問題発見シリーズは今回で一旦終了です。
これまでの検討経緯をまとめると、こうなります。
(今回の検討の発端)
「なぜ危機に気づけなかったのか」(マイケル・A・ロベルト著)
問題は見つけ出して(問題発見)
上司に報告すべきである。
(上野の解説)
では何が問題か?
問題とは「目標と現状の差」である。
したがって、問題発見するには、
問題の基になる目標設定をすることが必要である。
目標の中で、最も重要なのは「目的・ねらい」である。
今回の検討の発端になった
「なぜ危機に気づけなかったのか」(マイケル・A・ロベルト著)
の場は企業です。
企業が達成すべき基本目的は、
紛れもなく業績の維持向上です。
これを阻害する要因が問題です。
そこで、業績の維持向上を阻害する要因の中で
以下の条件に該当するものが、
上司に報告されるべきものとなるでしょう。
これを明確に設定して、社内に徹底することが
重要なガバナンスであり、
経営「危機」を避ける道なのです。
第1優先順位 どんなことでも報告
CSR(企業の社会的責任)に関わること
事業継続計画(BCP)に対するリスクに関わること
第2優先順位 状況によって報告
(以下は例示)
当社の業績に影響を与えると思われる他社の動向
責任担当範囲内だが、手に負えなくなる可能性のある事象
第1優先順位での報告が、
的確に行われるようにするための課題は、
自社のCSRとBCPが何であるかを社内に徹底させることです。
第2優先順位での報告が、
的確に行われるようにするための課題は
管理者教育でしょうね。
それでも、報告すべき事象かどうかは、報告者の判断によります。
したがって、報告せずに事後問題が大きくなった場合は、
その管理者は管理者としての能力を疑われることになります。
経営の「危機」を避けるための報告基準は
これですっきりできるのではないでしょうか。
これに対して、
「なぜ危機に気づけなかったのか」
の以下の主張はなんと本質をついていないものであるか、
お分かりいただけるでしょうか。
フィルターを避ける(生の情報が来るようにする)
人類学者になる(現場重視で観察せよ)
パターンを探す
点を結びつける
価値のある失敗を奨励する
話し方と聴き方を教える
ゲームの録画を見る(ゲームは試合のこと)
結論
問題発見とは、目標設定をすることである。
目標で重要なのは「目的・ねらい」である。
「目的・ねらい」(目標)をどう設定するかで
問題は変わってくる。
「目的・ねらい」の重要性につきましては、
再々ご紹介していることですが、
別の機会に掘り下げたいと思います。
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