2017年3月31日金曜日

ガン治療はどこまで進んでいるのか。オプジーボの驚異!


【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 がん治療の最先端の状況を知っていただきます。

ねらい:
 がんの治療法に関心のある方は是非本書をご覧ください。
 
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本稿は、日本経済新聞社編の「免疫革命 がんが消える日」
のご紹介です。



野薬品工業のオプジーボなどの新しいがん治療法が
注目を集めています。

一般にはその効果よりも、
1千万円単位の薬代の高さが注目を集めています。

しかし、これらの薬が効いた実例は驚異的で
がん患者さんの垂涎の的となっているのです。

多数の驚異的成功例や成功率を上げるための改善の取組み
が紹介されています。

新しい免疫療法の仕組み
















他の療法との組み合わせが有効















本書は、
「がんは不治の病ではなくなる。遅くても10年以内に」
という、オプジーボの開発者の一人である
2013年文化勲章受章者本庶佑博士の言葉で締めくくられています。
 
是非この療法の詳細原理が解明され
人類の期待に応えられるようになって欲しいと思います。

すなわち、「命も金で買える」状態ではなくなって欲しいのです。

参考までに、
当書の内容からがんの治療法を整理すると
このようになります。


がんの治療法の比較
  治療法
  方式
  問題点
  副作用
 外科手術
 がんの部位を切除する
切除できない臓器もある。

転移が始まっていると全面切除は困難
 
副作用ではないが再発のリスクがある。
放射線治療
放射線をがん細胞に照射してがん細胞を死滅させる。
がん細胞だけに照射することが困難。

がん細胞が広がってしまっている場合、使用困難。
正常細胞も殺してしまう。
抗がん剤
免疫細胞のがんに対する攻撃力を強める
個人特性・がんの種類により効果のある抗がん剤の選択が試行錯誤
吐き気・食欲不振で体力消耗。抵抗力低下。脱毛。
分子標的薬

(イレッサ)
がんの増殖に関する分子を狙い撃ちしてがんの増殖を止める。
研究停滞。

 
初期の免疫療法

 
丸山ワクチンなどワクチン方式

ハーセプチン、アバスチンなど抗体薬

インターフェロンなどサイトカイン療法
効果が限定的、
再現性がない、

 

 
免疫力強化療法
強力な免疫細胞を体外で培養し身体に戻す免疫細胞療法
開発途中

 
免疫療法

(オプジーボ、キイトルーダ、ヤーボイ)
免疫力を強化するのではなく、がん細胞からの攻撃をプロックする方式。

(がん細胞が行使する免疫細胞の免疫力を骨抜きにするブレーキ機能を無力化する)
どういう場合に効き、どういう場合に効かないかが分かっていない。

副作用の発生要因も分かっていない。

薬代が高価。
発生率は抗がん剤に比べて多くないが、間質性肺炎、糖尿病関連など重篤な副作用もある。

 

NCD殿が創立50周年を迎えられました!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 NCD社が日本ソフトウェア業の先陣を切って
  創立50年を迎えられたことをご紹介しお祝いします。
 同社が、「ベンチャー企業」となられたことをご紹介します。
 夢を持ち続けることの成功例として知っていただきます。

ねらい:
 皆さま、頑張りましょう!!

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2017年3月16日、情報サービス業である
日本コンピュータ・ダイナミックス㈱)略称NCD)殿が
創立50周年を迎えられました。

運用サービス中心の情報サービス業では、
㈱データサービス殿が2年前に創立50周年を迎えられましたが、
昔の言い方でソフトウェア業ではNCD殿が初めてです。

NCD殿の創業は、昭和42年(1967年)です。
その年にもう1社できたのですが消えてしまいました。

その後2.3年で多数のソフトウェア業が誕生しました。
現在大手となっている企業のほとんどがこの時期の誕生です。
ということは、この2.3年創業50周年ラッシュとなりそうです。

NCD社は当時日本能率協会のEDP研究所で仕事をしておられた
下條武男元社長と小黒節子元副社長が独立して創られた会社です。

私は、昭和44年に日本能率協会に入りましたので、
お二人ともよく存じ上げ、たいへんお世話になりました。

長い歴史の中では、
何社かのお客様との太く長い信頼関係が
苦難の時期を乗り越える事業継続の源泉となっておられます。

お二方初め社員の皆さまの行動がその信頼をつくり上げていることは
言うまでもありません。

ここでは、同社がユニークであることをご紹介したいと思います。

下條社長は、1972年に
日本ベンチャー・ビジネス協会の設立に尽力され、
その代表幹事に就任されました。

「小さな企業が新事業を起こして力を合わせて発展していくのだ」
というご趣旨だったと思います。

周りでは、「ソフト業は新事業ではない。
ベンチャーではなく単なる零細企業ではないか」
などと悪口を言う人もいました。

しかしその後、情報サービス業他社では誰もやっていない
新事業を見事にモノにされたのです。


それは、駐輪場のパーキングシステムです。
この事業は、下条社長(当時)が周囲の反対を押し切って
「3年で黒字にする」
と言って始められたものです。

後に成功する新事業は、すべてトップの英断ですね。
鈴木さんのコンビニ事業、ヤマトの宅配便事に匹敵する
「とんでもない事業」だったのです。

1999年の事業開始当初は、
自転車1台ごとに施錠・課金できる電磁ロック式のソフトウェア提供でした。

その後まもなく駐輪ラックを電話回線を介して
遠隔操作することに成功したことを契機に
駐輪場の保守運営にも取り組むようになり、
必要機器の開発、
駐輪場設置・運営の自治体・電鉄会社等からの請け負い
まで発展することになりました。

競合も出てきているようですが、
そのサービスの質の高さからシェアナンバー1です。

現在この事業を担当している
パーキングシステム事業部はNCD社の大黒柱に育っています。
30年以上かけて下條社長の念願の「ベンチャー」が実現したのです。
夢を持つことは大事ですね!!

今や、パーキングシステム事業部は、
自転車に関連する事業をいろいろ手がけ出し、
自転車のシェアリングサービスのシステム提供・運営や
自転車乗車中に利用できる骨伝導ワイヤレスヘッドホンの販売
(製造は中国企業)などにも取り組んでおられます。

自転車関連ショップの運営も始めておられます。
まさに、「一芸に秀ずれば多芸に通ず」です。




















このヘッドフォン「CODEO」は
税別価格12000円です。

完全にソフトウェア会社のイメージを脱却していますね。
今や、ソフトウェア業だけでなく日本企業の
新事業展開のモデルといえるのではないでしょうか。

ますますのご発展をお祈りいたします。

交通事故死傷者が多いのは何歳??

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 小中高生たちが出会う交通事故の状況を知っていただきます。
 データを読む練習をしていただきます。

ねらい:
 データに出会ったらなぜそうなるのか考えるようにしましょう。

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3月23日と27日の日経新聞に
交通事故の死傷者に関する情報が載りました。

以下のデータを見て「なぜそうなるのか」と思われますか。

以下の統計はすべて 2012年~2016年 5年間の平均です。






















小中学生の年齢別 歩行中交通事故死傷者数(一部)
 

  年平均
死傷者数(人)
  同10万人当り
死傷者数(人)
備考
  6歳   1098.2   102.3
  7歳   1564.6   146.4   最高
  8歳   1208.8   113.8
   
 全年齢平均    46.8人

小中学生の学年別 歩行中交通事故死傷者数(一部)



 
  5年間
  死傷者数(人)

備考
  死者数
 小学1人   8,075   最高   30人
 小学2年     以下漸減   30人
 
 小学6年   2,210
  小学生
  29,317
登校中:
4139人
下校中:
6001人
男児65人
女児26人
  計91人
 中学1年   2,641 逆転増加
 中学2年   減少
 中学3年   1,674 最低
 中学生     計18人
全年齢平均  35,816  

中高生の自転車による交通事故死傷者数
  区分
  5年間の
死傷者(人)
  内自転車に
よるもの 人
  その比率等
 中学生
  59,313
  35,049
59%、
死者25人、
男2/3
内中1   12,932 中学生で最多
高校生 115,735   74,920
65%、
死者67人、
男2/3
内高1   31,270 高校生で最多
  中高
  合計
175,048
109,969
63%
登校中:
 36,848
下校中:
 22,575
出会い頭:
 66,872


新聞ではこういう解説がついていました。

歩行中の事故について
 16年の10万人当たりで見ても、
 最多が小1の122.8人で、最小が中3の24.7人、
 40.6人の中1だけは小6の35.3人から増加しており
 進学による通学路変更が要因とみられる。

 月別では夏休みまでの4~7月と、
 秋になり夕暮れが早くなる10,11月が多い。
 →下校中が多い理由。

自転車による事故について
 中1と高1が多くなっている要因としては、
 新入生が慣れない通学路で危険な場所などに気づかず
 事故に遭っていることが考えられる。

私はさらに以下の分析をしました。

1)なぜ歩行中事故は7歳が最多なのか

新聞の見出しでも意外という意味で
「歩行中事故7歳最多」という大見出しを付けていました。
 
皆さま、どう思われました?
学年別では小1が最多なのです。
これはそうだろうという結果です。

ではこの違いはなんなのか?
6歳=小1ではないのでしょうか?

実は、6歳の4分の3は未就学児です。
1人で出歩きません。
親の保護の下での歩行ですから事故にも遭いにくいでしょう。

7歳の4分の3が小1なのです。
ですから7歳≒小1です。
したがって、小1が最も歩行中事故が多い、
というもっともな結果なのです。

新聞はいい加減な見出しを付けたことになります。

2)小中高とも1年生が交通事故に遭いやすい。

これは私の分析ではありません。
単なる確認です。
通学路等に不慣れで起きているのでしょう。

3)小学生の歩行中の事故は下校中が多い理由

登校時は緊張しているし、
近所の交通係のオジサン等が誘導している場合も多い。
下校時は、ふざけて駆けたりもするでしょう。

4)中高生の自転車事故は登校中が多い理由

登校中は遅刻しないようにと急いでいます。
自転車での下校中は歩行中とは違って
ふざけて移動するということも少ないでしょう。

5)自転車による死傷者は高校生が中学生より多い

これは高校生が乱暴なのではなく(多少はそれもあるかも)、
高校生の自転車通学者が多いためでしょう。
その数値がないので断定はできません。

6)死者は歩行中も自転車利用中も男性が多い

これは男性の人数が女性の人数よりも多いからではなく、
男性の行動の方が活発・乱暴・ダイナミックだからです。

死者の人数はそう多くはないですが、
それでも、ご家族のショックはたいへんなものです。

警察庁も多くの交通事故対策を常時実施中です。
事故件数を減らす対策も必要ですが、
死者が発生しない対策を考えて集中的に実施してほしいですね。