2010年7月29日木曜日

常用漢字の追加、こんな字が!

 少し前のことになりましたが、
 文化審議会が6月7日に常用漢字の196文字追加
 を文部科学省に答申しました。
 年内にも告示となるようです。

 この追加の文字を見て
 あれ、これは今まで常用漢字ではなかったのか、
 と思う字が多数あります。

 そもそも常用漢字って何だろう?という疑問が湧きます。
 そこで調べてみますと、こうなっています。
 1981年に常用漢字が制定されたときに

 「法令・公用文書・新聞・雑誌・放送等、一般の社会生活で用いる場合の、
 効率的で共通性の高い漢字を収め、
 分かりやすく通じやすい文章を書き表すための漢字使用の目安」
 (その時の答申の前文)

 とされています。
 つまり漢字使用の「目安」なのです。
 その時は、1945文字でした。

 そういう性格の文字ですから
 義務教育の学校で学ぶことが想定されています。
 基本的な漢字1006字については、
 小学校の学年別に、
 文部科学省の『小学校学習指導要領』の付録『学年別漢字配当表』
 に定められています。

 常用漢字の前身は「当用漢字」で、
 1946年に1850字で制定されました。

 こちらは、かなり制限色の強いもので、
 前文で、「当用漢字は、法令、公文書、新聞、雑誌および一般社会を対象とする」
 と記され、使用上の注意として、
 「この当用漢字で書けない場合には、言葉を変えるか、かな表記にすべき」
 とされました。

 それが、1981年に95字が追加されると同時に
 制限のゆるい「目安」になったのです。

 日本新聞協会では、この常用漢字を基本にして
 独自の新聞漢字表を設定し、各社これに準じた運用をしているようです。

 常用漢字の他に人名に用いることのできる
 「人名用漢字表」があるのを皆様ご存じでしょう。
 現時点では、常用漢字の他に985字が利用可能となっています。

 人名用漢字は、厳格な規制で、
 対象文字以外は人名に使えません。
-------------------------------
 私が1983年に長男の名前を決めるときのことです。
 「はやと」という音の名前にすることを決めて、
 字を探しました。

 隼人は一般的ですが、隼の字が使えませんでした。
 (今、調べてみると1976年の追加で、隼の字は利用可能となっていました。
 私が調べた人名用漢字は当初のもので、そこには記載されていなかったのです)

 そこで「迅人」を検討しました。
 この字は使えましたが、姓名としての字画が悪かったので
 諦めました。

 最終的に落ち着いたのが「速人」でした。
 「走るのが速くなれ」「情報に早くなれ」という意味で命名しました。
 (この速人は今NHKのアナウンサをしています)

 こんな名前の人はいないだろう、
 と思っていましたら、
 お客様など仕事の関係者の中に何人かおられるのです。

 そのご両親は私と同じように考えられたのかな
 と大変近しく感じられたものでした。

【人名用漢字に関するトピック】

 2004年9月に大幅追加のときのことです。
 法相の諮問機関「法制審議会」でまとめた追加原案には
 以下のような文字が含まれていたそうです。
 (この時の最終案では、これらの文字は対象外となりました)
 
 糞、呪、屍、癌、姦、淫、怨、痔、妾、蔑、膿、腫、娼、尻、嘘

 こういうことになったのは、
 審議会では単に「使用頻度の高い漢字」ということで
 選定したからなのだそうです。
 
 人名に使うという最終目的を忘れていたのです。
 「目的・ねらい」を明確にしないと、こんなことが起きるのです。

-------------------------------
 脱線しました。
 以下、今回追加になった文字についてのコメントです。

 この文字が今まで対象外だったのですか!
  宛、唄、岡、俺、頃、誰、虹、阪、枕

 あらまあ?
  股、尻、釜、淫、媛、伎

 植物
  茨、柿、葛、藤、栃、梨

 体の部位 難しい字が多いのですね。
  咽、顎、拳、股、喉、尻、腎、爪、瞳、眉、膝、肘、頬、脇

 前向きの言葉は多くありません。
 せいぜいこれだけです。これまでに登録済みなのでしょうね。
  錦、憧、憬、爽、湧

 逆に嬉しくない字はかなり入っています。
 こういう字は使わないですみたいですね。
  畏、萎、鬱、怨、臆、潰、惧、嫉、腫、呪、溺、妬、貪、罵、蔑、闇、瘍、慄、弄

 こんな字書けませんね。
 書けなくても分かればよいのだそうです。
  鬱、彙、毀、傲、剝

 以下一つずつです。

 焼酎 今までは、焼チューと書かなければいけなかったのです。

 進捗 今までは、進ちょくと書かなければいけなかったのです。

 鶴も亀も、ついでに熊も虎も鹿も今までダメだったのです。

 妖艶という表現が可能となりました。

 あいまいが曖昧となりました。

 「捉える」は、ずい分今まで使ってきましたが漸く認知ですか。

 丼が今までダメだったとは!吉野家さんも大手を振れますね。

 瞭は追加になりましたが、石川遼の遼は人名漢字です。

 「目的・狙い」と書けるようになりましたが、
 今後とも「ねらい」は平仮名です。

 ということで、オチがつきましたのでお開きにいたします。

0 件のコメント:

コメントを投稿