2010年9月27日月曜日

検事の不正

 びっくりしましたね。
 
 警察や検事は取り調べに対して
 かなり強引な誘導をしている、
 被疑者は疲れ果てて警察や検事の言い分どおりに
 調書にサインしてしまう、
 ということは公知の事実でした。

 そういうケースでは公判になると
 被告人は一転否定ということになっていました。
 
 ところが、今回の件はそうではありません。
 証拠品を改ざんしてしまうという
 れっきとした犯罪を犯してしまったのです。

 なぜこういうことになってしまったのでしょう。

 検事の仕事は「悪を暴き、不正を犯した者が処罰される」
 ように証拠を準備することです。
 検事の仕事の目的(職責)は有罪を立証することです。

 前田氏は「はかせ屋」と言われ敏腕の検事だったのです。
 とにかく「有罪を立証すること」を目的として仕事をするうちに、
 次第に「有罪であることにする」に転化し、
 手段を選ばなくなってしまったのだと思われます。

 倉本聡さんのテレビドラマ「歸國」の解説の時に
 http://uenorio.blogspot.com/2010/08/blog-post.html
 「どこで間違ってしまったのでしょうか」
 という大変示唆に富むセリフをコメントしましたが
 前田氏もどこかで間違えてしまったのです。

 第一、目的が正しくても、
 選択する手段が何でもよいわけではありません。
  
 企業であれば、
 コンプライアンス(社会的・倫理的責任)条件
 を守らなければなりません。

 食品偽装事件は利益追求目的のために
 手段を選ばなかった典型的事例です。

 目的達成には、選択する手段に対して
 前提条件・制約条件があるのです。
 この点は、当然のこととして明示されない場合が多いので
 注意が必要です。

 「売上予算を達成すること。ただしコンプライアンス条件を満たすこと」
 などと言いませんからね。

 検事の職務規定でも
 「被疑者に対して
 不正・犯罪行為につながるような強制等を行ってはいけない」
 などと書いていないでしょう。

 だんだんこのような当然の論理が通用しなくなってくるとすれば、
 一いちこのような前提・制約条件を明示しなければならなくなります。
 そうなると面倒なことになりますね。

 今度は、「前提・制約条件に記述されていなかったからやった」
 などということが起きかねません。


 以上、要約しますと、
 「目的達成には、前提条件・制約条件の明示も必要である」
 「どこまで前提条件・制約条件を明示すべきかは悩ましいところがある」
 ということです。

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