2012年12月26日水曜日

津曲公二さんの「坂の上の雲」名言集は素晴らしい!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「坂の上の雲」から何を学べるかを再確認していただく。
 「坂の上の雲」の別の楽しみ方を知っていただく。
 過去の偉人の言動から今あらためて学ぶべきであることを
  確認していただく。

ねらい:
 
 「人生に役立つ 『坂の上の雲』名言集」を読んでいただく。
 現在の日本の危機を何とかする方策を考えていただく。

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だいぶ前に津曲さんから、あるご縁でいただいた
「人生に役立つ 『坂の上の雲』名言集」
(津曲公二、酒井昌昭著)をようやく読みました。





二つの意味で非常に感心しました。

一つめは、
幕末から日露戦争あたりまで日本の先達には
素晴らしい人たちがたくさんおられたということを
今更ながら再認識したこと。
歴史嫌いの私の不勉強を強く認識しました。

二つめは、
津曲さんたちの司馬遼太郎の「坂の上の雲」からの
教訓の導き方です。
ほんとうに今の日本にぴったりの教訓が満載です。

例えば、こういう感じです。

常識のウソ
以下は著者の文章です。
この部分だけでも当書を読む価値があると思いました。
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常識とは、単なる一つの見解くらいに考えた方がよい。
多くの人が知ってはいるが、
自然界の摂理や法則とはまったく違うものである。
常識を鵜呑みにするのは危ない。

「大国ロシアと戦争をしたら小国日本は勝てない」
というのが当時の常識だったが、
これを避けて通れない日本は常識を鵜呑みにしなかった。
「意思あるところに道あり」
日本は勝てないまでも負けないためのさまざまな算段をして
常識を覆した。

それから100年以上経った現在、
日本は少子高齢化で衰退するという「常識」がはびこっている。
少子高齢化自体は事実だろうが、
果たして衰退はどうか?
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「常識のウソ」の例示はこういうものです。

日露戦争で、203高地や旅順要塞を陥落させた
重砲陣地の移動を実現した児玉源太郎満州軍総参謀長の判断。
それを据え付けるには
1個のビルを作るほどの基礎工事を必要とすることを命じています。

常識は「そんな無茶なことできない」でしょう。
「それはできません」という現場の声を聞いていたら実現しません。
児玉はその声が出ることを知っていてあえて命じているのです。
できるかできないかではない、必要なのだから実現しなさい、
ということなのです。

児玉さんはこう言っているらしいです。
「(専門家は専門バカ)専門家のいうことをきいて
戦術の基礎をたてれば、とんでもないことになりがちだ」

 
原発事故の時に、「専門家」がたくさんテレビに登場しました。
原子炉の専門家に、
放射性物質の拡散や放射性物質の健康被害のことなどを
質問していました。
答えられるわけがないでしょう!

テレビのキャスタ-たちは、
専門家なら何でも知っていると思っているようでした。

暮も迫ってきましたので、
残念ながらあまり多くをご紹介できません。

以下に津曲さんたちが挙げられた教訓の言葉だけを
列記します。
私も改めてまたゆっくり読んでみようと思います。

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常識を覆すのは素人
(軍事戦略の世界では素人も玄人もない)
教科書や論文にこだわるな

主体性を持てば自分のものにできる
ハラをくくれば事は進む (ほんとうにそうです)
ちょうどよい目標を見つけて与える
さばく技術とこなす技術がある

具体的な成功イメージを描く
人がやらないところを開拓する (そうですね)
全体感が上司を動かす
画期的商品は発想の転換から
開拓者の努力が現場を支えた
明文・美文に大きな意味があった(「天気晴朗なれど浪高し」)

ひらけた国家のありがたさ
スーパーマンを使える人になる
整理と整頓を区別する
現場では臨機応変の処置もとれる人 (が大事)
小差は大差
陥りやすい錯覚
上手に見切ることは千両に値する
現場でできることから始める

目的と手段を混同しない
わかってみれば実はかんたんなことだ
経験は積み、固定概念は捨てる
内輪を巻き込むには先ず目標を共有する
白紙の状態から考える大切さ
(この塊りは「ほんとうの目的にせまる」という章で
私の年来の主張の根幹思想です)

次に起こすアクションを見える化する
徳のある人材こそが発展の必要資源
人心をまとめるには信賞必罰は重要
WHATが先,HOWは後
失敗を味方にして成功への足がかりに
自ら判断し行動できるリーダー

相手の魂胆を知って作戦に乗ることも必要
「そのとき義経すこしも騒がず」
天の運と人間の力で開く運
外国人から見ても圧倒的な人格 (乃木希典)
ポジティブな情動が混乱を救う
自分なりの原理原則をうちたてる
不要不急のものは大胆に切り捨てる
自ら使命を課して自ら行動する

思いがあれば行動に移せる
指示されたとおりに動けばよいか?
現場に行けば真実がわかる
ワンマン体制を突破するには
日ごろの訓練・鍛錬で捨て身がいきる
精神基盤の共有でルールに血が通う
自国の良き伝統を知る。
礼の気持ちは万国共通

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こういう教訓は、ほとんどが「あたりまえ」というものですが、
過去の日本を支えてくれた偉人の事例で示されると
「そうか!」と納得のいくものです。

そこから行動までは、まだ間(あいだ)があって、
それを埋めるのが「何かの力」です。
「何か」にはいろいろあります。
他人だったり、自分の厳しい経験だったりでしょう。

最後に考え始めてみました。
当然ながらまだ答えは出つくしません。

これまで2度の危機を乗り越えた日本が
なぜ、
現在の国家存亡のこの危機を認識しないのでしょうか。

1.ゆでガエル状態である
  過去の2回の危機(黒船襲来と敗戦)は
  急激な変化でした。誰しも認識できることです。
  ところが、今の危機は徐々の変化です。
  危機が直接見えません。
  実感できない人が多いのです。

2.分権が不十分である
  みな自分のことなら必死で考えるでしょう?
  失業とか病気とか。
  家族のことも、ふつうは考えます。
  近所の環境のことは?考えますね。

  ところがだんだんその範囲を広げて国のこととなると
  何とかしてくれるだろう、自分が何か言っても通らないし、
  と考えてしまいます。

  その点からすると、
  日本を一つの行政で動かそうというのは無理がありそうです。
  橋下さんたちの言われる地方分権が必要でしょう。
  道州制のさらに下への分権も重要だと思われます。

  明治維新で強かったのは、
  それまでの幕藩体制が基本的には地方分権で
  地域ごとに真剣に考える人が育っていたからだ、
  ということを今回の勉強でさとりました。

  地方は国で必要とする人材の養成機関でもあるのです。

3.教育
  戦後の教育は考えさせる教育をしていない!
  これはかなり指摘されていることです。

  戦後の一時、日本古来のものはすべて捨てさせられて
  昔話、お伽話もすたれました。
  これらは貴重なケーススタディで、
  そこから基本的な人生訓を学ばせています。

  さらにその際に「どうしてそれがダメなのか」
  も考えさせるようになっています。
  最近孫娘の相手をしていて、
  そのことが分かるようになりました。

  男の子が夢中になるゲームはどうですか?
  ゆっくり考える力を失わせているのではないでしょうか。

  日本が世界に誇る「寺小屋」式の教育では、
  読み書きそろばんだけでなく、
  考える教育もしていたのでしょうか。

  とにかく、物事を考えなければ、
  危機は感じないでしょう。
  原発は何が悪いのか、なぜ必要なのか
  物価が下がるデフレはなぜ悪いのか
  なぜ中国は怖いのか

 
さいごに
津曲さんも述べていますが、
高齢化社会はピンチではなくチャンスです。
高齢化社会のモデルを作る知恵はないのでしょうか?
それができれば世界にそのモデルを提供できます。

少しずつでも考えて行きたいものですね。

2012年12月25日火曜日

上野が日経コンピュータ誌に寄稿!「保守コスト半減の勘所」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 ソフトウェア保守業務に関心を持っていただく。
 ソフトウェア保守業務の現状を知っていただく。
 ソフトウェア保守業務は大幅に改善可能であることを知っていただく。
 ソフトウェア保守業務改善・改革の対策を概括していただく。
 上野が苦労しているのだな、ということを知っていただく。

ねらい
 
 
 日経コンピュータ誌を読んでいただく。
 ソフトウェア保守業務を改善しようかと思っていただく。
 「この対策」を実施してみようかと思っていただく。

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日経コンピュータ誌2013年1月10日号に
上野則男寄稿の
  保守コスト半減の勘所 
   目的・ねらいの明確化が必須 
   ツール活用で作業を自動化
が掲載されます。

私の所属する会社のグループは、
ソフトウェア保守業務の経営戦略的な重要性を
事あるごとに訴えてきました。

その主張を一言で言えば、
「ソフトウェア保守業務の経営貢献を高めましょう!!」
です。

今や新規開発は一部の業種を除いて、行われません。
開発の一部であるシステム再構築も、
その難易度・コスト制約の点から、行われることは稀です。

ところがビジネスは生きていて変化・成長しますから、
システムに対する要求もずい分あるはずです。
それを受けるのは、
ソフトウェア保守でなければならないのです。

ところが、現在の保守の体制あるいは資産が、
その要求に応えられるようになっていません。

そこを改善すべきなのです。

改善はこうすればよい!!と訴え続けてきました。
しかし、
まだまだ本格的に改善に取り組もうという企業は少数派です。

今回の日経コンピュータ誌の寄稿は、そのさわりです。

この寄稿の主な内容をご紹介します。

1.ソフトウェア保守業務の現状

・ソフトウェア保守業務は、
 全国平均で開発業務の3~4倍、
 金額にして年間合計7兆円の大きさです。

・それにも拘らず、
 これまでほとんど実施方法の改善が行われずに、
 昔ながらの人海戦術で業務が実施されています。

・その結果、ほんのわずかの改修に大きな時間と費用がかかり、
 改修作業の不備でたびたび障害を起こしています。

・そのため、改善者に取っては「宝の山」状態です。

2、改善した場合の期待効果

・そこで、以下の対策を講じると、
 3年で現在の業務は半減、5年で3分の1にできます。

・その浮いた工数で、 現在は先送りになっている
 ビジネスを支援する機能拡張・改良等を実施することができます。

2.1短期的効果(3年以内に実現)
 ・目的・ねらいの明確化 15%
 ・障害削減対策の実施  10%
 ・作業の自動化      20%
 ・保守インフラの整備   10%

2.2中長期的効果(3年以上で実現)
 ・保守インフラの整備   10%
 ・システム部門の保守機能強化 (測定不能)


3.対策の内容 

(1)まず第1は、「目的・ねらいの明確化」です。

・これは当社のオハコテーマです。

・保守の依頼者はあまり深く考えずに
 「こういうことができたらいいかな」という程度で
 依頼している案件もかなりあるのです。

・JUASの調査でも、
 「ユーザビリティ変化」
 「担当者要望」
 「業務方法変化」
 という理由の案件が全体の半分近くを占めています。

・これらの案件は、「どういうことなのですか」と探求することによって
 当初の要望が変更になる可能性があります。

・それでも、多くの企業では、
 一つ一つの案件はたいして大きくないこともあり、
 担当者の要望がそのまま通ってしまいます。

・そこで、すべて案件について
 「これは何のために変更するのですか?」と探求すると
 費用対効果の観点から別の方法で対応した方がよいと分かったり、
 内容を変更するということになったりします。

・これを徹底しましょう、という対策が1番めです。
 あるシステム部長は、このことによって2割のコストカットが可能だ、
 と言っておられます。

(2)障害削減対策の徹底実施
・障害対策はほぼ完全に実施済み(それでも障害は発生する)という企業と
 まだまだ対策強化の余地が大きい企業と、ばらつきがあります。

・JUASの調査では、保守工数の25%が障害対応であるとなっています。

・障害が半分になれば、保守工数の10%以上が浮く計算になります。

・障害が起きなくなるようにする対策は、非常に多くあります。
 この一つずつを地道に実施していかないと障害の撲滅はできません。

・寄稿文では、各保守プロセスでの障害対策の優先度等を示しています。

・これらの対策と並んで有効な基本対策として、障害発生状況の見える化
 (どのグループのどのような障害が多いのか)を勧めています。

・これを行うと、各組織が自律的に障害削減対策を実施し、
 「目に見える効果」が各社で実現しています。

(3)ツール活用による作業の自動化
・現状の保守業務では、ツールの利用率は極めて低い状況で、
 竹やりでゲリラと戦っているようなものです。

・保守プロセスで大きな工数がかかっているのは、
 影響範囲調査(この変更・修正はどこに影響するかを見極めること)と
 テスト(間違いなく変更・修正が行われていて
 余計なことをしていないことの確認)です。

・そこでこのプロセスにツールを導入して、作業の自動化を行います。
 有効なツールが存在することをご紹介しています。

・特に、影響調査ツールは、影響調査が省力化されるだけでなく、
 影響調査の精度が高くなりますので、
 後のプロセスすべてに好影響を与え、
 保守の全体工数が半分になったという事例も報告されています。

(4)保守インフラの整備
・保守業務のインフラとは、以下のものを指します。
  a.保守に必要なドキュメント(資料)の整備
  b.そのデータベース化(リポジトリ化)
  c.データマネジメントの整備

・多くの保守業務担当者は、 プログラムソース以外は
 何も頼りになるものがない状態で業務をしています。
 「必要な情報はすべて頭の中にある」という状況です。

・このため、仕事の習熟に時間を要し、
 「業務が属人化している」と言われています。

・こうなっている原因はいろいろありますが、
 あらためて、保守に必要なドキュメントを決定して
 (開発用のドキュメントとはかなり異なるのです)
 それを整備するのです。

・この作業は結構大変ですので、
 一念発起しないと取り組めません。

・必要ドキュメントが整備できたとしても、 
 便利に使えるのでなければ、
 じきに使い物にならなくなってしまいます。
  

・便利に使える仕掛けがリポジトリ化です。
 寄稿文ではそのポイントを示しています。

・次いで、データマネジメントの整備です。

・情報システムはデータの処理ですから、
 基本となるデータの定義や取扱いが標準化されていなければ、
 その基盤が揺らぎ、まともな処理ができるわけがありません。

・この整備も時間と労力がかかり、日本企業は遅れています。
 寄稿文では、整備すべきという問題提起に留めています。

(5)システム部門の保守機能強化
・現在のシステム部門およびその代理人である情報子会社は、
 経営に対してまともに責任を果たしているとはいえないのではないか、
 ではどうすればよいのか、という非常に重大な問題提起をしています。

・中途半端な記述は誤解を生みますので、
 ここではこれ以上述べません。
 日経コンピュータ誌をご参照ください。

・それでも言葉足らずですので、
 このブログで改めて解説させていただきます。

以上、かなり長くなりましたが、
半年以上の醸成期間のかかった寄稿の概要紹介を
させていただきました。

大事なことは冒頭の
「ソフトウェア保守業務の経営貢献を高めましょう!!」
です。

皆様と一緒にその実現を目指して
さらなる努力を続けたいと思っています。

2012年12月24日月曜日

有馬記念はどうでしたか?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 たまには違う話題で気分転換していただく??
 上野の雑談を聞いていただく。

ねらい:
 あまり役に立たないですね。

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このブログを読んでいただいている方がたの中にも
競馬ファンはおられるのではないでしょうか。

私は年数は長いのですが、
ほとんど毎週少額で仮説検証を楽しんでいるレベルです。

今回のレースは面白い展開でしたね。
いろいろ勉強になります。

優勝のゴールドシップは、前半最後尾くらいに控えていて、
中盤から少しずつ前へ出て
終盤は一気に出てゴールした時には
2着を1馬身以上離していました。

他の馬も必死で走っている時に
追い上げて抜き去るということは何たる強さかと驚嘆しました。

人間の走るレースではこんな激しいことはありません。
マラソンで最後尾から抜けることは見たことがないでしょう?
「バリキがある」と言うくらいですから馬は違うのでしょうね。

こんなに強い馬ならいつも勝つかというとそうでもありません。
素質や筋力等で勝負が決まるのなら、
勝つ馬は自明ということで「ケイバ」は面白くありません。

その日のコンディションで結果が違ってきます。
だから、調教師や騎手との相性・チームワークが
重要なのですね。

人間への教訓としては、
「「やる気」によって結果は大きく違ってくる」
ということかと思いました。

箱根駅伝で「山の神」と言われた東洋大学の柏原でも、
3年の時にスランプで成績不振だったそうです。

スランプを抜け出したのは、
東日本大震災で故郷が悲惨な目に遭ったのを見て、
「自分も頑張らなければ!」
「自分がたいへんなのは1時間強だけではないか」
と思ったからなのだそうです。

見事4年の時には自分としての過去最高を記録して
東洋大学の総合優勝奪還に貢献しました。

2着のオーシャンブルーは、
サンケイスポーツ紙の人気指数は0、スピード指数は最悪の次、
予想者のマークはほとんど付いていませんでした。

人気とか予想とかは当てにならないものです。
当てになったら競馬で損をする人はいなくなるのですものね。

人間社会への教訓としては、
「他人の評価は当てにするな、自分で確認しろ」
ということでしょうか。

3着が、これまた物語がありました。
走る実力はかなりあるルーラーシップですが、
スタートで立ち上がってしまい5馬身ほど、
出遅れてしまいました。

知りませんでしたが、スタートのミスは4戦連続なのですって。
そのため、予想者は誰も◎や〇を付けていませんでした。
この点は予想者も読んでいましたね。

それでも最後尾から追い上げて
あわや1着か、というところまで行ったのですから
凄いものです。

教訓は、
「癖がある者でも、それを克服する個性・能力があれば、
人生やっていける」
ということでしょうかね。

そんなことを考えさせられる素晴らしい
本年掉尾のレースでした。

因みに私の成績は、3着までの3頭すべてが当りましたが
ワイドでしたので、36%プラスになっただけでした。

それでも、来年に期待が繋がる成果でした。
来年は良い年にしたいですね。


万引きの1対8対1ってお分かりですか?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 万引きについてあらためて考えていただく。
 万引きの歴史について考えていただく。
 万引きが欧米の過去において極刑だったことを知っていただく。
 万引きが無くなりそうにないことを考えていただく。

ねらい:
 何かを考えていただく(不明です)。

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レイチェル・シュタイアという米国の大学の先生が書かれた
「万引きの文化史」という本を読んでみました。


 

万引きの語源は、
万から一つを抜くという説と間引くからなまったという説
とがあるらしいですが、詳細は不明のようです。

万引きを研究しているのは、
被害者である小売業者くらいのものだと思っていましたら、
研究している人がいるのですね。

話が多岐に亘っていますので、
システム企画研修社が提唱している
企画書の項目5W2Hを少し変形してご紹介してみます。

1.Why なぜ万引きをするのか

 万引きの動機・目的は単純ではないようです。

  単なる遊び(若年層)
  仲間からの圧力(若年層)
  経済的理由
 
  不満や鬱屈した気分のはけ口
 
  スリルを求める冒険的行為
  病気

 
 「大金持ちの女は不安感や憂鬱な気分に襲われそうになると、
 とにかく買い物しまくり、ときには一つか二つ万引きをする。
 
 

 それほど金のない女は窃盗症になり、
 自分に足りないと思うものを盗むことで、
 不安感や欠乏症を解消しようとする。

 そして貧しい女は、
 単に家族に必要な物―食品や衣類などの必需品ー
 を万引きする。
 

 貧困の猛威をいくらかでも和らげようと、
 ときに余分な物も万引きする」(1990年ルイーズ・カプラン)

2.Where どこで万引きは行われるのか。
 (以下は主としてあとがきでの情報)
 小売業
  日本の場合、
   破損等を含むロス率は売上高の1.04%
   (他国と比較すると率はそれほど高くないが、
   損失総額は世界2位)
   

   その内、万引きは構成比1位で
   被害額は4500億円以上。
   
   小売業の利益は数%なので万引き防止は大課題。

 書店
  日本の場合、
   ロス率は1.91%、損失額は262億円
   その内、74%(194億円)が万引き被害

3.WhatとHow 万引き防止するための課題と対策

この項は、本来は万引きを成功させるための課題と対策
でなければならないのですが、
反社会的な表現となりますので、裏返しの防止対策としました。
 

万引きを摘発する監視員であるLPエージェント向けの
ガイドがこうなっている。
(1992年にどこかで発表されたもののようです)

 
 1)容疑者が商品に近づくのを確認する
   当りをつけているか挙動不審者をマークしていて。
 2)容疑者が商品を取ったことを確認する。
 3)容疑者が商品をどこに隠したか確認する。
 4)容疑者から目を離さずに監視を続け、
   商品をどこかに戻していないか確認する。
 5)容疑者がその商品の代金を支払わなかったことを確認する。
 6)質問をするために声をかけるのは容疑者が店を出てからにする。

5)までで、万引きであることは確定ですが、
ヴァージニア州では3)段階で相手に接触してよい、
ということになっている、 

シアーズやメーシーズでは5段階まで確認する、
ウォルマートでは4)までで追求するようになっている、
のだそうです。

安売りスーパーではそんなに手間をかけていられませんものね。

万引き防止対策は以下のとおりです。
 極刑による抑止
 犯人に対する損害賠償請求による抑止または損害補てん
 
 警備員の配置
 陳列方法変更(高級品のガラスショーケース収納など)
 
 防犯タグ(精算していないと出口で警報音が鳴るタグ)
  (これが絶対的対策と思われたが、そのタグを切ったり、
  ラジオ波とセンサータグを遮断する素材を裏打ちした
  ブースターバッグの使用などで破られる)
 ビデオ監視カメラ
 
 高性能なCCTVカメラ
 インクタグ(タグをはがそうとするとインクが飛び出す)
 サブリミナルメッセージ(潜在意識に思いとどまることを訴える)
 アグレッシブホスピタリティ(積極的にお客様に声かけする)
 
 

これらの対策にはかなりの費用がかかりますが、
万引き被害よりも小さいということでしょう。

 
 
 
 
 
  
そういえば、保険はないのです。
損害が証明できにくいでしょうからね。   

4.When 万引きの歴史
 窃盗の元祖はイブ

 窃盗は人類の生誕から付いて回っています。
 動物は種族の維持(生存)のためにしか物を盗まないそうです。
 初めは人類もそうだったのでしょう。
 その後、複雑な目的で窃盗が行われるようになりました。
 

 16世紀後半、ロンドンでは多くの商店が誕生した。
 その時、流浪の窃盗団も誕生した。

 その後、一般の大衆も万引きに参加するようになり、
 後掲の6.で述べるような極刑が課されても
 なくなることはなかった。

 
 19世紀パリをはじめ百貨店が次々と登場し
 女性の疾患としての窃盗症が増加した。
 スカートを大きくふくらませたペチコートや
 普通のドレスの上に付けるキックと呼ばれる
 短いオーバースカートに細工を施し
 大きなポケット代わりとした。
 

 その後は、大規模店舗の増大とともに
 万引きも増大した。
 
 

5.Who 誰が万引きをするのか
 
 

 冒頭の「1対8対1」ですが、
 あるLPエージェントの説として紹介されていました。
  1割 絶対に万引きをしない人
  8割 チャンスがあれば万引きする人
  1割 必ず万引きする人

 つまり、誰でも万引きをする誘惑にかられるということです。

 全米万引き防止協会の発表によると、
 万引き犯罪の検挙者数は2700万人にのぼり、
 総人口の9%を占める。

 2001年の4万人の米国人を対象にした調査では、
 万引き経験のある人は11%で、
 10%の人々が生涯万引きをやめられないと答えた。

 上掲の目的からして、いろいろな人が万引きに手を染めます。

 女性 
  伝統的に万引き犯は女性の方が多いとされています。
  美しく飾りたいという欲求からも、
  子供に「パン」を与えたいという欲求からもそうなるでしょうね。
 
  
  

  デパートやディスカウントショップで
  化粧品、衣料品、宝飾品、香水を盗む。
  

  2001年米国30歳の大人気女優ウィノナ・ライダーは
  百貨店でデザイナーブランドの衣類5500ドルを万引きした。
 
  

 男性
  ホームセンター、工具店で。
  電子機器、テレビ、電動工具を盗む。

  かのルソーも窃盗を行ったことを
  自著「告白」で述べている。

  「こうして私は、何かを欲すると、
  ごまかし、嘘をつき、しまいには盗むことを学んだのだが、
  それも初めて盗むまでは考えてもみなかったことである。
  しかしその後は、
  一度身についた盗癖から脱することはできなかった」

 
  
  
  それが高じて来ると、万引き依存症になる。

6.How much 万引きの費用

費用(負担、処罰)
 今でもアラブ社会の一部では
     窃盗犯は手首切断刑が行われる。

 中世以降の英国では
   親指にVの字の焼印が入れられた。

 
 1699年に制定された英国法律で
  窃盗犯は絞首刑に処せられることになり
  多くの処刑が行われた。
  
  

  1771年、夫を海軍に徴収されて貧窮した女性が
  赤ん坊に着せるリネンを盗んで絞首刑に処された。
  (とんでもなく可哀そうなことですね!!)

  それでも窃盗は減らなかった。
  

  1821年は絞首刑に処された万引き犯が16人いた。
  この法律は1832年ようやく廃止された。

 
 植民地時代の米国では奴隷による万引きは
  盗品の価値にかかわらず厳しく罰せられた。
  
 

  北部で18歳の混血奴隷が
  女主人に衣服を与えてもらえなかったために
  身にまとうささやかな衣料品とハンカチなどを盗んだとき、
  女主人の被害額に見合う金額で売り払われた。
  

  その罪で他の州では即座に絞首刑だった。

 フランスでは、フランス革命の前には、
  食品を盗んで死刑に処せられた者は
  全犯罪者の5%だったが、 
  1790年代には15%になっていた。

 現代以前には、
 窃盗を防止することが社会秩序の維持にとって
 それだけ重要だったということです。

効果(稼ぎ)
万引きで生計を立てるプロもいたようですが、
それは例外で、
多くは、1.項の「万引きの目的」が達成できる
ということでしょう。

2012年12月23日日曜日

阿川佐和子さんの「聞く力」はどのくらいあるの?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 阿川佐和子さんの「聞く力」に興味・関心を持っていただく。
 当社の研修のことも少し知っていただく。

 
ねらい
 
 阿川佐和子さんの「聞く力」を読んでいただく。
 当社の研修に少しでも関心を持っていただく。

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阿川佐和子さんの「聞く力」を読んでみました。
私はお恥ずかしながら阿川弘之さんは知っていましたが、
阿川佐和子さんのことは全く知りませんでした。

なぜこの本を買ったかというと、
この本がたいへんなベストセラーになっているらしいと知って、
当社のヒアリングの研修の参考になるかもしれない
と思ったからです。

読んでみて、とにかく楽しい本でした。

「私はそんな本を書くなんてとてもできない」
と編集者に断った「謙遜さ」から始まって、
次から次と出てくる話が、豊富な経験に基づいていて、
軽妙洒脱な語り口でとても面白いのです。

阿川さんの「聞く力」はたいへんなものです。

「ためになる」なんてことは忘れてしまいます。
提供される題材に笑ったり泣いたりすることができます。
作家としても素晴らしい方です。

阿川さんは間もなく60歳ですが、
文章を読んでいるととても若くて魅力的です。
まだ結婚願望もあるようです。

是非楽しい読み物としての一読をお勧めします。

本書の構成はこうなっています。
章立て
 Ⅰ聞き上手とは    11項目
 Ⅱ聞く醍醐味       9項目
 Ⅲ話しやすい聞き方 15項目

たくさんのエピソードの中から一つ選んでみました。
「知ったかぶりをしない」の中の一節です。

これが一番感激的というわけではありません。
一番短く完結しているからです。

12月28日追記
本日、松井選手が引退表明をしました。
ここで12月23日に
松井選手の例を取りあげたのは単なる偶然です。

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巨人軍の若手だった頃の松井秀喜選手へのインタビューも
同じ不安を抱えたまま、立ち向かいました。
野球、よくわからないんだけどなあ。
でもそんなに怖そうな人じゃないし、私よりずっと若いし、なんとかなるかな。

例によって、細かい試合の経緯や技術的な話はそこそこに、
松井選手の子供時代や高校球児時代の話を順を追って伺っていきました。
そのとき、何かの拍子につき合っていた女の子の話になりました。

「どんな出会いだったんですか」
「彼女の幼ななじみが、星陵のライバルだった金沢高校のエースで……」
「それはバッターで?」

そこらへんで、あたりの空気がどうも怪しくなっていることに気づきました。
私側のインタビューチームが、なにやらオタオタし始めた。

あれ? なんかおかしなこと、私、聞いた? 
異変に気付いた私が、あたりをキョロキョロすると、
松井選手が「……ピッチャーです、エースって(笑)」
「あ、いや、ハハハハ。そうか、エースってピッチャーのことだけを言うのか」

私はてっきり、「エース」と言えば、
そのチームのスター選手のことを総じて呼ぶのだとばかり思っていたのです。
「優秀なバッターは、エースって呼ばれないの?」

その瞬間、
それまでなんとかごまかしながら続けていた数々の野球に関する質問が、
どれも浅知恵だったことがバレてしまいました。

でも、松井選手は、それは優しい心の持ち主らしく、
そんなインタビュアーに腹を立てることもなく、
苦笑いをしながらじっと耐えてくださったのです。

今でも、大リーグで活躍する松井選手の姿を見るたびに、
「エース」という言葉が頭に蘇り、胸がチクチク痛みます。

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阿川さんはかなりのスポーツレディなのですが、
観戦は嫌いで野球のこともほとんど知らなかったのです。

松井秀喜選手以外に登場する主な有名人は
以下のとおりで、いずれもたいへん興味深いものです。

(順不同、敬称略)
北野武、橋下龍太郎夫人、井上ひさし、
野村克也監督夫妻、若乃花・貴乃花兄弟・花田憲子、
室伏広治、鶴瓶、柳谷小さん
デーモン閣下、西村雅彦、渡部篤郎、


阿川さんのインタビュは、
もちろんそれぞれのインタビュでの当初目的はありますが、
結果的に有意義な(読者・視聴者が喜ぶ)結果が
得られればよいのです。

ところが、私たちの仕事でのインタビュは、
必ず当初目的を達成しなければなりません。

その意味でインタビュの目的が少し異なりますが、
阿川さんの言われる35項目を多少読みかえれば
私たちの仕事のインタビュへのガイドとなります。

特に有効そうな10項目を選んでみました。

 面白そうに聞く
 「あれ?」と思ったことを聞く
 素朴な質問を大切に
 観察を生かす
 相づちの極意
 上っ面な受け答えをしない
 知ったかぶりをしない
 聞きにくい話を突っ込むには
 先入観にとらわれない
 最後まで諦めない

この10項目は、当社の研修の
「ヒアリングの達人を目指す価値目標訓練」の
「ヒアリングの達人10か条」の補足版として使う予定です。

ヒアリングの達人がインタビュする時も、
知らない業務だったら事前に勉強します。
間違えてもベーシックな単語は「それは何ですか」
と聞いてはなりません。その覚悟で勉強します。

それでも知らない言葉が出てきたら
「知ったかぶりをしない」で素直に聞きましょう、
というようにガイドしています。

なお、この研修を含む「達人シリーズ」全体については、
別項「達人シリーズ」の研修が開発されました!!」
  http://uenorio.blogspot.jp/2012/12/blog-post_1.html
をご参照ください。
 

2012年12月22日土曜日

ビッグデータ分析で何ができる?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 以下を再認識していただく。
  ビッグデータ分析でも「目的・ねらい」の明確化が重要である、
  やみくもにコンピュータを回しても何かいいことが見つかるわけではない
  
ねらい
 日常生活でさらに「目的・ねらい」を意識するようになっていただく。

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12月22日の朝日新聞に以下の記事が
1面に載っていました。
1面ということは「どうだ!」ということなのでしょう。

日本未来の党が結成を発表した11月27日から
12月15日の投票日前日までの19日間、
衆院選にからんだツイッタ―のつぶやき460万件
を分析しました。

その結果、自民党に関するものが151万件
民主党に関するものが100万件だった。

自民党の場合、前向きな内容(「支持する」「期待する」など)が
後ろ向きの内容(「駄目だ」「嫌だ」など)
よりも多い日が19日中2日だった。

民主党の場合、それは1日だけだった。

日によってこの動きが変化がある(そのグラフが示されていた)。

まだまだこれから解析するのでしょうが、
この範囲だと「だからどうなんだ」です。
自民優勢は世論調査でも出ていました。

ツイッタ―の声の分析はリアルタイムでできることが有利ですが、
対象が偏っています。
日本国民の縮図とはなりにくいのです。

性別・年齢・地域などの属性が分かっていれば、
リアルタイムで層別した分析は
選挙戦の予想に使えるかもしれませんが、
層別分析はできませんしね。

ビッグデータの分析は仮説がなければ、
自動的に分析結果が出てくるわけではありません。

この場合だと、
前向きのコメントは何についてそう言っているのか、
後ろ向きのコメントは何についてそう言っているのか、
を解析することが第一歩でしょう。

おそらくそれは登場する単語の集計でできるでしょう。
しかし、お分かりのように
同じことについて賛否両論あるはずですから、
それがマクロ的に分かっただけでは
具体的な戦略・戦術に結び付きません。
発言者の層別ができなければなおさらです。

ということで、
この分析では有効な仮説の立てようないようです。
仮説がなければ検証もできません。

朝日新聞は1面で気負って載せてみましたけれど、
「だからどうなの?」で終りのようです。

ビッグデータの分析では、「目的・ねらい」が重要です。
「お客様の属性と結び付けて
いつ何と何が組み合わせで買われているかを見つけだして(目的)、
それに対応した品揃え・陳列・価格設定をしよう(ねらい)」とか、

家族構成と消費支出の傾向を分析して(目的)、
有効な販促策を見つけよう(ねらい)、とかです。

朝日新聞の分析では、
「ねらい」がはっきりしていないのです。
ねらいを考えたら、この分析をしてもダメだと
分かったのではないでしょうか。

疑似科学の批判者が自らそのミスを犯しているぞ!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 科学と疑似科学の定義を知っていただく。
 何が疑似科学であると思われているかを確認いただく。
 血液型性格学が疑似科学であると思うことは誤りである 
  根拠を知っていただく。

ねらい:
 今後、科学と疑似科学の区分に留意していただく。
 (一般の社会生活ではあまり有効な区分と思えませんが)

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菊池聡さんという信州大学教授(専門は認知心理学)が、
書かれた「なぜ疑似科学を信じるのか」を読んでみました。


 
 
疑似科学の例として、血液型性格論が挙げられていたからです。
どんな論点で否定するのだろうと興味があったのです。

菊池さんは学者らしく、疑似科学の定義をしています。

疑似科学の前に科学の条件はこういうものである。
1)第1の特徴は「対象」である。
 科学では自然や人間の行動といった
 客観的に観察可能なものを扱う。

2)第2の特徴は「方法」である。
 理論だけでなく、
 実験や観測といった実証的方法を重視する。

3)第3の特徴は「知の姿勢」である。
 実験や観察データを公平に解釈して、
 主観や価値観を排して客観的な事実や法則を追求しようとする。

疑似科学も、同じような外観を備えている。
しかし違うのは「方法」と「知の姿勢」の内実である。

それは「反証可能性」である。
科学ではある仮説を証明する場合、
「確証(検証)」と「反証」とが行われる。

「確証(検証)」とは、その仮説に適合する証拠によって
仮説の正しさを確認すること、たとえば、
「万有引力の法則は、リンゴの落下で確証された」
というもの。

「反証」は、誤りを証拠で示すことで、
「天動説は惑星の観測データによって半焼された」
というもの。

反証不能なものは科学ではない。
たとえば、
「明日は晴れるか曇るか雨か雪か、いずれかが起きる」
これは常に正しいが反証ができない。

科学は、
証拠によって間違いが証明できる見込みがなければならない。

疑似科学では
統計的に正しいと主張することが、サンプリングの方法の説明がなく、
したがって反証ができない。

都合のよいデータのみを示して自説の正しさを主張している。

というのです。

典型的な疑似科学の例として、
「血液型性格学」が挙げられています。

血液型性格学では、血液型と思考特性の関係があることを
示しているが、実験方法に客観性がなく、
別の学者が同じような実験をすると、
その両者には関係が認められないというのです。

この点はたしかにその誹りは免れない気がします。

しかし、職業と血液型の関係については、
血液型と性格との関係論の元祖である能見正比古氏は
きちんと客観性を示しています。

たとえば、歴代の横綱・大関と血液型の関係です。

皆様は横綱・大関は、何型の血液型が多いと思いますか?
A型なのです。
この関係は統計検定をしてはっきり有意である、となっています。
なぜかは分からないけれど、何らかの因果関係がある、
ということです。
そこから先の因果関係については推定となります。

菊池氏は、この点に関してこう述べています。

 政治家やスポーツ選手などと血液型の関係については、
 衆議院議員では、とか参議院議員ではとか、
 自民党議員では、社会党議員ではとか、
 自分に都合のよい部分を切り出して証明に使っている。

これは、菊池氏の勉強不足です。
サンプリング方法に恣意性があるという前提(先入観)で
能見説を十把一からげにして切り捨てています。

横綱・大関の場合は、サンプリングではなく、
戦後からその時までの全横綱・大関が対象なのです。
それを確認もしないで、結論を導いているのは
明らかに科学的ではありません。

因みに、横綱・大関以外の場合の職業と血液型の関係でも、
客観性のある場合が多数あるようです。

菊池氏の「科学的」の定義からすれば、
「いい加減なサンプリングの方法だから科学ではない」
という主張は、すぐに反論可能で誤りであることが判明します。

したがって、血液型性格学は疑似科学であるという菊池説は
誤っています。
ですが菊池説は疑似科学ではありません。、

菊池氏が疑似科学の例として
血液型性格学をとりあげたのは失敗です。
墓穴を掘っています。

菊池氏が挙げている疑似科学の他の例は、
宏観異常現象(異常の観察から来る地震予知)、
チャネリング、UFO、輪廻転生、などです。

占星術は疑似科学にもならないようです。
「超常現象一般を科学ではない」と言っていないのは
評価できます。
私はその存在を信じています。

しかしよく考えてみると、疑似科学であるかどうかよりも、
その説が正しいかどうかの方が実用的には重要ですね。

大事なところでミスもありましたが、
この本には、よいところがあります。
それは、書の構成が明確で、
どこに何が書いてあるかがすぐに分かることです。

書評を書く立場としてはたいへん助かります。
今後はますます人文科学者の本は読まないことにします。




ラジオ体操の効用はどのくらいあるの?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 ラジオ体操の有効性を見直していただく。
 いろいろ知らないことがあるものだ、ということを知っていただく。

ねらい:
 ラジオ体操に参加して健康を増進していただく。
 女性の場合は美容も向上していただく。

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私の毎朝のジョギングの行き先は、
6時半頃の西大井公園です。

そこでは、ラジオ体操を多くの人がしています。
ご承知でしょうが、ラジオは6時半から40分まで
ラジオ体操第1と第2をガイドしています。

参加者はほとんどが中高年というより高齢者です。
男女比では半々か多少男性が多いくらいです。

おしゃべりしながら適当にやっている人、
リハビリ中なのでしょうか、手の振りもままならないご老人、
普通に取り組んでいる人などです。

この度、「実はスゴイ!大人のラジオ体操」という本が、
講談社から出されましたので買ってみました。















中村格子さんという整形外科医・スポーツドクターが著者で
秋山エリカさんという東京女子体育大学教授が監修しています。
同大学新体操競技部の美女がモデルになって
カラー写真で体操のポイントを示してくれています。

以下のようなことが書かれていました。

ラジオ体操第1は、
 昭和26年25人の専門家の研究によって制定された。

以下の特徴がある。
 必要な運動が13のユニットに凝縮されている。
 3分10数秒で効率よく全身運動ができる。
 有酸素運動と無酸素運動が同時にできる。
 時間当たりのカロリー消費量が多い。
 
 すべての動きが、ケガをしない安全な動きで作られている。
 性別・年齢を問わず、幅広く実施可能である。

誰もがやったことがあるが、本来の形でできている人は少ない。
 

本来の形できちんとやれば、非常に多くの効果が得られる。
 特に女性の場合。
  脂肪が燃焼する。
  美脚・小尻になる。
  二の腕が引き締まる。
  バストアップする。
  姿勢がよくなる。
  美肌になる

 肩こり・腰痛が改善される。
 眠りの質が改善される。
 目覚めがよくなる。
 いらいらしなくなる。

(どうもこの本は、
 美容に関心のある若い女性を主ターゲットに書かれたようです)

13の体操ユニットの中でも、
2番目と12番目に行われる「腕を振って足を曲げ伸ばす運動」
が目玉で、大きな効果がある。

ということです。
たしかに、うろ覚えでいい加減にやっている人が多いようです。

私は、30年ほど前に、
ある会社の活性化運動のお手伝いをしました。
その対策の一つが朝礼の導入と並んでラジオ体操でした。

全員が朝礼前に自席の近くで体操するのですが、
女子社員のほとんどは「全く」いい加減でした。

タイトめの制服でしたから、
まじめにやると体のいろいろが露わになってしまいます。
 
まあ仕方ないか、とあえて指導はしませんでした。

そういう体操では時間の無駄ですね。
それでも、首を回す運動などは効果があったでしょう。

今は、私は自己流の体操をしながら、
他の人のラジオ体操を観察しています。

すると、
多くの人たちが体操自体にはあまり目的意識がなく、
漫然と流しているのに対して、
60代らしき女性二人は力を入れて体操しています。

顔は残念ながら年相応なのですが、
体はとても若いのです。
特に体の前後屈は魅力的です。
この本の著者中村さんの言うとおりですね。

こういう観察ができるのも、
ジョギングの楽しみの一つです。

私は土曜日は品川中央公園まで行きます。
ここにはトラックがあって
好きな人たちが思い思いで走っています。

時々、美女が登場するのですが、
そういう人たちはなぜか長続きしません。
非常に残念なことです。

そういうことでは
何をやっても痩せないし美しくもなれないでしょうに。
ですが個人的には、「今のままで十分魅力的ですよ」
と言いたい人がほとんどです。

痩せるか美しくなるか、目的を持ったのなら、
その目的を重視して、
走ることがたいへんでも継続しなければなりませんね。
「継続は力なり」です。

話を戻して、ラジオ体操は極めて有効なようですから、
体を維持・強化したい方はラジオ体操をされたらいかがですか。

この本にはDVDもついていますが、
自分1人で、取り組むのは長続きしません。
是非、近所のラジオ体操集会を見つけてください。
そこまで歩いて行くことも運動になりますから。

私もラジオ体操に参加しようかと考えています。

2012年12月17日月曜日

12月16日の選挙結果をどう見ますか?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 12月16日の二つの選挙結果について、
 なぜそうなったのかを考えてみる。

ねらい:
 今後の政治参加活動の参考にしていただく。
 今後の日本の進む道を考えてみる。

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皆様は今回の選挙結果をどのようにご覧になりましたか?

事前に「自公で300を超す勢い」という予想が
主力新聞に出ました。

そういう報道がされると、
二つの面から反動が出る可能性がある、
と言われています(いつも言われることです)。

一つは、支持派が安心して投票に行くのを止める影響、
もう一つは、反対派が危機意識を持って投票に行く影響、
いずれも、振り子は収まる方向に行きます。

穏健派の多い日本人の特性からしても、
その可能性が高いと思われます。

ところが、その影響は出なかったようです。
民主党の支持層が民主党に投票した率は、
比例代表で81・9%、小選挙区で76.7%でした。

この数字は自民党支持層の自民党への投票率、
比例代表で81.0%、小選挙区で84.3%に負けています。
民主党支持層からもお灸をすえられたということでしょう。

私は、総括的に
国民はよく見ているな、という感想です。

マスコミの論調よりも、
以下の点で日本のことを考えていると思います。

憲法改正に対する姿勢
 マスコミは積極的論調は持っていませんが、
 改正積極派の自民と維新の会の勝利です。
 

中国に対する強硬姿勢
 マスコミはこの件について中立的報道で、
 少なくとも強硬対応を煽ってはいません。
 石原都知事が尖閣諸島を買い取る、
 と言った時も単なる報道姿勢でした。
 この点でも自民と石原さんの維新の勝ちです。

原発の拒否反応への是正
 マスコミは、原発反対に概ね賛同または迎合しています。
 これに対して原発反対を前面に出していない自民の勝ちです。

 大きな争点の一つである原発に関しては
 積極的反対派が不振でした。
 特に支持基盤の弱い社民党、日本未来の党はもろに影響を受けました。
 

 長期的にはともかく
 短期的には原発なしでは日本の産業や社会は成り立たない
 と判断したのです。

総括して民主党の政策運営に対する落第評価 
 マスコミもこれほどのダメ出しはしていませんでした。

ですが、民主党もできる人は全員当選しています。
  野田佳彦   163,334票  さすがです。全国第3位の得票です。
  細野剛志   156,887  
  岡田克也   126,679
  玄葉光一郎 107,737
  長妻昭          100,821
  古川元久        94,058
  枝野幸男        93,585
  前原誠司        72,170
この面でもよく見ていますね。

石破さんが「(大勝は)自民党への支持の強さというより
民主党への拒否の結果と判断すべき」と言っていました。
そのとおりです。

評論家はそう言っていますが、当事者がそう思っているということは
結構なことだと思います。

自民党若手のホープ小泉進次郎さんは、
全国第2位の得票数184,360票でした。

民主党政権3年余の反省を踏まえ、
今後の政治のあり方として、開票当日のテレビでこう言っていました。

「やると言っていたことをやらなくてはいけない。
できないことをやると言ってはいけない
やらないと言っていたことをやってはいけない」

これも結構な今後への自戒です。

余談ですが、
石破さんと小泉さんが今後の自民党のリーダでしょうね。
石破さんには日本の守り、小泉さんには父親バリのりーダシップ
を期待されているのではないでしょうか。

どうしてこんな激しい結果が出たのでしょうか。
それを分析してみました。

投票率が全国平均で59%と極めて低い、
2009年の前回選挙と比較して10%も低かったのです。

ということは、
無党派層の浮動票が動かなかった、ということです
ここに鍵があります。

【無党派層の投票先】
無党派層の投票先は、
共同通信社の出口調査によれば
以下のようになっています。

この出口調査は、全国300の小選挙区で
その選挙区の縮図となるような投票所を選んで
男女各15万人を選んで聞き取り調査をしているのです。

当日の開票速報で、この出口調査の結果に基づく
各党の当選予想を示していましたが当っていましたね。

無党派層の投票先
 維新の会   比例代表23.0% 小選挙区11.8%(候補者がいない)
 自民      比例代表19.9%、小選挙区32.4%
 民主      比例代表16.4%、小選挙区27.1%
 
 みんなの党   比例代表14.2% 小選挙区 7.4%
 未来の党   比例代表  8.3%   小選挙区 6.6%

これを見れば維新の会が最も無党派層に支持されているのです。
維新の会は、経験不足で民主の二の舞の懸念もありますが、
橋下さんと石原さんなら信頼できると思われたのでしょうね。

無党派層でも高年齢者は、
日本の現状や将来に対して危機感を持っていますので、
その人たちは棄権せずに自分たちの考えに従って投票しました。

小選挙区で小政党の獲得率が低いのは、
その選挙区に候補者がいないからで、
自民党か民主党に流れたのです。

もし仮に、小選挙区にそれなりの候補者がいれば、
自民圧勝を阻止できたかもしれません。


【投票率の地域差――棄権の原因】
投票率が全国平均で10%下がりましたが、
下がり方には大きな傾向があります。

もともとは都市部の投票率は低く、
非都市部の投票率が高いという傾向がありました。
非都市部が自民党の票田になっていたのです。

前回選挙と比べてどの県の投票率が下がったのかを見てみます。

下がった県のランキング
 富山    16.86%下がって56.89%
 北海道  14.91       58.74
 鹿児島  14.72       56.78
 青森    14.33       54.19
 福島         13.97       58.85
 新潟         13.75       59.66
 石川         13.75       61.92
 高知         13.70       53.94
 宮崎         13.41       55.69
 岡山         13.30       55.27

ご覧のようにほとんどが代表的非都市部です。
平均を上回っているのは新潟と石川だけです。

非都市部の投票率が下がったということは、
従来の考え方なら、総体的には自民党不利のはずです。
ところが逆の結果です。

あまり下がらなかった県のランキング
 東京    4.30         61.67 
  
 千葉    6.38         58.49
 奈良    8.34         63.13
 兵庫         8.37                   58.59
 神奈川     8.40                   59.86
 大阪         8.42                     58.37
 茨城         8.76                     58.84
 埼玉         8.85                     57.40
 滋賀         8.90                     61.75
 沖縄         8.94                     56.01
 静岡         9.06                     61.75
 大分         9.90                     62.17
 京都         9.94                     58.26

東京は、 知事選との相乗効果で例外としても
ほとんどが都市生活者の県です。
いくつかの件で平均を上回っています。

以上の傾向は、こう考えるといいのではないでしょうか。

従来からの地方の自民党支持派が
前回選挙で、閉塞感を打破するために
「いいこと」を言っていた民主党に投票してみた。

だけど、それは裏切られた、
もう政治に期待はできない、と考えた。

あるいは、気を取り直して考えてみた。
でも各党の主張は一長一短で
どこにするか、考える筋が見つからなかった。

維新の会も自分たちにはピンとこないし候補者もいない。
そこで棄権ということになった。

都市生活者は、生活がたいへんで何とかしないと不安、
情報も豊富だし、それなりに考えることもできる、
民主党はダメだ、民主党ストップのためにも
投票しなければ、ということになった。


日本未来の党の惨敗も、
日本人の見識を示したと思います。
そんな促成の党が大きな支持を受けるほど、
国民は甘くない、ということではないでしょうか。
(得票数はそれなりにありますから、
当選者数の少ないのは選挙制度のせいもありますが)

逆に言えば、日本人はやはり保守的なのだ、
ということかもしれません。


都知事選は猪瀬氏の圧勝でした。
これは、石原前知事の後継として認められた
ということ以外の何ものでもないでしょう。

石原さんの尖閣諸島購入の意向表明とか、
日本を守ろうという姿勢が評価されたのでしょう。

12月17日現在の分析はこんなところです。
またもう少し考えてみます。
ご意見ください。

12月19日追記
今朝の朝日新聞に世論調査結果が載っていました。

政権交代はよかった57%、(よくなかったは16%)
でも3分の2を超えたのはよくなかった43%(よかったは35%)
が大勢です。
常識的国民の総意はそういうことでしょうね。

自民大勝の原因は
 自民の政策を支持したはわずか7%
 民主政権に失望が81% でした。
石破さんの言われたことより極端ですね。






2012年12月9日日曜日

日本は本当に危ない!その意味分かってますか?

【本テーマの目的・ねらい】
目的:
 日本が本当に危機であることを知っていただく。
 国家の本性はどういうものであるかを再認識していただく。
 中国に対する国家戦略を確立すべきであることを
                           ご認識いただく。
 どういう人が国を導くべきかを考えていただく。

ねらい:
 国政を担う選挙にその考えを活かしていただく。
 日本を守るためにどうすべきかを
            常日頃考え行動していただく。

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渡辺洋一さんの書かれた
「若者たちよ!君たちに伝え残したいことがある」
(2012年12月9日、K&Kプレス刊)が出ました。

















私は贈呈いただいて一気に読みとおしました。
是非、ご一読をお勧めしたい名著です。
アマゾンでも購入できるそうです。

渡辺洋一さんは、遠い親せきですが、
帝人時代の大先輩であり、
帝人、サントリー、ワールドなどで役員をされた国際人です。

引退後長い年月をかけて情報収集・想を練られた
大力作です。

私より10歳年上ですから、
敗戦の時には17歳、戦死もありうるお年でした。
「若いころから祖国愛と平和を希求する思いが強かったと思います」
と書いておられます。

「現在の日本は内外の要因で国家存亡の危機にあります」
「景気、原発、TPP、消費税はもちろん大切な問題です。
しかし、いま日本人は歴史観や民族の誇りを喪い、
日本国そのものが根幹から腐敗し、
崩壊寸前にあるのです」

この危機がどこからくるものであるかを
丁寧に解説してくださっています。

「日本頑張れ!!」派の私も
知らないことがずい分ありました。

15世紀末から始まった欧米の世界侵略は、
いかに原住民に残虐・略奪の限りを尽くしたか。

その最後の砦で防戦した日本が
いかに酷い目にあったか。

でも日本が白人たちと戦ったおかげで
東南アジアはじめ世界の植民地が独立できた。
(日本人は誇りを取り戻せ!)

中国は周辺国に対してたいへんな脅威である。

その典型的例がチベットである。
(チベットへの侵略・同化対策については
詳細な記述があります)

日本も第2のチベットになる危険性がある。
中国はやりかねない、どころかすでにその計画がある。

中国の異常な軍事力の脅威はどれほどか。
中国は日本における親中派工作を進めている。
民主党政権の一部はそれに巻き込まれている。
沖縄基地の県外移転などは中国の思うつぼ。

マスコミがなぜ、中国の横暴を報道しないか。
(これは知りませんでした)

日中記者交換協定というものがあり、
「日本のマスコミが中国に報道拠点を置ける代わりに、
中国に不利な報道をしない」と取り決められている、
これに反すると中国から締め出されてしまう、
のだそうです。
とんでもない不平等協定です。
これを廃棄すべきだという渡辺さんの主張です。

偏った報道の例として、以下が示されています。

「尖閣諸島での中国漁船の暴挙に抗議して、
2010年10月2日に東京で抗議デモが行われました。
2500人を超える多数の日本国民が参加した大規模なもので、
渋谷界隈は多数の日の丸の旗がひらめきました。
ところがこのデモを取材したはずのNHKや民放・新聞各社は
これをまったく報道しませんでした」

「一方、当時、中国において数百人規模の官製デモが
日本大使館に押しかけましたが、
日本のマスコミはこれについては
大々的に報道しました。

これも不平等協定に従った日本側マスコミの
お粗末さの一例です」

中国は国内では
大々的に反日教育・半日政策をとっている。
中学校の教師用歴史指導書要綱には
「生徒には日本の帝国主義・軍国主義に対する
憎悪と憤怒を持たせるように努めよ」
と書かれています。

また中国各地には
「抗日戦争記念館」がある。

中国は、共産党一党支配が続く限り、
膨張政策を取らざるを得ない。
したがって、脅威を感じる隣国としては
共産党政権を倒す画策をすべきである。

(なるほど、そのとおりです。
いずれ一党独裁の政権は崩壊するという説もありますが
待ってはいられない、のです)

中国へのODA援助はもちろん、
技術供与や交易一切の取引をやめるべきだ、
中国からの総引きあげくらいのことをやってもよい。

自社の利益に目がくらんで国益を損なう行為をしてはならない。
交易を中止しても、その影響は短期的にはともかく
中長期的には大したことはない。
日本のGDP比で、輸出入とも2%台である。

国民は節度をわきまえ、
実力に見合った国家財政とし過剰福祉を諦めよう。
そのくらいの覚悟をしないと
日本は本当に沈没し中国の属国になるぞ!

そういう見識を持った強い政治家の
出現が待たれる。

間もなく投票日です。
考えて投票しましょう!

渡辺さんの主張のあら筋はこういうことです。
大賛成です。

急ぎましたので、
たいへん荒っぽいご紹介です。
是非原本をお読みください。

なお、
本書は来年刊行される「目覚めよ日本」のダイジェスト版のため
詳細な論拠や出典の表示はありません。

ご関心ある方は、「目覚めよ日本」をお待ちください。


2012年12月1日土曜日

なぜ原発はいけないのか?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 原子力発電の是非についての問題整理をする。
 その是非についての徹底的検討を促進する。

ねらい:
 原発の是非についての
 本格的な検討につなげたいものです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今度の衆議院選挙の争点の一つが原発です。
産経新聞かが、原発の是非について
もっと議論するべきだと書いていたようです。

国民は単純な原発反対派が多いようなので、
賛成派は避けて通ります。
反対派はまともな反論を恐れて議論を避けます。

12月2日のフジテレビに12人の政党代表者が参加して
原発の是非について意見表明していました。
時間が短いのでまともな討論にはなっていません。

原発反対、即時全面停止は共産党と社民党でした。
両党とも代替原料について検討しているようでしたが、
成案には至っていません。
それでもとにかく原発はやめろと言っていました。

それではダメでしょう。
本稿の最後に整理するように
全面的な検討をすべきです。

原発賛成派は、
原発以外の電力だと電気料金が高くなり、
産業の競争力がなくなる、ということが論拠です。

そうなれば日本経済は縮小の一途をたどり、
雇用にも重大な影響をもたらすというものです。

これに対して、原発反対派の論拠は何でしょう?
事故を起こす可能性があり危険だということでしょう。

たしかに今回事故が起きました。
しかし事故の結果、危険だということに関しては
どうでしょうか。

11月下旬,WHO(世界保健機関)は、
「がんリスク 福島原発事故の影響
明らかな増加は見えず」
(11月25日の朝日新聞の1面トップの見出し)
となっています。

福島原発事故の
直接的な被害による死者は1人もいないのです。
あれだけ、ドジな事故収拾策であったにも拘らず、です。

福島原発の事故が大事に至った経緯を
振り返ってみましょう。

 地震発生 
   ↓
 直ちに原子炉は全機核反応停止
   ↓
 津波襲来
   ↓ 
 電源喪失
   ↓
 原子炉冷温停止に至らず
   ↓
 水素が格納容器内に充満
   ↓
 水素爆発
   ↓
 放射性物質が拡散

地震発生と津波襲来は避けることができません。

しかし、電源喪失→原子炉冷温停止に至らず
については、
私も本ブログで何度も指摘しましたように、
明らかに対策不備の人災です。
【2012年7月福島原発事故の原因ー上野見解最終集約】

次いで、
水素が格納容器内に充満→水素爆発
についても、現場の対応不備での人災です。

少しの放射能漏れを恐れて
水素を原子炉建屋から放出するのをためらった
ことが原因です。

結果的に
より多くの放射性物質をまき散らす羽目になったのです。

「直下型地震が来たら危ない」と言っていますが、
どんな地震でも
原子炉は直ちに核反応停止するようになっているでしょう。

それなら、あとは冷却用の電源喪失が起きないような対策に
万全を期することです。
単純に言えば、関連施設をすべて完全防水にすればよいのです。
高い防波堤などはムダです。

そうすれば、地震に対する備えは十分でしょう。

しかし、原発の危険は地震だけではありません。
もっと怖いのは、テロによる攻撃や飛行機等の墜落による損壊です。

これは地震と違って瞬間発生ですから、
原子炉の緊急停止ができないで、
放射性物質が一気に拡散する危険性があります。

フランスでは、核シェルタのような要塞に
原発を収納しつつあります。
ここまでしても原発の発電コストは引き合うのです。

私は、本論で単純に原発賛成と言っているのではありません。

目的が危険回避であるなら、
その対策を十分検討するべきだ、ということですし、
原発を稼働させるべきかどうかは
以下のような観点から総合判断すべきものです。

決して原子力規制委員会が,
以下の1.の観点だけから稼働の可否を
決めるべきものではありません。

このことについて、一時、この委員会と政府が
責任の逃れ合いをしていましたが、
民主党政府は何たる見識の無さでしょうか。

1.原発稼働のリスク
 

 1.1事故が発生するリスク
    少し上述しました。

 1.2事故が発生した場合の被害
    予測が必要です。
    これは客観性の点ででもめるでしょうね。
    人体への影響については、
    長年月の経過観察が必要ですし。
 

    「低線量放射能は有益である」という点については
    その認識を広めるべきです。

    このブログのランキングベスト2の記事
    2012年5月14日【「低放射線量は有益である」という証明】
    をご参照ください。

    かたや、
    
    
    原発反対派または慎重派の論拠となっている原発の被害は、
    多くの住民が避難したままという状態を指しています。

    そうしているのは、現実の放射能被害があるからではなく
    (上掲のWHOの報告を思い出してください)、
    〇〇シーベルト以上は人体に被害を及ぼす危険があるという
    ICRP(国際原子力防護委員会)のガイドに従っているからです。
 

    これだけ重大は影響があることなのですから、
    世界の学者さんたちは知恵を結集して
    一本化した結論を出してほしいですね。

2.原発稼働のためのコスト
 2.1原発稼働コスト

 2.2事故が発生しないための対策コスト
    少し上述しました。

3.原発停止のリスク
 3.1他の代替エネルギのコスト
    現時点ではこれが大問題です。
    CO2問題も絡みます。
    

 3.2代替エネルギーの安定的確保
    
    LNG、天然ガス、太陽光、風力の安定的確保
    これが切れれば、電気が止まります。
    コストの問題ではすみません。

 3.3日本の産業への影響
    電力料金増による損益への影響
    日本の産業の競争力の喪失
    生産拠点の海外移転

   これはすでに、かなり現実に起きています。

 3.4原子力発電に関わる技術及び産業の喪失
    原子力発電機器事業かなりの輸出産業です。
    その製造技術は世界で1,2です。
    それを捨てますか。

 3.5日本の雇用への影響
    3.2による雇用・給与の減少

 3.6原発の地元への影響
    雇用者の減
    地元商店等の売上減

 
 
 

原発反対派は、
1.だけを過大評価して、2.や3.のことを無視しています。
「それは知らん」というのでは無責任でしょう。
 

原発反対派の意見は、
どうも原発と原爆を同一視した
本能的感情論・感覚論のように思えてなりません。

私がその証拠と思っているのは、
偏見の誹りを免れないかもしれませんが、
原発反対派は本能的危険察知能力の高い女性に多い
ということです。
キンキン声でまくしたててきます。

維新の会というか橋下さんが
だんだん原発容認派になってきたのは、
総合的に日本全体のことを考えるようになったからでしょう。

この蔡、徹底的に議論して
日本の方向性を決めてほしいですね。



「達人シリーズ」の研修が開発されました!!

【当テーマの目的・ねらい】
目的:
 システム企画研修㈱の新しい研修である「達人シリーズ」
 を知っていただきます。

ねらい:
 この研修の利用をご検討いただきます。
 講師陣への参画をご検討いただきます。 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

おかげさまで、
私の所属するシステム企画研修㈱のMIND-SA系研修は、
来年で満30年を迎えます。

これまで、
250社、2万人以上の受講者様に支援いただきました当研修は、
コンピテンシー系の基礎能力を養成する研修という位置づけで
ご評価いただいててまいりました。

ところが昨今は、
即効性ある能力強化が重視されるようになり、
当研修は一部の根強い支援者のおられるお客様に
限定される状態となっております。

そこで30年を期に、弊社のMIND-SA系研修も
即効性ある能力強化の研修に衣替えすべきであると判断いたしました。

なお、保守業務の改善に関わる研修等は
今回の研修体系刷新の対象外です。

新しい研修体系は、
個々の研修の「目的・ねらい」を明確にしております。

その目的・ねらいは、上流のシステム要員の皆様が
その領域の達人を目指す、ということです。

「その領域」は以下のものです。
すべて、その領域の達人を目指す価値目標訓練です。

■提案の達人を目指す価値目標訓練
■ヒアリングの達人
■プレゼンの達人
■交渉の達人
■営業の達人
■文章作成の達人
■コミュニケーションの達人
■ファシリテーションの達人
■保守の達人
■リスクマネジメントの達人
■問題解決の達人
■プロジェクト思考の達人
■システム企画の達人
■本物のITストラテジスト
■本物のビジネスアーキテクト



「価値目標訓練」というのは、
それぞれの研修に当社の得意とする
価値目標思考(「目的・ねらいの重視」)の筋を通しているからです。
この点が他社の研修との大きな差異化となっています。 

この研修は原則として2日間ですが、
2日間で達人は完成しませんので
2日間以外で目指すべき目標を
「達人の10か条」として示します。
 
研修は、これまでの長い歴史で磨き抜いた
演習中心で実施いたします。
 
担当講師は、以下のようにその道の第1人者です。
 


講師名
(五十音順)
略歴
伊阪哲雄
自由学園最高学部卒業、外資系コンピュータ会社、ソフトウェア・パッケージ販売会社設立・売却、主にデータ管理関係を中心とするICTコンサルティング業務を実施
板橋清己
1977年~2006NEC関連会社でシステム営業22年人材開発8年勤務
NPO法人日本交渉協会認定交渉アナリスト1級
上野則男
東京大学経済学部卒業,帝人・日本能率協会等を経てシステム企画研修㈱代表取締役。
本職は業務改善コンサルタント
大島道夫
情報技術開発㈱、ISO9001(品質)審査員、ISO27001(情報セキュリティ)審査員等を 経て、自立型ビジネスパーソン育成のために『「仕事品質」改善教室』を起業
上條至朗
日産自動車勤務(1975-2005)コンチネンタルオートモーティブ社勤務(2005-2009)2011年より㈱ロゴのテクニカル・エキスパート(部品原価低減・利益改善)。
北原辰義
京都大学経済学部卒業 鉄鋼会社・コンサル会社等を経て、システム企画研修㈱パートナー システムコンサルタント 著書:『「考える」を考える』
国広健司
八幡製鉄㈱、東京電機大学、クラリオン㈱にて多種多様な業務で、業務革新を推進。MIND-SAコンサルタント暦25年間で、110社以上、約5,000人にサービス提供。
清水 茂
19732010年ソニー㈱)勤務、在職中は主に放送用~医療用映像機器の開発・設計に従事、2011年~㈱ロゴ製品開発担当。
新藤一豊
日揮および日揮情報システムにおいてプラント建設分野と、製造業や建設業向けのSI分野とで、多様なプロジェクトを経験。EPMイノベーション名で活動中。
日野原恭仁
システム開発標準のコンサルを契機にMIND-SA開発に関わる。以後、MIND-SAシステム分析技術のインストラクタとコンサルティングを業務とする。
平井嘉人
日本IBM、オラクルでコンサルタント及びプロジェクトマネジャを担当。ERP導入経験多数あり、
要件定義プロセスを得意分野とする。現在京都府参与として府庁の組織力向上に従事。
古岡 孝
日本IBMを経て、学習研究社入社(システム技術部長、取締役技術本部長、常務取締役)、システム企画研修・役員、コンサルティングファームAブレインマネージングディレクター
堀井秀治
東京大学工学部卒。造船会社・生産技術部長、自動制御会社・社長。システム外資企業・代表役員。システム企画研修・役員。営業研修、ビジネスアーキテクトコンサル
八木橋英男
東京大学理学部卒。興銀システム開発(現みずほ情報総研)技術部長、日本証券テクノロジーPMO部長、人事部担当部長を歴任。研修コンサル・講師を業務とする。
 
 
 講師陣一同です。 1人だけ欠席です。


研修の具体的内容については、お問い合わせください。

2012年11月30日金曜日

寒いですか?冷たいですか?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
   サムイとツメタイの違いについて考えていただく。
 日本語の繊細さについて考えていただく。
 日本人と欧米人?の平熱が違うことを知っていただく。

ねらい:
 どうということありません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ずい分寒くなりましたね。
風邪をひいている人も多くなってきました。
皆様は大丈夫ですか?

私は、ほぼ毎朝出勤前に2歳の孫娘と散歩をします。
2,3日前に2人で出かけようとして玄関の扉を開けると
孫が「ツメタイ!」と言いました。

一瞬何と言ったのか分かりませんでした。
でもその顔とそぶりを見て「寒い」という意味だと分かりました。
孫には「冷たい」と「寒い」の区別がつかないのです。
「冷たい」を先に覚えたのでしょう。

どちらも温度が低いということです。
「冷たい!」というのも理屈に合っています。

そういえば、と気が付いたことがあります。
英語ではどちらもColdで区別がありません。
日本語・日本人は繊細だな、と思いました。

欧米人には冷たいと寒いの日本語の使い分けは
なかなか覚えられないかもしれません。
皆様!冷たいの定義をすぐに言えますか?

寒い・冷たいの反対語「あつい」は、
暑いと熱いで漢字が分かれています。
英語ではHotの一本です。
少しだけ日本語が繊細ですね。

日本語の起源として、
どのようにして、寒いと冷たいができたのか
興味があります。
どなたかご存じないでしょうか。

そんなことを考えていたら、
昨日のテレビで、欧米人が今でも半そでで平気だ、
というテーマを探求していました。

日本人の平熱は36度5分が普通ですが、
彼らは37度2、3分で7分くらい高いのです。
初耳でした。

どこかの学者が
「彼らは脂肪の多い食べ物を食べているからだろう」
というようなことを言っていました。

かく言う私も、まだ半そでで朝のジョギングをしています。
「寒くないのですか?」
と犬の散歩のおじさん・おばさんに言われるので、
意地で続けているようなもので、
決して快適ではありません。

テレビの欧米人は半そでで「快適だ」と言っていましたから
負けますね。

一緒にテレビを見ていた家内が、何思ったか、
「こんな人たちと戦って勝てるわけない」と言っていました。

2012年11月28日水曜日

保守業務の改革は「業務革新の成功要因」に学びましょうか?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 1.現在放置されているソフトウェア保守業務の改革には、
   「業務革新の成功要因」を実現する必要があることを
   認識していただく。
 2.業務革新の成功要因は何であるかを概括していただく。
 3.業務革新の成功要因を研究する気になっていただく。

ねらい:
 ・業務革新の成功要因をあらためて研究していただく。
 ・ソフトウェア保守業務の改革に真剣に取り組んでいただく。
---------------------------------------------------------
現在、多くの企業で求められている
保守業務の改革は、一筋縄ではいかない業務改革です。
であれば、あらためて業務改革の成功要因を
研究してみましょう。

業務改革の方法の解説書として、
「システムアナリストのための業務革新ガイドブック」
(上野則男他著、1994年刊)を用います。

本書は、当時日本のバブル崩壊後の不況に際し、
アメリカから輸入された
「リエンジニアリング」ブームを受けて、
日本的な業務革新を探求するべく、
「MIND-SA実践研究会」が編集して出版したものです。














以下に、その一部の項目だけの抜粋を掲載いたします。
出版から20年近く経過していますが、
その本質論の有効性は、現在もまったく同じだと思えます。

保守業務の生産性改善または強化を目指す方は、
是非当書をご一読ください。
Amazonで中古品が入手できます。

「システムアナリストのための業務革新ガイドブック」
第3章 業務革新の成功要因
業務革新を成功させるには、以下の条件が必要、と説いています。

1.トップの強いリーダシップ
その内容は以下のとおりです。
 
  1)業務革新の実施を決意すること
  2)その決意を最後まで守り抜くこと
  3)業務革新実施の見通しを確信すること
  4)業務革新の必要性を従業員に訴えること
  5)業務革新実施の体制を作ること
  6)業務革新実施の進捗を把握し、促進を図ること
  7)業務革新実現の障害を除去すること
  8)業務革新実現の成果を社員・関係者に還元すること


2.ミドルマネージャの積極的参画
その内容は以下のとおりです。

(1)抜本的改革のとき
   1)プロジェクトメンバの提供とその穴埋め
   2)プロジェクト案の具体化への協力
       ポジティブ思考で取り組む。
   3)抜本的改革実現、新方式定着への努力
       ポジティブ思考で取り組む。
     移行時は非常時体制で臨む。
(2)現状体制内での改革のとき
   1)改革方向検討への協力・参画
     ミドルマネージャ自体が検討に参画する。
   2)改革の実施促進
     叱咤激励を行う。
     進度状況を把握する。
     対策指示を具体的に行う。


3. 強いプロジェクトチーム
その条件は以下のとおりです。

  1)革新をこの人たちに任せて大丈夫だ
   という安心感を与えなければならない。
   2)革新の青写真を描く知恵と実行力が
    なければならない。
   3)革新を実現する力がなければならない
     (説得力、判断力、実行力、タフな精神力)


4.明確な革新目的の設定
その必要性は以下のとおりです。

   1)革新を始めるにあたり、革新の目指すゴールを示す。
   2)革新の途中で目指すべきゴールを示す。
   3)進捗管理に用いる。
   4)最終結果を評価する物差しに用いる。


5.有効な基本アイデアの導出
その必要性は以下のとおりです。

  
   1)大きな革新目的は大きな
     手段の裏付けがなければ実現できない。
   2)大きな革新の手段は
      分析的アプローチで検討を進めていけば見つかる
      というものではない。
      見通しなしに大きな目標を掲げることはできない。


6.情報技術の活用
 「いつでも」「どこでも」「誰でも」「何でも」
 「何の目的でも」「どんな方法でも」をヒントに検討する。


7.(業務革新推進に対する)方法論・支援ツールの活用
その必要性は以下のとおりです。

   1)業務革新は
     達成すべき納期・品質などに対する要求条件が
     極めて厳しい。
   2)したがって、
    いたずらに試行錯誤をすることは特に許されない。
      そのために明確かつ効率的な検討・開発を進める道具立てが、
      方法論・支援ツールである。


この成功要因は、改善の程度によってその必要性が異なります。
改善の程度を以下のように定義します。












改善の程度と前掲の「業務革新の成功要因」の必要性の関係は、
以下のとおりであると思われます。

2012年11月27日火曜日

「ドジョウ」は頑張ったですね!!

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 
 野田総理に「ご苦労様」を言ってあげる。
 2代の民主党政権がひどすぎたうっぷんを晴らす。

ねらい:
 白紙です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 

野田総理はましでしたね。
前の2代の総理とは比較になりません。

「天才バガボン」はとうとう引退しました。
彼は、日本を国際社会で大恥をかか
日本の評価を著しく毀損しました。
本人にその自覚がないのが一番困ります。
それが無能力者の顕著な兆候ですからね。

2番目の「世間知らず」も
これが日本の代表では恥ずかしい、という方でした。
引退の時期を見誤って連綿として
後世に悪名を残してしまいました。

それに比較して
「ドジョウ」さんはまともでした。

自民党にも気を持たせて、
よい幕引きの場を作りました。

解散を宣言した16日の前の週に
前原政調会長がテレビ番組で
「野田さんは誠実な方で、
近いうちと言ったので、年を越すことはない」
と言っておられました。

「信用があるのだな、でもどうだろう??」
と半信半疑でした。

そうしたら、ご承知の結果となりました。

野田総理としては、非常に良いタイミングでしたね。
第3極の狼狽ぶりはみっともないくらいです。
民主党にとって有利に働いています。

自分の発言に責任を持ち、
前言を翻さないということは
責任ある人間としての最低条件ですが、
その責任を果たしました。

民主党の世論評価も少し持ち直しました。
国民はよく見ていますね。

しかし、この3年弱の民主党政治は
悪すぎましたので、
自民党に勝つことは難しいでしょうね。

さあ、選挙はどうなるのでしょう。


2012年11月24日土曜日

皇居一周ジョギング初参加ならず!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 
 目的を考えて行動せよという反省を知っていただく。
 イベントの幹事は電話連絡先を必ず伝えるべきことを
 再確認していただく。

ねらい
 来年の東京マラソンの結果を楽しみにしていただく??

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私は、ジョギング歴50年です。
始まりは、芦屋の独身寮にいた時に、
寮の周辺の坂道5キロを走っていました。

その時の目的は、
独身寮主催の「松籟荘ロードレース」で優勝することでした。
そのロードレースは
12月の「半ドン」の土曜日午後に行われ、
終わった後は、ダンスパーティが開催されました。

そのレースは部対抗で行われ
大阪地区の社員男女の多くが参加しました。
とても楽しいイベントでした。

私はその寮に数年「滞在」しましたが、
優勝できたのは1回だけでした。

その後、東京に本拠を移して世田谷の実家にいた時は
走りはお休みしていました。

結婚して、品川区に住むようになってから再開しました。
昔は3キロの距離をタイムを計って必死に走っていましたが、
今は
少し短い距離を原則として毎日、ゆっくり走るようになりました。

東京マラソンが始まったときに、
一度参加してみたいと思い申込みを始めました。
なかなか抽選に当らなかったのですが、
来年の大会に初参加できることになりました。

完走はとても無理なので、
10キロまでは走ろうと思っています。

そうこうしていましたら、
私も参加しているJISTA(日本システムストラテジスト協会)の
有志が、皇居一周のイベントをやろうという企画を立てました。

市民ランナーの練習場として名高い皇居一周も
一度経験してみたいと思っていましたので、
早速参加申込みをしました。

ところが当日の11月17日、
その日に限り、大荒れの天気となってしまいました。

私の毎日のジョギングは、
雨であろうが雪であろうが
台風でものが飛んできて危険という場合以外は決行しています。

中止の理由があると、
頻繁に休むことになるからです。

そこで、集合場所の「バン・ドゥ―シュ」という銭湯の前に行きました。
誰もいませんでしたし、その後15分間誰も来ませんでした。

















「何たることか」と思い帰ろうと思いましたが、
皇居ランナーがよく利用する銭湯とはどんなところか、
せめてその見学をして帰ることにしました。

狭い、普通の銭湯でした。
湯船は4-5人どまり、洗い場は12でした。
よくあるタイルの壁の壁画もありませんでした。









テレビが1台あるだけで、
飲み物の自販機もありませんでした。



単純に地の利で継続jしている銭湯だということが分かりました。

そこに気になる張り紙がありました。

「入浴は走った後にしてください」というものです。
なんでこんなこと言うのか、いつ入ろうと勝手ではないかと思い、
番台のおばさんに聞いてみました。

そうしたら、「前後2回入る人がいるので」という答えです。
2回入ったらいいではないか、
450円×2=900円もらえるのだから、と思いましたら、
払わないで入る人がいる、というのです。

合点がいきません。
番台に人がいるのですから、それはできないでしょう、
と質問するともぐもぐ言っていました。
よく分かりません。
おばさんがよく居眠りをするんですかね?

筋違いの張り紙だと思いました。

「入るたびに入浴料をいただきます。」
と目的をはっきりして書いた方がいいでしょうに。

ところで、この日のイベントの中止は、
帰宅して確認してみるとメールで連絡がきていました。

メールはPCのあるところでしか見れません。
この時のような非常時に備えて幹事は電話連絡先も
伝えるべきだと思いました。

今後どんなイベントでもそうすべきですね。

ところで、この日の中止について
考えてみました。

私の毎朝のジョギングの目的は、
精神を含めた健康法です。
ですから、風雨は関係ありません。

それに対して今回のイベントの目的は
「楽しもう」ということだったのです。
風雨では楽しめません。
中止は当然でしょうね。

中止しないと思ったのは
その目的に思い至らなかった私の思いこみでした。
反省です。


朝日新聞の体質を認識しましょう!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
朝日新聞社の基本スタンスに疑問を呈します。
マスコミの安易なスタンスに疑問を強化していただきます。

ねらい:
大マスコミの報道等に疑問を持って臨んでいただきます。
特に、原発に関する報道を
安易に受け入れないようにしていただきます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

週刊朝日が、ご承知のように
とんでもないことをしでかしました。

橋下大阪市長のことを「ハシシタ」と呼んで、
親・先祖のことをあげつらった記事を載せました。

ハシシタは、
「橋の下から拾ってきた子ども」
といういじめ言葉を連想させるもので、
これだけでも、
その記事のスタンスの低俗性が窺われるものです。

名もない週刊誌ならともかく、
週刊朝日がこれをしたのです。

橋下弁護士は直ちに強硬なクレームをしました。
ご承知のように、結果は橋下弁護士の圧勝でした。
当然でしょうね。

この記事の掲載に当っては、
内部でも疑問を呈する人がいたようですが、
編集長が押し切ったのです。

マスコミは、おおむね大衆迎合主義です。
新聞や週刊誌を買っていただかなければならないのですから。
日本のために苦言を呈するスタンスの大手マスコミは
多くありません。

大衆の中でも、
ご承知のように朝日新聞はインテリまたは左翼寄りの人たちを
主対象にしています。

その人たちの基本スタンスは、
現体制に対する批判です。
「それがインテリだ、知識人だ」とでも言わんばかりです。

したがって、橋下さんが登場してくると、
「インテリ」の人たちは
「何だい、その人は」ということになります。
そこで、その思いに応えるべく今回の記事を考えたのでしょう。

今回は、安易な現体制批判主義が少し行きすぎたのであって、
下地は朝日新聞の基本スタンスにあるのです。

朝日新聞社は、
「週刊朝日は独立の別組織なので本社に責任はない」
と橋下さんに反論していました。
子どもの不祥事は親に責任がない、ということです。

しかし、結果から見ると子どもは未成年だったのです。
親に監督責任があることになりました。

インテリ派の朝日新聞なのですから、
もう少し地に足のついた報道姿勢を取っていただきたいものです。

現体制批判と言ったって、
「何でも反対」は左翼系の政党と同じで
責任ある立場とは言えません。




ノーベル賞の夢

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 血液型と思考特性の関係に関心を持ってくださる。
 これに関する上野仮説に関心を持っていただく。
 この仮説の検証に力を貸そうと思ってくださる。

ねらい:
 この仮説の検証に自ら力を貸してくださる。
 この仮説の検証に力を貸してくださりそうな方を探してくださる。

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以下の文章は、
私が大学の同窓会誌「経友」に寄稿したものの再掲です。

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本稿は、1994年6月の経友誌寄稿
「血液型因子による大脳作動特性(上野仮説)について」の続編です。

ここのところ、ノーベル賞受賞者の人気が高いようです。
特に、最新受賞の山中伸弥先生、
最近、日経新聞の「私の履歴書」を掲載された根岸英一先生がそうです。

私は十数年前、青山に会社があったとき、
近くの焼肉レストランの女将に
「ノーベル先生」と冷やかし半分で言われていたことがあります。

それは、酔った勢いで
「ノーベル賞をとるんだ」などと法螺を吹いていたからです。
テーマは「血液型と気質の関係」です。

しかし、ノーベル賞の受賞条件は、
ノーベルの遺言で
物理学、化学、医学生理学、文学、平和、(経済学)の6分野で、
前年に人類のために最大たる貢献をした人々に分配されるものとする
となっていて、
私の研究は何学になるのだろう?
人類に貢献するのか?となるとあいまいだ、
などと思わざるをえません。

因みにご承知でしょうが、我が経済学は、
ノーベルの死後に追加されたものです。

   これもご承知でしょうが、
   この賞は生きている人に与えられますので、  
   ノーベル賞級の発明・発見者でも、
   亡くなったために受賞され損なった方も多いのです。
 
   その一人が、
   大学空手部で私の5年後輩の戸塚洋二氏です。
  小柴昌俊博士が
  宇宙ニュートリノの検出で2002年に受賞しておられますが、
  戸塚さんはその発見の裏方で実際は彼の功績だという人もいました。
 
 
 
 
 その後、ニュートリノに質量があることを発見し、
 今度は受賞間違いなしと言われながら
 2008年に亡くなりましたので、受賞はなりませんでした。
 
 本人はあっけらかんとして旅立ってしまいましたが、
 周りの人間は大変悔しがりました。

  
 
 私がノーベル賞級の発見者と思っている方に、
 角田忠信先生がおられます。     
 「角田先生にノーベル賞を取っていただく会」
 を作って活動しようと企画したこともあったくらいです。
 
 先生の代表的な著作は「日本人の脳」(大修館書店刊)ですが、
 「日本人は虫の音(ね)を左脳の言語脳で(意味を理解しようとして)聞く、
 ポリネシア人を除く日本人以外は右脳で(雑音として)聞く」
 「人間の脳には年輪機能があり、
 ある方法で検査するとその人の年齢を知ることができる」
 「その年輪機能が乱れる時があり、
それによって地震の直前予知が可能である」
 など、極めてユニークな発見をしておられます。
 
   しかし多くの学者はそんなことがあるわけないと、
  実験方法の不備を指摘したりして足を引っ張っています。
  学者は保守的、保身第1の人が多いようです。

 角田先生は、残念ながらノーベル賞候補になっていないのでしょうが、
 いずれ角田説は認められる時がくるでしょうと思います。

  私の「ノーベル賞級」の研究は、
 ABO式血液型と気質(性格の基)の関係の根拠に関するものです。


  ABO式血液型と気質の関係については、
  能見正比古先生が実証的研究で立証しておられます。
  直接的に血液型と気質の関係を立証されたのではなく、
  血液型と職業の関係に統計的に有意な関係があるという立証をされたのです。
 
  たとえば相撲界の横綱大関と血液型の関係です。
その関係は偶然ではなく、
何らかの要因があるということを統計検定されています。

それでも、その関係の存在を認めたくない人は、
「それはたまたまだ」と科学を否定する発言をするのです。

  反対論者の根拠の一つは、
  「なぜそういうことが起きるか立証されていないから」
  というものです。
 
  この反論は「では、ニュートンが引力を証明するまでは、
  リンゴは木から落ちなかったのですか」という再反論で幕です。
 
  ある偉い科学者が、
  「(超常現象に対して)
  そういうことがあるかもしれないと考えるのが、
  真の科学的態度である」と言っておられました。
 
 

  反対論者の根拠の2番目は、「欧米ではそんなことを研究している人はいない。
  そんなことで騒ぐのは日本だけだ」というものです。
  欧米至上主義で噴飯ものです。
 
  欧米でこの研究が行われていないのは、
  ヒトラーが「A型は優秀で他はダメだ」と差別をしたからです。
  A型以外は、
  その狂人からユダヤ人のような迫害を受ける可能性があったのです。
  そのことがあって、
  血液型を聞くことや研究することはタブーになっただけのことです。
 
   

日本で血液型性格論が根強いのは、
能見先生の興味深い著作の貢献です。
ですが、それだけではなく、その根拠は証明されていなくても、
血液型と性格には何らかの関係がありそうだ、
ということが、その信奉者に認められているからです。
 
私の妹は、「初対面の人と5分話していると、
その人の血液型をほとんど当てることができる」と言っています。
因みに、彼女はB型です。

 
私自身もこういう研究をしました。
 
20年ほど前に、
その頃はまだ「個人情報」とかがうるさくありませんでしたので、
合宿研修の際に、受講生の血液型を聞き、
そのデータを蓄積しました。
 
2千人くらいのデータで、日本人の平均的血液型構成比と
受講生(ほとんどSEです)の血液型構成比の統計検証をしました。
 
その結果、両者の構成比の差は有意である、と出ました。

受講生のB型構成比が高いのが有意である、というものです。
私は、受講生が職業を選択した頃のシステム業界は新しく、
好奇心・探究心旺盛なB型の人が
好んでシステムの世界を選択したのだろうと解釈しました。

 

 私は以下の推論により、
ABO血液型の差による思考特性差が存在すると判断しています。
 
ただし、
個人の性格は血液型だけで決まるものではないことは
明言しておきます。
 
このあたりのことに興味がある方は、
上野則男のホームページ「血液型による思考特性差の原因解明」
をご参照ください。

 

この推論が正しいことを証明するには、
以下の第3項と第5項の医学的・化学的検証・確認が必要です。

1.ABO血液型を特徴づけているのは、
  赤血球表面の血液型抗原である。その正体は糖鎖である。
   糖鎖の差がABO血液型を生じさせている。
  (既知の事実)

2.赤血球表面は弱いマイナス電荷なので、
  通常は、赤血球同士は反発して独立している。
しかし、ある血漿条件下では、

  糖鎖が赤血球表面で何らかの変化(赤血球膜に潜るなど)をして、
  円板状の赤血球同士がつながる連銭という状態になる。
  (確認済みの事実)

3.ABO血液型の差によって連銭の形成力は異なる。
  ある条件下で血液型差による連銭形成の差が発生することは、
  愛媛大学生理学教室前田信治教授(当時)の実験で確認済み
  (1986年発表の論文)。

4.連銭は電荷を持っているので、連銭の移動は電流であり、
  フレミングの法則によって周囲に磁力を与える。
  (確認されている事実に基づく推定)

5.この磁力は、脳神経細胞(ニューロン)を流れている微弱な神経
  (=情報)伝達電流に対して、
  これもフレミングの法則によって力を与え、
  神経(情報)伝達電流が軸索分岐点を通過する際に
  既存ルートから方向転換する影響を与える。
  (上野仮説)

6.連銭形成力がABO血液型によって異なっているということは、
  ABO血液型によって
  神経(情報)伝達電流の方向転換の大きさに差がある、
  ということになる。
  (5.の結果の推論)

7.神経(情報)伝達の方向転換の大きさは、
  思考の連続性・飛躍性となって表れる。
  (推定)

8.すなわち、ABO血液型の差によって、思考特性に差がある、
  ということになる。

 

今のところ、科学的に証明されているのは、
血液型によって連銭形成力に差があるということだけで、
「何型の場合にこう」ということが
明確になっているわけではありません。

そこから先の推論はこうなります。

B型因子の働く赤血球は連銭ができやすく、
思考の方向転換が起きやすい。

A型因子の働く赤血球は連銭ができにくく、
思考の方向転換が起きにくい。

O型因子の働く赤血球は連銭が最もできにくく、
思考の連続性が維持される。
 しかし、
 O型因子の働く赤血球は何らかの状況下で強い連銭が発生し、
思考が大きく転換する。

ここで「B型因子の働く」という意味は、
たとえばAB型の人の赤血球膜には
A型因子とB型因子が存在していて、
その中のB型因子が働いている時という意味です。
一時をとってみるとどちらかの因子しか働かない、
というのは上野仮説です。

その結果,

A型因子にコントロールされている大脳の働きは
連続思考となる。

B型因子にコントロールされている大脳の働きは
飛躍思考となる。

O型因子にコントロールされている大脳の働きは
集中思考となる。

 因みに,AO型,BO型,AB型の人は、
 状況によって二つに因子のコントロールの切り替えが発生します。

一般に言われている血液型の性格特性は、
本稿ではご紹介を省略しますが、
ほとんどすべてこの「連続思考」「飛躍思考」「集中思考」
で説明できます。

残念ながら私は、理工系の人間ではないので、
前掲の立証のための実験を行うことができません。

前述の前田先生の論文を見つけた時は、
頭に血が上りました。
ですが前田先生にご連絡すると、すでに引退されていて
「実験設備もなく私の期待する実験を行うことは不可能だ」
というお答えでした。
「お先真っ暗」に逆戻りでした。

先生の現役中であれば直ちに私の期待する実験ができたでしょう。

そこで私は機会あるごとに
この実験をしてくださりそうな方を求めているのですが、
今のところ空振り続きです。

「ノーベル賞」の夢を諦めかけている今日この頃です。