2019年11月26日火曜日

中央官庁の統計不正対策その後

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 たいへんな影響を発生させた中央官庁の統計不正問題
 の政府案のたいへん優れた対策を確認いただきます。
ねらい:
 統計に関わる方々が自信を持って
 仕事に取り組めるようになることを期待いたします。
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厚生労働省等で発生した統計不正事件につきましては、
当ブログでも取りあげました。
2019.2.8統計不正問題の原因を考える
http://uenorio.blogspot.com/2019/02/blog-post.html


このときの私の主張は、要約するとこうでした。


この不正が発生した原因は故意ではなく、
統計担当の無知・無定見によるものである。
そういうことが発生するのは、
統計部局が陽の当らない部局でまともな人材が配置されない
ためである。


仕事の内容面からして、
統計部局を陽のあたる部局にすることはできないのだから、
この問題の根本解決は困難である。


ところがこの度、発表された政府の方針はこういうことです。
(2019年11月30日付日経新聞)
統計の専門職員の資格「統計データアナリスト」を創設する。
統計に関わる各省庁の職員に習得を求め、
統計部局には有資格者の配置を義務付ける。


統計業務を第3者の目で精査するため、
各省庁に「統計監理官」のポストもつくり、
民間人の起用を求める。


統計データアナリストは、
一定の業務経験を積んだ統計職員から任命する。
総務省の統計研究研修所で研修を受け
修了することが必要である。


各省庁で統計調査の設計や分析、審査を担うだけでなく、
政策目標に関わる指標を扱う際は政策立案にも携わる。


この対策案は関係閣僚で構成する統計改革推進会議で

年内にも決定する。


なるほど、統計部局を陽の当たる場所にする
たいへん良い案です。
おそらく、給与処遇面でもそれなりの対応をするのでしょう。
そうなれば、
担当は自信とプライドを持って仕事をすることができます。


解決困難と主張した私の意見は脱帽です。
中央官庁の政策立案能力は「失礼ながら」大したものですね!

2019年11月22日金曜日

「焼き場の少年」どこに!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 原爆の悲劇をまた一つご確認いただきます。
 けなげでりりしい少年の顔に感激します。
ねらい:
 原爆は即時廃絶してほしいものです。
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この写真は、2019年11月22日の日経新聞に載ったものです。
こういう注が付いています。


【焼き場に立つ少年】
終戦直後に日本に入った
米軍従軍カメラマンの故ジョー・オダネル氏が撮影した。
原爆投下後の長崎の火葬場で、
亡くなった弟を背負い火葬を待つ場面とされる。


当時の悲惨な状況を思い出したくないと
40年以上、トランクの中に封印されていたが、
1990年に米国で初めて公開された。


少年を探しにオダネル氏は4度来日したほか、
美術史研究者の故・吉岡栄二郎氏らが調査したが、
特定には至っていない。


記事本文には、以下の情報も記載されています。
1.ローマ法王フランシスコが、
 この写真を関係者に配り、核廃絶を訴えてきた
 (来日を機にこの話題となっている)


2.村岡正則さん(85)が、今もこの少年を探している。
 爆心地から1.6キロの自宅で被爆した村岡さんは、
 手足にやけどを負い、家族と市中央部にある金比羅山に逃げた。
 大勢の人が血だらけになりながら
 家族の安否を尋ねて大声を張り上げる光景は「地獄そのもの」。


 村岡さんはそこで幼子を背負い、母親を探す少年と会った。
 (この前段で、村岡さんはこの少年と
 国民学校で同学年だったことが紹介されています)
 「どうしよっとね」
 「母ちゃんを探しよると。母ちゃんがおらんとさ」
 少年は切羽詰まった表情で語り、山を下った。
 村岡さんが少年を見たのはそれが最後だった


この写真の少年は85歳の村岡さんと同学年だったとすると、
当時10歳か11歳です。


村岡さんは、
2017年12月にローマ法王がこの写真を世界中に配るように
指示したことを知って以来2年間、
いろいろ調査されたが分からずじまいのようです。


おそらく、その少年は火葬場の前で自分で弟を背負っている
ということは、母親には会えなかったのでしょう。
その後どうなったのでしょうか!!!!


それにしても、
この写真の少年はけなげなりりしい顔をしていますね。
ローマ法王が強い関心を持たれた気持もよく分かります。


原爆は本当に悲惨な状況をたくさん残しました。


その中で、これまで私が最も感銘したのは、
上野則男のブログ2015.7.8「こんなむごい!!非人道の原爆投下!」
でもご紹介した故奥田貞子さん著「空が、赤く、焼けて」で
書かれた「ルミチャン」でした。
http://uenorio.blogspot.com/2015/07/blog-post.html


無差別殺人の原爆は絶対に許せません!!

2019年11月19日火曜日

SZKシリーズにAIコーディネータの実践手法が追加になりました!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 これからの時代を担う人を育てようとする
  新しい研修プログラムをご紹介いたします。
ねらい:
 ご検討・ご照会いただければ幸甚です。
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SZKシリーズにつきましては、
当ブログ2019/10/27「SZKシリーズって何??」でご紹介しました。
http://uenorio.blogspot.com/2019/10/blog-post_91.html


SZKシリーズとは
「少しずつ刻んで実施する」研修プログラムシリーズのことで、
1)2時間×4回で実施する。
2)4回目は1回~3回で習得したことの実践報告会である。
という特長を持っています。


その時点では、以下の5つのプログラムでした。


 

サービスメニュ

サービス概要


AIC準備プログラムのご提案



AI案件の開発をコーディネーションできる「AIコーディネータ」になるためのプログラムです。


自律性強化プログラムのご提案


「自分で考えて行動できる」ようになるための訓練プログラムです。


積極的提案力強化プログラムのご提案

言われたままにするのではなく、その意図を探って真の要求を実現するための秘策を授けるプログラムです。


保守担当の業務知識強化プログラムのご提案

基本知識のガイドを提供し、ノウハウ知識の習得方法をガイドするプログラムです。


保守業務小改善実施プログラムのご提案

保守(エンハンス)業務のご担当に、自らの業務を改善していただくプログラムです。



1.で使用する「AI事例解析集」は、
その後以下のような増強をいたしました。
1)「AI適用のねらい」(利便性向上など)を解析要素として追加しました。
2)各要素の該当件数合計を表示しました。
AI化の全体状況が分かります。


具体的な内容は、別テーマ「AI事例を分析してみました」をご覧ください。
http://uenorio.blogspot.com/2019/11/blog-post_17.html


その後、ご希望を取り入れまして、
SZKシリーズのメニュ^に以下の3点を追加しました。
 6.イノベーション・マインドを強化する勉強会
 7.AI化ビジネス企画立案プログラム
 8.AI化業務検討促進プログラム


全8プログラムのご案内はこれをご覧ください。
http://www.newspt.co.jp/data/consul/szk.html


6.は、「イノベーション・マインド
 世の動向を考え広い視野で物事を考えることができ、
 少しでも自分たち周辺のより良い将来につながるように
 考え行動できるようになっていただく勉強会です。


その勉強会での使用図書は以下のとおりです。
.は、1.AIコーディネータ準備プログラムの続編で、
AIコーディネータが、
実際のAIを活用するニュービジネス案件の企画
を行う方法をガイドいたします。


ここで使用する手法は、
N社(中心は現在株式会社Mの八木橋英男代表)と
システム企画研修株式会社(中心は上野則男)とで
N社のビジネス強化のために開発し実践された手法の
基本部分です。


この開発手法の中核は、フィリップ・コトラ-の考案した
アイデア発想法です。
現状または現在案に対して、以下の変換の検討を行います。

コトラ-のアイデア発想法

置換

その部分を他のものに換える。

結合

そこに他の部分を付け加える。

強調

その部分を強調する。

逆転

その部分の前後の順序を変える。

削除

その部分を削除する。

順替

その部分の順序を替える。
N社では、
その開発手法を使って多くのビジネス強化に成功しています。
このプログラムは、N社での指導実績豊富な八木橋氏が
講師を担当いたします。


「AI化ビジネス企画立案プログラム」では、
現状または現在案を以下のフレームで整理します。


その上で、この各要素に対して変換の検討を行うのです。
「価格」の場合の検討例を以下に示します。

各要素の変換案を総合して,AI化の新システム案とします。
このプログラムでは、実際の案件で検討を行っていただきます。
参加者はAIコーディネータ候補者と該当業務のご担当者です。


この手法により、日本のAI化検討が、
思考錯誤なく的確・急速に進展することを期待いたしております。


最後のAI化業務検討促進プログラムは、
新たなビジネスをしようというのではなく、
現状の生産、購買、営業、物流等の業務をAI化する場合の
検討方法のガイドをします。


AI化ビジネス企画立案プログラムが外向け業務、
AI化業務検討促進プログラムは内向け業務というすみ分けです。


従来のシステムやさんが少し腕を磨いて取り組んでいただこう
という意図で開発をしています。
お役に立てばいいな、と思っています。


2019年11月17日日曜日

AI事例を分析してみました!!

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 今話題のAIの活用状況がどうなっているのか
           を知っていただきます。
ねらい:
 詳細をお知りになりたければ、
           私にお問い合わせください。
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最近は、AIがずいぶん話題になっています。
日経新聞では,AIのネタがない日はほとんどない状態です。


そこでシステム企画研修社では、
AI事例を解析した「AI解析事例集」を作成しています。


この事例集は、AI以外のデジタル化の事例を集めた
デジタル化事例集(現在230件)のサブセットです。


これがその事例集の一部です(クリックすると全体が表示されます)。
1件ごとにその出典情報が付いています。
左端をクリックすると表示されます。
AIの事例が100件になりましたので、
その内容を分析してみました。


この事例情報の基は、以下の5種類です。
 日経新聞
 日経コンピュータ誌
 野村総研編集「ITロードマップ」2019年版他
 経済産業省「攻めのIT経営銘柄」2018年版他
 他出版物


事例収集方針は、特に絞り込むことはせずに、
新しい動向であると考えられるものを対象としています。
特別な偏りはないと考えます。


この事例集収録の事例は次の4つの切り口で分類しています。
1)AI適用のねらいーーどういう効果を期待するのか
2)AIの適用目的ーーAIに基本的に何をさせるのか
3)AIの適用機能ーーAIが何の機能を担うのか
4)AIの実施手法ーーどういうAI手法を使うのか


以下、この切り口で
100件の事例がどうなっているかを見ていただきます。

     表1 AI適用のねらい


項目

件数

1

納期・時間短縮

40

2

成果増大

46

3

精度向上

19

4

信頼性・安全性強化

15

5

利便性向上

38

6

苦痛削減、楽しさ・満足度向上

22

7

健康維持・強化

13

8

環境改善

5

9

最適・正解の導出

15

10

工数・コスト削減

62

この表の数値は、重複選択です。
最大は10番の「工数・コスト削減」です。
ということは現在人手でやっていることをAIで代替するということです。
非常にベーシックなねらいです。


次は,AIを活用することで、
売上の増大を期待するなどの「成果増大」です。
ターゲットマーケティングなどがその例です。
これも基本的ニーズでしょう。


その次に、迅速に自動応答するなどの「納期・時間短縮」です。
11/15の日経新聞にも、多くの自治体で市民からの問い合わせに
自動応答を使っているという報道がありました。
市民からは「たらい回し」されないと評価は高いようでした。


ほしいものがすぐに得られるとか、言わないでも分かってくれる、
などの「利便性向上」も上位です。


クイズや囲碁将棋に勝つなどの「最適・正解の導出」
人間を上回るようになってきています。


「精度向上」「信頼性・安全性強化」
「苦痛削減、楽しさ・満足度向上」などもAIは得意です。
「健康維持・強化」「環境改善」なども挙がっています。
そのニーズを持っている法人が取り組んでいます。

表2 AIの適用目的
項目
件数
1
検索
6
2
判断
93
3
処理
27
4
発見
6
5
創造
1


次は,AIに基本的に何をさせるかです。
この数値も重複選択です。


93%の事例が,AIに「判断」させています。
AI=人工知能ですから当然でしょうね。
「処理」は,AIが翻訳をする、回答をする、などです。

「検索」は得意技ですが、
膨大な事実を解析してほしい解を「発見」する、や
絵画や音楽を「創造」する試みも始まっています。
人間も負けそうです。

       表3 AIの適用機能


項目

件数

1

画像解析

31

2

音声解析・生成

10

3

センサー/GPS情報解析

24

4

事例解析

53

5

行動解析

16

6

情報検索

8

7

関係解析

2

8

最適解探求

7




「AIでは何をするか」です。
1位の「事例解析」は、

大量の文献情報あるいは蓄積データの事例を解析して、

望む答えを得ようとするものです。


それに対して「行動解析」は、当人の過去の選択や行動を分析して
その人に合った提示を行うものです。
「あなた、これお望みでしょう?」のスタイルです。


2位の「画像解析」の技術は、後掲の深層学習の手法等を活用して
日進月歩の状態です。
中国の顔認証の進展は恐ろしいほどです。


「センサー/GPS情報解析」は、
センサーで集めた情報から、水道管の摩耗の状態を
推定する、などです。


「関係解析」は膨大なゲノム情報と疾病の関係を解析して
原因となるゲノムの状態を突き止めるものなどです。


「最適解探求」は、碁将棋に勝つとか、
物流の最適解を求める、などです。
検討している人たちは楽しいでしょうね。 
         表4 AIの適用手法


手法

件数

1

機械学習一般

77

2

深層学習

11

3

強化学習

1

4

深層強化学習

1

5

転移学習

1

6

GAN(敵対的生成ネットワーク

1

7

好奇心持つAI

1

8

少量データ分析

1

9

スパースモデリング

2

10

エッジAi

3

11

蒸留技術

1
AIの手法と言うと、前面に登場するものがこれです。
AIでは、基本的にはすべて「機械学習」をしています。

1位の「機械学習一般」は、それ以外の特殊な手法は使っていない、
少なくとも使っていると報道されていないものです。
77%はそうなのです。


それ以外の特殊な手法は、その後出てきたものです。
AI(機械)が自分でデータから学んでいく手法が深層学習
(ディープ・ラーニング)です。


Youtubeの画像をAIに1週間見せ続けたら
猫の画像に反応するようになったというのが有名な事例です。
AIに何も教えていないというのです。
AIは、どうして猫に関心持つようになったのでしょう?


「強化学習」は、崩れやすい食品のピッキングをロボットにさせたら
試行錯誤して次第にできるようになったというような事例です。
自分の行動で自己学習するものです。


「転移学習」は、汎用的な能力を持ったAIに、
専門的なデータを少し付け加えるだけで、
専門能力のあるAIを作る手法です。
転移=移植です。


AI=大量データの分析というイメージがありますが、
「少量データ分析」「スパースモデリング」は少量のデータから
ほしい結論を得る方法です。
事例としては、新材料開発があります。
データは少なくても、新材料の条件とかを詳しく教え込むのです。


6番目の「GAN」は、AIの中でAI同士に対戦させて
「勝つ」案を作らせるのです。
写真からそれをイラスト化する例などが紹介されています。


「エッジAI」「蒸留技術」は高性能マシンで開発したAIを
能力の小さなPC屋ウェアラブル端末にインストールして
動かすシステムです。
これらは、AI自体の手法ではなく、AIの活用の手法です。


というような数値的なAI活用の状況が分かりました。
こういうデータは他にはありません。
ご覧になったことはないでしょう?
ご参考までにご紹介いたしました。