2012年12月17日月曜日

12月16日の選挙結果をどう見ますか?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 12月16日の二つの選挙結果について、
 なぜそうなったのかを考えてみる。

ねらい:
 今後の政治参加活動の参考にしていただく。
 今後の日本の進む道を考えてみる。

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皆様は今回の選挙結果をどのようにご覧になりましたか?

事前に「自公で300を超す勢い」という予想が
主力新聞に出ました。

そういう報道がされると、
二つの面から反動が出る可能性がある、
と言われています(いつも言われることです)。

一つは、支持派が安心して投票に行くのを止める影響、
もう一つは、反対派が危機意識を持って投票に行く影響、
いずれも、振り子は収まる方向に行きます。

穏健派の多い日本人の特性からしても、
その可能性が高いと思われます。

ところが、その影響は出なかったようです。
民主党の支持層が民主党に投票した率は、
比例代表で81・9%、小選挙区で76.7%でした。

この数字は自民党支持層の自民党への投票率、
比例代表で81.0%、小選挙区で84.3%に負けています。
民主党支持層からもお灸をすえられたということでしょう。

私は、総括的に
国民はよく見ているな、という感想です。

マスコミの論調よりも、
以下の点で日本のことを考えていると思います。

憲法改正に対する姿勢
 マスコミは積極的論調は持っていませんが、
 改正積極派の自民と維新の会の勝利です。
 

中国に対する強硬姿勢
 マスコミはこの件について中立的報道で、
 少なくとも強硬対応を煽ってはいません。
 石原都知事が尖閣諸島を買い取る、
 と言った時も単なる報道姿勢でした。
 この点でも自民と石原さんの維新の勝ちです。

原発の拒否反応への是正
 マスコミは、原発反対に概ね賛同または迎合しています。
 これに対して原発反対を前面に出していない自民の勝ちです。

 大きな争点の一つである原発に関しては
 積極的反対派が不振でした。
 特に支持基盤の弱い社民党、日本未来の党はもろに影響を受けました。
 

 長期的にはともかく
 短期的には原発なしでは日本の産業や社会は成り立たない
 と判断したのです。

総括して民主党の政策運営に対する落第評価 
 マスコミもこれほどのダメ出しはしていませんでした。

ですが、民主党もできる人は全員当選しています。
  野田佳彦   163,334票  さすがです。全国第3位の得票です。
  細野剛志   156,887  
  岡田克也   126,679
  玄葉光一郎 107,737
  長妻昭          100,821
  古川元久        94,058
  枝野幸男        93,585
  前原誠司        72,170
この面でもよく見ていますね。

石破さんが「(大勝は)自民党への支持の強さというより
民主党への拒否の結果と判断すべき」と言っていました。
そのとおりです。

評論家はそう言っていますが、当事者がそう思っているということは
結構なことだと思います。

自民党若手のホープ小泉進次郎さんは、
全国第2位の得票数184,360票でした。

民主党政権3年余の反省を踏まえ、
今後の政治のあり方として、開票当日のテレビでこう言っていました。

「やると言っていたことをやらなくてはいけない。
できないことをやると言ってはいけない
やらないと言っていたことをやってはいけない」

これも結構な今後への自戒です。

余談ですが、
石破さんと小泉さんが今後の自民党のリーダでしょうね。
石破さんには日本の守り、小泉さんには父親バリのりーダシップ
を期待されているのではないでしょうか。

どうしてこんな激しい結果が出たのでしょうか。
それを分析してみました。

投票率が全国平均で59%と極めて低い、
2009年の前回選挙と比較して10%も低かったのです。

ということは、
無党派層の浮動票が動かなかった、ということです
ここに鍵があります。

【無党派層の投票先】
無党派層の投票先は、
共同通信社の出口調査によれば
以下のようになっています。

この出口調査は、全国300の小選挙区で
その選挙区の縮図となるような投票所を選んで
男女各15万人を選んで聞き取り調査をしているのです。

当日の開票速報で、この出口調査の結果に基づく
各党の当選予想を示していましたが当っていましたね。

無党派層の投票先
 維新の会   比例代表23.0% 小選挙区11.8%(候補者がいない)
 自民      比例代表19.9%、小選挙区32.4%
 民主      比例代表16.4%、小選挙区27.1%
 
 みんなの党   比例代表14.2% 小選挙区 7.4%
 未来の党   比例代表  8.3%   小選挙区 6.6%

これを見れば維新の会が最も無党派層に支持されているのです。
維新の会は、経験不足で民主の二の舞の懸念もありますが、
橋下さんと石原さんなら信頼できると思われたのでしょうね。

無党派層でも高年齢者は、
日本の現状や将来に対して危機感を持っていますので、
その人たちは棄権せずに自分たちの考えに従って投票しました。

小選挙区で小政党の獲得率が低いのは、
その選挙区に候補者がいないからで、
自民党か民主党に流れたのです。

もし仮に、小選挙区にそれなりの候補者がいれば、
自民圧勝を阻止できたかもしれません。


【投票率の地域差――棄権の原因】
投票率が全国平均で10%下がりましたが、
下がり方には大きな傾向があります。

もともとは都市部の投票率は低く、
非都市部の投票率が高いという傾向がありました。
非都市部が自民党の票田になっていたのです。

前回選挙と比べてどの県の投票率が下がったのかを見てみます。

下がった県のランキング
 富山    16.86%下がって56.89%
 北海道  14.91       58.74
 鹿児島  14.72       56.78
 青森    14.33       54.19
 福島         13.97       58.85
 新潟         13.75       59.66
 石川         13.75       61.92
 高知         13.70       53.94
 宮崎         13.41       55.69
 岡山         13.30       55.27

ご覧のようにほとんどが代表的非都市部です。
平均を上回っているのは新潟と石川だけです。

非都市部の投票率が下がったということは、
従来の考え方なら、総体的には自民党不利のはずです。
ところが逆の結果です。

あまり下がらなかった県のランキング
 東京    4.30         61.67 
  
 千葉    6.38         58.49
 奈良    8.34         63.13
 兵庫         8.37                   58.59
 神奈川     8.40                   59.86
 大阪         8.42                     58.37
 茨城         8.76                     58.84
 埼玉         8.85                     57.40
 滋賀         8.90                     61.75
 沖縄         8.94                     56.01
 静岡         9.06                     61.75
 大分         9.90                     62.17
 京都         9.94                     58.26

東京は、 知事選との相乗効果で例外としても
ほとんどが都市生活者の県です。
いくつかの件で平均を上回っています。

以上の傾向は、こう考えるといいのではないでしょうか。

従来からの地方の自民党支持派が
前回選挙で、閉塞感を打破するために
「いいこと」を言っていた民主党に投票してみた。

だけど、それは裏切られた、
もう政治に期待はできない、と考えた。

あるいは、気を取り直して考えてみた。
でも各党の主張は一長一短で
どこにするか、考える筋が見つからなかった。

維新の会も自分たちにはピンとこないし候補者もいない。
そこで棄権ということになった。

都市生活者は、生活がたいへんで何とかしないと不安、
情報も豊富だし、それなりに考えることもできる、
民主党はダメだ、民主党ストップのためにも
投票しなければ、ということになった。


日本未来の党の惨敗も、
日本人の見識を示したと思います。
そんな促成の党が大きな支持を受けるほど、
国民は甘くない、ということではないでしょうか。
(得票数はそれなりにありますから、
当選者数の少ないのは選挙制度のせいもありますが)

逆に言えば、日本人はやはり保守的なのだ、
ということかもしれません。


都知事選は猪瀬氏の圧勝でした。
これは、石原前知事の後継として認められた
ということ以外の何ものでもないでしょう。

石原さんの尖閣諸島購入の意向表明とか、
日本を守ろうという姿勢が評価されたのでしょう。

12月17日現在の分析はこんなところです。
またもう少し考えてみます。
ご意見ください。

12月19日追記
今朝の朝日新聞に世論調査結果が載っていました。

政権交代はよかった57%、(よくなかったは16%)
でも3分の2を超えたのはよくなかった43%(よかったは35%)
が大勢です。
常識的国民の総意はそういうことでしょうね。

自民大勝の原因は
 自民の政策を支持したはわずか7%
 民主政権に失望が81% でした。
石破さんの言われたことより極端ですね。






1 件のコメント:

  1. 石原への評価は上野氏と異にする。
    既に実効支配していたのだから無用な刺激を与えたのは外交的に低能。
    維新が予想以下になったのは平沼などを連れて石原が維新に参加し橋下がそれを許容したことへの橋本への評価下げに起因すると見るのが妥当。

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