2010年7月29日木曜日

常用漢字の追加、こんな字が!

 少し前のことになりましたが、
 文化審議会が6月7日に常用漢字の196文字追加
 を文部科学省に答申しました。
 年内にも告示となるようです。

 この追加の文字を見て
 あれ、これは今まで常用漢字ではなかったのか、
 と思う字が多数あります。

 そもそも常用漢字って何だろう?という疑問が湧きます。
 そこで調べてみますと、こうなっています。
 1981年に常用漢字が制定されたときに

 「法令・公用文書・新聞・雑誌・放送等、一般の社会生活で用いる場合の、
 効率的で共通性の高い漢字を収め、
 分かりやすく通じやすい文章を書き表すための漢字使用の目安」
 (その時の答申の前文)

 とされています。
 つまり漢字使用の「目安」なのです。
 その時は、1945文字でした。

 そういう性格の文字ですから
 義務教育の学校で学ぶことが想定されています。
 基本的な漢字1006字については、
 小学校の学年別に、
 文部科学省の『小学校学習指導要領』の付録『学年別漢字配当表』
 に定められています。

 常用漢字の前身は「当用漢字」で、
 1946年に1850字で制定されました。

 こちらは、かなり制限色の強いもので、
 前文で、「当用漢字は、法令、公文書、新聞、雑誌および一般社会を対象とする」
 と記され、使用上の注意として、
 「この当用漢字で書けない場合には、言葉を変えるか、かな表記にすべき」
 とされました。

 それが、1981年に95字が追加されると同時に
 制限のゆるい「目安」になったのです。

 日本新聞協会では、この常用漢字を基本にして
 独自の新聞漢字表を設定し、各社これに準じた運用をしているようです。

 常用漢字の他に人名に用いることのできる
 「人名用漢字表」があるのを皆様ご存じでしょう。
 現時点では、常用漢字の他に985字が利用可能となっています。

 人名用漢字は、厳格な規制で、
 対象文字以外は人名に使えません。
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 私が1983年に長男の名前を決めるときのことです。
 「はやと」という音の名前にすることを決めて、
 字を探しました。

 隼人は一般的ですが、隼の字が使えませんでした。
 (今、調べてみると1976年の追加で、隼の字は利用可能となっていました。
 私が調べた人名用漢字は当初のもので、そこには記載されていなかったのです)

 そこで「迅人」を検討しました。
 この字は使えましたが、姓名としての字画が悪かったので
 諦めました。

 最終的に落ち着いたのが「速人」でした。
 「走るのが速くなれ」「情報に早くなれ」という意味で命名しました。
 (この速人は今NHKのアナウンサをしています)

 こんな名前の人はいないだろう、
 と思っていましたら、
 お客様など仕事の関係者の中に何人かおられるのです。

 そのご両親は私と同じように考えられたのかな
 と大変近しく感じられたものでした。

【人名用漢字に関するトピック】

 2004年9月に大幅追加のときのことです。
 法相の諮問機関「法制審議会」でまとめた追加原案には
 以下のような文字が含まれていたそうです。
 (この時の最終案では、これらの文字は対象外となりました)
 
 糞、呪、屍、癌、姦、淫、怨、痔、妾、蔑、膿、腫、娼、尻、嘘

 こういうことになったのは、
 審議会では単に「使用頻度の高い漢字」ということで
 選定したからなのだそうです。
 
 人名に使うという最終目的を忘れていたのです。
 「目的・ねらい」を明確にしないと、こんなことが起きるのです。

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 脱線しました。
 以下、今回追加になった文字についてのコメントです。

 この文字が今まで対象外だったのですか!
  宛、唄、岡、俺、頃、誰、虹、阪、枕

 あらまあ?
  股、尻、釜、淫、媛、伎

 植物
  茨、柿、葛、藤、栃、梨

 体の部位 難しい字が多いのですね。
  咽、顎、拳、股、喉、尻、腎、爪、瞳、眉、膝、肘、頬、脇

 前向きの言葉は多くありません。
 せいぜいこれだけです。これまでに登録済みなのでしょうね。
  錦、憧、憬、爽、湧

 逆に嬉しくない字はかなり入っています。
 こういう字は使わないですみたいですね。
  畏、萎、鬱、怨、臆、潰、惧、嫉、腫、呪、溺、妬、貪、罵、蔑、闇、瘍、慄、弄

 こんな字書けませんね。
 書けなくても分かればよいのだそうです。
  鬱、彙、毀、傲、剝

 以下一つずつです。

 焼酎 今までは、焼チューと書かなければいけなかったのです。

 進捗 今までは、進ちょくと書かなければいけなかったのです。

 鶴も亀も、ついでに熊も虎も鹿も今までダメだったのです。

 妖艶という表現が可能となりました。

 あいまいが曖昧となりました。

 「捉える」は、ずい分今まで使ってきましたが漸く認知ですか。

 丼が今までダメだったとは!吉野家さんも大手を振れますね。

 瞭は追加になりましたが、石川遼の遼は人名漢字です。

 「目的・狙い」と書けるようになりましたが、
 今後とも「ねらい」は平仮名です。

 ということで、オチがつきましたのでお開きにいたします。

2010年7月28日水曜日

「ポジティブ病の国、アメリカ」-リーマンショックの遠因-

 これは、バーバラ・エーレンライクという
 細胞生物学で博士号をとった米国の女性(詳しくは分かりません)が
 2009年に書いた著書の翻訳本のタイトルです。

 原題の直訳は、
 「明るい側面への偏り-いかにポジティブシンキングの無慈悲な勧めが
 アメリカを蝕んできたか」です。

 驚きましたが、
 アメリカのポジティブシンキングは、
 我々が「前向きにものごとを考えろ」 「批判ばかりしていたら前進はない」
 と言うようなものとは異質のようです。

 この本によると、アメリカでは、
 ポジティブ=正
 ネガティブ=邪または悪
 と考えられる風潮があるようです。

 極端に言えば、ポジティブシンキングを批判すれば
 「国賊」扱いになるのです。

 「引き寄せの法則」
 (望みのものを思い描けば、現実にそれを引き寄せることができる)
 が多くの人に信じられました(あるいは信じられています)。

 その究極の結末が「リーマンショック」だというのです。
 不動産業者たちは、本来はその財力がない人たちに
 「大丈夫です。買った不動産を担保に融資してあげます」
 と、夢の持ち家を勧めました。

 「持ち家を欲しいと念ずれば持てるのです」
 という引き寄せの法則への便乗です。

 金利高騰等で、
 返済額が年収の130%になる例もあったそうです。
 当然ながら、夢は現実の前に敗れ
 破産者が急増したのです。

 返済能力の評価の低い人向けのサブプライムローンは
 焦げ付き大量発生によって、
 その債権を取りまとめて証券として販売した首謀者の
 リーマンブラザーズの破綻が起きました。

 同社では、
 不動産事業のリスクを説いた責任者を
 「後ろ向きでありこの事業の責任者にふさわしくない」
 として解雇しています。

 その意味で、ポジティブシンキングが
 リーマンショックの遠因であるというのです。

 このようなポジティブシンキングは一種の宗教ですね。
 現に、ポジティブシンキングの布教(普及)で
 飯を食っているコンサルタント類がたくさんいるのだそうです。

 その背景には、アメリカには貧困層も多く、
 ポジティブシンキングでも持ち出さないと暴動が起きてしまう、
 それに対して、
 「ポジティブに物事を考えれば、いつかは良くなるよ」
 という考え方を経営者や支配層が悪用しているのだ、
 という面もあるようです。

 ポジティブシンキングの思考特性は「何とかなるさ」
 だと思われますが、
 それは家計の貯蓄率の低さに表われます。

 「主要国の家計貯蓄率の推移」
 http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4520.html

 を参照してください。

 アメリカは世界の主要国の中でずっと最下位です。
 貯蓄がなければ失業すると
 すぐに借金の返済は不能になりますね。

 なお、本書によると
 アメリカでポジティブシンキングがもてはやされるようになったのは、
 必ずしも開拓者魂の延長ではなく、
 開拓民が持ち込んだカルヴァン主義(ピューリタニズム)
 に対する反抗からだったのだそうです。
 ですから、単なる楽観主義ではないのです。

 ここまでの分析・解説は大変勉強になりました。

 しかしバーバラさんは、科学者であるせいか
 あるいはアメリカの風土のせいか
 病気における心と体の関係、つまり心が体を変える、
 というポジティブな効果についても否定的です。
 (ご自分が乳がんで苦しんだ経験を踏まえても、です)

 私の妻の母親は、
 二人が結婚する頃から、、医者から
 「(ガンのため)あと3ヶ月の命です」と言われました。

 ところが、皮膚、乳房、肺、脊髄と転移を繰り返して、
 寝たきりから歩けるように復活するなどの「奇跡」を起こしながら
 20年間生きました。

 「孫の顔を見たい」「孫の成長を見たい」
 という強い思いがガンに勝ったのだと思っています。
 これは科学の世界ではないですね。

 このメルマガ7月号の「医学と医療、「BOK」と技術書」
 でご紹介した帯津三敬病院の帯津良一先生は、
 「気」の活用等の東洋医学と西洋医学の併用で
 ガンの治療に大きな成果を挙げておられます。

 アメリカは、科学的に証明されていない
 「気」の世界は苦手なようですから、
 結果がものを言う治療中心の医学では
 日本は世界的に見て、かなり有利な立場にあるようです。

 帯津先生にはもっともっと頑張っていただきたいものです。

2010年7月27日火曜日

プロマネ研修でコシヒカリパーティ

 「たまには肩のこらない楽しい話題を提供してください」
 という求めに応じて、この報告をいたします。

 7月24日土曜日の夜、
 第38期超プロマネ養成研修の第5回講座
 「進捗・コスト管理」の終った後のことです。
 当日の担当の佐藤義男講師も交え
 この会が催されました。
 (写真1参照)


 この会のきっかけは、
 大島道夫さんが故郷のお米を自慢したことでした。
 (写真2参照。いいですねー。村興しに気が惹かれます)



 この研修は半年間ですので、
 学校になぞらえて、
 校長、副校長、クラス担任(現在空席)、級長、副級長
 が決められています。

 幹事役の副級長大島さんからの案内は以下のとおりでした。
 きちんと「目的・ねらい」が記述されています。
-----------------------------
 第6回 情報交換会 (新潟県津南町のコシヒカリを食す)
 【目的】 絶品のコシヒカリと一品のおかず&絶品のワイン等で、
      美味しい「食」と「時間」を楽しむ。
 【ねらい】 
  (1)参加者が、今後、
    超プロマネとして活躍するための仲間の絆を深める。
  (2)今後の超プロマネ養成研修の参加者のために
   「超仲間づくり」の参考手段となるようにする。 
  (3)ご指導いただいた先生への御礼と
    超プロマネ養成研修の発展の祈念の場にする
  ●ご案内────────────────────────────────
 1.日時 2010.7.24(土) 18:00~21:00<予定>
 2.場所 株式会社データ総研様研修室→いつもの場所です。
 3.参加者 校長、副校長、受講者全員およびゲスト
 4.ゲスト 株式会社ピーエム・アラインメント佐藤社長
 主催者 級長(鈴木:雅)、副級長(大島)
  ●調達の役割分担───────────────────────────
 追加の差し入れは、大歓迎ですのでよろしくお願い致します!
 (1)電気釜、ボール等  →校長先生
 (2)お漬け物、お箸、お皿、お塩等  →副校長先生
 (3)ワイン  →松本さん、西寺さん  
   ※要求仕様 ・イタリアワイン・価格 1,350円~2,350円超
         ・赤2本、白2本以上
 (4)佃煮とおにぎり用の焼き海苔 →級長(鈴木:雅)さん
 (5)ウナギ →鈴木(健)さん
 (6)だし巻き卵 →島崎さん
 (7)おにぎり器 →栗林さん
 (8)コシヒカリと八海山 →大島
 (9)当日の司会進行 →級長(鈴木:雅)さん
-------------------------------
 
 このイベントのトピックスを幾つかご紹介します。
 1.持ち寄りの分担は、それぞれの得意分野で決めました。
  お米 言いだしっぺの大島さん
  ワイン 酒類卸もしている菱食の二人
  うなぎ 浜松の鈴木(健)さん
  だし巻き卵 「おいしいのを知っているよ」ということで島崎さん
  お釜 「余っているのがあるよ」と上野
  海苔 「それでは」と鈴木(雅)さん
  おにぎり器 「それでは」と栗林さん
 写真3は、そのおにぎり器で作ったおにぎりです。



 実は、ご飯の炊き上がりは今いちのようでした。
 私の持参した古い電気釜のせいではないかと
 申し訳なく思っているのです。

 2.どくだみ卵
 ご飯はおにぎりで食べるはずだったのが、
 当日、大島さんが「どくだみ卵」なるものとどんぶりを持参して
 「卵かけご飯」を推奨しました。
 皆さん、「ぞっこん参った」という感じで
 おにぎりは不人気となってしまいました。
 (写真4参照)



 どくだみ卵は、北九州市の田中鶏園特性の卵です。
 どくだみの葉を餌に混ぜて鶏に与えると
 鶏も丈夫になり、
 卵も黄身が色鮮やかで弾力あるものになるのだそうです。
 20個800円で直販されています。
 (写真5参照)


 3.心配りのできる人
 準備をしているとき、会が始まったときでも、
 心配りの得意な人とそうでない人が見えてきます。
 
 Kさんは、米をとぐには天然水が良いのではないか、
 という話になると、さっさと近所で買って来ました。
 ほとんどのメンバは、心配りをする人でした。
 プロマネですからね。

 そこで思い出しました。
 ある会社が新入社員の採用試験の代わりに
 キャンプ場でバーベキュ会をしているそうです。

 そこに参加した人を観察していると、
 採用面接では決して分からない人間性が分かる
 ということでした。

 4.代理副校長
 当日は、緊急の用件で副校長の田村八重子が欠席で
 代理を近藤千穂が担当しました。
 
 「いつもの副校長よりも研修運営のプロです」
 と紹介され、やや緊張し、
 落ち度がないように、と頑張りました。
 
 生徒の評判も大変良かったようでした。
 ご褒美に、美味しい卵かけご飯とうな丼にありついて
 ご満悦でした。

 5.プロジェクトの成功要因 
 当日参加した佐藤義男講師が
 参加メンバに当日の大成功を賞して送った言葉があります。

  プロジェクトは人が基本。
  人は心で動く。
  プロジェクトでは、心をひとつにして働けるチームが成功する。
 
 そのとおりでした。

 システム開発プロジェクトがこのようにいけば
 よいのですが、ねー。

 6.蛇足 
 当日私は2時間で途中退席しました。
 (会は9時まで行われました)
 それは、当日が私にとって「3重喜」の日だったからです。
  その1、妻の誕生日 これは誰にでもある日です。
  その2 結婚記念日 これは計画すればできることです。
            級長もそうだと言っていました。
  その3 娘の誕生日 これは真似ができないでしょう。
            ここでブッチギリです。

 以上で当日の報告は終りです。
 これを契機に、このクラスの人たちが
 どこまで、成長されるのか大変楽しみです。

国家予算の1割削減方針

 政府は、来年度予算の概算要求基準として
 一般的な政策経費の一律1割削減を設定しようとしています。
 (7月17日時点)

 各大臣からは、以下のように不満続出状態となっています。
  国交省は、「国交省管轄の経費削減目標を達成しているのに
  上乗せでの一律削減は飲めない」
  文科省は、「成長の原動力である知的基盤を破壊する」
  各省も、マニフェスト等を盾にとって反対表明をしています。

 私は、前著「目的達成の教科書」で
 以下のように一律経費削減の非を説いています。
------------------------------
 一律経費削減
   何のために経費削減をするのか、
   その目的に照らしてメリハリ付けるべき。

 会社の業績が悪くなってくると、必ず実施されるのが経費削減です。
 多くの場合、
 一律10%カットとかの基準で実行されることが多いようです。

 一律である根拠として、
 個別事情を考慮するとなるとそれぞれに尤もな理由があり、
 それを議論している時間がない、今は緊急事態である、
 というようなことが言われるのです。

 はたしてそうでしょうか?

 この場合も、何のために経費削減を行うのか、
 を検討する必要があります。
 多くの場合は利益を確保するために経費の削減を行うのでしょう。

 だとすれば、利益の確保に繋がる程度に応じて
 削減率を変えたらよいのです。
 営業成果に直接つながるような経費
 (例えば、営業手数料、ある業界の広告費、イベント費用、営業の交通費)
 は削減0、
 営業成果に間接的につながるような経費
 (例えば、交際費、営業の人件費)は10%削減、
 それ以外は20%削減、
 とかにすればよいのです。

 何らかの理由で経費の絶対額を減らさなければならないのなら、
 額の大きな費目で減らすのが、
 手間暇がかからなくてよいことになります。

 一律削減は、
 それを実施する事務方の無能さを表わしているといる
 ということになりそうです。
 
 個人の出費削減なら一律にはしないでしょう?
 削減の影響や効果が判断できるからです。
------------------------------
 一律削減は、
 無能な管理担当が持ち出す便法だということです。

 では、今回の国家予算の場合はどう考えたらよいのでしょうか。
 「何のための予算削減か」が検討の鍵です。
 支出を抑えることが最終目的ではありません。

 何年かの計画で、財政の収支をバランスさせることが
 最終目的のはずです。
 そうであるなら、収入増(税収増)に繋がる可能性のある支出は
 絞ってはいけません。

 税収減は、さらなる支出減を要求して
 デフレスパイラルに入ってしまいます。

 したがって、以下のような基準を設けるべきでしょう。

  将来の税収増に繋がる支出は     削減なし
                  または、増枠
  マニフェストで公約した支出のうち、
          優先度の高いもの  削減なし
  同じく、優先度の中程度のもの    5%削減
  同じく、優先度の低いもの     10%削減
  その他の支出           15%削減
  (優先度は、将来の税収増に繋がるかどうかで判断すべきです)

 などとすればよいのです。

 民主党のその後の動向では、
 ほぼそのような動きになりつつあるようです。

 一律1割削減の財務省方針は、
 敢えて議論を呼びそうな方針を持ち出して
 議論を早く進めようとした作戦だったのかもしれません。
 もしそうだとすると、
 財務省のお役人はやはり大変優秀ですね。
 
 (以上は7月27日寄稿)

 と思っていましたら、
 7月27日開いた臨時閣議で、
 当初予定どおり
 社会保障などを除く政策経費は「全省庁一律1割減」
 と決定されました。

 1兆円の特別枠で個別事情に対応しようというのが
 せめてもの進歩でしょうが、
 1兆円では、とても足りそうにありません。

 途中経過は今回も結局迷走だったことになります。
 司令塔不足の状況が続いているようです。
 (以上7月28日)
 

2010年7月26日月曜日

問題発見シリーズ その2 問題とは何か

問題発見シリーズその1で取り上げた
「なぜ危機に気づけなかったのか」(マイケル・A・ロベルト著)は、
そもそも問題発見を勧める書なのに
問題の定義がないのはどうしてなのでしょう。

皆様に初級の質問ですが、
「問題とは何かを定義してください」
どうでしょうか。

「問題と思うことである」
「問題意識が重要だ」
これでは答えになりません。

ではどういうことでしょう。
「問題とは何か?」は、
 システム企画研修㈱の研修で
 20年以上前から使用している小演習テーマです。

 「以下の4つの文章のどれが問題でしょうか?」
 と質問するのです。
 
  1.伝票1枚処理するのに5分かかる。
  2.請求書を締め後3日目に出している。
  3.給料が20万円である。
  4.子供が10歳である。

 そうすると、以下のようなさまざまな回答が出ます。
  1番が問題
  2番が問題
  3番が問題
  1番と2番が問題
  2番と3番が問題
  すべてが問題
  どれも問題でない
  4番は問題でない

 このいずれも正解ではないのです。
 では正解は何でしょうか。

 正解は「どれが問題であるか分からない」です。
 なぜでしょうか。
 それは、「目標が示されていないから」です。

 問題の定義は、「目標と現状の差」なのです。
 先ほどの4つの文章は、現状を示しているだけで
 目標が示されていませんから、
 「問題かどうか分からない」が正解なのです。

 では、「4番は問題になるのでしょうか?」と質問すると、
 問題にならない、という回答をする方もあります。
 (講師の誘導尋問ですね)
 「なぜですか」と質問すると
 「改善できないから」という答が返ってきます。

 問題の必要十分条件は「目標と現状の差」です。
 改善できるかどうかは関係ありません。
 「遊園地で、子供が10歳だからあの遊具を利用できない」(問題だ)
 「利用したい、12歳だったらよいのに」
 と思うのは自然です。
 
 「それは問題ではないでしょう」と誰かが言ったとすると、
 その人は怒るでしょうね。
 「何を言っているんだ。私にとっては問題だ!」と。

 ところが、世の中には30種類か、もっと多く、
 「問題解決何とか」という本が出ています。
 その中には「解決できないものは問題ではない」
 という定義をしているものもあります。
 その本の中でどう定義しようと、それは勝手ですが、
 世の中一般の使用法と異なるのはまずいでしょう。

 私どもと同じように、
 問題とは「目標と現状の差」
 という定義をしている解説書も多いようです。
 この説明をしておきます。

 (少なくとも当初の)QCでは「問題」を
 「基準と現状(または事実)の差」と言っていました。
 QCでは、決めてある基準から乖離しているものは問題だ、
 としていたのです。
 QCは、それをなくす方法を追及していたのですから、
 当然と言えば当然の定義です。

 「理想と現状の差」と言う書もあります。
 どうやって理想の状態に近づけるかを探求するのであれば
 それもよいでしょう。

 ですが、一般に使用されているの用語法は、
 あるべき(基準)、ありたい(理想かどうかは不問)
 の総称としての目標と現状の差です。

 ついでですが、
 先ほどの4番は他と異なる面を持っていました。
 それは「改善または解決できない」という面です。
 改善または解決できない問題は、
 問題にならないのではなく、課題にはならないのです。

 私どもは、これも一般的な用語法に従っていますが、
 「課題とは、ある目的を達成するために解決すべきであり、
 解決の可能性のある問題である
 (問題の中で目的指向性と解決可能性を持つもの)」
 と定義しています。

 年金制度の課題の一つは
 徴収率の改善ですが、
 これは年金財政を破綻させないという目的を持っていて
 工夫すれば何とかなるのではないかと考えているので
 課題なのです。

 「何ともならない!」と匙を投げれば難題となってしまいます。

 そこで、重要なのは目標である、
 ということがお分かりになったと思います。

 目標がなければ問題はないのです。
 私どもは、先ほどの小演習問題のときに
 以下のように申しあげています。
-----------------------------------------------------------------------
 よく「問題意識を持て」と言いますが、
 本当は「目標意識を持て」と言うべきなのです。
 問題意識は、否定形です。
 「こんな伝票1枚処理するのに5分もかかっていてはダメだ」
 「請求書を締め後3日目に出しているなんてとんでもない」
 「給料が20万円だなんてやってられない」

 これだと、だんだんあれもダメだ、これもダメだと
 落ち込んでいきます。
 そういう癖がつくと、だんだん土壷にはまって
 行き着く先は「不平不満居士」「窓際族」ですよ!

 それに対して、
 こうあるべきだ、という前向きの目標意識だと
 「この伝票1枚3分で処理できないだろうか」
 「請求書を締めたらすぐに発行できないだろうか」
 「給料を何とか30万円もらえないだろうか」
 となります。

 これだと、ではどうしたらよいか、
 と前向きに検討が進むことになります。
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 ところで、目標にもいろいろあります。
 何かをするときの納期の目標、費用の目標などがあります。
 しかし、最も重要なのは
 「何のためにそれを行うのか」という「目的・ねらい」の目標でしょう。

 「目的・ねらい」につきましては、
 このメルマガやブログでも再三その重要性について
 解説してまいりました。

 「何のためにそれを行うのか」が
 すべての目標の起点です。

 小学生のお子様が二人いる「夏休みの計画」
 を題材に考えましょう。
 目的は、子供に喜んでもらう。
     良い思い出を作ってもらう。
     親も楽しむ。
 ねらいは、親に対する信頼を強化する。
      楽しい変化に富んだ経験が人間形成に貢献する。

 ということだと考えたとします。
 そうすると、その条件を満たす目的地やそこで何をするか、
 が出てきます。
 目的が曖昧だと、ただ単に2・3日どこかに行って楽しもう、
 というようなことになってしまいます。

 前掲の目的だと、
 「子供たちにも企画に参画してもらう」
 ということになるかもしれません。

 子供たちは、
 「こういう風に企画を作るものだ」
 「結構いろいろなことを検討しなければならないのだ」
 「うちの親は大したものだ」
 という風に思うでしょう。

 楽しさが増すだけでなく、
 「親に対する信頼を強化する」ということにもつながります。

 この続きは、次回の問題発見シリーズ(その3)です。

2010年7月12日月曜日

参院選結果の評価

 ご承知のように、民主大敗、自民大勝、みんなの党躍進、
 という結果になりました。

 民主の敗因はなんでしょうか。
 消費税のことをあげる人もいますが、
 これは主原因ではありません。
 自民党はもっと明確に消費税増税を主張していたのですから。

 単純な菅首相の個人的責任でもありません。
 国民の冷静な審判の結果です。

 以前、佐々木毅東大元総長の
 概ね以下のような発言を引用しました。
  評価には2種類ある。
  一つは実績に基づく評価である。
  基本的には事実は曲げられず、ほぼ正当な評価が行われる。
  自民党はダメだと評価された、のはこれである。 
  もう一つは、未来に対する評価である。
  これは期待に基づくので、幅ができる。
  昨年の衆院選での民主党に対する評価は実績ではなく
  期待に基づく評価だったのである。

 ところが、期待が実績に変化してくると、
 評価は変わっていきました。

 以下がその事例です。
----------------------------
 民主党系地方選で2連敗  上野則男のメルマガ10年3月号
 ご承知のように、民主党系の候補者が、長崎県知事選、
 町田市長選で連敗しました。

 地元の事情や民主党幹部の「金」問題等も影響したでしょうが、
 これは大きな流れで見ると日本人のバランス感覚の結果です。

 自民党はダメだという裁定が8月の衆院選でした。
 でも、その結果は多くの国民が想定したバランスポイントを
 はるかに超えてしまいました。
 その状況ではバランスの極致2大政党制は実現しそうもありません。
 民主党の弱さもかなり露呈しました。

 そこで、「これはいかん」というバランス感覚による補正が入ったと
 見るべきでしょう。

 おそらく、今度の参議院選挙もその「補正」の続きでしょう。
------------------------------
 そのとおりのことになりました。
 個々の選挙区では、それぞれ勝因敗因があるでしょうが、
 日本人のバランス感覚が勝敗を左右したのです。
 大局的に見ると、日本人のバランス感覚は大したものです。

 みんなの党の勝因は、
 政策の優先順位(成長第一、など)の適切さと
 政策がぶれないことが評価されたものでしょう。

 共産党、社民党の敗因は
 時代の流れです。
 日本は、もうずい分前から1億総中流となってしまいました。
 両党の支持基盤が失われつつあるのです。
 この点は公明党についても当てはまります。

 大きく見ればその2党ないし3党以外の党は
 保守の中での政策の差ですから
 本質的な差はありません。
 優先順位くらいのことです(これは非常に重要ではありますが)。
 今回の選挙のマニフェストを見ても分かります。

 社会的弱者の救済は、
 保守の政策の中で実現していかなければならないのです。

 ということで、
 私のこのコメントも常識的ですね。
------------------------------------------------------------
以下は、7月19日の追記です。

 私は、6月24日に参院選の予想をしました。
 その予想内容はこういうものでした。
 6月11日現在の時事通信社の支持政党調査に基づくと
 民主党は、選挙区で32人、
      比例区で21人、合計53人が当選という予想でした。

 これは残念なことに、大きく外れてしまいました。
 
 民主党の実際の当選者数は、
      選挙区で28人(上野予想比12.5%減)
      比例区で16人(上野予想比24%減)
 ということですから、比例区の方が減が大きいです。

 もともとの私の予想ロジックが
 無党派層の影響が比例区の方が大きいというものでした。
 
 その点からすると、
 無党派層は6月11日以降に
 民主党NOという意思表示を強化したということになります。
 これは選挙結果の一般の解説と異なっておりません。
 (残念ながらユニークな予想や解説をお届けすることができませんでした)  

2010年7月6日火曜日

サッカー・ワールドカップの勝因

 これだけ日本中を沸かせたテーマを無視するわけにはいきません。
 新聞各紙を見ると、
 反省とか課題とかのスタンスがが多く、
 勝因を述べている記事は多くありません。

 そこで日本チームが決勝リーグに進出できた「勝因」に付いて、
 整理してみましょう。
 岡田監督の出した守備重視の作戦や個人の体力強化も
 成績向上に貢献したでしょうが、
 それだけでは競合ひしめく中で勝てません。

 勝因の第1は、誰もが言っているチームワークの良さです。
 目立ちたがりの個人プレーではなく、
 チームワークがよくなければ勝ち残れません。

 優れた多数の個人を擁しながら
 チームワークが悪く敗退した典型はアルゼンチンです。 
 マラドーナ監督の流儀ではそうなりますね。

 なぜチームワークが良くなったのでしょう。
 それは、監督の指導ではなく、
 選手達が自分達で話し合ってその雰囲気ができたのだそうです。

 事前の親善試合で負け続きで監督の辞表届け騒ぎなどもあり、
 選手達に危機感が生まれたのです。
 この危機意識が、第1戦での勝利で好循環を生んだのです。

 勝因の2番目は、強気・攻めの精神で戦ったことでしょう。
 実力伯仲の中では、
 一瞬の隙・気のゆるみがパスのミスにつながり
 失点に結び付いてしまうのがサッカーゲームの特質です。
 
 守りの「気」では、精神状態が完全ではありません。
 守りに回るとガタガタになるということは
 過去に何回も経験しています。

 その点、今回は守備重視の布陣でしたが
 選手たちは常に「攻め」の精神で臨んでいたようです。
 
 これができたのも、前述の危機意識でした。
 開き直りの前向き精神が、
 緊張で固くなるという方向に行かずに良い方向に進んだのです。

 その意味では、
 前哨戦での負け続きが勝因だと言うこともできそうです。

 そう言っては申し訳ないのですが、
 3番目の勝因は運です。
 紙一重の実力・気力とすると最後を決めるのは運でしょう。
 第1戦がカメルーンだったことも幸運です。

 シュートがバーに当たるかギリギリで入るかは
 実力だけとは言い切れません。
 カメルーン戦での本田のフリーキックが、
 左にシュートして右上ゴールぎりぎりに入ったのは
 まさにそういう感じでした。
 「入るときは入る」と彼は言ったようでしたが、
 そのとおりでしょう。

 何度もポールやバーに当たってゴールできなかった試合が
 たくさんがあります。
 「あれが入っていれば試合の流れは変わっていた」
 ということがあるのです。

 「チームワーク」「強気・攻め」「運」、
 これは会社の業績・盛衰でも同じです。

 まず「チームワーク」
 個人個人の力で大きな成果を実現できるのは、
 研究開発だけでしょうね。
 他は、上司と部下、部下同士の連携が重要です。
 どうやってチームワークを良くするかは
 人事コンサルタントの稼ぎどころです。

 ですが、チームワークを強化する一番の方法は
 やはり、危機意識の醸成です。
 競争に負けてきて、「このままでは会社が危ない」となると、
 仲間内の競争をやめて、全員が外と戦うようになります。

 国家が、敵を作って国民の意識を外に向けさせる作戦は、
 人類の歴史で繰り返し行われてきた常套手段です。

 次は「強気・攻め」、その逆は慢心です。
 シェアナンバ1の会社が落ちていくのは
 守りに入ると、必死がなくなり慢心するからです。
 私のメルマガでも、以前、
 キリンビール、日経新聞、トヨタなどの例を挙げました。
 今のアサヒビールは大丈夫でしょうか。

 最後はやはり運です。
 「人事を尽くして天命を待つ」と言います。
 すべて自分たちの努力の賜物である、と思うのは不遜です。

 今の日本、
 全員が努力をして幸運を呼び込む国になって欲しいですね。
 政治には、国民への迎合ではなく、
 国の方向を示した上で、国民に全うな努力を要求することを
 期待したいものです。

2010年7月4日日曜日

飲食店の低価格競争

 ここのところ、激しい低価格による顧客抱え込み競争が
 外食業界で行われています。

 はじめに世間の話題を賑わせたのは、牛丼業界です。
 松屋とすき家が250円の牛丼を出しました。
 この料金なら、サラダなどを贅沢に足しても
 500円で立派な昼食になります。
 うなぎなども500円くらいで出しています。

 牛丼の老舗吉野家は、単純な価格競争はしないと
 250円路線には乗らずに、おそば屋兼営のような
 業態を作ったりしています。
 ですが、今のところ負け戦のようです。

 渡邉美樹社長が率いる和民チェーンが
 半額チケットバックキャンペーンを展開しています。
 はじめのキャンペーン期間は1週間でした。
 キャンペーン期間中は料金の半額のチケットをもらえます。
 このチケットは1ヶ月間くらい有効です。

 はじめのキャンペーンは成功だったようで、
 もう少し期間の長い第2弾を実施しました。

 あの賢明な渡邉美樹社長のことですから
 安易な取り組みはされていないと思います。
 何らかの目論見がおありなのでしょう。

 当社のオフィスは、
 先日まで日曜の21時から放映していた連続ドラマ
 「新参者」の舞台になっていた小伝馬町にあります。

 この界隈は、古くからの町並みも残っており
 飲食店もたくさんあります。

 この近辺の餃子屋、中華料理屋、居酒屋3軒が
 千円前後の「お疲れ様セット」「ちょいと一杯セット」
 などと称したメニュを提供しています。

 生ビールなどの飲み物1杯、お通し、
 まともな一品料理がついています。
 そうしましたら、先日からそのうちの1軒の中華料理屋は
 そのセットを800円にしました。

 そこは40歳くらいの夫婦が経営者ですが、
 そのご主人が、いつも近所を偵察しているのだそうです。
 やる気があったらそれくらいのことはしなければなりません。

 そうしましたら、今度はびっくりの低価格が出現しました。
 それは新しく開業した中華料理屋です。
 「飲み放題680円」なのです。
 別のお客様の囲い込みですね。

 その店もそうですが、
 どの店も食べ物はおいしいのです。
 まずければ、いくら低価格でもお客様は2度とその店に行きません。
 そして、どこもお客様に不満を与えない早さで料理が出てきます。
 「うまい」「早い」があって「安い」が効くのです。

 ユニクロの低価格路線も同じビジネスモデルです。
 お客様が喜ぶ(うまい)ものを安く提供します。
 ユニクロの本質は製造業です。
 ユニクロが大きくなれば、そこで雇用も吸収でき
 世界に発展するのは大変結構なことです。

 本来の飲食業の本質はサービス業です。
 ところが、牛丼のチェーンやワタミのチェーンは
 サービス業に製造業のビジネスモデルを持ち込んで
 食材の大量生産による低価格を実現しています。

 こういうチェーンで従業員との交流を期待して
 その店に行く人はほとんどいないでしょう。

 これに対して、チェーンでないお店では
 そこのおやじ・おかみや従業員との交流も楽しみの一つです。
 そのお店の個性を活かしてお客を維持すればよいのです。
 その時のきっかけ作りが安いセットであるということでしょう。
 製造業型チェーンの低価格とは意味が異なります。

 製造業型チェーンは、製造業型チェーン同士で
 顔の見えない移り気なお客様を低価格料金で取り合うのです。

 ということで、独立した個店と製造業型チェーンは
 棲み分けなのです。
 両者の低価格の意味は異なります。

 情報サービス業も棲み分けが進むでしょう。
 クラウドやパッケージ提供ビジネスに代表される
 製造業型ビジネスモデルと
 お客様にびったりくっついて行き届いたサービスを提供する
 ビジネスモデルとです。

 製造業型チェーンの場合には、
 サービス提供者のオーダによって物を生産する製造業者が存在します。
 それはそれで、独立のビジネスモデルが必要です。

 つまり、これからの情報サービス業は
 大手の製造業型サービス提供者
 その下で製造技術を活かして物作りを行う事業者
 お客様にくっついてサービスを提供する事業者
 に明確に分化していくでしょう。

 お客様にくっついてサービスを提供する事業者としては
 前述の個店の飲食業のビジネスモデルは参考になりそうです。
 その際、「何を売りにするか」が重要な戦略であることは
 言うまでもありません。

2010年7月2日金曜日

皆様からのご意見

 メルマガ配信メールへの返信では、ご意見をいただくのですが、
 せっかくブログにしましたのに、
 ブログへの書き込みをしてくださる方はごく少数です。

 だんだんにブログへの書き込みにしていただきたいのですが、
 最近いただいたご意見を、お名前なしでご紹介いたします。

 以下に転載させていただく前に、最近感激したことをご紹介します。
 それは、30台の製造業勤務の方のことですが、
 6年間インドネシアに駐在しておられました。
 その方は、現地で私のメルマガを大変熱心にご覧になっていて
 (公園のことやトヨタのことなど)
 仕事をされる上での参考にされていたそうです。

 たしかに、インタネットはどこにいても同じ条件で見れるのですものね。
 日本におられる方は情報の洪水にあっていて
 私のメルマガも埋もれてしまっているのでしょうが。
 海外の方が情報が貴重なのかもしれません。

1.アイエックス・ナレッジ株式会社 品質管理部の方

 毎月、上野さんのメルマガを読みながら、
 新しい話題が出ると、なぜこの人はこの話題に引っかかるんだろう?と思い、
 翌月、なるほど、そういう観点なのね、と理解し、
 翌々月、途中どうなって最後どうなったか、自分が納得するまで、
 あるいは、誰かをうごかす、世の中を少しだけど変えるところまで、
 あきらめずに働きかけるのね…と、うなりながら読んでいます。

 私が品質管理部という場所にいて、社内ルールにも関わりつつ仕事をしているため、
 上野さんのメルマガは、基本的な考え方の部分で、とても勉強になっています。

 上野コメント:大変嬉しい読者さまです。こういう風に読んでいただけると本望です。

2.読売新聞OBの方
 
 参院選の結果予測、興味深く読みました。

 貴殿ほど、数字を挙げての予測は出来ませんが、
 私は各種世論調査の違いなどから、
 「民主過半数維持」とみます。
 当たるも八卦の「一種の勘」によるものです。

 上野コメント:読売新聞は民主党有利情報が多いようです。

3.ERP研究推進フォーラム T氏
 温泉の件、
 私も温泉大好き人間です。

 温泉掘削コストについて、友人で温泉の掘削機のメーカー、
 東亜利根ボーリングに問い合わせています。
 前に聞いた話では、1mで100万円、1,000mで、10億円ですか?
 現在は、大分下がったと言ってました。
 この利根ボーリングの機械は、丈夫で、長持ちして、
 メンテにお金が回ってこないとのことでした。

現在は、地中熱、深さ、10-30メーターくらいの地中の温度を利用して、
 冷暖房するシステム用の穴掘り機械にシフトしています。 
 実際に、千代田区で産総研を出た方が、自社ビルに応用してます。
 クローズアップ現代でも、取り上げられてました。

中国では、沢山のマンションが林立。
 ご存知のように、その多くが、地中熱を利用した、冷暖房をしています。
 この会社も、中国進出を進行中です。

23区内の温泉の件、
実は、中野区の大和町、お伊勢の森というバス停近くに、
 確か、「鶴の湯」というのが、20年前にありました。
一度、行って見ました。
外観は、ごく普通の銭湯。 表に、温泉の表示
風呂場に入ると、2畳ほどの茶色の湯船、ほかに、普通の色の湯船。
鉄分の多い、温泉でした。
入ってみると、なんとなく、じんわりと暖かさがつたわって来るようで、
狭い湯船でしたが満足でした。
 その後、その銭湯も廃業。残念。

 あとは、秋田の乳頭温泉郷の、本物の「鶴の湯」。 「黒湯」・・・
 父親の実家が、田沢湖の近くで、小さいときから、
 スキーや、親戚に遊びにいった際に何度も行ってます。

 上野さんは、乳頭温泉郷には行ったことがありますか?
 乳頭のいわれは、ご存知でしょうが、乳頭山という、なんとも言われない、
 おっぱいに似た形の山から来てます。
 いい名前ですね、おおらかで。

 いまから、5年まえくらいでしょうか?
 「鶴の湯」の露天風呂の女湯の裏山がなだれ!!!
 女性客が、大勢雪の下に! 
 そこに温泉に来ていた、秋田県の機動隊4-5名が救助!
 道具も無いので、ビールのプラスチックケースなどで、雪を掘って助けたとか・・・

 後に、その機動隊員は、表彰を受けました。
 うらやましい話ですね!(笑)

 上野コメント:この方も私と同じように?話しを飛ばすのが上手です。