成立」篠田謙一(前掲)
      學士会会報2016-Ⅵ


人類の祖先がアメリカ大陸を縦断して大陸南端まで到達した
ということは感嘆です。


ある人の説明では、1年に2キロメートル移動すれば
5千年で南端に到達できるというのです。
たしかに狩猟採集民ならありえますね。

      
4.日本人の歴史

その1 原日本人はどこから来たのか
 
これについては、「日本人はどこから来たのか?」(文芸春秋刊)で
海部洋介氏が非常に興味深い研究成果を発表されています。
 
これまでは、日本人はどこから渡って来たのかが中心テーマでしたが、
海部氏は、
その人たちがスタート地点のアフリカからどうやって日本まで来たのか
について解明しているのです。
 
 人類の遺跡地図
 


 



















これらを基に、人類のアフリカから東アジアまでのルートは、
ヒマラヤ北ルートとヒマラヤ南ルートがあったと推定しています。



 




















そうして、中国の東端または当時陸続きだった日本で
両ルートの人類が合流した、というのです。


その2 現日本人はどこから来たのか


その1も含み、今の日本人がどこから来たのかについては、
冒頭ご紹介した2段階説(または2重構造説)に対して
以下のように見直し論が出ています。



1)斎藤成也国立遺伝学研究所教授の3段階渡来モデル
 出典:「日本列島人の歴史」2015年8月岩波ジュニア新書




















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第一段階……約4万年~約4千年前(ヤポネシア時代の大部分)

第一波の渡来民が、ユーラシアのいろいろな地域からさまざまな年代に、
日本列島の南部、中央部、北部の全体にわたってやってきました。



主要な要素は、現在の東ユーランアに住んでいる人々とは
大きく異なる系統の人々でした。



日本列島中央部の北側では、5千年前ごろに大きな人口増が
ありましたが、日本列島中央部の南側では、
九州を除けば人口がきわめて低い状態が続きました。


第二段階……約4千年~約2千年前(ヤポネシア時代末期)


日本列島の中央部に第二の渡来民の波がありました。


彼らの起源の地ははっきりしませんが、
朝鮮半島、遼東半島、山東半島に囲まれた沿岸域およびその周辺だった
可能性があります。


第二波渡来民の子孫は、日本列島中央部の南側において、
第一波渡来民の子孫と混血しながら、
すこしずつ人口が増えてゆきました。


一方、日本列島中央部の北側と日本列島の北部および南部では、
第二波の渡来民の影響は、ほとんどありませんでした。



第三段階前半……約2000年~約1500年前
                    (ハカタ時代とヤマト時代前半)。

ハカ夕時代に入ると、朝鮮半島を中心としたユーランア大陸から、
第三波渡来民と遺伝的に近いながら若千異なる第二波の渡来民が
日本列島に到来し、水田稲作などの技術を導入しました。


彼らとその子孫は、
日本列島中央部の東西軸にもっぱら沿って
居住域を拡大し、急速に人口が増えてゆきました。


ヤマト時代になると、
中国からも少数ながら渡来民が来るようになりました。


日本列島中央部の東西軸の周辺では、
第二派の渡来民およびその子孫との混血の程度が少なく、
第二波の渡来民のDNAがより濃く残ってゆきました。


日本列島の北部と南部および東北地方では、
第二波渡来民の影響はほとんどありませんでした。


第三段階後半……約1500年前~現在(ヤマト時代後半以降)。

第三波の波来民が、
ひき続き朝鮮半島を中心としたユーランア大陸から移住しました。


それまで東北地方に居住していた第一波の渡来民の子孫は、
6世紀前後に大部分が北海道に移ってゆきました。


その空白を埋めるようにして、
第二波渡来民の子孫を中心とする人々が
東北地方に居住してゆきました。


日本列島南部では、グスク時代の前後に、おもに九州から
第二波の渡来民の子孫を中心としたヤマト人が多数移住し、
さらに江戸東京時代には第三波の渡来民系の人々も加わって、
現在のオキナワ人が形成されました。


日本列島北部では、
ヤマト時代後半から平安京時代の初頭にかけて、
北海道の北部に渡来したオホーツク人と
第一波渡来民の子孫のあいだの遺伝的交流があり、
アイヌ人が形成されました。


平安京時代以降は、アイヌ人とヤマト人との混血が進みました。



日本列島人の形成に関するこの三段階渡来モデルの概略を、
以下の図5-5に示しました。


日本列島人を大きくとらえると、北部のアイヌ人と南部のオキナワ人には、
ヤマト人と異なる共通性が残っており、
この部分は、第1章で紹介した、新・旧ふたつの渡来の波で
日本列島人の成立を説明しようとした「二重構造説」と同一です。



図5-5のモデルが新しいのは、
二重構造モデルでひとつに考えていた新しい渡来民を、
第二段階と第三段階に分けたところです。


この新しいモデルでは、第三段階のところで大小の楕円が
示されているので、日本列島中央部に限っていえば、
「内なる二重構造モデル」とでもよべるでしょう。★

 


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2)篠田謙一氏の2重構造説再考―複眼的アプローチの必要性
 出典:前掲
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二重構造説再考~複限的アプローチの必要性



二重構造説は、中央には進んだ文化が流入する一方で
周辺は取り残されて在来の集団が残る、
という中央に視点を持つ日本人成立論です。


しかし、北海道の地域集団の成立過程などを見ると、
列島集団の成立を記載するためには、

この単一の視点では不十分であることは明らかです。


更に、二重構造説は最初に日本列島に人類が到達した
4万年前~縄文前期については何も説明していません。


これらの点を見直すことから日本人の成立を考える必要があります。


4万年前以降の旧石器時代、地球は水河期で、
海水面は最大で今より120mほど下降していました(図8で網掛け部分)。


そのため、地理的な環境は現在とは大きく異なっていましたし、
当時の北海道は寒帯~冷温帯、本州の北半分は冷温帯で

南半分は温帯、沖縄は亜熱帯でした。


同じ日本列島でも地域によって環境が大きく異なっていたことは、
人々の広範な交流を妨げていたと考えられます。



均一な縄文人の成立は難しかったはずですし、
DNAの分析もそれを示唆しています。



これらのことを考えれば、日本列島集団の成立の歴史を正確に記載
するためには、少なくとも列島を北と本土日本、南の地域に分け、
旧石器~縄文前期までを視野に入れた複眼的なアプローチが必要でしょう。



今後構築される新たな日本人起源論はそこから
スタートすることになるはずです。



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それこそ日進月歩で真実が分かってくるのでしょう。
楽しみです。


あらためてこうしてみると、日本人はまさに「人種のるつぼ」ですね。  

2016年11月28日月曜日

トランプ当選!で気づかされたことは?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 トランプ当選で気づかされたことを知っていただきます。
 今や変革をしなければ生き残れない時代であることを
                    再認識していただきます。
ねらい:
 トランプ政権に期待しましょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いやーやはりびっくりしましたね。
新聞も第1面の巨大文字見出しでしたから
意外だったのでしょう。

「常識人」はみなクリントンさんの当選を期待していました。
私も彼女が美人なので応援していました。
初の女性大統領誕生か!なんて。

終盤に僅差になった時でも、
ひいきは彼女が負けるとは思っていなかったでしょう。




今でもトランプ大統領は歓迎されていません。
日経新聞社の世論調査(11月25日~27日に実施)では
トランプ氏が次期大統領に決まったのは
 「良くなかった」が56%、
 「良かった」が20%
となっています。


なぜ負けたか、いろいろな分析がされていました。
どうなのでしょうか。私はこう思いました。



1.大衆の不満がたまっている

今回、米国の大衆の不満が爆発したのです。

ポピュリズムと言われる大衆迎合主義だと
批判されています。
民主政治は衆愚政治だ、などと言われます。
大衆におもねる耳にいい言葉で
誘導しているというのです。
 
確かにその面はあるでしょう。
現にトランプ氏は当選すると
現実路線になって
前言を撤回ないし緩和したりしています。
 
しかし世界中で、
不満のエネルギはたまっているのです。

イギリスの脱EUも同じことです。
日本の非正規雇用者の不満・生活苦も
かなりの蓄積になっているでしょう。

この流れを重く見る必要があります。

過去こういう時には、
革命やクーデター、戦争が起きています。
為政者は、
今はそのくらいの時代であると
覚悟する必要があるでしょう。
 
2.現状路線ではなく変革した方がよい。

今は時代の転換点です。
大衆の不満がたまっているだけではありません。
IT主導で産業も消費も変わっていきます。

無難な道を歩んで
良い結果が得られる保証はありません。

極端に言えば、
世の中どうなるか分からないのです。
大変換をしてだめなら戻すくらいの方が
よいのだと思います。

たとえば、法人所得税を半分にする、
なんてトランプ氏は言っています。
反対者は税収が減って破たんすると言いますが、
米国がタックスヘイブンになって産業が隆盛になり、
税収は減らないかもしれません。

TPPを後押ししたのは、
これによって恩恵を受ける産業です。
トランプ氏は不動産業ですから
TPPは関係ないですものね。
TPPなしは、吉と出るか凶と出るか分かりません。

3.ひいき目は怖い

終盤に五分五分近くの予想になっても、
クリントン支援者は、最後は勝つさを思っていました。
私もそうです。

あとで分かったことは、非クリントン支援者は、
トランプ氏の勝利を予想していました。

ひいき目で見るのは負けですね。
好材料だけ見てしまいます。

4.マスコミは偏向性がある

ひいきの情報を流したのはマスコミです。
結果からみると、
トランプ氏をキチガイ扱いにするのではなく、
氏の主張を押しているエネルギがあることを
もっと報道すべきだったのです。

宋文洲さんは、早くから
トランプ氏を押すエネルギがあることを
評価していました。

情報を受け止める側が、
冷静・客観的な認識をすべきなのですが、
なかなか難しいですね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こう見てくるとトランプ政権は
悪いことではなさそうです。

日本も安倍総理を先頭に立て
積極的に我が国の主張をしていけばよいのです。

その意味で、安倍総理が各国首脳の中で
はじめにトランプ氏と会えたのはお手柄です。

よくクリントン氏を押していた中で、
そのコネができたものだと感心です。
たまたまうまいことできたようですが、
日本の外交陣の最近のヒットです。

米国人の今回の選択が良い結果に結びつくように、
トランプ氏の変革を見守りましょう。

大衆の反乱の、日本の失敗事例である
民主党政権の成立とは違うことを期待して。

2016年11月27日日曜日

ジャイアントという会社をご存じ?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 ジャイアントなどという社名があることを知っていただきます。
 3つの創業や創造を知っていただきます。
  一つ目は、60年続く大学の運動部の創設
  二つ目は、世界一になった自転車メーカ「ジャイアント」社
  三つめは、琵琶湖再興に賭ける守山市
 成功する創業や創造はタダゴトではない
                  ことを考えていただきます。
ねらい:
 どうしましょうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
GIANTは社名なのです。
英語圏の人も日本人も
こんなおこがましい社名はつけませんね。
台湾のスポーツ用自転車メーカなのです。

漢字では巨大機械工業と表現するようです。
この会社のことが11月17日の日経新聞に紹介されていました。

ジャイアント、日本200店に
  台湾の自転車世界最大手  3ー5年で

という見出しです。

初めて「ジャイアント」という文字を見て
不思議に思った方も多いでしょう。
一部のマニアしか知らない社名です。

以下は同社のホームページです。
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ジャイアントの誕生は、
意外なことに感じられるかもしれませんが、
1969年に台湾を襲った台風がきっかけでした。

大雨と堤防の決壊によって、
ウナギの養殖業を営んでいた後のジャイアント会長、
劉金標(キング・リュー)は壊滅的な被害に遭ったのです。

彼は次のビジネスを模索し、
そして自転車の生産に着目しました。
その頃、アメリカは空前の自転車ブームを迎え、
その生産拠点として台湾に着目していました。

キングは10人の出資者から資金を調達し、社員38人、
工場の敷地1700坪の"巨大機械工業"を台中に、
1972年10月に設立しました。

ジャイアントの社名の由来は、
当時、世界大会で優勝した台南にある少年野球チームに
あやかったものでした。
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運と鋭い読み・着眼の成果です。
同社は、ママチャリなどの一般用自転車は対象とせずに、
1台数万円以上のロードバイクやマウンテンバイクに特化して
自転車の完成車メーカとして世界最大手になったのです。

以下は前掲の日経新聞の記事です。
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同社は製品を量販店に卸していない。
販路を専門知識を持つ販売店に絞り、
顧客に最適な製品の選び方や楽しみ方を伝える。

日本でもサイクリング文化そのものを輸出して
自社製品の販売も伸ばす戦略だ。
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戦略らしい戦略ですね。

私は、このジャイアントのことを、
この記事が載った直前の11月12日に
我が母校の自転車部創部60周年記念式典があり、
その時に知ったのです。

その式典では創部時代に所属していたということで
功労賞のようなトロフィーをいただきました。

たしかに創業者は偉いです。
ですが私は、
真の創部者である同期のリーダ3人にくっついて
ときどきサイクリングに参加した程度だったのです。

リーダ3人は、クラブ活動を維持拡大するために
ずい分努力をしていました。

当時は同好会でしたから、
サイクリングクラブと称していました。
サイクリングは、
その後のドライブのような先端的遊びだったと思います。

今は自転車部と称し、
競技班と旅行班とに分かれて活動しているようです。

競技班はなぜか強く、
大学選手権等で好成績を上げるだけでなく、
世界大会に出場した者もいます。

当時同期の中核の仲間は6人いたのですが、
ナンバー4は亡くなっています。
私は完全なナンバー6です。
「本業」は空手部でしたから。

記念式典の後に、
自転車部のメーリングリストに送った感謝メッセージを
以下に示します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
60周年行事を企画運営された皆様。
                         61年卒上野則男

昨日のイベントは非常によく考えられ
行き届いた素晴らしいものでした。
私ごときものまで「表彰」していただき恐縮至極です。

創部の当時1年生は、
メジャーがO、K、Tで、
それについていったマイナーがM、H、上野でした。

特に、私はサイクリング派でレースには関心がありませんでした。
1回だけ、
東京大阪間の3日間にわたるロードレースに参加しました。
H君と静岡・名古屋間の2区を走りました。

当時はほとんどの道が未舗装の砂利道で、
砂ぼこりもうもうの悪路でした。
途中で堀江君ともはぐれ私がゴールについたときには
競技本部が解散してしまった後でした。

私が唯一OBとして現役を支援したのは
1963年頃の大阪東京ノンストップランの応援です。

当時私は帝人芦屋の独身寮にいました。
その時の選手が4人でYSさん、HMさんたちです。
(注:当日この二人も出席)

当時巨人軍の定宿だった芦屋の竹園旅館で肉料理をご馳走し、
ポンコツ車で六甲の夜景をご案内したりしました。

レースはポンコツで伴走しました。
ノンストップのルールは12時間内にゴール、
一瞬でも足を地につけたらアウトという厳しいもので、
チェーンが切れたり脱輪したりして次々リタイアでした。

(注:その後このメールを見たその時の監督から
「そんな厳しいルールではなかった」と言ってきました。
ですが、「厳しい」ルールは走った本人から聞いたものです。
どちらが本当か、50年も経つと分かりませんね)

箱根の頂上まで残ったのがYSさんでしたが、
監督団の判断で中止となりました。
(注:HMさんも途中転倒したので完走資格はないけれど
箱根の頂上までは着いたそうです)

その時すでに11時間56分になっていて、
時間内ゴールは無理、
疲労のため下り坂で転倒事故になる危険性が高い、
ということでした。

私は、中止判断に反対でした。
なぜここまで来てやめるのか、
やれるところまでとことんやるべきだ、
という考えでした。

リスクを考えない私の無鉄砲な思考法は、
いまだに変わりません。

そんなことを昨日お二人と思い出話をして、
とても懐かしく楽しい思いをしました。

そういう機会を与えてくださった皆様に深く感謝いたします。

宮本さんの講演、
新しいことをやろうという意気込みと執念素晴らしいですね。
今、私はジョギング派なのですが、自転車もいいな、と思いました。

MMさんの講演はそんな無茶すごい人が
自転車部OBにいるのか、とたまげました。
(注:世界246カ国を旅行した、というのです。
ただし自転車ではなく)

でもどうやって生計を立てているのでしょう。
それと結婚できたということは、単なる変人ではないのですね。

料理は、どうしてあの会費であれだけの料理を食べられたのか、
食べ盛りの現役生が頑張っても残っていたのですからね、
すごいです。
どうもKGさんたちの寄付があったようです。
深く感謝いたします。

SIさんやKAさんの進行も
とても気が利いていてよかったですよ。

最後に名簿もいただけるとのこと、いいですね。
KGさんご苦労様でした。

ということで、
皆様の協力で実現した素晴らしいイベントでした。
皆さまたいへんご苦労様でした。

一つ残念なのは,OGと現役女子が少ないことです。
私が学生時代に主で活動していた空手部は、
最近は女子の活躍が素晴らしくて
いろいろな大会で戦績を残しています。

因みに東大空手部は
創部90年のイベントが2週間後にあります。

本当は昨年が90年だったのですが、
活動内での未成年者の飲酒事件があり自粛して
今年になったものです。

18歳選挙権と合わせて、成人基準も変更してもらわないと、
新入生歓迎会とかが盛り上がりません。

昨日、撮らせていただいたスナップ写真数枚をお送りします。
よく取れているのは少ないのですが、
記念にしていただければと思います。
言い訳:
このカメラはシャッターが下りるまで1秒くらいかかるので
被写体が変化してしまっています。申し訳ありません。

東大自転車部の今後ますますの発展と
皆様のご健勝をお祈りいたします。
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この文章の中の唯一実名の宮本さんは、
現守山市長の宮本和宏さんのことです。
宮本さんは平成8年(1996年)自転車部卒です。
建設省を経て2011年から守山市長をしておられます。

ご承知のように、守山市は琵琶湖東岸に位置しています。
しかし、観光や産業の目玉がありません。

琵琶湖には、
ビワイチという1週200キロの自転車コースがあります。
しかし今一つの魅力がありませんでした。

そこで宮本市長が、滋賀県知事も巻き込んで
ジャイアントによる体験型のサイクルツーリズムを
琵琶湖観光復活の目玉にしよう
と取り組んでおられるのです。



ジャイアントには、
愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ
瀬戸内海を一望できる70キロの「しまなみ海道」
の成功例がありました。
「しまなみ海道」には海外からの利用者も多いらしいですよ。

サイクリングロードの整備、自転車のレンタルショップ、
中継点(「道の駅」)の整備などを行って
楽しいサイクリングを実現するのです。

そこで、いろいろなコネやチャネルを利用して
ジャイアント社の会長を守山市に招待し、
ここにジャイアント社が進出する提案をされたのです。

これからサイクリングロードの整備などを進め
海外からも人を呼び込める観光名所にしたいと
頑張っておられます。

町興しには多くの市町村が取り組んでいますが、
報道される成功例には、人真似ではない
地元の有利性を生かした知恵が生きています。

成功例の成功要因は、
新しいことについて「これをやってみよう」
という思い付きです。

その思い付きは、
過去の経験や「世の中」を見る目から生まれます。
成功するかどうかは、結果からみると「運」なのでしょう。

こういうことで私が思い出す例は、
コンビニの鈴木敏文さん、宅配便の小倉昌男さんです。

東大空手部創立90周年に因んで課題二つ、試合制度と飲酒禁止法制

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 東大空手部創立90周年イベントで感じた
 日本全体に関連する課題を提起いたします。
  一つは、空手の競技方法です。
  もう一つは飲酒禁止法制です。

ねらい:
 東京オリンピックの空手の競技方法が
  「見せる」ものになることを期待します。
 飲酒禁止の法制が
  満18歳未満になることを期待します。

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2016年11月26日に東大空手部創立90周年の
記念祝賀会がありました。
関係団体のご招待者80名、
学内関係者200名が参加した盛大なものでした。

大学の運動部・文化部・サークルで
90年の歴史を持つところはおそらく稀有でしょう。
東大空手部は大正末の創立です。
その後、慶応にも空手(唐手)部ができたようです。

当時は「豪傑」も多く結構強い部であったようです。
戦後も「豪傑」を輩出し隆盛を誇りました。
私立大学の強豪と渡り合ったりした時代もありました。

30年前からは女子学生も入部し、
女子が各種大会で優勝ということもありました。

課題その1

当日、会場で最近の試合のビデオが写されました。
私は何十年ぶりかで試合を見て浦島太郎でビックリでした。

もともと空手の試合制度では、
「寸止め」と言って当たる直前で止めることになっています。
止めなければ相手にダメージを与える打撃であるとなれば、
「一本」または「技あり」です。

「寸止め」できないで当ててしまったら反則負けとなります。
私は学生時代、私立大学の猛者に反則負けをしています。
50キロ台の「痩せ」が巨漢に反則負けなんておかしなものでした。

稽古着に当たっていても寸止めになっているか、
体に当ててしまっているかで判定が分かれるのです。
これは審判でも判断が分かれるところで、
そのためコートの4隅に副審が付きます。

素人には分かりにくく、
一般的な見るスポーツにはなりにくいと思っていました。

ビデオで見た試合風景は昔の試合とは
全く様子が違うのです。

まずグローブを付けています。
まあこれは当たった時のダメージを和らげるという点では
しかたないのかもしれませんが、
空手本来の固いこぶしの握りはできません。

決定的な驚愕は、選手がボクシングのように
立ち姿勢のままピョンピョン飛んでいるのです。
「これは空手ではない」と思いましたね。















 この右側の選手のように両者共に棒立ち姿勢でした。
  出典:「拳法会報第51号」 (平成25年12月刊)


空手の形を知っている方はお分かりでしょうが、
空手では低い腰の姿勢から全身の力を集中して
腕または脚を繰り出します。
一発勝負なのです。

もともと武道では柔道でも剣道でも、
一発で相手を倒す修練をしています。
空手もそうです。
 

 












本来の空手の組手(試合)の姿勢
  出典:「新版 東京大学空手技術研究」(平成17年12月刊)
     右は、石塚 彰 東大拳法会名誉会長

手数で相手を圧倒するなんてことはありません。

試合のルールを聞くと、一本とか技ありではなく、
手数のポイントを稼ぐようになっているらしいのです。

なおかつ、ボクシングと違って「寸止め」で
相手にダメージを与えないのですから、
見ていても面白くありません。

空手でも、「フルコンタクト空手」と言われる流儀では、
防具を付け相手にダメージを与え倒します
(防具を付けない流儀もあるようですが)。

フルコンタクトに対して寸止め流儀の空手は
ソフトコンタクトと言われます。

防具をつけることに対しては、
本来の空手の「切れ味」を示すのとは異なるもので
邪道だという説もありますが、
分かりやすいルールだという意味では有利です。

ご承知のように、
2020年の東京オリンピックに空手競技が採用となりました。
今や全世界の空手人口は、
野球やソフトボールと同じ6千万人だそうです。

関係者のご努力には深甚なる敬意を表しますが、
心配があります。

東京オリンピックは、
どのようなルールで試合をするのでしょうか。
下手をすると1回限りで面白くない、分からないということで
終わりになる心配があります。

それは、
オリンピック競技として存続するかどうかの問題ではなく
空手ファン自体の減少につながってしまいます。
東京オリンピックの空手はもろ刃の剣です。

課題その2

当90周年記念行事は本来は昨年やるはずでした。

ところが未成年の飲酒問題によって、
部活動の謹慎をした結果で1年延びてしまったのです。

未成年の飲酒問題について考えてみましょう。

未成年者の飲酒は
何の法律によって規制されているかご存じですか?
26日の会合で、ある弁護士も知りませんでした。

「未成年者飲酒禁酒法」なのです。
ここでは、
「満20歳未満の者の飲酒を禁止する」となっているのです。
「未成年者」ではなく「満20歳未満の者」なのです。

この法律は1922年にできて1947年に新法、
99年、00年、01年に罰則強化の方向で
改訂されてきています。

昨年、
選挙権が満18歳以上に与えられるようになったことに伴い、
見直し機運にはあるようです。

学生活動の現場を知る人間にとっては、
ぜひ改正を実現してもらいたいものです。

大学に入ると、大人になったという気になります。
選挙権も与えられる今はなおさらです。

昔は、新入生歓迎コンパは大変な宴会でした。
新入生は大体酔いつぶされるのでした。

「歓迎コンパ」ができないのは非常に不具合です。

今空手部では、全員でノンアルコールで乾杯したあと、
未成年者と成年者が分かれて、
成年者だけで酒盛りをするのだそうです。

両者同席では禁酒が徹底できないからです。
一体感などできませんね。

早く「未成年者飲酒禁酒法」を改正して、
大学生はみな飲酒できるように、
飲酒禁止の対象を満18歳未満にしてほしいですね。

成人、成年の規定として関連する法制に
少年法があります。

少年法は、
「少年」とは20歳に満たない者を、
「成人」とは満20歳以上の者をいい、
として刑罰を軽くするように規定しています。

しかし現在でも少年法の対象でありながら、
18歳、19歳については刑罰は成年と同じでよい、
としています。

成人を「18歳以上の者」としてしまえば、
18歳、19歳は少年法の対象から外れるのです。

このような、
成人規定の整合性をとる一連の見直しの一環で
ぜひ禁酒規定の見直しも実現してほしいものです。

直接の利害関係者は酒類関係業者だけのようですから、
推進力としては弱いのですかね?
その声が上がってこないのが不思議です。

2016年11月15日火曜日

中野信子さんが言う日本人気質と女性の男性選別条件



{このテーマの目的・ねらい}
目的:
 中野信子先生の諸説の一部をご紹介します。
 上野も得意な日本人気質論と動物本能論です。


ねらい:
 そうですね、で終わりかも?

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11月12日の日経新聞にこの写真が載っていました。













ドキッとする美女です。
愁いを帯びていて惹かれますね。


「憲法と私」というコラムで、中野さんの意見はこういうことでした。
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脳内物質の特性から見ると、日本には共同体意識が強く
よそ者や逸脱者を排除しようと攻撃する傾向の強い人が
他国より多くいます。


前例を覆したり、自ら意思決定したりすることを好まない
遺伝的資質の人も多数派です。
(上野注:これは農耕民族資質ですが、
遺伝的にまでなっているのかは疑問です)


集団になると、他人の顔色をうかがうあまり異論を言えなくなったり、
逆に主張の強い人に引きずられて極端に過激になったりする
現象が知られています。

私たちのような特徴を持った共同体では特にこうした現象が強く起こります。
その結果、
誰にも望ましくない政治決定がなされてしまう事態を危惧しています。

(上野注:私が著書「価値目標思考のすすめ」で述べた、
「和の重視」「前例・みんな主義」のことです)


改憲論議を始める時、
まず私たち自身が自らの弱点をよく知らねばなりません。
それが最重要の課題と思います。

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賛成です。
中野さんのこれの前段での以下の主張は、
政治学者、政治評論家ではないのに、なかなかの分析と思いました。
顔だけでなく頭もいい方ですね。
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集団的自衛権を認める安全保障関連法の議論では、
憲法違反かどうかが焦点になりました。
賛成派、反対派ともに立場を共有する人のみの思考空間が作られ、
考えが異なる人と意見を交わすこと自体が糾弾されかねない
雰囲気が生まれました。

建設的な議論が必要なのに、
内容よりも立場が優先されがちな状況に、
多くの人は失望と落胆を感じたのではないでしょうか。
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それでインタネットで調べてみると、
テレビ番組「さんまのホンマでっか!TV」
にも出演している人気者のようでした(私は知りませんでした)。

しかし、そこに登場している写真は普通の女性でした。
写しかたによってこんなに印象が違うのかとビックリです。

以下は中野さんの別の面のご意見です。
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出典:THE PAGE
脳科学者の中野信子氏「モテる男性には2つのタイプがある」


中野先生の“専門分野”でもある恋愛脳についても、
興味深い事例を披露してくれた。


モテる男性には2つのタイプがあるといい、
1つは、『ウソをつける人、リスクをとれる人』、
つまり遊び人だという。

「なぜかというと、
女性は本能として子孫を残す行動をとるからです。
排卵期の女性は、そういう男性を好む。
男性のそういうところは、子どもにも遺伝するので、
自分が産む子どもも遊び人になる可能性が高く、
子孫を残す行動を取ってくれる」。

もう1つは、やはり優しい男性、だそうだ。
「排卵期以外は、優しい人がモテますね。
他人に親切にするところを見せられると、
女性は心を惹かれてしまう。
その理由は、優しい男性は、子育て行動にコミットしてくれる、
と思うからです。


自衛隊員とか消防士とかも、
体を張って誰かを守る仕事をされている方に
女性が魅力を感じるのはそういう理由です」
と、説明する。
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たいへんわかりやすい説明ですが、
これは脳科学ではなく生物学の知見です。

勉強が足りないマスコミ関係では、
脳科学者という看板で
なんでも信じてしまう傾向があるのではないでしょうか。

2016年10月31日月曜日

「人間の性はなぜ奇妙に進化したのか」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 人間の性生活が他の霊長類からどのように進化(変化?)してきたのか
                                を知っていただきます。
 どこが違うのかを再認識していただきます。




ねらい:
 それでどうしましょう。ご自分に都合のよい活かし方がありますかしら?


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この件名は、
カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授、進化生物学が専門の
ジャレド・ダイアモンドの書かれた書名です。


なんとこの方は、1937年生まれです。まだ現役の先生なのでしょうか?



人類進化の総論書が多い中で、
特定のテーマで掘り下げた非常に興味深い内容です。

他の動物と比較すると、
人間の「性」はずいぶんユニークなのですよ、
ということを、いろいろな側面から解説しています。

その内容を表に要約してみました。




人間固有の

性的特徴

状況の説明

そうなる
メリット

(想定を含む)

他の動物

での例

排卵期が認識できない

一般の動物は、性器のまわりが赤くなる、強烈な匂いを発する、鳴き声を上げる、かがんで性器を見せる、などで生殖可能な時期が分かる。

いつでもオスを誘えることで、優秀な子孫を残す機会を増やす。

男に自分の子供だと思わせて子育てに参画させる。

進化生物学の結論では、はじめは乱婚で自分の子供かもしれないと思わせて子殺しを避け、そのうちの一部の進化が子育てを確実にする一夫一妻に進んだ、となっている。

霊長類68種のうちオランウータンを含む32種(10種は一夫一妻制)は排卵のサインを出さない。

ゴリラを含む18種はわずかなサインを出す。

残りのヒヒやチンパンジーを含む18種(うち14種は乱婚)が明確なサインを出す。

乱婚のベルベットモンキーは、群れのすべてのオスに子供たちが自分の子かもしれないと思わせている。

楽しむためにセックスをする

一般の動物は、メスが交尾を誘うのは受精の可能性のあるときだけ。それ以外の時は拒絶する。

オスを自分の元に留めおくのに「いつもできる」ことが有効なのでしょう

ボノボ、イルカも。

オスが子育てに参画する

 

動物界で多数派ではない。

オランウータンは普段単独で暮らしていて交尾の時だけ一緒になり、オスは一切子育てしない。

 

 

そうなる根拠は、本文に記述。

シギの一種やある種の魚(タツノオトシゴ、トゲウオ)や両生類(サンバガエル)もオスが子を育てる。
一夫多妻のシマウマやゴリラ。一夫一妻のテナガザル。一妻多夫のセマダラタマリンもオスが子育てをする。

女性に閉経時期がある

ある時期になると妊娠できなくなる。

人間の乳幼児は手がかかり、保育に手助けが必要である。女性が一生産み続けるよりも孫の世話をする方が種族の存続にとって有効である。続き右欄へ。

野生の哺乳動物には閉経はない(衰えることはある)。

 

(ヒトの子供は10歳くらいまで大人の手を借りないと生きられない。頭が大きくなり未熟状態でないと産道を通れないからそうなった)。

人目を避けてセックスする。

一般の動物はセックスを隠さない。

生物学的には、自然な行為なので隠すという意識は生まれない。

動物が隠すのは、得た獲物をとられないように隠すということぐらい。

人間は恥を知っているからで、隠すメリットがあるから隠すのではない。

チンパンジーはオスと発情したメスが2匹だけで数日間過ごすことはあるが、その後すぐに人前でセックスするので、人目を避けるということではないようだ。

授乳期間が始まる前に女性の乳房が発達する

セックスアピールで一般的に言えるのは

男性の筋肉、両性ともの顔の美しさ(そのとらえ方は人種によって千差万別)、女性の脂肪である。

上野注:女性の体の魅力を一般化すると脂肪であるというとらえ方に感心。

女性の脂肪の魅力を発揮するのは、乳房(これは授乳能力が大きいという見せかけだという→乳の出る乳腺と脂肪は別)と臀部(安産を期待させるがこれも見せかけ→臀部の大きさ=産道の広さではない)である。

他の動物のことには触れていませんので、おそらくそういうことはないのでしょう。

男性の性器が長い

一般的に13センチといわれる。

男性のセックスアピール点である筋肉の一部である。

2足歩行をして前面対峙するようになり、「正常位」を実行するには長さが必要である(上野の推定)。

勃起状態でゴリラは3センチ、オランウータンは4センチしかない(それでも15分間もつそうだ→平均的アメリカ男性4分間)。




要約しきれない2点を本文で記します。


まず、オスとメスの性行動・生活行動の違いについてです。

オスもメスも、自分の子孫が残せるような、
種族の維持に有効となるような行動をとります。
その一面である産んだ子を放置せずに育てようとするかどうかは、
以下の3点で決まるというのです。


その1 自分が子供にどれだけの投資をしたか
 胎生動物の場合、メスは胎内で子を育てている。
 大きな投資である。
 これに対してオスは精子を放出しているだけである。
 メスの投資がはるかに大きい。


その2 子育てをすることで失う機会損失
 子育てをするより、子育ては相手に任せて
 他の異性を相手に生殖行為をした方が自分の子孫を残すチャンスが多い
 ならそうする。
 メスは性交のあと妊娠すると子を産み授乳期間が終わるまでは、
 別のオスを受け入れても新たに子を作ることはできない。
 子育てに専念することが利に適う。
 オスは次のメスと性交することで自分の子を残す機会が増える。


その3 自分が親であることを確信できるかどうか
 メスは自分が生んだ子は自分の子だと確信できるのに対して、
 オスは状況証拠でしかそれを確信できない。


ということで、一般の哺乳動物はメスが子を育てることになるのです。


次は、オスとメスの生殖戦略の違いの典型的な例です。


人間の場合の原型であると考えられ、非常に興味深いので
長文になりますがそのままご紹介します。

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父も子育てに参加する哺乳類や鳥でさえ、
オスは世話をどこまで小さく手抜きできるかを見極め、
できるだけ母親に任せて子供を無事に育てさせようとする。


さらにオスは、ほかのオスの配偶者とも交尾を行なおうとするので、
不幸にして配偶者を寝取られたオスは、何も知らずによそのオスの
子供を育てることになる。

オスが自分の配偶者の行動に病的なほど疑い深いのももっともである。


両親共同でする子育てに組み込まれたこうした緊張関係は
マダラヒタキと呼ばれるヨーロッパ産の鳥で
くわしい調査が行なわれている。


ほとんどのヒタキ科のオスは一羽の配偶者しか
もたないとされているが、複数のメスを求めるものも多く、
かなりの数のオスがそれに成功する。


ふたたび人間の性的特徴をテーマにした本書の数ページを割いて
鳥の例を紹介するが、それには意味がある。というのも、
(これから説明するように)ある種の鳥の行動は人間の行動と
驚くほど似ており、しかも人間とは違って倫理に反するといった
怒りを買うことはないからだ。


マダラヒタキの場合、
一夫多妻婚は次のような仕組みになっている。


春になると、オスは快適な巣穴を見つけ、
その周辺に縄張りを構えて、メスに求愛し、交尾を行なう。


メス(第1のメス)が産卵すると、
オスは受精に成功していたことを知り、今や抱卵に忙しいメスが
他のオスに興味をもつことはなかろう、どのみちメスは一時的に
不妊の状態にあるのだと確信する。


そこでオスは近くに新しい巣穴を見つけ、別のメス
(第2のメス)に求愛し、交尾を行なうのである。


第2のメスが産卵すると、
オスはふたたび受精に成功したと確信する。

このころには第1のメスが産んだ卵が孵化しはじめる。


オスは第一のメスの巣に戻り、労力のほとんどをつぎこんで
雛に餌を1えるが、第2のメスが産んだ雛にはめったに、
あるいはまったく餌を運ぼうとしない。


数字がこの残酷さを物語っている。

オスが第一のメスの巣に餌を運ぶ回数は一時間に平均一四回だが、
第二のメスの巣に運ぶ回数はわずか七回なのだ。


巣穴が見つかりさえすれば、ほとんどのオスは第二のメスを求め、
そのうち39パーセントのオスが首尾よくメスを獲得する。


明らかにこのシステムからは勝者と敗者が生まれる。

オスとメスの個体数はほぼ同じであり、メスは配偶者を
一羽しかもたないのだから、重婚のオスがいればその分、
一度も交尾できない不運なオスがいるに違いない。


最大の勝者は、(二羽の配偶者の分を合わせて)毎年
平均8.1羽の雛の父親となる一夫多妻のオスである。

一方、一夫一妻のオスは、平均5.5羽の雛しかもてない。


一夫多妻のオスは、
非交尾のオスにくらべて年長で身体も大きい傾向があり、
最良の縄張りを構え、最良の生息域に最良の巣穴をもつことができる。


その結果そうしたオスの雛は、他の雛より体重が10パーセント近く重く、
他の小さな雛より生き残る確率も高い。


最大の敗者は、不幸にして一度も交尾できなかったオスである。

一羽もメスを獲得できず、子孫をまったく残せない
(少なくとも理論の上では――詳細は後述)からだ。



第2メスも同じく敗者である。

第1メスよりよほど必死に餌を探して
雛を育てなければならないのだ。


第2メスは一時間に20回も巣に餌を運ぶが、
第1メスはたったの13回だ。

こうして第2メスは体力を使いはたし、
早死にしてしまうのかもしれない。


第2メスがどれだけ必死になったところで、
ひとりで集められる餌は、第1メスがオスの協力を得て
労せず集める餌の量にはおよばない。


そのため飢え死にしてしまう雛もおり、
第1メスの雛にくらべると生き延びるものが少ない
(平均して3.4羽。第1メスの雛は5.4羽)。


そればかりか、無事に成長を遂げたとしても、
第1メスの雛にくらべると身体が小さく、冬期や渡りといった
過酷な環境を生き延びることが難しい。


上の数字からも過酷な状況が見てとれるが、
なぜメスは「第二夫人」という運命を受け入れるのだろう。


生物学者たちが従来推測してきたところによると、
第2のメスがその運命を受け入れるのは、
たとえ放っておかれるにしても、
優れたオスの配偶者になるほうが、
劣悪な縄張りをもつ冴えないオスの唯一の配偶者になるよりましだからだ
ということだった
(人間の社会でも、
同じ理由から裕福な既婚男性の愛人になる女性がいる)。


しかし実際には、メスはその後の運命を承知のうえで
第2のメスるのではなく、
オスにだまされているだけだということがわかった。


一夫二妻のオスがメスをだますときのコツは、
第1の巣穴から200~300メートルほど離れた錫所に
第2の巣穴をつくることである。


二つの巣穴の間には、
いくつものほかのオスの縄張りをまたぐことになる。

驚くことに、第1の巣穴の近くに何十ものよさそうな巣穴があっても、
オスはそこでは第2メスに求愛しようとしない。


二つの巣穴の距離が近いほうが行き来の時間を節約できるし、
雛に給餌する回数も増やすことができる。

それに行き来の最中に
配偶者を別のオスに寝取られる危険も減るだろう。


このような不利な条件にもかかわらず
第2の巣穴を遠くに構えるのは、第2のメスを欺き、
すでに配偶者があることを隠しておくためだとしか考えられない。


子供を残すという切迫した問題の前では、ヒタキのメスは
とくにだまされやすくなっている。

卵を産んだあとでは、オスに別の配偶者がいることを
知ったところで、もう手の打ちようがない。


卵を見捨てて新しい配偶者を探し、
それが前のオスよりましであることを願うより
(どのみち新しいオスにしてもその多くは重婚オスだろう)、
すでに産んだ卵を育てたほうがましである。


マダラヒタキのオスにはもう一つ戦略がある。

男性の生物学者たちはこの戦略に倫理に反さないように聞こえる
「混合繁殖戦略(Mixed Reproductive Strategy 略してMRS)
という名前を付けた。


この戦略は、すでに配偶者のいるヒタキのオスが
別のオスの配偶者とこっそり交尾を行なおうとするものだ。

よそのメスが一時的に単独で巣にいるのを見つけると、
オスはそのメスと交尾をしようとし、成功することも少なくない。


メスに近づくときには大声でさえずることもあるし、
静かに忍び寄ることもあるが、後者のほうが成功率は高い。


オスのムナオビエリマキヒタキはほかのオスが
(餌を探しにいくなどして) 一時的に配偶者のもとを離れた場合、
平均して10分以内にその縄張りに侵入し、3.4分の隙があれば、
巣にいるメスと交尾を行なってしまうのである。


観祭によれば、マグラヒタキが行なったすべての交尾のうち
29%がペア外交尾(Extra-Pair Copulation略してEPC)
だとわかっており、
雛の24パーセントが「非嫡出子」であると推定されている。


またほかのオスの巣に侵入してメスと交尾を行なうオスは、
近接する縄張りの主であることが多い。


配偶者を寝取られたオスにとってはEPCやMRSは
進化がつくりだした災難だ。


短い一生のなかの繁殖シーズンをまるごと一つ無駄にして、
ほかのオスの遺伝子を受け継ぐ雛に餌を与えつづけたのだ。

逆にEPCを行なったオスは大きな成功を収めたかに見えるが、
少し考えてみると、オスのバランスシートの計算は
見かけほど単純でない。


あるオスが巣を留守にしてメスをくどいているあいだに、
別のオスがやってきて自分のメスと交尾を行なって
しまうこともあるからだ。


配偶者がメスから10メートル以内の距離にいるときには、
EPCは滅多に成功しないが、
それ以上離れると、成功率は急激に上昇する。


ということは、別の巣で過ごすことが多く、
ニカ所を行き来するにも時間がかかる重婚者のオスにとって、
MRSはとくに危険な戦略なのである。


重婚オスは自らもEPCを試み、
平均25分おきに別のオスの巣に侵入するが、
その間自分の巣にも11分おきに別のオスが忍び込み
EPCをはたそうとしているのだ。


つまり、よそのメスを求めて巣を離れているまさにその最中に、
自分の配偶者もまた別のオスに必ず狙われているのである。


このような統計からすると、マダラヒタキのオスにとって
MRSはどうかと思うような戦略だが、
彼らもリスクを最小限にする知恵はそなえている。

配偶者が妊娠するまでは、巣から2、3メートル以上は離れず、
ひたすらメスを守り、メスが妊娠してはじめて、
巣を離れて別のメスを探しにいくのである。
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こんな悪知恵は、
人間のオスだってなかなかそこまでいかないようなレベルです。


たかだか小鳥がアタマで考えてそういう行動をするとは思えません。


本能はそんなに凄いものなのでしょうか。
犬が脱糞後に後ろ足で砂か土をかけようとするのだって
凄い本能だと思っている私には信じられません。