2010年9月27日月曜日

「マニフェストは何が何でも守る?」

 民主党代表選挙で敗れた小沢氏は
 「国民に約束したマニフェストは
 (何が何でも)守らなければならない」
 と主張していました。

 基本的にはマニフェストは守らなければ
 何の意味もありません。

 ですが、もう一歩踏み込んで考えてみるとどうなるでしょう。
 マニフェストは何のためにあるのか(マニフェストの目的は何か)
 を考えなければなりません。

 マニフェストの最終目的は、
 その党が異常でなければ
 最終的には「国を良くするため」です。

 民主党の衆議院選挙の時のマニフェストは
 財源の裏付けのないばらまき政策で、
 その後の政権運営の中でそのままでは実現不可能と分かって
 修正しつつあったものです。

 マニフェストの少なくともその一部は、
 総合的観点からは国を良くすることに必ずしもつながらない、
 という現実的判断をしていたのです。

 それは国民も理解を始めていました。
 それだからこそ、
 消費税増税についてもやむを得ないという世論が起きてきていたのです。

 その1年間の動きを無視して
 国民に約束したマニフェストは守らなければならない 
 と建前論だけを押し通すやり方は
 説得相手を愚弄したものです。

 小沢さんの主張が通らなかったということは、
 相手(投票権を持っていた人)が賢明であったということになります。

 マニフェストを通すという目的は、何のためですか、
 それを「ねらい」と言います。
 「マニフェストを通すねらいは何ですか」という問いかけになります。

 目的自体が価値を持っていないものは
 目的の目的(ねらい)が何であるかを考える必要があるのです。

 「マニフェストを通す」こと自体では
 価値を評価できません。
 マニフェストの中の「子供手当を満額支給する」とかになると
 価値を認める人と認めない人が出てきて、
 それは検討対象となりえるのです。

 以上を要約すると、こうなります。

 目的自体に価値がない時は、
 「その目的の実現は何のためか?」
 と考える必要がある。

 その目的の目的(=「ねらい」)を明らかにして
 「ねらい」で是非を判断しなければならない。

 ということです。

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