2012年12月26日水曜日

津曲公二さんの「坂の上の雲」名言集は素晴らしい!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「坂の上の雲」から何を学べるかを再確認していただく。
 「坂の上の雲」の別の楽しみ方を知っていただく。
 過去の偉人の言動から今あらためて学ぶべきであることを
  確認していただく。

ねらい:
 
 「人生に役立つ 『坂の上の雲』名言集」を読んでいただく。
 現在の日本の危機を何とかする方策を考えていただく。

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だいぶ前に津曲さんから、あるご縁でいただいた
「人生に役立つ 『坂の上の雲』名言集」
(津曲公二、酒井昌昭著)をようやく読みました。





二つの意味で非常に感心しました。

一つめは、
幕末から日露戦争あたりまで日本の先達には
素晴らしい人たちがたくさんおられたということを
今更ながら再認識したこと。
歴史嫌いの私の不勉強を強く認識しました。

二つめは、
津曲さんたちの司馬遼太郎の「坂の上の雲」からの
教訓の導き方です。
ほんとうに今の日本にぴったりの教訓が満載です。

例えば、こういう感じです。

常識のウソ
以下は著者の文章です。
この部分だけでも当書を読む価値があると思いました。
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常識とは、単なる一つの見解くらいに考えた方がよい。
多くの人が知ってはいるが、
自然界の摂理や法則とはまったく違うものである。
常識を鵜呑みにするのは危ない。

「大国ロシアと戦争をしたら小国日本は勝てない」
というのが当時の常識だったが、
これを避けて通れない日本は常識を鵜呑みにしなかった。
「意思あるところに道あり」
日本は勝てないまでも負けないためのさまざまな算段をして
常識を覆した。

それから100年以上経った現在、
日本は少子高齢化で衰退するという「常識」がはびこっている。
少子高齢化自体は事実だろうが、
果たして衰退はどうか?
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「常識のウソ」の例示はこういうものです。

日露戦争で、203高地や旅順要塞を陥落させた
重砲陣地の移動を実現した児玉源太郎満州軍総参謀長の判断。
それを据え付けるには
1個のビルを作るほどの基礎工事を必要とすることを命じています。

常識は「そんな無茶なことできない」でしょう。
「それはできません」という現場の声を聞いていたら実現しません。
児玉はその声が出ることを知っていてあえて命じているのです。
できるかできないかではない、必要なのだから実現しなさい、
ということなのです。

児玉さんはこう言っているらしいです。
「(専門家は専門バカ)専門家のいうことをきいて
戦術の基礎をたてれば、とんでもないことになりがちだ」

 
原発事故の時に、「専門家」がたくさんテレビに登場しました。
原子炉の専門家に、
放射性物質の拡散や放射性物質の健康被害のことなどを
質問していました。
答えられるわけがないでしょう!

テレビのキャスタ-たちは、
専門家なら何でも知っていると思っているようでした。

暮も迫ってきましたので、
残念ながらあまり多くをご紹介できません。

以下に津曲さんたちが挙げられた教訓の言葉だけを
列記します。
私も改めてまたゆっくり読んでみようと思います。

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常識を覆すのは素人
(軍事戦略の世界では素人も玄人もない)
教科書や論文にこだわるな

主体性を持てば自分のものにできる
ハラをくくれば事は進む (ほんとうにそうです)
ちょうどよい目標を見つけて与える
さばく技術とこなす技術がある

具体的な成功イメージを描く
人がやらないところを開拓する (そうですね)
全体感が上司を動かす
画期的商品は発想の転換から
開拓者の努力が現場を支えた
明文・美文に大きな意味があった(「天気晴朗なれど浪高し」)

ひらけた国家のありがたさ
スーパーマンを使える人になる
整理と整頓を区別する
現場では臨機応変の処置もとれる人 (が大事)
小差は大差
陥りやすい錯覚
上手に見切ることは千両に値する
現場でできることから始める

目的と手段を混同しない
わかってみれば実はかんたんなことだ
経験は積み、固定概念は捨てる
内輪を巻き込むには先ず目標を共有する
白紙の状態から考える大切さ
(この塊りは「ほんとうの目的にせまる」という章で
私の年来の主張の根幹思想です)

次に起こすアクションを見える化する
徳のある人材こそが発展の必要資源
人心をまとめるには信賞必罰は重要
WHATが先,HOWは後
失敗を味方にして成功への足がかりに
自ら判断し行動できるリーダー

相手の魂胆を知って作戦に乗ることも必要
「そのとき義経すこしも騒がず」
天の運と人間の力で開く運
外国人から見ても圧倒的な人格 (乃木希典)
ポジティブな情動が混乱を救う
自分なりの原理原則をうちたてる
不要不急のものは大胆に切り捨てる
自ら使命を課して自ら行動する

思いがあれば行動に移せる
指示されたとおりに動けばよいか?
現場に行けば真実がわかる
ワンマン体制を突破するには
日ごろの訓練・鍛錬で捨て身がいきる
精神基盤の共有でルールに血が通う
自国の良き伝統を知る。
礼の気持ちは万国共通

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こういう教訓は、ほとんどが「あたりまえ」というものですが、
過去の日本を支えてくれた偉人の事例で示されると
「そうか!」と納得のいくものです。

そこから行動までは、まだ間(あいだ)があって、
それを埋めるのが「何かの力」です。
「何か」にはいろいろあります。
他人だったり、自分の厳しい経験だったりでしょう。

最後に考え始めてみました。
当然ながらまだ答えは出つくしません。

これまで2度の危機を乗り越えた日本が
なぜ、
現在の国家存亡のこの危機を認識しないのでしょうか。

1.ゆでガエル状態である
  過去の2回の危機(黒船襲来と敗戦)は
  急激な変化でした。誰しも認識できることです。
  ところが、今の危機は徐々の変化です。
  危機が直接見えません。
  実感できない人が多いのです。

2.分権が不十分である
  みな自分のことなら必死で考えるでしょう?
  失業とか病気とか。
  家族のことも、ふつうは考えます。
  近所の環境のことは?考えますね。

  ところがだんだんその範囲を広げて国のこととなると
  何とかしてくれるだろう、自分が何か言っても通らないし、
  と考えてしまいます。

  その点からすると、
  日本を一つの行政で動かそうというのは無理がありそうです。
  橋下さんたちの言われる地方分権が必要でしょう。
  道州制のさらに下への分権も重要だと思われます。

  明治維新で強かったのは、
  それまでの幕藩体制が基本的には地方分権で
  地域ごとに真剣に考える人が育っていたからだ、
  ということを今回の勉強でさとりました。

  地方は国で必要とする人材の養成機関でもあるのです。

3.教育
  戦後の教育は考えさせる教育をしていない!
  これはかなり指摘されていることです。

  戦後の一時、日本古来のものはすべて捨てさせられて
  昔話、お伽話もすたれました。
  これらは貴重なケーススタディで、
  そこから基本的な人生訓を学ばせています。

  さらにその際に「どうしてそれがダメなのか」
  も考えさせるようになっています。
  最近孫娘の相手をしていて、
  そのことが分かるようになりました。

  男の子が夢中になるゲームはどうですか?
  ゆっくり考える力を失わせているのではないでしょうか。

  日本が世界に誇る「寺小屋」式の教育では、
  読み書きそろばんだけでなく、
  考える教育もしていたのでしょうか。

  とにかく、物事を考えなければ、
  危機は感じないでしょう。
  原発は何が悪いのか、なぜ必要なのか
  物価が下がるデフレはなぜ悪いのか
  なぜ中国は怖いのか

 
さいごに
津曲さんも述べていますが、
高齢化社会はピンチではなくチャンスです。
高齢化社会のモデルを作る知恵はないのでしょうか?
それができれば世界にそのモデルを提供できます。

少しずつでも考えて行きたいものですね。

1 件のコメント:

  1. コメントもすばらしく、考えさせられました。
    危機が徐々に押し寄せてきているために、ゆでガエル状態、とはご指摘のとおりで、同感です。

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