2010年11月1日月曜日

事業仕分け第3弾が始まりました

 事業仕分け第3弾の前半戦(戦いなのですか!)が終わりました。
 その成果は、4特別会計、8事業が廃止勧告
 予算削減は最大6000億円から1兆円ということのようです
 (報道機関によって幅があります)。
 4特会・8事業以外ですが予算削減対象となったものがあります。
 年金特別会計は、876億円の来期予算の2割削減でした。
 この中には年金特別便なども含まれていますが、
 基本的な部分は宙に浮いている分の照合作業です。

 この照合作業は鳩山さんが「半年で完全な照合をやります」
 と言って始まったものです。
 その後どんどん納期延長・予算追加が行われて
 それでもいつ終わるともしれない作業です。
 
 1件照合するのに5千円から1万円もかかるということで
 その効果を疑問視されているものです。

 そもそもこの問題は単純な事務作業の方法の話です。
 私も若いころに売掛金の照合問題として
 ずい分エネルギをかけてその改善方法に取り組んでいました。

 照合のノウハウは基本的に同じです。
 そういうことを知らない人たちが見通しもなく
 いい加減な方法でアルバイトやパートを使って作業をしていれば
 生産性が高いはずがありません。

 この照合作業も目的を明確にする必要があります。
 不一致分を無くするのが最終目的でしょうか。
 国民に不利益を与えないまたは不満を与えないということを
 最終目的にすべきではないですか。

 だとするとまずは、重要性の原則の適用です。
 不一致には金額の大小があるはずです。
 線引きをして金額の大きなものについて照合作業をします。
 おそらく、これで対象件数は1割程度になるでしょう。

 次いで、照合できない分については、
 申し出でがあったものについて
 状況証拠等を含めて本人の主張を検証して決着をつける
 ことにすればよいのです。
 これは現在も行われているようです。

 誰がその判断をどういう基準で行うのか
 の見直しが必要かもしれません。

 そのような抜本的な方法を考えれば2割削減とか言わずに
 半分とかそれ以下で決着できるのではないかと思います。
 勿体ないことです。

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 驚きだったのは、埋蔵金ではない
 埋蔵借金が続々明らかになり

 最大は社会資本整備特別会計の場合は33兆円にも及ぶということです。
 民間の場合であれば破産しているのでしょうが、
 国の事業の場合は紙の上の計算だけですみますので
 こういうことが起きるのでしょう。

 事業仕分けをしないとこういうことが明らかにならないのは
 信じられないことです。
 おそらく関係者等や専門家は知っていたのでしょう。
 マスコミも国民の大多数も知らなかったのです。

 国の経営状態の全貌を見える化すべきです。
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 この第3弾開始の前日10月26日に
 「構想日本」の主催で
 「事業仕分け・オリジナル ―仕分けの本当の意義と生かし方―」
 というフォーラムが開催され参加してきました。

 あまり知られていませんが
 構想日本は事業仕分けの事務局(の一部)を担当しているのです。
 前身は日本船舶振興会です。
 
 このフォーラムはパネルディスカッション形式でしたが、
 この形式としては珍しく充実した内容でした。

 討論者は
 衆議院議員の河野太郎氏・山内康一氏、
 自治体で仕分けに関わっている方4人、
 司会役は学習院大学教授野中尚人氏でした。

 私としての収穫は以下のとおりでした。
 1.自治体でもずい分事業仕分けが行われている。
 
 2.事業仕分けは「公開処刑」だ、と言われることがある。
  ・これはマスコミにも責任がある。
  ・蓮舫さんの派手な追求にたじろぐ官僚などの報道ばかりをして 
   地味な検討の場を報道していない。
  ―そのとおり―

 3.事業仕分けの権限があいまい。
  ・事業仕分けの結論は命令ではなく勧告・参考意見である。

 4.事業仕分けの結論の結果がどうなったかを
   フォロする仕組みが明確でない。
  ・したがって、言いっぱなしとなる危険性が大きい。
  ・勧告なので、単純に従わなくてもよいが、 
   従わないと民主党や政府から仕打ちを受ける可能性があるので、
   表向き解散などを行い、別法人で同じことを継続するなどが行われている   
   (この例は10月31日のフジテレビの朝の番組報道2001で
   紹介していました)。

 5.事業仕分けの効果としてこういう面もある。
  ・省庁では「予算を採るのはリスクである」と考えるようになってきた。
  ・従来は予算を取るのが仕事で、それで終わりという感じであったが、
   今は、その成果がどうなっているかを追求されるので、
   そこでミソをつけるとまずいことになる、と考えるようになった。
  ―これは大変良いことですね―

 6.事業仕分けされなければならない状況が発生するのはなぜか。
  ・議員は予算書の項目名しか見ていない。
  ・予算委員会の予算審議の際にも実質的な内容審議はほとんどされていない。
  ・予算の執行状況や執行成果がどうなったかを審議すべき
   決算委員会はほとんど開かれたことがない。
   (10月31日の報道2001で
   石黒不二代ネットイヤーグループ代表(初登場)が
   計画や予算に対する結果を追求しないことは
   民間企業では考えられないことと発言していました。
   そのとおりです)

 7.無駄を温存する原因には、官庁・自治体体質もある。
  ・職員が問題をまき起こすことについては強いバッシングがされる。
  ・そのため、職員は問題意識を持っても頬かぶりしている。
   (改善しない)
  ―おそらく、こっそり情報提供を受け付ければ
    沢山の事業仕分けのネタが見つかることでしょう―

 8.事業仕分けは自民党でも自治体でもやってきていることである。
  ・今般、テレビで公開したので知られるようになっただけである。
  ―しかし、公開の効果は大きかったですね―

 9.事業仕分けの効用は、こういう点にもある。
  ・事業の整理でメリットを受けるのは納税者だが、
   そのメリットは一つずつ見ると薄い。
  ・それに対して削られる方は痛い、仕事がなくなったりする。
   当然抵抗がある。
  ・このためいったん始まった事業は
   当事者ではなかなか切れないという面がある。
  ・それを第3者の立場で整理を行うのである。

 10.事業仕分けの対象は、以下のようなものである。
  (明らかな無駄はそう多くない)
  ・制度創設時は必要性が高かったが、今はそう高くないもの
  ・コストパフォーマンスが悪いもの(他の方法の方が有効)
  ・その制度・事業の有効性の判断は専門家でないとできない面がある
   (スパコン開発の必要度など)が
  ・その経費の使い方に関しては疑問を持ちうる。
   (たとえば、休園中も開園中と費用が同じなど)
 
 11.地方自治の特色は、地元密着で施策が実施できる、
  ・地元と人間関係が強い、という良い面がある半面
  ・声の大きい人の影響を受けやすいという欠点がある。 
  ―なるほど―

 結論として、
 強力な第3者が入って違う目で事業を見ることは有効です。
 民間ではコンサルタントに事業診断を受けることに相当します。

 私たちもずい分そのような役割を果たしましたが
 提言・報告の多くは社員から聞き出したことでした。

 事業仕分けと目的論との関係で言えば、
 事業仕分けは何のために行うのかということを
 明確にしてそれを明示すべきです。

 私どもの研修でも、
 目的・ねらいを明確にすることは重要ですが、
 それを周知させることがもっと重要だと言っています。

 事業仕分けの目的がはっきりしていないために
 「削減金額が少ない」などと言われてしまうのです。

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