この項は「これからの日本をどうする?」シリーズの一部です。
このシリーズの全体は、
「これからの日本どうする?全体解説」をご覧ください。
「原発事故で日本ブランドは地に落ちてしまった。
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「原発事故で日本ブランドは地に落ちてしまった。
問題の根っこにあるのは原子力をめぐる閉鎖的な体質だ。
政府や東京電力など情報を持つ組織が内向きで、
外に向けた情報発信が十分にできていない」
(4/20野中郁次郎教授)
「被爆国として原発アレルギーが強い日本では
専門家が積極的に情報公開してこなかった。
原発の安全な運営について
専門家と国民がもっと考えるべきだ」
(5/27稲盛和夫氏)
放射性物質の広がり方を予測する
「緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEED1)」
があること及びその分析結果を
政府が公表したのは震災発生から12日後です。
これを使えば、
原発からの距離が5キロ、20キロ、30キロなどという
機械的な線引きではない区域指定ができたはずです。
現在もこの機械的線引きが問題視されていて、
区域外の若干高濃度の地域を「ホットスポット」と称して
マスコミは手柄顔に問題視しています。
トヨタ社の米国リコール問題、今回のソニーの情報漏洩問題でも
情報開示の遅れが糾弾されています。
日本社会では、
具合の悪いデータ・自信のないデータを隠そうとします。
その原因は上野の分析ではこうなります。
まずは責任意識の強さです。
「何とかしなくては」
と自分で抱えてしまってことを大きくします。
その影響を自ら判断してから出そうとするのです。
問題発生は自分の非力を暴露することになるので、
対応策を考えてから情報を開示しようとするのでしょう。
組織の責任と自分の責任を混同しているとも言えます。
過去の「切腹」の文化です。
次いで、逆説的ですが、
日本社会は個人の責任追及が厳しくないことがあります。
個人の責任を追及しないであいまいに穏便に済ませる風潮です。
追究が厳しければ、
いずれ分かってしまうことを隠そうとしません。
開示して責任を転化した方が有利です。
それと個別の事情を見ると、状況判断力の弱さがあります。
危機管理対応力が弱いとも言えます。
これからは、なるべく早く情報公開した方が得だ、
という意識に変わるでしょう。
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