2010年5月24日月曜日

問題発見とは何か その1

 「問題解決より問題発見が大事である」
 とよく言われます。

 その主張をする図書が最近も出版されました
 「なぜ危機に気づけなかったのか」(マイケル・A・ロベルト著)です。

 その第1章は「問題の解決から問題の発見へ」となっていますから
 明らかに、問題発見を説いているものです。
 主に組織の長を対象として記述されています。

 どうすれば問題発見ができるかの主張(章構成)は
 こうなっています。
   フィルターを避ける(生の情報が来るようにする)
   人類学者になる(現場重視で観察せよ)
   パターンを探す
   点を結びつける
   価値のある失敗を奨励する
   話し方と聴き方を教える
   ゲームの録画を見る(ゲームは試合のこと)

 「フィルターを避ける」ではこういうことを言っています。
 悪い情報・具合の悪い情報は隠されがちである。
 それでは裸の王様になってしまう。
 なるべく生の情報が上がって来るようにしなければならない。
 それには、――――。

 というような論旨です。

 ここには、「発見すべき問題」の
 「問題とは何か」についての解説がありません。
 解釈としては、書のタイトルが示しているように、
 経営危機に繋がる悪い状況、ということが
 暗黙の前提のようです。

 経営危機に繋がる悪い状況、
 これには、因果関係の連鎖があって、
 最初は、一見なんでもないようなことから始まります。

 たとえば、車のリコール問題。
 初めは、ある1台でブレーキが不調のようだった。
 それは、事実なのか、たまたまなのか、
 その段階では報告しないでしょう。

 それをしていたら、
 車の修理案件をすべて報告しなければなりません。

 再現性も難しいのかもしれません。
 したがって、特別な不備も見当たらないということで
 車を持ち込んだお客様には、
 「確認をしましたので、このままで問題ないと思います。
 引き続きご利用ください」
 というようなことで済ますでしょう。

 また、別のところで同じようなことが発生します。
 そこでも、同じような対応をするでしょう。
 そのうちに、同じ販売店に2件目の案件が持ち込まれます。

 そうすると、気がつく人がいれば
 「前回もこういうことがあったな」と思い
 前回例を調べてみます。
 すると、ほぼ同じ状況だ、ということが分かります。

 しかし、表面的には特別の不備は見当たりません。
 その際、どうするでしょうか。
 大規模な修理工場に持ち込むことを
 お客様に勧めるでしょうか。

 お客様も嫌がるでしょう。
 「部品交換ですまないのか」と言われるかもしれません。
 外見上は不備がないのですから、
 どの部品を交換したらよいかわからないでしょうが、
 何かの部品交換をしてみるかもしれません。

 大規模な修理工場に持ち込んでも
 電子系(ソフトウェア)の不備であれば分かりません。

 どの段階で、ディーラ側から本社側に持ち込まれるのでしょうか。
 本社側では、どの段階から誰のところに報告が上がるでしょうか。

 ご承知のように、組織には責任権限範囲があって
 その範囲のことは自分で対応するのが原則です。
 何でも上に伺いを立てていたら
 無能扱いされます。

 まずは自分の責任範囲で対応しようとするでしょう。
 原因の想定をしてしかるべき究明を行います。
 原因究明に時間がかかることがあるでしょう。

 どの組織も暇ではないですから優先順位を決めて仕事をします。
 優先順位が高くないと思えば、あるいは厄介だと思えば
 後回しになるでしょう。

 そのうちに人身事故が起きたりして、
 大ごとになります。
 なぜもっと早く対応しなかったのか、
 あるいは報告しなかったのか、
 ということになります。

 どの段階で報告を上げるべきだったのでしょうか。

 別の例です。
 自社の重要なお客様が、他社の製品を購入した。
 競合が、強力そうな新製品を出した。

 同じことです。
 それを大変なことと思うか思わないかは
 その情報を知った人のセンスに依存することになります。

 では個人のセンスを磨くしかないのでしょうか。
 そうではありません。

 皆様もお考えください。
 次号に私の見解を説明させていただきます。

東京都の温泉

 東京都には100か所以上の温泉があるようです。
 ある資料には伊豆諸島(大島など)の4か所を含め、
 117の温泉が載っていました。
 23区で温泉がないのは4区です。
 どこだと思われますか?

 千代田区は分かりますね。
 あと3区は、荒川、北、中野です。
 住民が多数いる中野区にないのは意外です。
 
 そのほとんどは、銭湯の経営者が深掘りして温泉を出したものです。
 どこでも1000メートル掘れば、温泉が出るようです。
(以前掘削にいくら位かかるのか調べたことがありましが、
 その資料が見つかりません。
 どなたか分かる方がおられましたら教えてください)

 銭湯は、元からある場所で営業しているのですから、
 そこで温泉が出なければならないのです。
 でも、銭湯価格の450円で採算が取れるのでしょうかね。

 東京地区で有名なのは、
 平和島温泉と二子玉川駅の近くにある瀬田温泉です。
 
 私が見たインタネットの資料(「スパ・ミシュラン」)では、
 すべての東京都の温泉の格付けをしていました。
 最高の五つ星は4か所でした。
  足立区  大谷田温泉 明神の湯
  目黒区  大江戸東山温泉 大江戸東山温泉
  品川区  武蔵小山温泉 清水湯
  世田谷区 瀬田温泉  山河の湯

 私が住んでいる品川区には7か所の温泉があります。
 その一つ、改装で休業していた所が再開しましたので行ってみました。
 すると、それまであった宴会場風の広間がなくなっていました。
 お年寄りや家族連れが団欒していた場所です。
 私は、これが温泉の雰囲気で好きでした。
 ここで湯上がりのビールを飲むために行っていたようなものです。
 
 そこで、なぜ無くなったのか経営者らしい人に聞いてみました。
 「とても採算が合わない。その1フロアを介護の施設にした」
 と言うのです。
 たしかに、そのフロアの飲食等の売上は大したことがなかったのでしょう。

 でもそうでしょうか?
 そのフロアの売上は少なくて採算がとれないようですが、
 私のように、その施設があるからその温泉に行く、
 という人も多いのではないでしょうか。
 
 ここで考えてみました。
 直接には成果が上がっていないようだけれども、
 それが、他の機能を下支えしている、
 というものは多いのではないか、と。
 
 先ずは、スーパの特売商品がそうでしょう。

 飲食店の美人のサービス係り。
 キビキビ働いている風ではないけれど、
 結構その子目当てのお客様が多い。

 仕事は余りできないけれど、
 礼儀正しく朗らかで職場を明るく楽しくしている社員。

 名脇役、引立て役、刺身のつま、などもそういうものでしょうか。

 そんなことを考えていると、
 日本航空の株主優待制度が問題になっている、
 という記事が出ました。

  日本航空では、従来から株主優待制度として
  株数に応じて、半額での優待券を提供している。
  これに対して、国交省が
  半額などで乗せたら採算がとれないから止めろ、
  と口出しをしている。

 どの道、乗る人に割引する、という考えなら
 半分損をしている、ということになります。
 そこだけ見れば、採算がとれていないという
 前掲の温泉の経営者と
 同じ考えだということになってしまいます。

 ところが、株主優待があるから
 全日空に乗らずに、あるいは新幹線に乗らずに
 日本航空に乗っている人がいるとすれば、
 半額でも売り上げ増です。

 国交省も
 もう少し広い視点でものを考えた方がよいのではないでしょうか。

早起きは三文の得

 
 早寝をしたら4時半に目が覚めてしまいました。
 悶々と考え事をすると胃に悪いので起きだしました。
 そうして、早朝ジョギングを楽しみました。

 5時台は、いつもと登場人物が違います。
 こんな早くから犬の散歩をしている人、
 単なる散歩をしておられるご老人、
 そして出勤の人、これが結構多いのです。
 普通のビジネスマンらしい人が中心で、
 残念なことに若い女性はまったくいません。

 私が好きな桜は、八重桜もほとんど終わって、
 普賢象が数輪ずつ残っている位です。
 私のジョギングコースには、普賢象が3本ありますが、
 「今日は何輪になっているのか」を確認するのが日課になっています。

 通常の年は、6月半ばくらいで終りですが、
 過去最長は、8月初めまで残っていたことがあるのです。
 びっくりでしょう!
 東京で桜の花が8月に残っているなんて。

 今は、ツツジが盛りですが、
 ハゴロモジャスミンも強い香りを放っています。
 
 その日、この季節に私が目当てにしている
 近所で最も立派なハゴロモジャスミンのお宅の前を通ると、
 若干体が不自由になっておられるお婆さんが、
 水まきをしていました、

 「今年もいい香りがしますね」と声をかけました。
 「しつこい位です」
 「このご近所にはジャスミンが多いですね」
 「みんな、うちから差しあげたのですよ」
 「ほー、そうですか」
 というような会話になりました。

 私がかなりジャスミンに関心が強いと思われたのでしょう。
 「差しあげましょうか」
 ということになりました。
 挿し木用に枝を1本下さるのかと思ったら、
 15センチ位になっている小さな鉢を
 庭の奥の方から引っ張り出してきて下さるのです。

 ジャスミンは、是非入手したいと何年間か思っていたものです。
 つい先日も近所の西大井公園で植木市がありましたが
 売りきれでした。

 ですから大感謝で、手入れなどについて聞きました。
 咲くまで3年位かかりそうでした。
 「咲いたらご案内します」
 それまでお元気でいてほしいと思いながら、
 お礼を述べお別れしました。

 「早起きは三文の得」というのは誰が言い出したのでしょう。
 まさにそうだと思いました。
 そこで、インタネットで調べてみました。

 そうしたら、ブログなどでずいぶん話題になっているのですね。
 「三文ってどのくらい?」
 「得なのか徳なのか」
 などです。
 因みに、得と徳は両方ありで、
 意味はいずれも得をするということでした。

 「語源は?」という質問もあり、
 「昔からの言い伝えだ」という答えも載っていましたが、
 こういう回答を見つけました。
 真偽のほどは確認していませんがご紹介します。

 1600年代の中頃、
 土佐山内家の執政であった野中兼山が、
 現在の高知県仁淀川下流に八田堰を造り、
 一帯の洪水を防ぎ不毛だった東岸一帯を美田化した。
 兼山は造らせた堤を早く固めるために領民に対し、
 早起きをして堤の上を歩かせ、
 実行した者に褒美として三文ずつ与えたそうです。 

 いずれにしても、「早起きをすると良いことがある」
 と早起きを薦めようという人が使う言葉です。

 会社の「偉い」方たちは、ほとんど皆様早く出勤されます。
 ご承知のように、良いことが幾つもあります。
  ・電車がすいている、
  ・頭がスッキリしていて判断力が高まっている、
  ・会食等で飲酒をしても
   (偉い方たちは会食が多いですからね。飲酒をしたら仕事はできません)、
   早寝をすれば時間の有効活用ができる、
 などの得です。

 ということで、
 偉い方たちは、自分のために、以上の「目的」で早く出社するのですから、
 そういう目的のない部下が、
 「上司が早いから付き合いで早く出勤する」
 必要はないのです。

 「上司に評価してもらおう」という「目的」なら
 ご自分のためですから、お引き止めはできませんが。
 本来は、上司の評価は仕事の成果中心であってほしいですね。

 【2011年3月19日追加】
 今日も同じように早寝・早起きのせいで、
 5時に起床して大井中央公園までジョギングしました。

 そうしたら、
 そこのランニングトラックを走っている女性がいました。
 季節の良い間は結構若い女性も走っていたのですが、
 寒くなってほとんど見かけなくなりました。
 美しくなりたいという願望も結構いい加減なものだ、
 などと思っていました。

 今日会った女性は、
 「結構いた」中の一人です。
 長い髪を後ろに束ねて、
 そのたてがみのような髪を左右に振りながら走っているのが
 印象的で覚えていました。

 その女性、結構速く走っていて、
 とても私はついていけません。

 それで、少しだけ並走しながら声をかけました。
 「ずい分速いですね。何の選手なのですか?」
 そうしたら、恥ずかしそうな笑顔をこちらに向けて
 「何でもないんです」との答えでした。

 「へー、すごんですね。何周走るのですか」
 「10週くらいです」
 「東京マラソンに出られたことはあるのですか」
 「いいえ」
 「私は何度申し込んでも当たらないのです。
 励みになるので一度出られたらいいですよ」
 「----」
 
 これで今日の会話は終わりでした。
 若く美しい女性でした。
 30歳くらいでしょうか。私にとっては十分若い女性です。

橋下知事頑張れ!

 大阪府は上海万博に自治体として唯一の出展をされています。
 厳しい財政難だというのに!
 大阪に観光客を呼び込もう、中小企業を売り込もう、
 という作戦です。

 橋下知事は、大阪をなんとかしたい、
 発展させたい、県民所得を引き上げたい、
 と、いつも必死で考えています。
 目的意識がはっきりしているのです。
 
 それにはどうしたら良いか、と考えます。
 過去とか、他がどうかは関係ない、
 必要であればやる、抵抗は乗り越えればよい
 だから主張がはっきりしているのです。

 なおかつ、どこかの知事のように
 一方的に押しつけるということもしません。
 きちんと、お役人たちの理解を得る努力を行い
 現場から遊離していないで支持を得ています。
 すごいですね。

 知事にはかなりの権限があります。
 今は、国からかなり補助金・交付税を受けていますし、
 行政指導もあってかなりの縛りがあります。

 しかしその条件の中では、かなり思い切ったことができます。
 知事は行政府ですが、立法府である府議会に影響力を与えて
 条例を出すこともできます。

 総理大臣よりもやりたいことができるでしょう。
 鳩山総理も今は橋下知事を羨んでいるのではないでしょうかね。

 目的のためには、「前例・みんな主義」は関係ないのです。
 「前例・みんな主義」は、
 私が「価値目標思考のすすめ」の中で使った言葉です。

 「前例・みんな主義」は日本の過去の思考法で、これから脱却しなさい、、
 それに代わって「価値目標思考」をしなさい、
 価値目標思考とは、
 何かを検討する時には、
 それは何のためにするのか(目的)をトコトン考えなさい。
 その目的を目標とする価値で考えなさい。
 価値の基本要素は、「早い、うまい、安い」です。
 というものです。

 橋下知事はそのお手本そのものです。
 橋下知事は体も使っておられますが、
 本当に頭を使っておられます。

 橋下知事の行動はこうなっています。
  基本的な目的を設定している。大阪の発展、云々 
  案件を検討する。
   それは基本目的に合致するか、
   どうすれば、基本目的につながるか
   方向性を決定する
   その目的を達成するための対策を検討するために他の例を研究する
   (やるかどうかの段階で他を研究するのではない)
   実現のための障害を確認する
  その障害を乗り越えるために自らも行動する

 上海万博出展も思い切っていますが、
 地元の反対を押し切って伊丹空港も閉鎖しようとしています。
 大阪府全体がどうすればよくなるか、
 という基本目的で検討しますから
 部分が悪くなることには目をつぶります
 誰かさんと違って、反対は覚悟の上です。
 (補償とかはするでしょう)。
 (誰かさんは、反対があると「浅はかにもそれは勉強不足でした」
 と言って撤回してしまいます。信がないですね)

 橋本知事のような知事が日本中にいれば、
 地方から日本をよくしていくことができますね。
 挫折せずに頑張り続けていただきたいと思います。

 

「原っぱが消えた」

 堀切直人さんという方が書かれた
 「原っぱが消えた」という本を読みました。

  昔(終戦後10数年)は近所に原っぱがあった。
  子供たちがたくさんいて暴れまわっていた。
  そこで、あてがいぶちでない遊びや競争をすることで
  工夫する心、独創性、競争心、仲間意識、協調性
  対人関係能力などが育まれた。

 というような趣旨のことを書かれていました。

 終戦後は、親は生活の維持に大変、
 子供も多く一人ひとりに構っていられませんでした。
 逆にそういう環境が、子供の能力を高めたのです。
 多い兄弟がお互いに争っていました。
 切磋琢磨で子供が強くなりました。
 
 今や、狭い整然とした公園ではない
 わけの分からない原っぱが近所にある、
 子供がたくさんいる、
 というような環境への復帰は望むべくもありません。

 ではどうしますか。
 必要なのは、子供たちの独創性、競争心、対人関係能力です。
 これが子供を強化する「目的」です。

 この目的を達成する方法として、
 多くの子供が暴れまわる原っぱに代わるものがあるのか、
 を考えることが必要です。

 私はかねてからこういう主張をしています。
 上野則男のメルマガ第4号(2009年1月)
 「幼稚園時代から競争心を!!」
 に詳細を述べました。

 ご関心ある方はバックナンバをご参照ください。
  http://www.newspt.co.jp/data/mailmaga/bk/0004.txt

 以下はその抜粋です。
 ――――――――――――――――――――――――――――――――――
 幼稚園時代からこういう訓練を!
  4.教育の場にビジネス社会の指導原理を! それも幼稚園から!
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 「三つ子の魂100まで」と言います。
 基本的な思考法・精神構造は、幼年時代に決まってしまうのです。

 極論かもしれませんが、幼稚園から競争心を育て、共同作業を行い、
 創意工夫を追求する訓練をすべきではないでしょうか?

 この3者を満たす訓練は、チーム対抗で創意工夫を促す訓練です。
 (中略)

 それでも、幼稚園でそんなことできるのか、とお思いでしょう。
 こんなことはどうでしょうか。
 すべて4~5人で、共同作業で取り組みます。

 ・積み木で何かを作る。
 ・お遊戯や劇を作る。
 
 優秀チームを決めます。
 審査は先生ではなく、園児みんながするのです。
 先生の評価ではないところに納得性があります。
 人の作品を評価する練習にもなります。

 相手がどう評価してくれるかということを考えるので、
 自分勝手・わがままが矯正される面もあるでしょう。
 自分たちを客観的に見られるようにもなります。

 同じテーマ(遊戯とか劇作り)で繰り返し実施すると、
 学習効果で回を追うごとに目覚ましく進歩するはずです。

 植物を育てる。
 これもよいのではないでしょうか。
 自然や生物に対する目も養われます。
 長い間かかりますので、その仲間意識も強くなります。

 何か運動でできるものはないでしょうか?

 玉入れはどうでしょう。
 初めは普通の玉入れをします。
 次は玉が少ししかない条件でやります。
 拾う人、渡す人、投げる人など、
 どういう役割分担をすればよいかを考えてもらいます。

 その次は玉を作ってもらいます。
 材料は大きな布きれを渡して、これで玉を作って玉入れしなさい、
 と出題します。

 ハサミ・輪ゴム・糊などの補助材は隠しておき、
 要求があれば渡すようにします。
 どんな玉を作れば入れやすいか、
 どうやって作ればよいかを考えてもらいます。
 いろんなことが勉強できると思われます。

 いずれの場合でも、チームは固定しないほうがよいでしょう。
 固定すると変な仲間意識が生まれますから。
 (以下省略)
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 いかがでしょうか。
 少子であっても、強い子供を育てれば
 日本が衰退しないで済むのではないでしょうか。

公共事業に「隠れ負債」?システムは?

 2010年3月28日の日経新聞の「経済解読」欄に
 「公共事業に「隠れ負債」」のタイトルの解説記事が載りました。

 趣旨は、以下のようなものでした。
 「高度成長期の1960年代後半から70年代にかけて
 道路、上下水道、学校、公民館などを建設した。
 それらが、30年~40年を経て更新期を迎えた。

 その更新には大変なコストがかかる。
 その準備をしている自治体等はごく僅かである。

 更新を怠ると以下のような大事故に繋がるおそれがある。
 07年に米国ではミシシッピ川にかかる高速道路橋が崩落し
 死傷者が100人を超える事故があった」
 大変なことですね。

 私の近所では、先般の何回かの大地震の後、
 新幹線の高架橋や高速道路に対して耐震工事をしていました。
 それを見たときに大変なコストだ、と思いましたが、
 そういう補強や建替えが至る所で必要になるとしたら
 大変なことです。
 「コンクリートから人へ」などと言っていられなくなりそうです。

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 翻って、システムの世界ではどうなっているでしょう。
 システムのライフは10年とか15年とか言われて、
 更新(スクラップアンドビルド)されています。
 5年で更新されているものもあります。

 物理的な構造物は寿命があって当然ですが、
 ソフトウェア主体のシステムが、なぜ
 「維持や保守ではすまされない更新」
 をしなければならないのでしょう。

 システムの世界の人間は(これまでの私を含めて)、
 そのことは必然であるかのように受け入れてきています。
 経営者や利用者は「それはおかしいではないか」と思っています。
 ですから、システムの更新案件はすんなり通りません。

 一般人から見ておかしいものは
 やはりおかしいと考えるべきなのです。
 更新しなければならない原因は、
 以下のように多階層に亘っています。
  基盤になるハードウェア
  OS
  各種ミドルソフト
  ミドルソフトの連携機能
  アプリケーションソフト
  アプリケーションソフトの連携機能

 それぞれ、なぜ更新しなければならなくなるのか、
 を徹底的に究明すべきです。
 そうして、その対策を立案し実行します。
 100年でも維持・保守だけで
 生き続けられるシステムを実現するのです。
 簡単なことではありません。
 しかし、解明する価値はあるものです。

 そのような研究会を立ち上げてみたいと思っているところです。
 ご意見ください。

過度な個人情報保護への反攻

  
 少し前のことですが、大阪府箕面市が
 「箕面市ふれあい安心名簿条例」を作りました。
 個人情報保護の名の下に
 名簿作りを敬遠してきた地域団体や学校に、
 お墨付きを与えようというものです。

 「本人同意」「名簿の配布先限定」を条件に
 作成名簿に認証マークを与える、のだそうです。

 もともと、個人情報保護法は、
 本人の利用目的の同意があれば個人情報を利用(名簿作成等)してよい
 ということになっています。

 そもそも個人情報保護法の目的は、
 「(前略)個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき
 義務等を定めることにより、
 個人情報の有用性に配慮しつつ、
 個人の権利利益を保護することを目的とする」となっています。

 つまり、一方的に個人の権利利益を保護するのではなく、
 個人情報の有用性に配慮をするのです。

 それなのに、わけの分からない人たちが
 名簿作りに反対して不便を起こしています。
 「個人情報の有用性」が無視されているのです。

 箕面市の場合、
 「昨年5月の新型インフルエンザが流行した際、
 一部の学校に名簿がなく、
 担任が休校の連絡に手間取ったのがきっかけになった」
 そうです。
 
 名簿作成に反対する人は
 そういう緊急連絡を受けられない、ということを覚悟するなら
 ご本人の勝手なのですが、周り(先生等)が迷惑します。

 本来は、法でも個人情報の利用を認めているのですが、
 条例でより分かりやすく示すのはよいことです。

 因みに私は、
 当社発行の情報誌MIND-REPORT誌2006年4月号への寄稿
 「個人情報保護への適切な対応はこうだ!!
 過剰反応をやめて有用性の認識強化へ」
 等で個人情報保護の行き過ぎに警鐘を鳴らしていました。
http://www.newspt.co.jp/data/info/mr/mr73/mr7308.pdf