2010年7月6日火曜日

サッカー・ワールドカップの勝因

 これだけ日本中を沸かせたテーマを無視するわけにはいきません。
 新聞各紙を見ると、
 反省とか課題とかのスタンスがが多く、
 勝因を述べている記事は多くありません。

 そこで日本チームが決勝リーグに進出できた「勝因」に付いて、
 整理してみましょう。
 岡田監督の出した守備重視の作戦や個人の体力強化も
 成績向上に貢献したでしょうが、
 それだけでは競合ひしめく中で勝てません。

 勝因の第1は、誰もが言っているチームワークの良さです。
 目立ちたがりの個人プレーではなく、
 チームワークがよくなければ勝ち残れません。

 優れた多数の個人を擁しながら
 チームワークが悪く敗退した典型はアルゼンチンです。 
 マラドーナ監督の流儀ではそうなりますね。

 なぜチームワークが良くなったのでしょう。
 それは、監督の指導ではなく、
 選手達が自分達で話し合ってその雰囲気ができたのだそうです。

 事前の親善試合で負け続きで監督の辞表届け騒ぎなどもあり、
 選手達に危機感が生まれたのです。
 この危機意識が、第1戦での勝利で好循環を生んだのです。

 勝因の2番目は、強気・攻めの精神で戦ったことでしょう。
 実力伯仲の中では、
 一瞬の隙・気のゆるみがパスのミスにつながり
 失点に結び付いてしまうのがサッカーゲームの特質です。
 
 守りの「気」では、精神状態が完全ではありません。
 守りに回るとガタガタになるということは
 過去に何回も経験しています。

 その点、今回は守備重視の布陣でしたが
 選手たちは常に「攻め」の精神で臨んでいたようです。
 
 これができたのも、前述の危機意識でした。
 開き直りの前向き精神が、
 緊張で固くなるという方向に行かずに良い方向に進んだのです。

 その意味では、
 前哨戦での負け続きが勝因だと言うこともできそうです。

 そう言っては申し訳ないのですが、
 3番目の勝因は運です。
 紙一重の実力・気力とすると最後を決めるのは運でしょう。
 第1戦がカメルーンだったことも幸運です。

 シュートがバーに当たるかギリギリで入るかは
 実力だけとは言い切れません。
 カメルーン戦での本田のフリーキックが、
 左にシュートして右上ゴールぎりぎりに入ったのは
 まさにそういう感じでした。
 「入るときは入る」と彼は言ったようでしたが、
 そのとおりでしょう。

 何度もポールやバーに当たってゴールできなかった試合が
 たくさんがあります。
 「あれが入っていれば試合の流れは変わっていた」
 ということがあるのです。

 「チームワーク」「強気・攻め」「運」、
 これは会社の業績・盛衰でも同じです。

 まず「チームワーク」
 個人個人の力で大きな成果を実現できるのは、
 研究開発だけでしょうね。
 他は、上司と部下、部下同士の連携が重要です。
 どうやってチームワークを良くするかは
 人事コンサルタントの稼ぎどころです。

 ですが、チームワークを強化する一番の方法は
 やはり、危機意識の醸成です。
 競争に負けてきて、「このままでは会社が危ない」となると、
 仲間内の競争をやめて、全員が外と戦うようになります。

 国家が、敵を作って国民の意識を外に向けさせる作戦は、
 人類の歴史で繰り返し行われてきた常套手段です。

 次は「強気・攻め」、その逆は慢心です。
 シェアナンバ1の会社が落ちていくのは
 守りに入ると、必死がなくなり慢心するからです。
 私のメルマガでも、以前、
 キリンビール、日経新聞、トヨタなどの例を挙げました。
 今のアサヒビールは大丈夫でしょうか。

 最後はやはり運です。
 「人事を尽くして天命を待つ」と言います。
 すべて自分たちの努力の賜物である、と思うのは不遜です。

 今の日本、
 全員が努力をして幸運を呼び込む国になって欲しいですね。
 政治には、国民への迎合ではなく、
 国の方向を示した上で、国民に全うな努力を要求することを
 期待したいものです。

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