2018年6月29日金曜日

アリストテレス・モデルの現状です

申し訳ありませんが、画面でご覧いただく場合、
図と図の間のスペースを詰める方法が分かりませんでしたので空いています。
続きがありますのでご注意ください。


【当テーマの目的・ねらい】
目的:
 因果関係分析のためのアリストテレス・モデルの表記法を決めました。
 その利用例をご紹介します。
 行動改善にも応用できると考えています。
 その検討状況をご報告します。


ねらい:
 皆様もアリストテレス・モデルの利用を
            ご検討いただければと思います。
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当ブログ2018.5.30
「アリストテレス・モデルによる因果関係分析を始めます!!」
の現況報告です。


1.当モデルの表記モデル
アリストテレス・モデルの4要因の相互関連を示すモデル図の形態
を決めました。


前号でもご紹介した
「5/7滋賀県で小1女児が側溝で溺死」の例で示します。


注:目的因と環境因の中にある?は↓の変換誤りです。







































2.行動改善の場合の表記モデル


身の回りで認識される行動不備の改善をガイドする場合には、
現状の不具合と改善目標をペアで示すのが
分かりやすいのではないかと考えました。


その場合の例を「飲み過ぎる」の場合で示します。



































































要因区分名を以下のように変更しています。


  
     行動改善現状の場合の要因区分名



元の

要因区分名

行動改善 現状の場合の要因区分名

理由

目的因

意識

どう考えているかを示す。

環境因

前提

前提としての環境をどう見ているかを示す。

間接因

状況

行動になる前の状況はどうなっているかを示す。

直接因

行動

どのように行動しているかを示す。


        行動改善目標の場合の要因区分名
  


元の

要因区分名

行動改善 目標の場合の要因区分名

理由

目的因

意識・目標設定

そのテーマに対してどう考えるべきか、どう改善したいかの目標を示す。

環境因

前提

前提としての環境をどう見るべきかを示す。

間接因

状況・準備

行動になる前の状況はどうなっているかべきか、準備すべき内容を示す。

直接因

行動

どのように行動すべきかを示す。









3.行動改善すべきテーマ一覧


現在、行動改善のガイドブックを出版しようとして準備中です。
このガイドブックでは「こうしなさい」は重視しません。
例に挙げた「飲み過ぎる」の場合でも、
飲み過ぎない対策は他にもありえます。


行動改善を計画したほとんどの人が挫折しているのは、
その方法が悪いからではありません。
途中でやめたから効果が実現していないのです。


その反省を踏まえ、当書では、
当書とスマホとSNSを連携させた
継続を実現する仕掛けを提供します。


そこで取りあげる予定のテーマを以下に挙げますす。


他に取りあげたらよいと思われるテーマがありましたら
教えてくださいませんでしょうか。


三日坊主(ダイエット)
三日坊主(運動)
見て見ぬふり 乗り物の座席
見て見ぬふり 困っている人がいる
見て見ぬふり 不法行為
よく寝坊する
飲み過ぎる


迷う/決めかねる
不満を言う
すぐケチをつける
なんでも反対する
報告を忘れる
連絡を忘れる
相談をしない


注意力がない
KYと言われる
自宅を出る時忘れ物が多い
「おはよう」が自然にでない
「ありがとう」が自然にでない
「ごめんなさい」が自然にでない


すぐにほめることができない
協調性がない
恥ずかしがりや
自分の意見を言わない
なんでも人に同調する


計画性がない
段取りが下手
見通しが甘い
無駄遣いをする
よく遅刻をする


先延ばしする
目的思考がよわい
問題意識がよわい
あきっぽい


引き続き、アリストテレス・モデルの実用化をいたします。
ご声援をよろしくお願いいたします。











2018年6月28日木曜日

「ルポ児童相談所」その実態はたいへん!!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 幼児虐待死が無くなるにはどうしたらよいのかを
 考えていただきます。
 重要な役割を担う児童相談所が
 奮闘している状況を知っていただきます。
 (こういう素晴らしい事例もあるということで、
 児童相談所に対する認識を少し改めましょう)


ねらい:
 地域社会で幼児の命を守らなければなりません。
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著者の大久保真紀さんは、
朝日新聞編集委員で多くの著書がある方ですが、
たいへん読みやすく説得力のあるレポートになっています。


ご承知のように、
3月の目黒区の5歳幼児虐待死事件は、非常に痛ましく、
犯人の父親をぶっ殺してやりたいと思った人は
私だけではないでしょう。


香川県から1月に転居しているのですが、
児童相談所間の引継ぎが十分だったのか、
など問題視されています。


しかし、このルポを読むと、
いかに児童相談所の仕事がきついかが
ありありと分かります。


決してのんびりしてい手抜かった
などという状況でないことが分かります。


こういうことを受けて、
小池都知事が児童相談所の体制を強化する
という方針を示されました。
たいへん結構なことです。


6月22日の日経新聞にも、
「指導相談所 23区で続々」という記事が出ていましたが、
開設は2020年度から21年度のようです。
施設は作れても人の手配ができないのでしょう。


当書に紹介されている記述を何点かご紹介します。


1.虐待で危うく二人の幼児が死にかけた例


虐待の初期対応ワーカーになって4年目、
阿部圭子には、今も忘れられない光景がある。


数年前のことだ。
セロ歳と2歳の二人の子どもを抱えたシングルマザーがいた。
小粋なコートを着て出掛けるおしゃれな母親だったが、
家ではネグレクトをしていた。


地元の保険師が何回も家庭訪問したが、
母親に会うことができなかった。
交際する男性ができて、長時間家を空けていたようだ。


「家の中から異臭がする」
保険師から児童相談所に連絡があり、
大家に鍵を開けてもらって立ち入り調査をした。


阿部が目にしたのはーーーー。
ドアを開けると、部屋の中はゴミだらけだった。
腐臭が鼻をついた。


台所のシンクには食器や食べ残しが山積みになっていた。
床には黒ずんだ布団やゴミ、衣類、ミルク缶が散乱していた。


そのゴミの中に、子どもはいた。


2人とも全身汚物まみれで、
着ているパジャマは茶色になっていた。


衰弱しきっていて、
2人とも「あー」友「うー」とも声をあげることさえできなかった。


阿部は子どもたちを緊急保護した。
今、2人は児童養護施設で暮らす。


2.児童相談員が多忙の様子  
48時間ルール

児童相談所の電話が鳴った。
午後6時すぎ。すでに職員の終業時間は過ぎている。


「住んでいるアパートで、母親が娘を怒鳴る声がしている。
娘が泣いている」
住民からの虐待通告だつた。

「出ていけ!」という母親の怒鳴り声、
「お願いやから、○○しないで」と泣く
娘の声が聞こえるという。


虐待通告を受けた児童相談所は、
48時間以内に子どもの安全を確認するよう求められている。

「48時間ルール」は1999年に埼玉県が始めた。


厚生労働省は当初、児童相談所の負担などを考慮し、
参考として紹介するにとどめていたが、
京都府で3歳の男の子が食事を与えられずに餓死した事件が
2006年に発生して、
厚生労働省が児童相談所運営指針を2007年に改正、
全国的なルールとした。

 京都府の事件では児童相談所に4回通告があつたにもかかわらず、
児童相談所は確認を怠り、
虐待死を防げなかったことが明らかになった。



虐待通告が重なれば、
人手をさいて安全確認に向かわなければならない。
「大文夫だろう」と後回しにしたり、
子どもに直接会えないままにしたりして、
子どもが死亡するケースが後を絶たないからだ。

まさに時間との聞いだ。


うちがネグレクト
バジルのパスタを食べようとしているときだつた。
午後9時半すぎ、いつものように残業をして帰宅していた
虐待初期対応ワーカーの阿部圭子の携帯電話が鳴つた。



手際よく料理をして、遅い夕食とはいえ、夫と向き合い、
ほつとした時間を過ごそうとしていた。



携帯電話を見ると、発信元は児童相談所の番号だ。

胸騒ぎがした。


この日の夜は、緊急事態が発生すれば、
対応しなければならない当番にあたっていた。


電話の内容は、
病院から虐待が疑われるケースがあったとの通告が
寄せられたという。


父親から暴力を受け、小学生が脳しんとうを起こして逗ばれたので、
病院に行って確かめてほしいとの依頼だった。


阿部は食事もせずに、すぐに自宅を飛び出した。
車を運転して約1時間。ほかのワーカーと病院で落ち合った。


子どもは吐き気が止まらずに、そのまま入院となっていた。


阿部は病院にいた父親に何があったのか話を聞いた。
「質問しても息子が何も答えなかった。
小突いた後に押し倒し、足で踏んづけた」


父親は正直に話している様子で、状況はある程度把握できた。


今晩は、子どもは入院しており、これ以上傷つけられる危険性はない。
翌日に一時保護することを決めて、阿部は病院を後にした。


阿部が帰宅したのは午前0時すぎ、パスタは冷え切っていた。
夫はすでに食事を終えて寝ていた。

阿部はひとりで冷めたパスタを口に逗び、
ふろに入って、床に就いた。


ワーカーたちは、夜間の対応だけでなく、
土日の緊急対応も避けられない。


児童相談所が閉まっている週末や祝日も
緊急対応する当番を決めている。


そのときは休みでも、基本的には家にいて、
いつ連絡があっても姑応できるようにしておかなければならない。


(上野注:この状況は
コンピュータ運営を受託している企業の従業員も同じです。
しかし、夜間の緊急コールは児童相談所の方が多そうです)


3.児童相談所の中での業務レビュ状況 


このように、個人の対応に齟齬がないように、
組織としての指導共有が行われています(上野)


児童相談所の一角に、
ワーカーの阿部圭子とスーパーバイザー役の岡田明ともう一人の計3人が集まつた。


時計の針は午前9時50分を指している。


阿部が担当するケースについて対応を話し合う月1回の会議だ。


虐待の初期対応チームの阿部が担当するケースは約70件。
ほかの初期対応ワーカーが抱えるケース数も似たり寄ったりで、
それぞれが月に1回、同様の会議を上司と個別に持つ。


一時保護をしたケース、自宅で見守るケースなど、いろいろあるが、
日々、これに虐待通告による子どもの安全確認、
緊急の職権保護などの業務が押し寄せてくる。

「自分の担当ケースが何件あるかわからないぐらいです」
阿部は苦笑いした。


ワーカーは自分が担当するケースを、
リスクi応じて「I」「Ⅱ」「Ⅱ」「Ⅳ」の4段階に分けて
管理している。

この日の会議は、
リスクが高く要注意と判断しているⅠとⅡのケースが対象で、


最近の状況を確認、これまで通りの判定でいいのかどうかを見極め、
今後の方針を決めるものだ。

とは言つても、会議の予定を入れておいても、緊急対応が入れば、飛んでしまうこともある。



現に、阿部の場合、先月のこの会議は、
緊急の対応が入ってしまって開くことができなかつた。

岡田ら2人に向かつて阿部が説明していく。
(以下省略)
 
6時間、30人について話し合う

「会議始めます」
児童相談所内の職員に対して、次長が声をかけた。

毎週1回、午前9時に始まる児童相談所内の会議だ。

一時保護をした子どもや施設に入った子ども、
家庭に戻した子どもなどについて、
子ども本人や家族の状況を把握、今後の処遇や支援の方針を
児童相談所内で共有するものだ。


所内の一番大きな会議室で、所長、次長以下、
初期対応チーム、家庭支援チーム、相談チームなどを率いる
課長ら幹部が並び、
一時保護所の職員やワーカー、児童心理司らが随時出入りして、
自分の担当ケースについて報告する。


(上野注。この状況は企業の開発プロジェクトレビュと同じ感じです)
 
まずは、一時保護した中学2年の女の子について。
これからの生活をどのように支えていくのかという
今後の処遇方針が話し合われた。
(以下省略)


4.児童相談員の信念 


少し長いですが、この本の結びです。


「明けない夜はない」
阿部は大学を出て別の仕事をしていたが、
子どもが虐待死するニュースを見て、
「自分が救う側に回りたい」と、この世界に飛び込んだ。


子どもの保護に東奔西走する日々の中で、
「赤ちやんで、保育園にもどこにも通っていないというのが一番怖い」
と漏らす。

自分の担当するケースで
いつ死亡事故が起きてもおかしくないと感じている。


「もしかしたら子どもが亡くなるかも」


そんな不安や緊張を強いられる児童相談所のワーカーたちは、
一方で、親から怒鳴られることも珍しくない。

それでも「子どもにとつての最善の利益」を考えて
日々、走り続けている。

阿部は、親に対して強い態度で臨むことに躊躇はない。
「親と関係を作ろうと思うとしんどいけれど、


別にどう思われようといいと思えば乗り越えられます」


「子どもを救えたらそれでいい」
と阿部は自分に言い聞かせている。
「自分はこんなに冷たい人間かと思うこともありますけど……」
と冗談っぼく笑うが、
心の強さも求められるのが虐待の初期対応をするワーカーたちだ。


少し前のことだ。
小学生の男の子が父親に頭を踏みつけられてけがをし、
一時保護した。

両親からは猛烈な抗議が続いた。
祖父母らも加わって、阿部は「だまして連れて行くやり方は汚い!」
などとののしられた。


(上野注:児童福祉法第33条の規定により、
児童相談所は所長の判断で虐待されている幼児・児童を
強制的に「一時保護」できるようになっています。
この権限は警察よりも強い(裁判所の判断が不要なので)
と言われています。ですから保護者からのクレームもあるのです)


何度も抗議されたが、同部は一歩も譲らなかった。
「子どもの安全が第一です!」と繰り返した。
「お父さん、私ここに寝るんで、
どれぐらいの感じでお子さんを踏んだかやつてもらえますか?」


阿部は面談のときに父親にそう提案して、床に寝そべった。
父親は戸惑いながらも、床をけつて再現してみせた。

父親は、「どうしたら子どもを帰してくれるのか?」
と繰り返した。


子どもが言うことを聞かなかったため、
父親の威厳を見せようと足を振り上げたら、
結果として踏みつけてしまったと主張した。

「足を上げたとしても
踏んづけるというのはないですよ。それは虐待です。
子どもに伝わるようなかかわり方をしてほしいんです」

阿部は父親に適切な対応をするよう言い続けた。


その後、父親が態度を改める意思を見せたため、
子どもを家に戻し、
学校などと協力して虐待の再発がないか
フオローを続けている。

1カ月ほど前、父親に面談でこう言われた。


「息子が一時保護されてよかつた。

あそこで止めてくれていなかつたら、
もつとエスカレートしていたかもしれない。

私は子どもを自分の枠にはめようとしていたことが
わかりました。
いまはかかわり方を変えました」

その言葉を聞いた阿部は、胸を熱くした。
父親の晴れやかな笑顔に、
「この仕事をやつていてよかつた」
と心から思えた。


子どもを一時保護すると、ほとんどの場合、
保護直後の10日ほどは保護者から激しく抗議される。

張り詰めた緊張感の中で、
気力と体力を保ち続けることに
限界を感じることすらある。


支えは、「子どもの命を守るため、
間違ったことはしていない」
との思いだ。

「親からの抗議はいつか終わる。
子どもを無事保護できていれば、親も途中で考え直し、
『悪かった』というところも出てきますから」


阿部は自分に言い聞かせるように、こう続けた。
「明けない夜はない、ということですね」

児童相談所のワーカーたちの奮闘は今日も続いている。



5.児童相談所の職員児童福祉司の実情


全国児童相談所数(上野調査)
 H28.4.1現在209(東京都は11)
 前年から1所した増えていない。


児童福祉司の実情(本書)


児童福祉司は、
児童相談所で虐待や非行などの対応にあたる職位として
地方自治体が任用する。
ワーカーとも呼ばれる。


児童福祉法に基づき、
社会福祉士などの資格や
一定の実務経験があることなどが要件になっている。


2017年4月1日現在で、全国に3115人おり、
福祉などの専門職として採用されている人が7割強、
残る3割弱は一般行政職がついている。


勤務年数は3年未満が4割超で、
専門性の不足が指摘されている。


人員不足も永年の課題だ。
2016年度に全国の児童相談所が対応した虐待相談件数は
12万件を越え、
10年間で約3.3倍に増えたが、
児童福祉司の配置人数は約1.4倍の増加にとどまっている。


厚生労働省は、
児童相談所強化プラントして、
2015年度を基準にして2019年度末までに
児童福祉司を550人増やす目標を立て、
2016年10月からは人工4万人に1人以上を配置することを
求めている。
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他の社会福祉テーマとの関係もあり、
人で不足のの打開策はなかなかたいへんでしょうね。
気が重くなります。











最後になりましたが、全国の虐待死人数は 
心中を入れて毎年100人程度(心中を除くと50人程度)だそうです。
もっと多い印象ですが。