2010年12月23日木曜日

共通番号制度に誰が反対するのか

 政府は12月3日、
 共通番号制度導入に取り組む方針を発表しました。
 (6月の政府の閣僚検討会の大枠方針を受けての
 実務検討会としての方針だそうです)

 共通番号制度は、
 これまで国民総背番号制度と言われてきたもので、
 国民1人1人にユニークな識別番号をつけて、
 必要な範囲でその情報を集約して利用できるようにしよう
 (専門的には「名寄せ」と言います) 、
 というものです。
 
 この制度の日本における導入検討は、
 1968年の佐藤内閣の時から始まります。
 反対にあい頓挫しました。
 40年以上の歴史があるのです。

 このような番号を使用すれば、
 年金の不照合問題など起きません。
 保険料の支払いの時にこの番号を使用し、
 どこへ転勤しても、この番号が付いて回っていれば、
 一生の掛け金が一元的に把握できるからです。

 佐藤首相の先見の明が実現していれば、
 年金不照合問題は起きなかったのです。
 本当に惜しいことをしました。
 これは、悪しき民主政治の例です。

 共通番号制度は、
 主要国ではこういう範囲で共通化されているそうです。
          税務 年金など社会保障 行政サービス
 ドイツ      ○   
 アメリカ      ○      ○
 スウェーデン   ○      ○          ○
  適用範囲が広いほど、その効果も大きいのです。

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 では誰がどういう理由で反対するのでしょうか。
 
 一番分かりやすいのは、
 郵便貯金の小額非課税枠(マル優)の悪用
 (1人1口座の規定に対して偽名・借名で複数口座利用する)
 を防止するために考えられたグリーンカードの例です。
 これも一種の共通番号制度です。

 この時の反対者は、郵政省や金融業界でした。
 法案が通った時点で、富裕層の預貯金が引きだされ
 海外に流れたためです。
 結果としてこの法案は廃止になりました。

 この時、反対の先鋒だった政治家、
 金丸信氏(当時自民党副総裁)が、
 その後多額の闇献金が発覚した「錬金師」だったことは、
 反対の背景に自らの利害が関係したのではないかと
 疑わせるものでした。

 現在、共通番号制度に反対している一例は、
 「全国保険医団体連合会」です。
 反対の理由は、共通番号制度で実現しようとする目的である
 「所得再配分機能」「給付と負担のバランス」実現への懸念、
 「プライバシの侵害」となる懸念、などとなっています。

 これらは、
 共通番号を利用する制度の運用法への懸念であって、
 基本的に番号制度への否定条件となるものでは
 ありません。

 ということは、保険医にとって、
 この制度はマイナスの影響があるということです。
 容易に名寄せができるようになりますと、
 過剰投薬や過剰医療が抑制されることになります。
 つまりは保険医の収入減です。

 収入をいろいろなところから得ている「稼ぎ手」
 の所得が確実に捕捉できるようになりますので、
 そういう人たちは反対でしょうね。
 反対するということは、
 現在は税金をゴマカシテいるということになります。
 
 反対派の表向きの最大の理由は、
 常にプライバシの保護・個人情報の保護です。
 しかし、本当に国民の多くがプライバシの保護を理由に
 番号制度に反対しているのでしょうか?

 一部の利害関係者の意見に左右されたマスコミの誘導が
 国民に錯覚を与え、それに感化された人が
 「そうだ、そうだ」と
 付和雷同しているだけではないでしょうか。
 
 共通番号制度のメリットをよく理解したうえで、
 それよりもプライバシの保護が重要だ、
 と思っている人はごく少数でしょう。
 
 保護されたい情報は、
 身体障害等の社会的弱者が抱える情報よりも、
 富裕者が抱える資産情報の方が
 圧倒的に多いのではないでしょうか。
 
 つまり、強硬な反対意見は、
 理念からくるものではなく、利害からきているのです。
 その人たちが「プライバシの保護」とかいう、
 きれいごとの隠れ蓑を使っているだけ
 なのではないでしょうか。

 ちなみに、共通番号制度の制定と情報の一元管理とは
 別物であることを認識しておきましょう。

 共通番号を決めたからといって、
 税務の情報は国税庁が管理し、
 年金の情報は社会保険庁が管理し、
 行政サービスの情報は総務省(のもとでの各自治体)が管理
 することになります。
 必要な場合に、相互でのデータのやり取りはするでしょうが、
 すべての国民の情報が1か所に集中する
 わけではありません。

 それと、反対派の主張する情報漏洩、プライバシ侵害等は
 情報の管理運営問題であって、
 集中した方が漏えいが起きやすくなるとは
 一概に言えません。
 漏えいしない対策をどう実現するかを検討すべきで
 漏えいの心配があるから反対というのは、
 どう考えても本質論ではありません。
 本末転倒と言うのもはばかられる、感情論か利害論です。

 このテーマの核心は、正当な目的論に対して、
 目的実現過程で生じる悪影響を懸念しての反対論が
 横行しているということです。
 一般的には、目的の価値が大きければ、
 悪影響を緩和する対策を講じて
 目的を実現する方法を検討するのが筋です。
 
 悪影響の議論が先行して、
 目的の実現を諦めるのは異常です。

 ということで、この共通番号制度は
 民主党の衆院選マニフェストに入っていたそうですから、
 菅総理に、
 妥協せずに実現に努力していただきましょう!!
 
 

2 件のコメント:

  1. 給付付き税額控除につながるからやるべきではありません。
    一生懸命働いたら納税、だらだらパートしてたら給付。
    これは不公平過ぎます。

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  2. つながるかどうかは別問題では?

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