2015年4月19日日曜日

「システム子会社問題に終止符を」ですって?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 日経コンピュータ誌が取りあげた
 情報子会社の動きについて知っていただく。
 上野が判断する情報子会社のあり方について知っていただく。

ねらい:
 今後の判断材料にしていただく。
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日経コンピュータ誌が4月16日号で、
情報システム子会社動向の特集をしました。

「30年来の体制を壊す」とやや大げさな取りあげ方なのですが、
それほどの新鮮味はありません。

当誌で取りあげられているここ3年の動きを整理すると、
以下のとおりです。
「3年以前の例」と「フルアウトソーシングの契約破棄」は
私が追加しました。

タイプ
目的
該当企業
3年以前の例
本社との一体化
本社対応の機動性の向上
LIXIL、JTB、パナソニック(旧松下電工系)
カシオ
SIerと資本提携
ITスキルの強化
味の素(NRI)、キリンホールディング(NTTデータ)、東京電力(日立)、パナソニック(旧松下電器系、富士通、日本IBM)、日本郵船(富士通)、
日本鋼管(日本IBM)、積水化学(NTTデータ)、AJS(TIS)、日新製鋼(日本IBM)、JSR(旧日本合成ゴム,NEC)、
複数子会社を集約
事業力強化、効率化
日本生命、三菱重工業、

(参考)フルアウトソーシングの契約破棄
本社事業対応の機動性・有効性確保
米国JPモルガン
日産自動車
いずれもIBM社との10年契約を途中解約




当誌の記事は、いろいろな動きがあるとうだけで、
なぜそうなのか、どの方向に意義があるのか
については触れていません。

私の考えは以下のとおりです。

本社との一体化の先例はカシオ計算機殿です。
2003年時点、情報子会社の社員(プロパ採用を含む)を、
本社情報システム部員と一体運営にしました。
プロパ社員の身分はそのままでした。

その目的は、機動的・有機的運営をするためでした。
分けるよりも一体の方が
効率的な運営ができることは自明です。

「複数子会社を集約」は当然の動きでしょう。
それまでしてこなかったのは、
いろいろな行きがかりがあったからです。

行きがかりよりも
子会社としての目的達成が重要になったということです。

「SIerと資本提携」というと恰好よく見えますが、
一時の「流行り」現象の時は、
他の子会社売却と同様の理由の子会社の「売却」だったのです。

売却対象となる事業はどういう事業ですか?
その時の経営者がコアでないと考える事業です。
身軽になってコア事業の強化に専念しようとするのです。

売却した会社はどういう会社でしょうか。
ほとんどは製造業です。
製造業にとっては中核の製品を開発し作る技術がコアであって
他はコアとは考えません。

上表をご覧ください。
ほとんどが製造業でしょう!

海運会社も入っています。
以前海運会社のシステム強化のお手伝いをした経験で
海運会社のコアは
船舶建造の意思決定だということを知りました。

船舶は発注してから手に入れるまで数年かかりますから、
先を読む力が勝負になるのです。
商船三井がその能力に優れていて
断然トップの日本郵船との差を詰めたのです。

船舶運航のオペーレーションにはシステムを利用しますが、
船舶の保有状態の方がはるかに業績を左右します。

したがって、
海運会社のかたはシステムの活用に熱心ではありませんでした。

この表でご覧のように、製造業の情報子会社は、
大手SI企業の陣取り合戦の戦場となっています。
大手SI企業から見ると
安定顧客の確保とビジネスノウハウの取得が目的です。

情報システムがコアのビジネスは、
金融と流通です。

金融と流通は、「SIerと資本提携」には入っていません。
情報システムは、当該ビジネスの生命線ですから、
人に任せてしまおうということはあり得ません。

金融業の情報システムは規模が大きいので、
専門の子会社を作っている企業が大半です。

それでも
重要な企画機能は本社に温存している企業が大半です。
従来、企画機能を外に出していた企業も、
インソース化に動いています。

流通業では、ダイエーは子会社を持ちましたが、
イオンとヨーカドーは子会社化しませんでした。
どちらが勝ちましたか?

参考に示した、フルアウトソーシングを途中解約した
米国金融大手であるJPモルガンの例が話題になりました。

契約は2002年末で解約は2004年9月でした。
したがって、コストダウンを目的に契約したが、
(一説によれば1割減になるという契約だったらしい)
コストには代えられないマイナス面が「すぐに」実感できた
ということでしょう。
当然のことです。
コア業務を他社に委ねようと考えることは信じられないことです。

日本でも日産自動車が
IBM社へのフルアウトソーシングをしました。
日産が経営危機でゴーン社長を迎え入れた頃のことです。
以下は、ソフトバンクグループの情報提供サイト「ビジネス+IT」
2011年06月23日号からの転載です。

具体的には、10年契約で非常に安価、環境変化にも柔軟に対応できる、
常に最新の技術で最新の運用ができる、といったメリットが提示された。
また最新技術を使って改善していくので、
そこで得られたコスト削減分はお互いシェアすることで、
Win-Winになるともいわれた。

「ところが2~3年後、本当にそうなのだろうかという
さまざまな事象が露呈し始めた」(金子氏)
たとえばコストについては、
本当に安いのかという疑問が出てきたため、
色々なベンチマークを行ってみたところ、
必ずしもそうではないことが分かった。

そこでコスト構造を説明して欲しいと要求したが、
契約上、それはできないと断られたという。 

また最低支払保障ラインというものが設定されており、
作業が目標ポイントまで進んでいなくても、
契約で決めた金額については、
ユーザー企業側が支払わなければならない。

「これは変だ、きちんと仕事をしてもらっていないのに
我々はお金を払わなければいけないのか?
というごく当たり前の思いも出てきた」(金子氏)

システムの品質についてもトラブル件数が一向に減らず、
復旧にも時間がかかる。
よくよく考えてみれば、
改善につながるSLA(サービス品質保証契約)もなかった。

またサービスプロバイダの提供するメインフレーム以外のマシンについては、
すべて日産側でアップデートしていかなければならない。

また、運用改善は売上高減につながるため、
アウトソーサ側の経営層は消極的である。
オフショア化も検討したが、お金も時間もかかる、
とアウトソーサ側から言われ、結果的に改善が進まない。 

日産自動車のフルアウトソーシング見直しは
10年契約の終盤になってからです。
日米の行動の差を感じますね。

ということで私の結論はこうです。
区分
業種
情報システムに対する方針
ITや情報システムがコアなビジネス
(経営者の判断)
金融業、流通業、通信業、一部のサービス業
自社で中核技術を保有する。外部依存があっても中核技術は手放さない。
そうではないいビジネス
それ以外のビジネス
情報子会社の売却も選択肢

これが正解でしょう!!

2015年4月18日土曜日

労災保険対象事故のランキングご存じ?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 労災保険の対象になっている事故の内訳を知っていただく。
 どの業種がどのような事故のリスクが大きいかを知っていただく。

ねらい:
 何かの役に立つでしょうか?

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皆さま、労災保険のお世話になったことはおありですか?
勤務中または通勤途上での事故等にあった場合の
補償をしてくれる保険ですね。

たまたま労災保険のお世話になろうかなと思って、
勧誘の方から資料をいただきました。

「業種、事故の型別死傷災害発生状況」という資料です。
この資料でいろいろなことが分かります。

まず、事故の種類のトップは何だと思いますか?

なんと「転倒」なのですよ。
産業別では、第3次産業が3分の2を占めるのです。
その内小売業が全体の15%です。
小売業は「危ない」職業なのです。

その次は何でしょう?

「墜落・転落」です。

これはさすがに建設業がトップです。
その次は運送業です。

その次は何だと思いますか?

「はさまれ・巻き込まれ」という事故です。
こういう区分があるくらい多いのです。
これのダントツは、製造業です。
機械に挟まれたり、巻き込まれたりするのでしょう。

その次は、「動作の反動・無理な動作」で、
保険衛生業がトップです。

保険衛生業とは、
病院、保健所、診療所、福祉施設、知的障害施設、福祉相談センター、
保育所、健康センター、医療センター、リハビリセンター
等を言うようですが、
どういう事故が起きるのでしょうね?

この内訳を見て分かりました。
社会福祉施設が大半なのです。
老人ホームの介護職などたいへん過酷な仕事で
腰を痛めたりするのでしょう。

交通事故は、わけのわからない「切れ・こすれ」の次で
多くはありません。

以上を表にすると次のようになります。


労災保険の補償対象の事故(2013年)





























私は経営者ですから、通常は労災保険には入れません。

ところが、中小企業主用の特別加入制度というのがあって、
この制度を利用すれば入れますよ、という勧誘を受けました。

年間の保険料は2万円程度で、万一のことがあった場合、
年間300万円程度の遺族終身年金が出るというのです。
これは魅力的と思いました。

しかし、我々のようなオフィスワーカは、
業務中に労災の対象になる事故に遭うことが
ほとんどありません。

あるとすれば通勤途上の交通事故ですが、
前掲のように業種別の内訳を見ると、
ほとんど業務中の事故だと思われます。
つまり、通勤途上は多くないのです。

遺族年金の魅力は、まったく薄れていまいました。

しかも、この特別加入制度を利用するには、
「労働保険の事務を労働保険事務組合に委託していること」
という条件がついていて、
この組合の年会費は月額4500円なのです。
勧誘員の方はこの年会費のことは言いませんでした。

それで分かりました。
勧誘に来たかたは、この事務組合の勧誘員ですが、
聞くと勧誘員は(首都圏で?)20人もいるというのです。

その人数を聞いたときに、ボランティアではあるまいし、
どこからそのおカネが出るのだろうと思いました。
それだけの年会費をとるのだから
勧誘員の給料を出せるのですね。

ということで、この検討の成果は、
労災保険の対象事故の状況を知っただけということになったのです。


老いてますます盛ん!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 高齢者の性生活に関する外国の調査結果を
 知っていただきます。

ねらい:
 参考になさってご活動ください。

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以下の情報の出典はTOCANA(知的好奇心の扉)
と称しているサイトで
執筆者は仲田しんじという方です。
この情報を教えてくれたのは、近しい知人です。

多くの高齢者がセックスに関して現役で、
現役の人は脳の働きも元気だという研究成果の発表です。

皆さまも頑張りましょう!!!


70歳代の男性半数と女性の3分の1以上は"現役"

【最近イギリスで行なわれた研究】

60代、70代で満足できる性生活を送る者は、
頭脳明晰で記憶力にも優れている。

良いセックスは頭脳を若々しく保つ働きがある、
という仮説が成立するかもしれない。

【英マンチェスター大学の研究】
70歳代の半数以上の男性と、
3分の1以上の女性が性的に"現役"であり、
これらの人々の3分の1は少なくとも月に2回はセックスしている。

歳を取ることは決して活発な性生活を妨げるものではない。
満ち足りたセックスライフは気分を充足させ、
知的能力の維持・向上にも繋がる。


■セックス"現役"高齢者は認知テストの成績が良い

【オランダ・アムステルダム自由大学メディカルセンターの研究】

58歳~98歳のオランダの男女約1,700人に対して
現在の性生活とセックスの必要性について聞き込み調査と
記憶力から抽象思考能力まで全てを測定する一連の認知テスト
を実施。

現在性的なパートナーを持つ男女の3分の2は、
今後の生活にもセックスが欠かせないと感じている。
高齢者の多くが日常的にセックスを行なっている。

性生活に満足している者やセックスの重要性を自覚している者は、
認知テストの成績が良いという傾向がある。
この傾向は男性よりも女性のほうが顕著である。

(上野注:普通は女性が控えなのに、セックスを重視している人は
 行動がかなり積極的なのでしょう。
 ものごとに積極的な人はボケにくいのです)

【オランダの精神医療施設(Altrecht mental health centre)の研究者】

「性的に活発であることが脳の若さを保ち、
逆に性的な関心の衰えが
精神機能を低下させているという結論はまだ出せない」

しかしながら先頃マウスを使って行なわれた実験で、
セックスは脳細胞の増加を伴うことが確認されている。

「セックスは若者のものだけではないという認識が重要」

「これまでの社会通念に反し
実際に多くの高齢者がセックスを重要な活動と考えており、
齢を重ねても続けていきたいと望んでいる」

ということなのですね!!

ご存じの方も多いでしょうが、
日本の昔からの言い伝えに「九九の法則」というのがあります。
年代別の標準的?なセックス回数を九九で表すのです。

「男と女の関係論」
http://www.ni.bekkoame.ne.jp/uenonorio/
セックスの回数
http://www.ni.bekkoame.ne.jp/uenonorio/kannkeiron/a1kaisuu.htm
をご参照ください。

上野則男という人が10年ほど前に公開したサイトです。


20代 2九18(じゅうはち) 10日に8回
30代 3九27(にじゅうしち)20日に7回(3日に1回程度)
40代 4九36         30日に6回(5日に1回)
50代 5九45         40日に5回(1週間に1回)
60代 6九54         50日に4回(10日に1回)
70代 7九63         60日に3回(20日に1回)
80代 8九72         70日に2回(1月に1回程度)

これに照らすと、
前掲の70代の積極的な人が「月に2回」というのは、
ほぼこの法則に当てはまっています。

ただし、私が昔、宿泊付きの研修の懇親会で、
この九九の法則を披露しましたら、
30代の人たちは「とてもそんなにしていない」ということでした。

ご安心ください??


2015年4月13日月曜日

今年のソメイヨシノは異常でした!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 季節の話題を見ていただきます。

ねらい:
 それで終わりです。

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今年の桜(ソメイヨシノ)は異常でした。
何が異常かというと、
例年は満開になると1週間ももたないのに
今年は樹によって満開の時期がずれ
最長で2週間も咲いていました。

我が家の初めのお花見は
3月29日の目黒川沿いでした。
この日は午後から雨という予報が当たりましたが、
大勢の花見客で賑わっていました。
















満開宣言はその次の水曜日でしたから、
その次の週末までもってくれるかとひやひやしました。
というのは、一族恒例の花見会を予定していたからです。

4月4日、何とか満開がもってくれました。
会場は例年の戸越公園ではなく、
満開が遅れていた品川中央公園にしました。

残念ながら一族といっても都合の悪い者続出で、
年寄り夫婦2組とと孫娘1人のみの参加でした。
雨に備えて屋根のあるところに陣取りました。
風が冷たかったですが、桜はキレイでした。









 孫娘はここの「お水」で遊ぶのが大好きです。

















次の1週間で
あらかたのサクラは散ってしまいましたが、
満開状態が残った樹が何本かありました。

次の写真はそのうちの1本です。
東南で日当たりがよい場所に生えています。


















上と同じ樹です。
















日当たりのよい樹が満開も早い傾向がありますが、
それだけではないようです。
DNAが少し違うのでしょうかね。

サクラ好きとしてはきになるところです。

2015年3月31日火曜日

日本の若者には働く目標がない!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 日本の若者が情けないデータを見ていただく。
 日本の国が情けないデータを見ていただく。

ねらい:
 これから出直しで頑張りましょう!!!

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またか、という感じの調査結果ですが、
日経新聞社が
アジア10カ国の主要都市に住む若者合計2千人に聞いたものです。
対象者は20代の大卒男女です。

大卒がエリートか一般人になってしまっているか、や
サンプリングの偏りもあるのかもしれませんが、
平均月収は以下のように日本はトップではないのですよ! 

 シンガポール 36万円
 韓国      25万円
 日本      22万円
 
中国も16万円なのです。
中国の労働力を安く使おうなんでできない相談ですね。

興味があるのは「何のために働くのか」で
以下の図をご覧ください。


















日本は「日々の生活のため」という最も情けない理由でトップなのです。

「豊かになる」という上流指向が少なく
「家族のため」という日本の美徳も最下位に近いです。

「豊かになるため」は中国、韓国、次いでインドネシア、ベトナムです。
分かりますねー
これから豊かになるチャンスのある国です。

「家族のため」は、
家族主義が強いフィリピンとタイがトップです。
家族助け合いの精神は大事です。

国の構成単位の基本である家族を強化するには、
核家族化に反対し、3世代同居を推し進めなければなりません。

というようなことを考えさせてくれる調査結果でした。

「人生二毛作の生き方」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 第2・第3の人生のあり方を考えていただく。
 外山先生の人生哲学を理解していただく。

ねらい:
 「二毛作」目の参考にしていただく。
 やはり先生の本をお読みください。

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外山滋比古先生の「50代から始める知的生活術」
のご紹介です。















失礼ながら外山先生が何者であるか、
私は詳しく知りませんでした。

それもそのはず、もともとは英文学者なのに、
その後、日本語の研究もされ「日本語の論理」
という著書を50歳前に出されるほど
日本語にも専門性を発揮されているのです。

それ以外にも専門的発信を多数されておられます。
現在は91歳です。
ビックリする高齢者殿です。

その先生が、ご自分の経験から
人生80年の時代だ、「人生二毛作」を目指しなさい、
というご託宣です。

二期作と二毛作というのは、こうでしたね。
同じ作物を年に2度作るのが二期作
違う作物を年に2度作るのが二毛作

そこでこれをビジネスライフに当てはめるとどうなるのでしょう。

外山先生は、
英文学と国語をやりましたが、
学校の先生として同じだというなら2期作だが、
まったく違う領域をやっているから二毛作とも言える
と仰るのです。

そうか、それならビジネスパーソンは、
会社を変わっても
同じ営業とか経理の仕事だったら二期作ですかね。

でも、
会社を変わるというのは今の日本社会ではたいへんなことだから
二毛作と言えなくもない、ようです。

ということは、
こんな定義論をしていても意味がないようです。
先生のご意見はこうです。

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人生の二毛作を志すなら40代から準備を進めておくことです。
これまでの私の人生をふり返ってみて、
起点は40代だったと思います。

一般のサラリーマンでもそれは同じでしょう。
第2の人生が定年後に始まるとして、
超高齢社会になった現在では、
まだ30年も、
場合によっては40年もセカンド・ステージが待っているのです。

その長期戦に備えるためには、
早くから、2度目の作つけの準備をしておかなければなりません。

自分の畑にどの作物が合うのか。
最初は、試行錯誤も必要でしょう。
それを始めるのが40代というわけです。

サラリーマンとしては、定年まであと20年近くあります。
二つ目の作物の種をまき、
じっくり生育状況を見ることができます。
今年がだめなら、来年再挑戦もできます。

ところで育成すべき作物とは何か。

中略

ひとつ言えるのは、
一毛作時代の「得意」には固執しないほうがいいということです。

商売をやっている人なら別ですが、
サラリーマンの場合はもともと、
自分の本来の価値観とピタリとハマったものを
仕事にしているわけではありません。

そのことを、組織のエスカレータに乗っているうちに、
いつのまにか
自分の「得意」と思いこんでしまっていることもあります。
(上野:まさにそうでしょうね)

中略

これまでの経験があるからという理由だけで、
同じことで2回目の作つけをするのは、
おもしろみがありません。
だいいち、古い土俵では緊張感が乏しくなります。

人間、年をとると経験則をあてはめようとします。
数多く集めたて知恵の引き出しを使おうとします。
それでは第2の人生の収穫は色あせます。

わたしの場合は、40代を、教師の2期作目として
お茶ノ水大学で送っていました(上野:教授です)。

しかし、英文学だけを相手にするのはつまらないし、
日本人が外国のことをいくら勉強しても
たかが知れていると思っていました。

英語だけではつまらないなら、日本語がある。
そう思って始めたのが、日本語の仕事です。
ただ、研究者としてはまったくの素人でした。

中略

英文学の勉強が一毛作だったとすれば、
日本語の仕事は二毛作目だったわけです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そのとおりだと思います。
先生の自らのご経験に基づくご意見は説得力があります。
こう続きます。


人生の二毛作を志すなら、隠居生活などは、
たとえどんなに資産があるとしても、考慮の埒外です。

経済的な問題があるにしても、
同じ会社で定年後の再雇用を望むのも、
よくよく考えたほうがいいでしょう。

問題は、どれだけ働きがいのある仕事ができるか
ということです。

給与の大幅ダウンを受け入れて、
閑職で細々と働く、
それではなんの張り合いもありません。

継続した雇用期間も、早晩、終点が近づきます。
そこで第二の人生の目標を考えていたのでは、
いくら寿命が長くなったといっても遅すぎます。

同じ会社に無理して長くしがみつこうとするのは、
賢い選択とは言えません。

となると、目指すは再就職の道をさぐることですが、
これもやはり仕事の中身が問題でしょう。
できることなら、
新たな気概をもって取り組める仕事を選びたいものです。

それまで勤めていた会社に残るよりも、
少しでも
「新しい自分」を見出せる職場であることが理想です。

もっとよいのは、
定年を迎えてからの再就職ではなく、
五十代のなかばで「意思的な決断」をすることです。

先が見える五十代で、
このまま会社に残ってもたかが知れていると
第二の道を選択した人がいたとします。

もう一方は、
定年まで、あるいは定年後も雇用延長で会社に残っていた人。

このふたりを比べると、六十歳以降の十年間、
二十年間はあきらかに違ってくるでしょう。

もちろん、前者のほうが、
活力に満ちた第二の人生になるはずです。

第二の人生を充実させようと思うなら、
資産形成のトレーニングも、
新たな仕事を見つける試行錯誤も
早いほうがいいのはたしかです。

そして、決断してひと苦労するなら、
それも早いほうがいいはずです。

三十代で、将来を見据えた資産形成の第一歩。
四十代で、自分を生かせる「もうひとつの仕事」の発見。

そして、五十代が「もうひと苦労」するための
適当な時期というわけです。

苦労のない人生はありません。
苦労せずして、充実した老後もありえません。

もちろん、これはあくまで理想です。

五十代の転職が大きなリスクをともなうことはたしかです。

しかし、転職しないまでも、
定年後にすぐ二毛作の実行計画をスタートさせられるよう、
五十代からそれに沿った準備行動をとったほうが
いいのではないでしょうか。

「五十にして天命を知る」
この孔子のことばにしたがえば、
五十代のテーマは、
二回目の作つけの種を決めることです。

天の命(めい)とも言うべき、
後半生の自分の生き方を決することです。

サラリーマン人生は、あくまで全人生の前半です。
その終盤にさしかかったところで、
後半戦の戦略はすでに決まっていなければなりません。

そういうひとりひとりの生き方をしやすくするために
中高年の雇用を創出するのは、
人を雇用する企業・組織、そして社会の
大きな課題と言えます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
仰るとおりです。

1月29日付の日経新聞にも、
柳川範之東大大学院教授のいたビュー記事に
  「40歳定年」で次の挑戦、
  スキル・知識を磨き直し
という見出しが躍っていました。

システム企画研修社では、
「45歳から第二のビジネスライフを見つけ出す」
プログラムを開発してご提供を始めています。

45歳までの20年間が第1のビジネス人生で、
それからの20年ないし30年間が第2のビジネス人生です。

第1のビジネス人生で作りあげた
自分の心の奥にある情報や本音から
何が自分に合っているのかを探り出すプログラムです。

その時に見つかる「天職」は、
今と同じ職業かもしれないし、まったく違う職業かもしれません。
ですがどちらにしても、
これからを託す第2の「二毛作目」のビジネス人生が見つかるのです。

ご関心のある方は以下をご参照ください。

 http://www.newspt.co.jp/data/semina/mind-pd.pdf

お問い合わせはこちらへどうぞ。
 mind-pc@newspt.co.jp

先生は、
現在はウォーキングと料理作りを楽しみ、
間に図書館で原稿書きをされるという
非常に充実した生活を送っておられます。

これは三毛作目なのでしょうかね。
人に振り回されずに自らの道を歩いて来られた素晴らしい人生です。


マクドナルドの沈没

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 マクドナルドの経営危機の原因を研究していただきます。
 外食産業の厳しさを再認識していただきます。
 会社がダメになる時の原因を再認識していただきます。

ねらい:
 マクドナルドの今後を見守りましょう。
 マックが好きな方は応援してあげてください。

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本稿は、法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科の
小川孔輔教授の書かれた「マクドナルド失敗の本質」
のご紹介です。















それに加えて上野の拡張見解も述べさせていただきます。

当書では小川教授の長年の研究成果によって
詳しく具体的なデータに基づく分析がされています。

それによれば、贔屓があるとみられる小川教授にも
マックは「賞味期限切れのビジネスモデル」(本書の副題)
と言われるくらいの大ピンチなのです。

因みに、
私は孫娘の付き合いでしばらくの間、
頻繁にマックに行っていました。
孫の望むおまけの付いた「ハッピーセット」と
100円マックがお目当てでした。

最近はなぜか行かなくなりました。
別に、中国の鶏肉問題が原因ではありません。
考えてみたら、もっと魅力的なお店があるからなのです。
マックで育ったマックファン以外は、それが一般でしょうね。

先ず非常に示唆に富んだグラフを見ていただきます。































両時代とも、顧客満足度CSが落ちてきたところへ
致命的なパンチを受けています。
藤田時代はBSE問題、
原田時代は
賞味期限切れの鶏肉、不衛生な食肉の処理作業です。

もともとCSが落ちていたのは、何だったのでしょう?

そもそもハンバーガーという食べ物は
日本人向きではないのです。

若い世代はパン食に慣れているのかもしれませんが、
パンにハンバーグを挟んだだけの食べ物は、
多くの日本人の繊細な好みには合わないはずです。

それに対して藤田氏は、1970年代に、
米国を説得して銀座に1号店を出したことでも分かるように、
米国崇拝者を狙ったブランドイメージ戦略を推し進めたのです。

それが成功しました。
その後も日本に合った商品を投入しました。
フィレオフィッシュとかチキンナゲットです。
その戦略が成功しマックは流行になったのです。

しかし、新商品投入が途切れたところで、
消費者から飽きられてしまいました。

そこで、原田氏に交代です。
日本化を徹底的に進めて成功した藤田モデルが行き詰ったのに対して、
原田氏は単純に米国モデルに回帰をしたのです。

大ヒットとなった100円のプレミアムローストコーヒーも米国発です。
直営店を減らしてフランチャイズに切り替えていったのも米国流です。
メガマックも米国発です。

ただそれらの商品提供を支える店舗や従業員については
かなりの強化策をとったようです。

米国流の人事政策で従業員の精神的離反現象もあったようです。

大塚家具騒動は久美子社長の圧倒的勝利に終わりました。
ですが、株主総会で株主からの「従業員の心は掴んでいるのか」
という質問に対して、
久美子社長は「グッ」と詰まったようでした。

親子喧嘩している場合ではないですね。
ニトリやIKEAに押されている大塚家具も危ないですね。


私の目からすると、原田氏の成功は
単に目先が変わっただけでのように見えます。

人間は飽きることの好きなぜいたくな動物なのです。
特に食べ物はそうではありませんか。
毎日同じものを食べるのはイヤでしょう?

米国モデルも本国で苦戦中なのです。
ダメな米国流が日本でいけるわけがないでしょう!

日本では外食として、牛丼チェーン、すしチェーン、
ファミリーレストランチェーン、が頑張っています。
うどんやそばのチェーンもあります。

中食も弁当屋チェーンだけでなく
コンビニもおいしいお弁当を提供しています。

今私が孫と行くのは、地元の中華料理屋とすし屋です。
前者では野菜ラーメンとチーズ揚げ、
後者では茶碗蒸しと納豆巻きが孫の好物です。
これもいつまで続くか分かりません。

新鮮味のないマック、
おいしいハンバーガーの好きな人は
元もとモスバーガーに行っていたし、
つなぎとめる、
または引きつける新商品・サービスが途切れたところが
縁の切れ目という点では
今のマックは藤田時代の最後と同じということです。

この段階での再生のチャンスはあるのでしょうか。
「寿司を主力にする」くらいの思い切った商品転換をしない限り
ダメなのではないでしょうか。
米国の主食はパン、日本の主食はご飯なのですからね。

結びとして、専門家小川教授自身の言葉をご紹介します。
経営危機の一般論としてもたいへん参考になります。

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戦略転換8年目の経営危機

藤田氏、原田氏のどちらの時代においても、戦略転換後の8年目に
経営危機に陥ってしまったのはなぜなのだろうか。

 筆者は、両者の失墜の裏側には共通の要因が三つあったと考える。
 ①マーケティングの失敗、
 ②サービスのトライアングルの崩壊、
 ③画期的なイノベーションの不足
の三つである。この順番で、両時代の経営を評価してみる。

マーケティングの失敗(経営の短期志向)

突き詰めて考えると、どちらも短期的なマーケティング施策に
走ってしまったことが、マクドナルドの行く先を
危うくした原因である。

藤田氏は、1995年にディスカウントの進軍ラッパをならし、
2000年ごろには大勝利をもたらした。

世間からも注目を浴び、「デフレの勝者」と称賛されていた。

原田氏は、米国から持ち込んだ新商品
(プレミアムローストコーヒー、メガマックなど)をヒットさせ、
マクドナルドのV字回復により、
メディアにも頻繁に登場するようになった。

両者それぞれ、価格プロモーションに偏重した施策と、
リメイクした商品投入(米国からのアイデア借用)だけでは、
先が見えていたはずである。

どちらの時代にも共通していたのは、価格水準が商品力に
見合わなくなったことである。

しかし、願客に対するサービスも、店舗の清潔度も、
ハンバーガーそのもののおいしさにも、
抜本的な変革は起こらなかった。

結局は、短期的な対応に終始し、
長期的な環境変化に対応するチャンスを逃してしまった。

売上高の成長と短期的な利益を求めて、
小手先のマーケティング施策に注力しすぎていたツケが、
いま回ってきている。


サービスのトライアングルの崩壊

マクドナルドの組織面での本来の強さは、
「サービスのトライアングル」という概念によって説明が
できる(図表7-2)。




マクドナルドのようなサービス業は、企業、顧客、従業員の
努力によって支えられている。

マクドナルドでの食事に顧客が満足し、
従業員が仕事や待遇に喜びを感じ、
企業が利益を生み出すことができて、
マクドナルドのビジネスが健全運営される。
どれが欠けても、トライアングルは崩れてしまう。

その中でも、
マクドナルドにとってとくに重要なのは、
アルバイトを含む従業員の存在である。

というのは、
サービスは、シャンプーやタブレット端末のようなモノとは
根本的に違っているためだ。

カウンター越しにハンバーガーを手渡す瞬間に、
サービスの品質は決定される。

真実の瞬間(3秒間)に、マクドナルドのクルーが登場してくる。

明るい笑顔が、
ハンバーガーをおいしくする大切な要素なのである。

さらに、高収益なサービス業では、
サービスを提供する全体の枠組みとして、
持続的で他社にはまねができない
ビジネスモデルが構築されていることが必要である。

自社の経営理念(QSC+V)について、
従業員の理解が進んでいることも重要である。

急成長してきた20年間で、
日本マクドナルドの経営陣は、
従業員、FCオーナーによって、
マクドナルドのハンバーガービジネスが支えられていることを
失念したのではないのか。

つまるところ、
マクドナルドは現場の人間によって
支えられている「ピープルビジネス」だったはずである。

藤田・原田時代の後期、
強固だったはずのトライアングルがもろくも崩れてしまった。

三角形の最初のほころびは、
従業員と来店顧客との接点で生じている。

藤田時代は、
ディスカウントと急速な店舗拡大戦略によって、
来店客が増加した。

しかし、
あまりにも忙しすぎて、
クルーの表情からは笑顔が消えてしまった。

原田時代には、
売上の低迷を脱しようと、
メニュー表の撤去や「ENJOY!60秒サービス」を実施した。

これが裏目に出て、
クルーの疲弊とモチベーションの低下を招いた
(サーゼス水準の低下)。

手が回らなくなった店内は、
清掃が充分ではなくなり
汚れが目立つようになる(清潔度の低下)。

さらに、
新投入した商品がヒットしなくなる(品質の低下)。

QSCが下降し始めると、
ブランドイメージが徐々に低下していった。

基本のQSCが徹底できなくなると、
来店客のCSは下がり始める。
そこから1~2年後に、業績が急降下することになる。


画期的なイノベーションの不足

より深刻なのは、イノベーションの不足である。
初期の成功から3~4年後には、
その成果を弾みに、
ビジネスの根本的な改革に乗り出すべきだったのである。

たとえばセブンーイレブンは、
創業以来いまでも継続的なイノベーションを起こす
ことに力を注いでいる。

具体的には、
セブン銀行ATMや共同配送、プレミアムPB商品開発などである。
その成果もあって、いまだに成長を続けている。

米国で創業してから約60年間、抜本的な
イノベーションは起こらず、
いまやマクドナルドのFCシステムは、
古びたモデルになっている。

ビジネスモデルの刷新に取り組むべきだった経営陣は、
目先の価格・プロモーション戦略で
苦境を切り抜けようとした。

日本マクドナルドをV字回復させたように見えた原田氏も、
自らが主導して日本発の商品や事業システムのイノベーション
に取り組むことができなかった。

思い起こしてほしいのだが、
2008年に、筆者らが原田氏に依頼した講演のテーマは
「マクドナルドの成長戦略新ブランド開発や新商品開発、
または差別化戦略等について」であった。

「新ブランド開発」と「差別化戦略」という
イノベーションに関連するキーワードが、
ちりばめられていた。

ところが、2009年以降、
新基軸を打ち出すどころか、
日本発の新商品を発売する気配はなかった。

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いかがでしょうか。
マクドナルドに再生のチャンスはあるのでしょうか。
小川先生も、
現在の外人CEOではダメそうだ、と悲観的です。