2013年4月29日月曜日

「日本の自殺」に反論」!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的
 日本の将来の悲観説の一つをご紹介します。
 その「日本の自殺」説は、日本には当てはまらない
 面があることを確認いただきます。
 ではどう考えたらよいのかを考えていただきます。

ねらい
 いろんな角度から日本の現状を見る材料にしていただきます。

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「日本の自殺」は、
文芸春秋誌1975年2月号に掲載され、
当時話題になった論文のようですが、
最近その存在を知り、読みました。

最近は、日本の危機を訴える論調に溢れていて、
またかとうんざりです。

しかし、当時はまだバブル景気前で、
エズラ・ヴォーゲルの「ジャパン・アズ・ナンバーワン」
が出たのは1979年ですから、
「まだまだ日本はこれから」という時代でした。

著者は、匿名で「グループ一九八四年」となっていますが、
当時学習院大学教授だった香山健一氏だったようです。

私が読んだのは、
2012年5月に出版された復刻版風の同名の新書本です。

「日本の自殺」は、
日本は他国に滅ぼされるのではなく、
自壊していくという意味です。

その根拠を、古代ギリシャ・ローマ帝国の崩壊の分析
に基づいて挙げています。

以下のとおりです。
1.巨大な富を集中し繁栄を謳歌したローマ市民は、
 次第にその欲望を肥大化させ、
 労働を忘れて消費と娯楽レジャーに明け暮れるようになり、
 節度を失って放縦と堕落への衰弱の道を歩みはじめた。

2.ローマ帝国各地から繁栄を求めて流入する人口によって
 ローマ市の人口は適正規模を超えて膨張に膨張を続け、
 遂にあの強固な結束を持つ小さくまとまった
 市民団のコミュニティを崩壊させてしまったのである。

 こうして一種の「大衆社会化状況」が、
 古代都市ローマの内部に発生し、急速に拡大していった。

3.ローマ市民の一部は、
 1世紀以上にわたるポエニ戦争その他の理由で
 土地を失い経済的に没落し、 
 事実上無産者と化して、市民権の名において救済と保障を
 つまりは「シビルミニマム」を要求するようになった。
 
 
 これが「パンとサーカス」と言われる状況である。

 こうして権利を主張するが責任や義務を負うことを忘れて
 遊民化したローマの市民大衆は、
 その途端に
 恐るべき精神的、道徳的退廃と衰弱を開始したのである。

4.市民大衆が際限なく
 無償の「パンとサーカス」を要求し続けるとき、
 経済はインフレーションからスタグフレーションへと
 進んでいくほかはない。

5.文明の没落過程では必ずといってよいほどに
 エゴの氾濫と悪平等主義の流行が起こる。

以上の状況はかなり現在のというか、当時の
日本の状況に当てはまると言えるようです。
当てはまらないという点もあります。

しかし、それは大同小異のレベルかと思います。
基本的に異なるのは、その状況が続いた期間の長さです。
ローマ帝国が、記述されたような状況だったのは、
何世紀間か少なくとも1世紀は続いています。

その間に人間の心の中には、
それが当たり前というマインドが生まれます。
今はやりの言葉で言えば、そのDNAができてしまうのです。

ところが、日本の繁栄はどうですか。
残念ながら、1970年からバブル崩壊までの
せいぜい20年です。

DNAができるだけの時間が経っていません。
むしろ、頂上に上り詰める前にこけてしまっているのです。

成功体験が通用しなくなったにもかかわらず、
社会での主役交代が進まずに
産業が停滞してしまっているのです。

従来型の大企業がほとんどダメでしょう?
成功体験をした部長以上が
会社を動かしているからなのではないでしょうか。

今発展している企業は例外なく新興企業か
創業者経営者が仕切っている会社です。

創業者経営者が引退するとすぐにダメになるので、
いったん引退した経営者が、
第一線復帰していることが多いことも
この論拠を示しています。

ではどうするか、です。

それなりの歴史があるのに大企業状態を維持している
リクルートの経営方式に学ぶことが一つです。

偉大な創業者江副さんが先日亡くなられましたが、
事件で江副さんが急に引退する羽目になったにもかかわらず、
その後25年間発展しているのは驚異です。

自律的・自発的な社員の行動を促す
組織風土を支えている一つが、
自発的な早期引退です。

これは制度ではありません。
慣習なのです。

他にリクルートグループが発展している要因の一つは、
原点が人材を扱う事業だということだと思います。
事業ドメインは大事です。

あらためて別の機会に、
リクルートの経営を研究してみましょう。

ところで、「日本の自殺」のついでに、
「日本消滅」も研究してみました。
牧野二郎さんというIT弁護士と言われる方が
2008年に出された本です。

この内容のご紹介は別項にいたします。


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