2013年4月21日日曜日

TPP交渉の見どころは?

【このテーマの目的・ねらい】
目的
 TPP問題の再整理をしていただく。
 TPPの交渉に関心を持っていただく。

ねらい
 
 TPPの交渉を自分ごととしてフォロしていただく。
 別項「ふるさとを守れ活動のすすめ」を読んでいただく。
 その実現に力を出していただく。

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4月20日にTPP交渉中の11カ国が
正式に日本の交渉参加を認めました。

この間、ずい分もめました。

少しこの間の経緯を振り返り
今後の課題を整理してみましょう。

まず,TPPの大原則はこういうことです。

TPP環太平洋戦略的経済連携協定は、
2006年5月28日に
シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国で
発効した経済連携協定です。

ご承知のように、
単なる貿易の自由化協定ではありません。
以下,Wikipediaからのご紹介です。

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2006年1月1日に加盟国間のすべての関税の90%を撤廃し、
2015年までに
全ての貿易の関税を削減しゼロにすることが約束されており、
産品の貿易、原産地規則、貿易救済措置、衛生植物検疫措置、
貿易の技術的障害、サービス貿易、知的財産、
政府調達(国や自治体による公共事業や物品・サービスの購入など)、
競争政策を含む、
自由貿易協定のすべての主要な項目をカバーする包括的な協定です。

当初の目的の一つは、
「小国同士の戦略的提携によって
マーケットにおけるプレゼンスを上げること」でした。
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今回日本の交渉参加を認めたのは、
当初参加4国の他、交渉参加中の以下の国です。

アメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルー、マレーシア、
カナダ、メキシコ(この2国は2012年11月から交渉参加)

ご承知のように、
日本はTPPへの交渉参加の是非で揉めていましたが、
管総理の参加意思表明を経て
安倍内閣になって
TPPへの参加ではなく、「交渉への参加」が固まり、
米国との事前協議を始めました。

米国はまだ参加国でもなく、
日本に注文を付ける権限はないのですが
今後の交渉での作戦を打ち合わせたという位置づけです。

米国は、自動車特にトラック類の保護をしたい以外は
原則自由を望んでいます。
日本は、農業の保護を望んでいます。
御互いにそれを認めようという作戦で合意したのです。

ところが、NZ、豪州、カナダが
この日米の事前協議に異議を唱えました。

当然でしょうね。
自由にしましょうという協定で
特定の2国が談合するのはけしからん、ということです。

しかし、どういう交渉が行われたか分かりませんが、
(おそらくアメリカが手を回したのでしょう)
日本の7月会合からの交渉参加が認められたのです。

日本国内でのTPP参加反対意見は
ご承知のように農業保護の観点からです。

日本の農業はこれまで高関税で守り、
(なんとコメは778%&の関税率です)
長い間の減反政策を以ってしても、
需給がバランスしない供給過剰状態なのです。

以下、江田憲司さんの
2011年10月27日のブログからの引用です。
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日本の農業は、手厚い保護政策の下で発展してきたか? 
結論は真逆である。

ウルグアイラウンド交渉の結果、6兆円の予算をばら撒いても、
778%の高関税をコメにかけても、
日本の農業は衰退の一途をたどってきた。

この50年間で岩手県分の耕作地が失われ、
埼玉県分の耕作放棄地が出現したことに象徴される。

そして今や、農業生産額はGDPの1.5%、就業者人口は3%だ。
そのうち、65歳以上が6割以上を占め、
35歳未満はたったの3%にすぎない。

このまま、TPP反対派のいう保護政策を採り続けていたら、
確実に10年後、日本の農業は消えてなくなるだろう。

「TPPで農業は壊滅する」のではなく
「このまま放っておけば農業は壊滅する」のである。
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それだけの規模しかない産業をなぜ保護するのでしょうか。
本当に保護が必要なら生活保護制度を利用した方が
良いのではないでしょうか。

そうではない、という根拠が食糧安保です。
現在の食糧自給率は40%と言われています。
(もっと低いという説もあるようです)

食料自給率を高めておかないと
将来の地球規模での食糧不足時代に
日本が生きていけなくなる、というものです。

そのためなら、
食料の促成栽培法、工場生産法等
食料を確保するための研究開発の助成に
予算を投入した方が安上がりでしょう、と思います。

私は、日本の農業の保護には
もっと大きな意義があると思います。

それは、農業ではなく農村の維持です。
農村は人々の生活の場です。
多くの人にとっての故郷(ふるさと)です。

故郷が無くなるのはたいへんなことです。
一族の心の支えが無くなるのです。

今でも、先ほどの江田さんのレポートにあるように、
65歳以上が6割です。
何年かすると、その家はあるじがいなくなります。

その孫子達は帰るふるさとが無くなるのです。
これこそ何とかしなければならない
大問題ではないでしょうか!!

この対策の試案は、別項「ふるさとを守れ活動のすすめ」
をご参照ください。
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本題に戻り、これからのTPP交渉、どうなるでしょうか。
日米の保護方針は通るのでしょうか。

大国のエゴを通してはいけないでしょう。
もともとの基本精神である
「小国同士の戦略的提携によって
マーケットにおけるプレゼンスを上げること」
にも反することになります。

各国がどのような主張をして行くのか見ものです。

日本は、農業保護の方針を
全面的には認めてもらえない時に、
どういう案を国内に対して示すのでしょうか。

アメリカの絶大な金融や情報処理の世界の力を
各国は「自由に」認めるのでしょうか。

これから数か月、見ものとしては
こんな興味深いネタはないでしょうね。

是非、この機会をバネに
日本の将来の発展につながる
政策を実現していただきたいと思います。

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