2024年3月17日日曜日

「大常識」って何?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 百田直樹氏のしごくごもっともな「大常識」論をご紹介します。
ねらい:
 百田氏のファンはどのくらいおられるのでしょうか。
 そういう常識が日本全体の常識になってほしいですね。
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本テーマは、百田尚樹氏著「大常識」のご紹介です。
本書は、2023年2月4日~10日の新書のランキング8位に
入っていましたので、何だろう?と思って買ってみたものです。
書名がシンプルなのも珍しいことでした。

百田氏の常識から世の中の事件等をみて、
これはおかしいのではないか、ということについて
意見開陳をされたものです。

そういう点では、この「上野則男のブログ」とも共通性があります。










本書で取り上げられている全項目は、以下の目次をご覧ください。

















全体として、私も賛同できる意見がほとんどなのですが、
特に賛同できる意見を以下にまとめてみました。
原文はデスマス調なのですが、デアル調にして要約しています。

原文のトーンをご理解いただくために、
この中の「電気は命に直結する」の一部を後掲しました。

テーマ

内容

個人情報過剰配慮社会を憂う

現在は、個人情報を保護するという名目で、かなりの情報が秘匿されるようになっている。住民票の続柄欄は「子」しかないし「男女」の区別もない。

差別が良くないのは言うまでもないが、何かにつけ「差別だ」と叫ぶのはいかがなものか。そのために本来しなければならない「区別」さえできないのはあまりにも不合理である。

上野注:私は以前から、個人情報保護の行き過ぎを懸念している。

上野則男のブログ: 過度な個人情報保護への反攻 (uenorio.blogspot.com)

女性専用車両の根本的な矛盾

女性専用車両は、痴漢行為を防ぐ目的で1912年の東京の中央線から始まっている。毎日ラッシュ時に通勤している友人は、空席の目立つ「女性専用車」を横目にいつも満員の一般車両に立っているとこぼしている。

女性を差別しない「平等主義」の現代に女性限定とは、いかがなものか。ちなみに鉄道会社の見解は自身が女性だと認識していれば「女性専用車」に乗車できるそうだ。

トップレススイマーが許可された

20233月に新たなベルリンの壁崩壊があった。それは、ベルリン市内の市民プールで女性も男性と同じようにトップレスで泳ぐことが認められた。

しかしこれは行き過ぎではないか。女性の胸は性の象徴である。ある調査によれば全裸の女性の前に突然男性が現れた場合、半数以上の女性はとっさに股間より胸を隠すそうです(上野もそういう経験をしたことがあります)。

「君が代」が放送禁止だったとは

20235月に、大分市の中学校で、昼休みの校内放送で「君が代」を流したら、教師が飛んで行って「ふさわしくない」と中止させたという。日本の国歌を流して何が悪いのか。指導を受けるべきは、生徒ではなくその学校である。

死刑はないけど射殺はある

20226月にアメリカ・オハイオ州で黒人男性が警察官から銃撃を受け死亡した。日本ももう少し警察が厳しくなれば、犯人たちも大人しくなるのではないか。

かたや欧米の国から「日本は死刑があるから残酷だ」という意見がある。しかし彼らは犯罪現場で勝手に死刑を執行しているのだ。それに対して犯罪者の言い分も十分聞いた上で、裁判を経て執行するわが国の方がはるかに人間的である。

やはり犯罪者に甘すぎる2

2021年2月、大分市内の県道で起きた交通死亡事故で、時速194キロで乗用車を運転していたとして危険運転致死で書類送検された元少年を、検察がより法定刑が軽い過失運転致死の罪で起訴をした。

亡くなった男性の遺族が「納得がいかない」として、危険運転致死罪を適用するよう訴えている。

どんな状態であれ、一般の道路で194キロ野スピードを出していれば、危険運転でしょうに。日本の刑事裁判の有罪率は99.9である。検察が確実に有罪をとれる「過失運転致死」を選んだのならとんでもないことである。遺族は浮かばれない。

電気は命に直結する

2022年の夏も電力供給が厳しく、政府も節電を奨励している。しかし節電は、クーラーを使わないことによる熱中症のリスクがあり、命に関わることである。

電力不足を解消するには、停止中の原発を稼働すればよいのである。がん発反対派は反対するが、止まっていても稼働していても自己のリスクは同じである。リスクの優先順位の考え方が、明らかに間違っている。

「遺憾」よりも「威嚇」が必要な時

2022年、北朝鮮がやりたい放題でミサイルを発射している。中国は尖閣周辺の日本の領海に入り放題、ロシアは北方領土で軍事活動のし放題と、わが国はならず者に好き勝手に振る舞われている。唯一の反応は「遺憾である」と言うだけなのである。

これでは舐められるのは当然である。「専守防衛」「非核三原則」などと言ってアピールしているが、世界はそんなことお構いなしに攻めてくる。今こそ軍備増強、核保有を含めて真剣に対応をかんがえなければならない。人間も野生動物と同じで自分より強い相手に攻撃をしかけることはない。攻撃を受けない最大の防御策は相手に「この国を敵に回すと偉いことになる」という恐怖心を抱かせることである。

優先席の使い方を考える

札幌の市営地下鉄では「優先席」ではなく「専用席」にした。北星学園大学の調査では、専用席の利用者で専用席を必要としている人の割合は93.4%に対し、関東の地下鉄の優先席では19.9%に留まっている、必要とする人が立っていた割合は、市営地下鉄が13.2%で関東が46.6%、空席割合は市営地下鉄が55.4%だが、関東は22.1%であった。専用席にする効果はあるようである。

しかし、朝夕の通勤ラッシュ時に優先席の空席の前で立っている人がいるが、これは迷惑である。座ってくれた方が隙間ができる。そういう判断やマナーは日本人が得意とすることのはずで、そうなっていないのは残念なことである。

救急車に道を譲らない人

20228月に、救急車に道を譲らない車や歩行者が増えているという記事があった。自己中心的で、救急車に乗っている人のことを考えないということなのであろう。

救急車の中にいるのが自分の身内だとしたらどう思うか、どけてくれない車には腹が立つだろうに。自己中心的でない思いやりあふれる日本人であってほしい。

何より子供を大事にしてほしい

20229月に、静岡県牧之原市の認定こども園に通う3歳の女の子が通園バスの中に取り残され死亡するというなんとも痛ましく、腹立たしい事件があった。親の信頼を裏切り「確認を怠りました。ミスでした」では、どうにもこうにも許されることではない。

この事件を受けて、いろいろな対策を講じるようになったが、そもそも、単純に社内を確認する、ということがなぜできないのか、分からない。子どもに、閉じ込められたらクラクションを鳴らす訓練をしているところもあるという。いったいこの国の大人たちはどうしてしまったのか。

 上野注:このテーマは、当ブログでも取りあげています。同意見です。

上野則男のブログ: 悲惨な幼児事故死の対策を考えましょう! (uenorio.blogspot.com)

生活保護の対象を拡大していいか

202210月、厚労省が「生活保護を受けながら大学に進学することは認めない」という見解をだした。生活保護は、働きたくても働けない人に、最低限度の生活を保証するために支給されるものである。大学に行けるなら働けるはずなので、この見解は妥当である。もし優秀な学生に「日本の将来のために」学んでもらいたいという人がいるなら奨学金を出せばよい。

それより問題は、海外からの国費留学生に、学費全額免除と生活費の面倒を見ていることがある。その約半数は中国人である。中国人留学生は日本人の働いた金で学び、知識や技術という何ものにも代えがたい土産を持って帰国する。その土産は中国のために使われるので、彼らへの投資は「日本国の役に立つ」どころか「日本国を脅かす」ことになる。お人よしも大概にしてもらいたい。

 上野注:現時点での国費留学生数は8,761人で、中国からの留学生が 60.8%と最も多く、次いで韓国(14.2%)、台湾(3.7%

進む「匿名化」への疑問

バスやタクシーの運転者の氏名の表示義務が廃止される(202381日道路運送法に基づく省令を改正)。女性の運転手のストーキングリスク、乗車態度を注意された客が逆恨みであることないことを実名入りでネットに上げることを防ぐことが目的のようで、乗客の安心安全のための措置が運転手を危険にさらすことになっているのである。今後は車両の識別番号が分かるようになる。お互いの安心のためには仕方のない妥協点かもしれない。

名札の廃止といえば、販売店や飲食店でも、同様の理由から廃止が進んでいる。接客業でありながらマスクで顔の半分を隠したうえで匿名にしなければならないとは世知辛い世の中になったものだ。

 上野注:最近は郵便局などでも、匿名化が進み残念なことです。

 

電気は命に直結する
前略 
電力は現代社会において最も重要なエネルギーのひとつで、
なにをおいても供給を止めてはいけないものです。
それを
暑くなってみんながクーラーをフル稼働するから足りなくなるなんて、
とても先進国とは思えません。

もちろん、
二進も三進もいかないのなら「節電」も仕方がないでしょうが、
わが国には簡単に電力不足を解消する方法があります。
いま稼働停止している原子力発電所を動かせばいいだけです。
東日本大震災での事故以来、全国の原子力発電所がストップしました。

原発反対派は「また大災害に襲われたら大変だ」と言います。
たしかに新たに原発を作ればそのリスクは増加するでしょう。
しかし、既に存在しているものは動いていようが止まっていようが
災害によるリスクは変わりません。
ならばあるものを利用して喫緊の危機を回避することに
何を躊躇うことがあるのでしょう。
危機対応の優先順位が明らかに間違っています。

電気料金は原価に適正な利潤を加えたものです。
すなわち節電によって電力使用量が減り電力会社の利益が減ると、
電力会社はその減少分を電気料金に加算するのです。
ですからコストの高い電気をわたしたちが使わなければ使わないほど
電気料金(上野注:その単価)は上がるのです。
いずれにせよ電力会社は痛くもかゆくもなく、
節電は我々が自分の首を自分で絞めているのと同じです。
そして、何よりも節電を頑張ろうとエアコンのスイッチを切ることは
「首を絞める」という比喩ではなく、
本当に熱中症で命をおとすことになるのです。
(上野注:実際にそのような事故がありました)

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