2010年7月27日火曜日

国家予算の1割削減方針

 政府は、来年度予算の概算要求基準として
 一般的な政策経費の一律1割削減を設定しようとしています。
 (7月17日時点)

 各大臣からは、以下のように不満続出状態となっています。
  国交省は、「国交省管轄の経費削減目標を達成しているのに
  上乗せでの一律削減は飲めない」
  文科省は、「成長の原動力である知的基盤を破壊する」
  各省も、マニフェスト等を盾にとって反対表明をしています。

 私は、前著「目的達成の教科書」で
 以下のように一律経費削減の非を説いています。
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 一律経費削減
   何のために経費削減をするのか、
   その目的に照らしてメリハリ付けるべき。

 会社の業績が悪くなってくると、必ず実施されるのが経費削減です。
 多くの場合、
 一律10%カットとかの基準で実行されることが多いようです。

 一律である根拠として、
 個別事情を考慮するとなるとそれぞれに尤もな理由があり、
 それを議論している時間がない、今は緊急事態である、
 というようなことが言われるのです。

 はたしてそうでしょうか?

 この場合も、何のために経費削減を行うのか、
 を検討する必要があります。
 多くの場合は利益を確保するために経費の削減を行うのでしょう。

 だとすれば、利益の確保に繋がる程度に応じて
 削減率を変えたらよいのです。
 営業成果に直接つながるような経費
 (例えば、営業手数料、ある業界の広告費、イベント費用、営業の交通費)
 は削減0、
 営業成果に間接的につながるような経費
 (例えば、交際費、営業の人件費)は10%削減、
 それ以外は20%削減、
 とかにすればよいのです。

 何らかの理由で経費の絶対額を減らさなければならないのなら、
 額の大きな費目で減らすのが、
 手間暇がかからなくてよいことになります。

 一律削減は、
 それを実施する事務方の無能さを表わしているといる
 ということになりそうです。
 
 個人の出費削減なら一律にはしないでしょう?
 削減の影響や効果が判断できるからです。
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 一律削減は、
 無能な管理担当が持ち出す便法だということです。

 では、今回の国家予算の場合はどう考えたらよいのでしょうか。
 「何のための予算削減か」が検討の鍵です。
 支出を抑えることが最終目的ではありません。

 何年かの計画で、財政の収支をバランスさせることが
 最終目的のはずです。
 そうであるなら、収入増(税収増)に繋がる可能性のある支出は
 絞ってはいけません。

 税収減は、さらなる支出減を要求して
 デフレスパイラルに入ってしまいます。

 したがって、以下のような基準を設けるべきでしょう。

  将来の税収増に繋がる支出は     削減なし
                  または、増枠
  マニフェストで公約した支出のうち、
          優先度の高いもの  削減なし
  同じく、優先度の中程度のもの    5%削減
  同じく、優先度の低いもの     10%削減
  その他の支出           15%削減
  (優先度は、将来の税収増に繋がるかどうかで判断すべきです)

 などとすればよいのです。

 民主党のその後の動向では、
 ほぼそのような動きになりつつあるようです。

 一律1割削減の財務省方針は、
 敢えて議論を呼びそうな方針を持ち出して
 議論を早く進めようとした作戦だったのかもしれません。
 もしそうだとすると、
 財務省のお役人はやはり大変優秀ですね。
 
 (以上は7月27日寄稿)

 と思っていましたら、
 7月27日開いた臨時閣議で、
 当初予定どおり
 社会保障などを除く政策経費は「全省庁一律1割減」
 と決定されました。

 1兆円の特別枠で個別事情に対応しようというのが
 せめてもの進歩でしょうが、
 1兆円では、とても足りそうにありません。

 途中経過は今回も結局迷走だったことになります。
 司令塔不足の状況が続いているようです。
 (以上7月28日)
 

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