2010年11月23日火曜日

事業仕分けでIPAのIT人材育成事業が槍玉に!

 ご承知のように国の事業仕分け第3弾は
 主として事業法人が実施する特別会計事業を対象としています。

 その中で、日本の情報処理の底上げを目標としている
 情報処理推進機構(IPA)が取りあげられました。
 以下の結論だったようです。

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 本事業については2つに分けて評価する。
 一つは試験事業であるが、
 そもそも不要で廃止とした方が2名、
 事業・組織の見直し行うが9名、
 その内訳として民営化・民間で実施すべき6名、
 試験の企画・問題作成は国あるいは独法が行い
 運営自体は民間で行うが1名、
 その他2名だった。

 評価者からのコメントとしては、
 民間で十分実施が可能、という意見がある一方で、
 独法で行うことによる魅力というものも勘案すべき、
 あるいは試験料を見直すことも必要だ、という意見もあった。

 以上を踏まえ、多数意見に従い、
 本WG としては
 試験事業については民営化・民間実施を結論としたい。

 また、試験以外の事業(スキル標準、研修等)については、
 そもそも不要で廃止すべきが3名、
 事業組織の見直しを行うが8名、
 これについても民営化・民間実施という意見が一番多く、
 7名いた。
 その他1 名だった。

 評価者からは試験事業以上に、
 民間で十分であるという意見が多かった。
 以上を踏まえ、本WG としては、
 試験と同様、民間で実施を結論としたい。
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 この結論を見て疑問に思うことがあります。
 なぜ、民営化がよいと判断するのであろうか、
 「何が目的なのか」です。
 まさか、官から民へという流れがあるから
 何でもかんでも、民営化とうわけでもないでしょうが。

 「民でもできるから民営化」という意見のようです。
 これは一面的な見方です。
 民でできることは何でも民がよいのでしょうか。
 民の方が安くできるから民にするというなら一理ありますが、
 その点を検討している形跡はありません。
 
 官の方が良いという点も検討して、
 民の方が良いという点と比較して優劣を決めるべきでしょう。
 民間企業の意思決定では
 当然実施されている検討方法です。

 官の方が良い点は、
 資格に対する権威です。
 国家資格と民の資格では権威が違います。

 ITSS(IT技術者の要求スキル標準)にしても
 (個人的にはあまり良い出来栄えとは思いませんが)、
 民で検討する標準よりは安心でしょう。
 特に、お上意識の強い日本では。

 この標準を東南アジアにも広めようというのは
 良い考えです。
 国でないとできないことでしょう。 

 そのようなことを主張した委員がおられたようですが、
 多数決に押し切られてしまっています。

 これを見ると、
 良く事情が分からない人が合議で物事を決めるのは
 怖いことですね(民主主義の弊害と言われることです)。
 
 そういうことですから、
 すべてが筋の通っている抵抗ということでもないでしょうが、
 事業仕分けの結論に従わない官がいるのも頷けます。

 こういう問題は
 もっと腰を落ち着けて検討しないとダメですね。
 素人だけでは無理でしょう。
 今の事業仕分けのやり方の限界ですね。

5 件のコメント:

  1. まったくそのとおりです。

    民間試験のデメリットは、以下のとおりです。

    1.企業の利益を追求することから、1年に同じ試験を何度も受験させ、何度も受験料を支払わせる。

    2.その分同じ試験問題を使いまわす。

    3.使いまわした結果、WEB上に流出し過去問、予想問として売られる。

    4.受験者は問題と答えさえ覚えてしまえば、簡単に合格できる。

    5.ベンダー試験の受験者が多いのは、この様に簡単だから。

    6.この様な信頼性の無い試験を受験しても正当な評価にはならない。

    7.同様に、信頼性の無い試験を更新制にしてもあまり意味は無い。

    8.それどころか、もともと、合格率の低い情報処理技術者試験であるにも関わらず、同じ区分を何度も更新することは莫大な時間がかかる。

    9.そもそもIT技術者は、時間が乏し過ぎる。

    10.さらに時間がかかりすぎることで、新たな区分を受験する時間、モチベーションがますます減る。

    11.新たな分野の知識を学習する意欲が減る。

    12.その上、民間試験となると、信頼性のある評価が無いので、受験者が嫌がる。

    13.「スキルアップ」はしても「キャリアアップ」させてもらえるかはわからない。「スキルアップ」すれば「キャリアアップ」できるというのはこの情勢でポジティブすぎる。

    14.他の国家資格は「スキルアップ」「キャリアアップ」「権利」がそろっていることがあるが、情報処理は「スキルアップ」「キャリアアップ」の2つが報酬であるにも関わらず、「キャリアアップ」の機能を奪うことでますます価値を奪う。

    15.むしろ、「権利」が乏しい分「キャリアアップ」は、他の試験以上に必要である。それが、受験者のモチベーションでもある。

    16.「スキルアップ」だけならば、他に民間試験や公的試験はいくつもある。


    17.情報系の民間試験・公的試験が沢山あり、紛らわしい。

    18.沢山ある、民間・公的試験の総合的な信頼のある評価試験としての機能が無くなる。

    19.別業界の資格試験の難易度との標準的な評価方法を見失い、昇格条件として評価しづらくなる。


    20.ベンダー試験の合格者をプロジェクトに配置しても大して、変わらない。

    21.それなら、まだ国家試験の合格者をプロジェクトに配置したい。


    以上のことから、情報処理技術者試験は、民間試験となることに大反対したい。

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  2. 詳細のコメントありがとうございます。

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  3. ご意見、ほとんどそのとおりですね。

     仕分けの委員は何のために、民営化しろというのでしょうか?仕分け委員の中でも意見は分かれたようです。かつかつ「民営化」という意見が多かったようです。
     試験の運営コストだけなら、現在もアルバイトとかを使っていますから、その分は変わりませんね。採点だって、そんなに変わらないのではないですか。コストダウンしていい加減な採点をすれば試験の評価が下がります。
     試験制度自体を見直すなら変化が生まれるでしょうが、それは民営化の趣旨ではないでしょう。医師や弁護士の試験を民営化するといる意見は聞いたことがありません。
     「何のために」民営化をするのかを決めて検討していないから議論は迷走するのです。

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  4. でも、全然日本のICT産業提案力に寄与してないでしょ。いらないですよ。「国のお墨付き」って安心感で一緒にゆでガエルになって何にも底上げできていない。

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  5.  貴兄はずい分悲観的な見方をされるのですね。今回取り上げているのは試験制度で、これは、それなりに有効性があると思います。

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