2010年12月23日木曜日

介護も医療も現状是認ではダメ!

 高齢化社会になって、
 介護と医療の制度は破たんすると言われています。

 今の介護制度は要介護度の認定をして、
 「その介護度だとこれだけの介護を受けられる」と、
 介護度によって受けられる給付が決まってきます。

 この制度が悪いわけではありませんが、
 この方法だと、
 介護度が高いほど手厚い介護が受けられますので、
 介護度を高い方に認定してもらおうとします。
 そう言っては悪いのですが、
 悪い方に進もうというインセンティブが働いてしまいそうです。

 これは法律や制度を前提にする考え方です。
 お医者は、患者が具合が悪いと言うと薬を出してくれます。

 特にひどいのは、外科・整形外科の医院で、
 たくさんの老人がやってきて、
 マッサージ等の治療を受けています。
 ご老人たちはその医院をサロンのように思って
 会話を楽しんでいます。

 その対応ができる設備を持った医院は
 どんどん立派な医院に建て替えていきます。

 これでよいのでしょうか。
 こんなことをしていたら、どんなに消費税を上げても
 追いつきませんよ。

 どこかのテレビでやっていました。
 寝たきりになりかけている老人に
 自立できるような手助けをしている介護施設では
 老人がどんどん立ち直っていっていました。

 介護度が下がれば、
 もらえる介護費も下がるのでしょうが、
 偉い介護施設です。

 このように今の状態を前提に治療や介護を行うのではなく、
 少しでも健康になるように指導していく
 治療や介護が必要です。

 どんな人にどれだけの治療費や介護費を出すかの
 制度設計をするだけでなく、
 どうすれば、弱っている老人たちを元気にできるかを
 真剣に検討すべきではないでしょうか。

 そして、そういう施設やクラブに助成金を出す方が、
 治療費の補助(保険金等の給付)をするより
 安上がりのはずです。
 そのことは、企業別の健保組合が、
 組合員の健康維持・強化にお金を使おうとすることを見ても
 分かります。

 もっともっと、高齢者が楽しめて元気になり、
 元気を維持できる施設を作り強化すべきです。

 この問題は、目的論で言うとこうなります。
 介護制度の目的を、
 「要介護者に適切な介護サービスを提供する」ではなく、
 「要介護者が、介護を必要としなくなるような、
 あるいは、介護度の改善が進むような手助けを行う」
 とすればよいのです。
 そうして、その目的の達成度に応じて、
 介護サービス提供者に
 追加報償を支給するようにすればよいのです。
 
 同じように、医療制度の目的を
 「治療を必要としている人に、適切な医療を施す」
 ではなく、
 「治療を必要としている人が、
 1日も早く治療を必要としないようにする」
 とするのです。

 こういう政策を検討できませんでしょうかね。
 

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