2024年3月26日火曜日

「異常気象がノーマルに、春と秋が消え「二季」に?」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「異常気象が異常ではない」ということの確認をしていただきます。
ねらい:
 個人の力ではどうにもならないので、
 それを前提に生活設計をするしかないですね。
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本テーマは、学士會会報2024-Ⅱ掲載の
三重大学大学院生物資源学研究科の立花義裕教授による
当件名の論文のご紹介です。

最近巷では、「春がなくていきなり夏だ」とか
「夏から急に冬だ」と言われていることが
本当であることが分かりました。

この論文では、冒頭に以下のように書かれています。

最初に結論を書こう。
北極の著しい温暖化がの日本の異常気象を頻発させる。
人類が放置すれば、異常気象が普通の天候、すなわち、
異常気象発生がニューノーマルな時代になる。
いや、もうすでになったかもしれない。

ニューノーマルな時代では、
四季が亡くなり長い夏と冬だけの「二季」となる。
そうならないためにワタシたちは何をすべきか?
戦争している暇は無い。

気候危機は人類の最大の危機なのだ。
地球温暖化が新聞やテレビで報道されているが、
未だに無関心層が多数である。
気候危機は遠い未来のことではない。

以下に要点をご紹介します。
【猛暑は災害であり、「人災」でもある】
近年、日本では熱中症で毎年千人規模の人が命を失っている。
この数は、風水害による年間の死亡者の約10倍。

10年間猛暑が続けば、東日本大震災と同程度の死亡者数となる。
でも、猛暑で千人の人が亡くなっても「大災害」と呼んでいない。
その原因は地球温暖化でありそれは人災である。

【極端な猛暑は偏西風の異常な蛇行が原因】
猛暑が続く原因は偏西風の蛇行である。
偏西風の北は寒く、南は暖かい。
偏西風の蛇行で北に寄っているところに日本があり、
そのために温度が上がる。








【蛇行の一因は、北極の温暖化】
偏西風は、北極と低緯度の温度差が大きくなると強まり、
小さくなると弱まるメカニズムを持っている。
北極圏は地球全体の温暖化をはるかに上回るスピードで温暖化している。
その結果、北極と低緯度の温度差が減り、
偏西風が遅くなり蛇行が起きる。
遅いと蛇行が起きるのは川の流れと同じである。

【海水温度も未曽有の高温】
そのために、陸の温度も高くなる。
原因不明であるが黒潮も蛇行し、本邦近辺に長く留まっている。

【豪雨も広域で長時間続く】
豪雨頻発の原因も海の温暖化である。
海の温暖化により水蒸気の発生が多くなり、
これが異常な降水をもたらしている。

【豪雪も偏西風蛇行と水温上昇がもたらす】
猛暑で高まっている海水温は直ぐには下がらず、
冬でも水蒸気が大量に発生する。
この大量の水蒸気が、大陸からくる寒気により冷却され
大量の雪となる。

【アラスカ沖の北極海氷の激減の影響】
アラスカ沖の北極海氷の激減により、
アラスカの北の上空は異常に暖かくなる。
冬の偏西風は、温かい海を避けるように北に迂回させられ、
北極点近くまで侵入し、その反動で、
北極寒気を東西に引き裂いて偏西風の南北への蛇行をもたらす。
これにより、日本近辺と北アメリカの冬が寒くなっている。



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