今年の日本シリーズは、ご承知のように
千葉ロッテマリーンズが勝利し日本一になりました。
私は、オリオンズ(マリーンズの前身)ファンでした。
今は、プロ野球にはほとんど関心がなく、
監督や有名選手が誰かも知らない程度でした。
以下の情報の多くは、
10日発売のスポーツ紙ロッテ優勝記念号によります。
この記念号はコンビニで買ったのですが、
14日にまだ売れ残っていました。
ロッテファンは
都内では隠れキリシタンのようなものなのでしょうね。
なぜ、オリオンズファンになったかというと、
プロ野球に関心を持ちだした頃に
新しくできた毎日オリオンズが
阪神から別当選手、土井垣選手など
大量の一流選手を引き抜いてスタートし、
たしか日本一になりました。
話題になる強いチームに関心を持ったのです。
子供の頃は、強いチームに関心を持つのが自然で、
我が息子が広島ファンになったのも、
その頃(1980年前後)広島が強かったからです。
今回のロッテの奮闘ぶりは凄かったですね。
通常のパリーグ終盤の3戦で1回でも負けると4位で、
クライマックスシリーズに出場できないという時から
以下のような成績で勝ち続けました。
パリーグ終盤戦
7-2 楽天
3-2 オリックス
5-4 オリックス 逆転勝利
クライマックスシリーズ 相手は西武 2勝0敗
6-5 延長戦 11回 逆転勝利
5-4 延長戦 11回 逆転勝利
ファイナルシリーズ 相手はソフトバンク 4勝2敗
3-1
1-3 負け
0-1 負け
4-2
5-2 逆転勝利
7-0
日本シリーズ 相手は中日 4勝2敗1引き分け
5-2 逆転勝利
1-12 負け
7-1
3-4 延長戦 11回負け
10-4
2-2 歴史に残る大延長戦 15回引き分け
8-7 延長戦 12回逆転勝利
延長戦や逆転で勝利した試合も多いのです。
最終戦は3回に4点差で負けていたのをひっくり返しました。
4点差をひっくり返したのは
60年の日本シリーズで9年ぶり8度目ですって。
とにかく凄いですね。
プレッシャに弱い日本人と言われますが
そのかけらもありません。
なぜなのでしょうか。
①突出した選手がいない
日替わりで殊勲者が登場するという感じでした。
②西村監督の采配がうまい
「和」を重んじながら、「自分勝手・自由」を制限した。
ユニホームの着こなしや髪形も指導。
猛練習を課し、オーダも頻繁に変えずに安定させた。
長打を避け安打狙い
金森打撃コーチの指導も良いようです。
奇をてらう作戦がない
オーソドックスで分かりやすい。1種の見える化です。
選手が方向が読めて安心できます。
この例として、以下がありました。
最終戦で好投していた内投手を、
9回の守りで替えました。
手堅くセーブ主体の投手で締めくくるのは定石です。
しかし、これは裏目に出て同点になってしまいました。
私は、これは監督の判断ミスだと思いました。
この判断ミスが尾を引き、
日本シリーズ敗退となるのでは、と思いました。
結果的には、延長12回に点を入れて勝ちました。
③チームワークがよい
各自が責任意識が強く手を抜いていない、
全員安打に近い状況が何度もありました。
④もめごとがない
変なライバル意識もないようです。
⑤開き直っている
もともとくらいマックスシリーズ出場は、
諦めかけていたところからの生き返りです。
ダメもとの精神で変なプレッシャがなかったのでしょう。
これに引き換え相手チームは、
それぞれ勝たなければならないプレッシャがあったようです。
私流の解釈をすると、
監督やコーチの指導も勝つという目的に徹して
長打狙いではなく確実にヒットを打つという方針でした。
ピッチャ返しのセンタ前ヒットが多く見られました。
ロッテの選手たちも、
(長打で)自分が成果を挙げて評価されることよりも
チームの勝ちを目的にして行動したのです。
勝たなければ、すべてが良くなりません。
ベンチに引き下げられても不満そうな顔をしませんでした。
自分が下がった方がチームの勝ちに繋がる
のだと思うからです。
そう思うようにしたのは
やはり監督の力量でしょうね。
それにしても勝敗を左右するのは、
少なくとも短期勝負では投手力ですね。
投手が崩れてしまうといくら得点しても追い付きません。
歴史に残るのは、
1958年の日本シリーズでの稲尾和久投手の活躍です。
(全試合に登板して4勝2敗で西武に優勝を齎しました)
高校野球もそうです。
ところで、
このロッテの大逆転勝利に野村克也氏は批判的です。
「ソフトバンクが144試合戦って獲得した
リーグ優勝の価値を低下させた」と言うのです。
かたや、江本孟紀氏は
「大したものだ。
(大逆転・下克上と言うけれど通常リーグでの)
ソフトバンクとの白星の差はわずか1つだ」
見方によって評価は違うものです。
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そのような例では、11月13日の朝
興味深いテレビ番組がありました。
それは、尖閣諸島の漁船衝突の44分間の(流出)ビデオを
日本人学生3人、日本にいる中国人学生3人に見せて
意見を聞くというものです。
なんと中国人の感想は、
「自分の領海で漁をしているのを何で追っかけてくるのだ」
「当たっていない。並行して走っただけだ」
「追い詰められたら当ってしまう」
というものです。
画面を見てもそう思うのですから、
画面なしだったら、いかようにもアナウンスできるのです。
マスコミの報道にも気をつける必要があります。
画面は絶対と思ってはいけません。
その画面は真実でも、
そこまでの経緯によって違う解釈が可能です。
衝突場面でも、航空写真で全経緯を映していれば、
反論の余地はなかったでしょう。
せいぜい、
前述の意見では1番初めだけが言えることになります。
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ロッテの優勝の状況を、
会社の経営に引き直してみるとどうなるのでしょう。
上述のロッテチームのあり方は
一つの勝ちパタンです。
どのチームも選手の力には何倍もの開きがない状況です。
その状況下では、
戦略よりも選手個人の力を余すところなく引き出すことが
勝ちに繋がるのです。
右肩上がり時代の大企業はこのパタンで勝てたでしょう。
日本としては、このパタンで勝ちたいところです。
このパタンは、日本の歴史から言って、
おそらく日本が他のどの国よりも得意でしょう。
ところが、現在のビジネス界は
試合のルールがないところでの戦いのようなものです。
どういう戦略で臨むかが非常に重要です。
ここでは強いトップのリーダシップが勝負となります。
ソフトバンクの孫社長、楽天の三木谷社長、
ファーストリテーリングの柳井会長兼社長、
今は若干苦戦ですが吉野家の安部社長、
日産のゴーン社長、松下電器の中村社長(当時)、
サムソン電子の李会長(当時)などが、
この好例で、創業から大発展を成し遂げたり
中興の祖となったりしています。
投手力は経営で言うと何でしょうか?
勝利の決めてという意味では、
広い意味の技術力でしょうか。
ロッテの優勝は
この厳しい後ろ向きの日本社会に
ある意味での希望や夢を与えてくれました。
何とかこの「美型」を残していきたいものですね。
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