2016年3月29日火曜日

河津桜ってご存じ??

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 ・河津について知っていただく。
 ・河津桜について知っていただく。
ねらい:
 ・河津に行ってみてください。
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河津はご存じですか?
伊豆半島の南端に近い町ですね。

河津桜はそこが発祥の早咲きの桜です。

このブログでも
何度か我が家の河津桜をご紹介しました。

我が家の河津桜は、
2001年3月5日に河津に行って苗木を買って植えたものです。

今年で満15年ということになります。

桜は成長が早いのです。
今や我が家の2階の屋根に届くほどになっています。

我が家の「大邸宅」の「猫の額庭」の全景です。
右から、さわら、柿、ブーゲンビリア、河津桜、榊です。



2月21日撮影です。一部葉桜になっています。
















現地の桜よりも開花が早いようです。





















今年その故郷を訪ねてきました。
孫佳奈実が新幹線に乗りたいという
夢を叶えることを兼ねた日帰り旅行です。

当時は苗木は河の土手で
オジサンが店を出して売っている感じでした。

今年行ってみると土手の遊歩道いっぱいに桜の樹が植わっていました。
おそらく我が家の樹と同じくらいの大きさですから
その後一斉に植えたものでしょう。


さらに町じゅういたるところに河津桜が植わっていました。
苗木売りも小屋ですが店を構えていました。




我が家で15年前に買った苗木はこの写真のよりも小さかったです。
この写真のは1本1200円でした。

たまたま、河津桜の由緒を書いてある立て札を見つけましたので
写真を撮ってきました。



それによれば、河津桜は昭和30年に発見され、
昭和43年頃から増殖されだし、
昭和49年に河津桜と命名された新参者なのです。

大島桜と寒緋桜の自然交配だと言われているようです。
河津桜は早咲きで美しいので各地に広がっています。

我が家の近くでも
200メートルくらい離れている公園に植わりました。
我が家の樹よりもだいぶ若いです。




















私のジョギングの道におかれている苗木+αです。




















ところで河津も河津桜のおかげですっかり観光地化しましたが、
あまり温泉宿とかはなく、その代わりと言ってはなんですが
足湯が何か所にもありました。


観光施設としては、孫が大喜びをした動物園がありました。
何と爬虫類専門で体験型と称しています。
iZOO(イズ―)という名前です。

いろいろな爬虫類に触れるのです。
孫は恐る恐る蛇の類にもさわっていましたが、
お気に入りは「ウーパールーパー」でした。

触れるのですが、少しヌルヌルナメナメなのです。
これが気持ちいいと言って離れようとしません。

無理やり出てきましたが
「また、あの子たちに会いたい」というのです。
あの子たちとはウーパールーパーのことです。

それを聞いて「女性は小さなときから母性本能があるのだな」
と感心しました。
男の子はそういうことは言わないでしょう。
男と女は同じわけないですよねーー。


















3/28 追記
本日誤ってこの投稿を削除してしまいました。
本文は復活できましたが、
いただいたコメントとそれへの私の回答は復活できませんでしたので、
ログを見てここに収録しました。
ご了解ください。

 ---- コメント1 ------------------------------------------

【匿名】2016/3/1

私も2月17日に行ってきました。
風が強くて寒くて早々に退散しましたが、早めの春に 会えた気がして満足でした。
izooは初耳です。どこに あるのですか?

孫娘は爬虫類大好き少女で蛇に触ると 気持ちが良いと言います。
この感覚全く分かりません。

【上野】

匿名さん 書き込みありがとうございます。
孫娘さん、爬虫類大好き人間ならIZooはピッタリです。

河津から国道を南へタクシーで1000円くらいの距離でした。
ネットの検索でお調べください。

---- コメント2 ------------------------------------------

【匿名】2016/3/2

河津桜美しいですね!上野御殿のもすごい!!
小さな恋人とのデート素敵ですね・・ 三重の「なばなの里」にも 
河津桜が沢山あり 見てきました 美しいところです 
足湯も ほっこり・・癒される空間です

【上野】

書き込みありがとうございます。
小さな恋人の他に霜枯れた恋人も一緒でした。

なばなの里は有名ですね。 今や河津桜は全国区になったようですね。
僅か50年しか経っていないのに、
良いものが広がるのは早いのですね。ビックリです。

 ---- コメント3 ------------------------------------------

【匿名】2016/3/24

地元出身の者です。数年前まで「河津にある桜」だから河津桜だと
思っていましたが、品種の名前になっていることを知りました。

どうりで、日本全国に河津桜と呼ばれる桜があるわけですね。

地元で高校時代の同級生が「伊豆の良さを増やし、全国に広め、
多くの人に観光に訪れて頂こう」という活動をしています。

その活動の一環で、東北の震災被災地へ河津桜を植樹する活動を
数年前から続けています。
そういう絆をもって、河津桜が全国に広がり、
各地で春の訪れを告げているのだと思います。

【上野】

お気づきの点があったようで嬉しいです。
河津桜は美しいのと桜の樹の成長の早さで、
これだけ全国に一気に普及したのですね。 1か月は咲いていますから、
その内に桜の名所の半分は河津になってしまうのかもしれません。
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2016年3月1日火曜日

女性の社会進出を阻む日本的要因!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 日本の女性の社会進出がなぜ遅れているかを分析します。
 日本も改善されているけれども、諸外国の前進がもっと早い、
  ということも確認していただきます。
 なぜ日本の前進が遅いのかを分析します。
 日本ももっともっと女性に力を発揮していただかないと
  これからの日本の発展はないことを再認識していただきます。

ねらい:
 その前提を確認して行動しましょう。
 
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先月、日本の「終身」雇用制度が、
日本の経済成長を阻害していることの分析をしました。
http://uenorio.blogspot.jp/2016/01/blog-post_98.html

ここでは、日本でなぜ女性の活躍ができていないのか
の分析をしたいと思います。

検討の内容は以下の2書から得ました。
1)女性を活用する国、しない国(竹信三恵子2010.9)
2)働く女子の運命(濱口桂一郎2015.12)






































1.日本の女性が活躍していない現実

以下のデータは時点の古いものが多いのですが、
 大きな傾向は変わっていないようです。


(1)女性の活躍度指数(ジェンダー・エンパワーメント指数GEM)
                 国連(UNDP)発表  2009年版
  

 順位       国  名
  1 スウェーデン
  2 ノルウェー
  3 フィンランド
  4 デンマーク
  5 オランダ
  6 ベルギー
  7 オーストラリア
  8 アイスランド
  9 ドイツ
 10 ニュージーランド

なんと日本は57位なのです。

これで日本政府もいろいろ女性の活躍促進を始めました。

ご承知のように、
2016年4月から通称「女性活躍推進法」の施行がされ
労働者数301人以上の企業には、
以下に関する行動計画と実績の発表が義務付けされました。
 
 採用者に占める女性比率
 男女の平均勤続年数の差異
 労働時間の状況
 管理職に占める女性比率


GEM指数は、以下の3つの指数の総合です。

1)国会議員比率
  日本は2010年に11.3%で92位、
  1位はルワンダ56%、2位はスウェーデン46%

2)管理職と専門・技術職比率


日本の位置づけは不明ですが、以下のようにかなり低い。














取締役の女性比率
























  北欧各国の比率が高いのは、法の縛りです。
  ノルウェー:2005年役員会の女性比率を40%以上
  フランスも2010年に追随

3)男女の所得比率

  




















詳細の状況は「女性を活用する国、しない国」をご参照ください。

2.女性が活躍していない理由

濱口さんの分析は、国会議員のことについては触れていません。
国会議員は、何らかの社会で活躍している人がなるのですから、
浜口さんの分析は国会議員についても当てはまる面もあるでしょう。

その濱口さんの分析に一部私の判断を入れて
女性が活躍できない要因を連関図にしてみました。
(連関図の作成方法としては変則です)

(画像をクリックすると拡大します。
 PDFファイルはこちら→「連関図PDFへ」)
















まず、分析の前提として
日本の女性の活躍度は「他国に比較して低い」ということです。

北欧諸国は、少数民族国家なので女性も活躍しないと国がもたない、
という状況であったために、
あるいは他国も、
産業が多様化したので異才を糾合して国力を上げる必要が大きくなったので
女性の活躍が後押しされたのです。

それらの国に比較して、日本はその必要性の認識が強くなかったために
国際社会で後れをとったということなのです。

この連関図によれば、
日本が後れをとっている大きな要因は以下のとおりです。

1)高度成長期は
 「男が働き、女性は家を守る」という役割分担で経済が回った。
 
2)そのため女性の仕事は、
 短期の(結婚までの)、男性の補助的役割しか与えられなかった。
 給与も低い。

3)男性の仕事は、職務が規定される「ジョブ型社会」(濱口)ではなく、
 無限定(職務、職場、勤務時間)で会社に入る
 「メンバーシップ型社会」である。
 「いろいろな仕事を担当させられる、勤務時間は長い、転勤がある」
 →女性がその条件を受け入れるのは容易ではない。

4)その経済環境が変わった(低成長時代になった)のに
 保守的な日本社会ではその基本構造を変えられていない。

5)家事は相変わらず女性が中心である。
 →女性の家庭での負担が大きい。

6)育児・介護は家庭労働に依存していたため
 社会でのそのサービス提供が不十分である。
 →女性が働く制約になる。
   北欧諸国はそれらのサービス提供が充実しており、
   女性の有力な働き場にもなっている。

7)ジョブ型社会でないために、個人の能力評価に客観性がない。 
 →そのため能力ある女性が正当に評価されない。
 →男女差別がまかり通る。

 女性の活躍が目に見えるという面では
 タレントやテレビ出演者ははっきりしていますね。

 私はフジテレビ新報道2001の
 吉田惠アナウンサーのファンでした。
 「偉い」出演者に質問や突っ込みを入れるのです。

 彼女は先日妊娠を理由に降りました。
 ところが代りのアナウンサーもしっかりしているのです。
 フジテレビのアナウンサーは「芸能人もどき」ばかりかと
 思っていましたが、見直しました。

 このようにジョブが明確であれば
 その人を正当に評価できるのです。

8)女性向きのサービス産業の発展が不十分であり、
 女性の働く場が大きくならない。

 製造業の現場は男性向きですが、
 サービス業は相手の心を掴んで対応するという面で
 女性向きです。

 日本では「サービスはタダ」という伝統があるために、
 サービス業の現場が大きくなりません。


9)3)5)6)7)8)の理由から女性の昇進・活躍の機会が限られる。
ということになっているのです。

3.女性活躍向上の解決策


解決策はどうなるのでしょう?
濱口さんは明示していません。

抜本的解決策は、無限定で「就社」する職業選択を改革し
ジョブ型社会に転換することでしょう。

この点について私は、昨年11月の
「どうすれば世界一低い労働生産性を高められるか」
http://uenorio.blogspot.jp/2015/11/blog-post_40.html

でジョブ型社会実現の必要条件になる
ジョブ対応の給与体系の提言をしています。

ご一読いただければ幸甚です。


2016年2月29日月曜日

「天才」って誰のこと?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 石原慎太郎さんの「天才」を知っていただきます。
 田中角栄さんの功績を再評価しましょう。
 (過去の)米国という国の恐ろしさを再認識しましょう。

ねらい:
 日本の歴史の正しい認識をしましょう。

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多くの方はご存じのように
「天才」は石原慎太郎さんが書かれた
田中角栄さんの評伝です。伝記小説かもしれません。





















石原さんは衆議院議員の若い頃、
田中角栄さんの金権政治を批判する急先鋒でした。

しかしあらためて田中さんの功績を振り返ってみると、
たいへんな人物であったことを再認識されました。

それが、
この本での田中さんへのはなむけになっているのです。

しかし、関係者が存命の中での実名での著述は
ずい分気を使っただろうと思われます。
いい加減なことは書けませんからね。

田中さんがどう考えたかということを
田中さんの第一人称で書かれています。
書きぶりはこんな感じです。

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その1 若き頃

サンクレメンテでの日米首脳会談で俺は
ある大事な提案をして押し切った。

「早撃ちコナリー」という異名を持つとかいうニクソンの
片腕のヨナリーに、いきなり日米経済戦争の一年間の停戦を
提案して強引に押し切ってやった。

この反撃で彼等の日本を見る目が微妙に変わってきたと思う。
つまり日本が本気で拗(すね)れば彼等にとっても厄介なことに
なるという認識でなければ、いつまでたっても、
こちらの浮かぶ瀬があったものではないのだ。

第二回のトップ会談の後、ニクソンは俺たち日本側の首脳を
昼食会に招いた。
どんな報告を受けていたのか知らぬが、ニクソンは
ひどく上機嫌で俺の肩を叩いて抱きかかえてテーブルに
案内してくれたものだった。

その前に会議場から昼食会の会場までゴルフカートを
自分で運転し、その車に佐藤と俺だけを乗せたのだ。
福田(赳夫)はその後から歩いてやってきた。

その途中ニクソンが俺に君はゴルフはするのかと尋ねたので、
俺はまだビギナーだが、かなり腕を上げたのでその内に
マスターズに出るつもりだと片言だが英語でいってやったら
彼は大笑いしていたものだった。

昼飯の会場に入るまでもニクソンは自分のゴルフについて
何やら自慢だか愚痴だかを一人で話してみせたが、
俺は分かっても分からなくても大いに頷いてみせてやった。

そのせいかどうか昼飯の会場では思いがけぬことが起こった。
ニクソンが自分の席の隣にいきなり俺を座らせてしまったのだ。
ニクソンの席順無視で声には出ないが動揺が走るのが
感じられて分かった。
特に日本側の出席者、
外務省の役人たちにはショックだったろう。

彼等にしてみればニクソンと福田を隣り合わせに並ばせ、
福田を佐藤のプリンスと見せることに
気を使っていたに違いないから。

実際に前年の日米貿易経済合同委員会では
ニクソン・福田会談がセットされ、
メディアはポスト佐藤の角福の品定めのために
アメリカ側が俺たち二人を招いたが、
俺がいかに大声でまくしたてても、
ニクソンと会談できたのは福田だけで、
二人の勝負はもうあったと報じていたものだったが。

しかしまあ、サンクレメンテでの出来事を
どう解釈するかは人によっていろいろあろうが、
ニクソンが俺に、いってみれば気さくに、
まあ俺のそばに座れよと誘ったのは、俗にいえば
「こいつは話せる奴だな」と思ったということだろうが。

佐藤派から離脱してすぐに、かつて都市政策調査会長
としてつくった都市政策大綱を下敷きにした、
この国全体を地ならしして地方の格差をなくす
『日本列島改造論』を発表した。

高速鉄道の新幹線を日本中に走らせる。
各県には飛行場を設置する。
かくすれば国民はこの国のどこへでも簡単に赴けるし、
むしろ地方がかかえている地方の特色は保たれ文化は栄える。

狭小な国土をしか持たぬこの国はコンパクトながら
もの凄く機能的なものになるはずなのだ。

この大計画を聞いて国民は度肝を抜かれ
賛否両論がまき起こったが、多くの国民はどこに住んでいようと
これでそれぞれの夢を持てたはずだ。
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その2 振り返り期

しかし俺のやったことの何が間違っていたというのだろうか。
だってそうではないか、今のこの国を眺めてみろ、
俺のいった通りになっているではないか。
俺の予見の何が外れたというのだ。

まあそれはいい。
俺がやったことの正しさはその内に歴史が証してくれるだろうに。

しかしこうなってしまった今、ものがいえなくなってしまった今こそ、
俺はこうして身動きできぬまま俺に問いなおして
確かめておかなくてはならぬことがあるのではないのか。

昔、六法全書をまる暗記までしてみせた俺が思いつかずに
見落としていたものがあるのではあるいは
俺のこの病はいつか何かの力で治るのかもしれない。

いや、きっとそれがある。
ある筈だ。
なければおかしい、だってこの俺はこの俺なのだから。
それを信じることを誰が、何が禁じるというのだ。
いつか、思いもかけぬきっかけでまたあの俺が蘇ることが
ないと誰にいえるのだ。
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田中さんの日本列島改造論は、
今の日本を先取りしています。
非常に頭の切れる天才の一端ですね。

それ以外にもお役人の知恵ではとても出てこない
発想をしていることが紹介されています。


この本の内容はこうなっています。
1)若いころの頭脳・才覚を使った努力  土建業としての成功
2)若くして議員になった頃の活躍ぶり  素晴らしい時期
3)権力を得た活躍  意外とこの時間は短かった
4)ロッキード事件で訴えられた後の無念  再起を念じていた
5)晩年の反省期  本当はどうだったのでしょう?


本文以外に以下が付いています。
6)年表
7)田中角栄さんが提案者として成立した議員立法の35法案一覧
8)石原慎太郎さんの「長い後書き」

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ところで、田中さんのロッキード事件は、
裁判所の判断は有罪ということでした。

実際におカネを受け取ったかどうかはともかくとして
(本書でも受取ったことになっています)
ニクソンの仕組んだ罠だということは
大いにありそうなことです。

本書内でも
その罠だということははっきり出てきています。

ニクソンは自分の立身出世のためなら
何でもする男です。

ケネディ暗殺の黒幕だったことは
かなり知られた事実です。
この点については、私のブログでも
落合信彦さんの著書を紹介しています。

上で引用しましたようにニクソンは、
「田中は放っておくと
日本としての主張をどんどんするようになり
米国のためにならない」
と思ったでしょう。

アメリカの頭越しで中国と国交を回復したり、
アメリカに盾付いたりしました。
石油を米系メジャーから調達せずに
アラブから直接調達するなど。

日本としては当然の措置ですが。
ニクソンにしてみれば、
顔をつぶされて「この野郎!」と思ったでしょう。

そこで仕組んだのです。
ケネディのときに比べれば
何のことはなかったと思われます。

日本の司法にまで手をまわしました。
日本の裁判のロッキード側の証言に、
日本では認められていない司法取引をして、
いい加減な「有力」証言をさせたりしたのです。

田中さんは金権政治をしたかもしれませんが、
それよりも日本という国を立てるために、
多くのことをしてくれたのです。

これは石原さんの愛国主義から言えば、
素晴らしい先達です。

田中さんを賛美する本を書こうと思われたのは
当然でしょうね。

小説としてはあまり面白くありませんが、
石原さんとしては、
若気の至りで金権政治批判をして田中さんに矢を向けた
償いをする作業を成し遂げたということでしょう。

組体操は危険?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 組体操の危険性について考えていただきます。
 効果とリスクの関係について考えていただきます。
 マイナス思考だと日本はじり貧ではないか、
        という点について考えていただきます。
ねらい:
 プラス思考になるように努力したいですね。

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流山市は組体操を新年度から全面「廃止」
という情報が「流れ」ました。
大阪市は一足早く組体操の中のピラミッドとタワーの全面禁止
を決めています。

注:廃止と禁止と言葉が違うので確認しました。
  廃止は自分で決めること。”定期昇給制度の廃止”
  禁止は権限のある者が他に対して指示すること。
  この場合の廃止は校長会で、禁止は教育委員会でした。

私はこの情報に接して、初めは「何だまた、安全第一か!」
と情けなく思いました。

「たかだか骨折くらいで大騒ぎするな!」
リスクを優先して冒険心・向上心がなくなれば、
ますます日本はダメになる、といういつもの考えです。

テレビでも子どもたちの「できた時の達成感が大きい」
という小学生の嬉しそうな顔を見て「そうだ、そうだ」
と思ったのです。

ところが、調べてみますとこんなに事故が多いのです。

以下Wikipedia「組体操」
1983~2013年度の31年間に、
学校の組体操において障害の残った事故が88件発生。
(そのうち2012年度までの10年間で後遺症が残る事故は20件発生)。
2012年度に小学校で起きた組体操による事故は6533件、
2013年度での事故事例は8500件超となっている。

それだけでなく、死亡事故や障害が残る事故も発生しています。

  • 1983年、群馬県の小学校で人間タワー2段の練習中、
  • 2人の肩の上から転落して女子児童(当時6年生)が死亡した。
  • 1988年、愛媛県の小学校で卒業アルバム撮影中に
  • 人間ピラミッドが崩れ男子児童(当時6年生)が圧死した。
  • 1990年、福岡県の県立高校で3年の男子生徒が8段ピラミッド
  • (平面型8段を目標にして、5段目までが完成して6段目にとりかかるとき)
      の崩落により首の骨を折り脊髄損傷の後遺症を負った。
  • 1990年、神奈川県相模原市立鵜野森中学校にて体育祭の予行練習中、
  • 教員8人が補助にあたっていた「人間タワー」がリフトアップの際に崩れ
      男子生徒(当時3年生、2段目担当)が首を骨折し、搬送先にて死亡した。 
  • 2014年4月、東京都北区立の小学校で4段タワーの練習中、
  • 上から2段目と最上段が立ち上がろうとしたときに崩れ、
      最下段で四つん這いの姿勢でいた6年生の女子児童が下敷きとなり
      左手首靱帯を損傷、左肘の脱臼、骨折の重傷を負った。
      卒業までに3回の手術を行ったが後遺症に悩まされるようになった。
  • 2015年5月、松戸市の小学校で3段タワーの練習中に
  • 1番上にいた男子児童が落下、頭と腹を強く打ち開頭手術を行った。
      幸い出血が少なく、一命を取り留めたが後遺症で左耳が難聴になった。
  • 2015年9月、千葉県の柏市立の中学校で
  • 平面型の5段ピラミッドを練習中に
      上部から2段目の3年生の男性生徒が落下、
      右太ももを強く打ちつけて骨折した。
      手術を受け、一ヶ月以上入院したが完治のめどはたたず
      右腿から右足首にかけて金属製の装具をつけての生活を
      余儀なくされている。

    こういう事故を見ますと、怪我くらいいいじゃないかとも言えなくなります。
    責任を追求したくなる親の気持ちも分かります。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    因みに、組体操の事故発生率には県別にかなりの差があるようです。
    大阪経済大学の西山豊教授の調査です。
    2012年・2013年のデータで、生徒万人当りの事故発生率です。
    ワースト
     1 兵庫  20
     2 福岡  15
     3 大阪  14
     4 三重  14
     5 鳥取  13
     6 和歌山 12
     7 奈良  12
     8 長野  12 
     9 広島  11
    10 京都  10

    ベスト
     40 福井  1
     41 青森  1
     42 島根  1
     43 秋田  1
     44 富山  1
     45 福島  0
     46 新潟  0
     47 山形  0

    東京は19位で8です。

    ワーストはほとんどが関西です。
    関西は岸和田をはじめ、
    荒っぽい勇壮なだんじり祭りのお国柄です。
    関西の方が「自然」の面影を残しているのです。
    男が弱弱しくなったらダメではないですか!!

    「儲かりまっか?」の挨拶だって
    飾らないで聴きたいことを聴いている「自然」です。
    東京は格好つけるようになって寂しいですね。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    この問題についてどう考えたらよいのでしょうか。
    私はこう考えます。

    1.プラスの効果がある事項については
     積極的に進めるべきである。
     
     組体操はチームワークの造成に願ってもない機会を与えます。
     チャレンジ精神の涵養にもなります。

    2.しかしリスク対策には万全を期する。
     1)学習指導要領への組体操指導要領の記載
     現在は組体操について学習指導要領への記載はなく
     現場の判断に任されている、そうです。
     それは教育側の怠慢です。
     ずいぶん前から事故は発生していたのです。
     
     2)現場での十分な準備練習の実施
     指導要領にも基本精神は入るでしょうが、
     怪我を発生させないための練習や心構えを徹底します。
     柔道の練習だって受身から始めるのです。

     その面で以下のネット上の寄稿は参考になります。
     是非ご一読ください。

    「それでも私が組体操に取り組む理由。ある現役教師の告白」
     http://athlete-knowledge.jp/reports/371

    一般に意思決定では、効果は見えにくいことが多く、
    費用やマイナス面は具体的に見えるものです。

    今回の案件でも効果は分かる人でないと分かりません。
    そうするとマイナス面だけで評価することになります。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    話は変わりますが、現在当社で改善に取り組んでいる
    ソフトウェア保守の世界でもこういうことがあります。

    保守業務のおかげで毎日システムの恩恵を受けているのに、
    それは当り前になっていて担当が評価されることはありません。

    そして、何か障害・事故があると、たちまちボロクソです。
    「何をやっているんだ!」
    これでは担当は浮かばれません。
    そんな仕事に意欲を持って取り組む人はいないでしょう!
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    マイナス評価を恐れるという面ではお役所仕事がその典型です。
    我が家の前の立派な公園についてこういうことがありました。
    品川区の公園管理の担当殿からこういうメールが届きました。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ご無沙汰しております。突然のメールで申し訳ありません。

    二葉公園の「のりもの玩具」については、
    昨年6月に再スタートしてから
    公園利用者の皆様や周辺の方のご理解のもと
    順調に運用されているとの認識でいたところです。

    ところが、先週2/12(金)に公園の前にお住いの方から、
    お休みの土日に
    「のりもの玩具」を公園の外周道路(歩道状に整備した部分)で
    乗り回す音に困っているという苦情をいただきました。


    遊べる場所については下段の広場内という表示がされてはいますが、
    徹底することは難しいと感じています。


    その方は、
    そもそも私物(のりもの玩具)の放置を認め遊ばせること自体、
    品川区が認めているのはおかしい、撤去を要望されています。

    品川区としましては
    苦情をいただいたことに対しての対応策を示さなければならないため、
    その対応策として本日、
    「のりもの玩具」で公園の外周道路では遊ばないよう、
    遊べる範囲を示す注意看板を増設いたしました。


    おそらく、状況が改善されなければ、
    さらに強い苦情が寄せられるものと考えています。
    つきましては勝手なお願いではありますが、
    土日の午前中についてお時間の許す範囲で結構ですが、
    のりもの玩具で遊んでいる様子を見ていただけないでしょうか。
    ご協力をお願いいたします。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    そうして、公園内に何枚もこういう立て札を立てたのです。














    公園で喜んでいる子どもたち・その親たちの意見は聞かないで
    1人のクレームだけでこんなことをするのですから情けないことです。

    私は、申し出に協力する旨を述べた上で、
    「区がのりもの玩具を公園に持ち込むことを認めているのは
    何らの法にも条例にも反することではない、
    1個人のエゴに公共の福祉を優先させてはならない」
    という返信を送りました。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    近くの別の小さな公園(通称プリン公園)では、
    入り口をバリアフリーにする、とか言って始めた改築で
    目玉の「プリン」をこんな面白くないものに変えてしまいました。




    以前は、上に登る方法に
    20センチくらいの網目の太網の部分がありました。
    これなど、小さな子供には結構難しく
    孫娘も何度かチャレンジして登れるようになりました。

    それと
    「うんてい」(この名前を覚えていますか?)もありました。
    うんてい経由でこの上に辿りつくのです。
    孫娘はこれはまだクリアしていませんでした。

    どう見ても今回の改築で安全度は高まり、
    面白さは格段に下がっています。

    何のために公園はあるのでしょう?
    管理者が問題を起こさないためにあるのではない
    でしょうが!!

    そういうマイナス思考だと日本はますますじり貧ですね!!
    プラス面を積極的に見ましょう!
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    「公園での遊具事故6年で1500件」
    という新聞記事も出ていました(2月11日日経新聞)。
    こういうことが大々的に報道されると
    公園の管理者は安全な遊具の設置に流れますね。

    因みにこの記事によると、
    滑り台の事故が最大なのです。
    そうしたら「滑り台は危険だ」ということになるのですか?

    滑り台の事故が多いのは、
    滑り台の台数が多く、利用者も多いからです。

    事故は利用者の利用方法次第なのです。
    これは保護者の責任ですね。
    どう考えても滑り台が悪いということにはならないでしょう??
    一般的な言葉で言うと
    「運用が大事、運用次第」ということになります。

    「おひとりさまの『肉食』投資術」

    【このテーマの目的・ねらい】
    目的:
     才媛村田美夏さんの新著を知っていただきます。
     素晴らしい語り口というものを知っていただきます。
     
    ねらい:
     面白い本です。是非お読みください。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



















    これは、村田美夏さんの著書名です。
    村田さんは、2014年2月の私のブログ
    「東大卒にもこんな素敵な女性がいます!」
    でご紹介した女性です。

    そのブログは、
    なんと34万アクセスで私のブログでダンダントツの1位です。
    村田さんはその後テレビでも人気となって
    今や人気セミタレントです。

    その彼女が2月に出した初の著作です。
    今年の同窓会の新年会でいただきました。

    この本の副題はこうなっています。
    「億を稼ぐ 東大卒トレーダーが教える」
    「ウルフ流お金引き寄せ思考」

    ウルフというのはオオカミのように獲物(お金)を狙う
    という意味で付けられたようですが、
    獲物にはオトコも入っているのではないかという
    期待?もあるようです。
    切れ味よく言いたいことを言っている傑作です。
    第1章の一節をご紹介します。
    -------------------------------------------------------------------

    「エリートは決してスーパーリッチになれない!?」


    いい大学を出て、いい会社に動め、安泰な老後を迎える。
    恐らく、これが普通の人の成功人生だと思います。

    この人生を送るためには、まずいい大学に入学することが
    必須条件だと多くの人は思い込んでいるので、
    親は子どもを学習塾に入れるなど教育にお金をかけるわけです。

    でも、私が知っているスーパーリツチな人々を見ると、
    実は大学を出ていない人がけっこう多かったりします。
    それも、お金持ちの家庭に生まれた生まれ持ってのお金持ちではなく、
    自分一代で数十億円、数百億円の資産を築いたような、
    叩き上げの人ほど、その傾向が見られます。

    昔の、日本を代表する実業家だってそうですよね。
    本田宗一郎しかり、松下幸之助しかりです。
    お2人とも、日本の高度経済成長期を代表する経営者ですが、
    最終学歴は尋常小学校です。

    だからといって、勉強はしなくてもいいというわけでは
    ありませんよ、念のため。

    そもそも、大学を出ていないのにスーパーリッチな人たちは、
    総じて頭脳明晰です。
    なかには、あまりにも頭がキレキレで、学校の授業なんて
    バカらしくて受けていられないから、
    大学には行かなかった人もいるくらいです。

    ちょっとカッコイイ言い方をすると、
    ストリート.スマート系なんですね。

    ストリート.スマートの対語は「アカデミック・スマート」
    といって、これは文字どおり、いい大学に入って、いい成績を
    残している頭のいい人です。

    日本のキャリアでは、これまでアカデミック.スマート系の人が
    求められていました。
    特に官公庁はそうですし、
    企業規模が大きくなって官僚組織化したところになるほど、
    この傾向が強まると思います。

    でも、実業の世界になると、アカデミック.スマートな人が
    必ず成功を収めるとは限りません。
    実際、アメリカの有名ビジネススクールに入学し、
    そこで膨大なビジネス知識を身につけて会社勤めをしたものの、
    それを実践で生かすことができずにいるなどよくある話です。

    あ、だからといって
    学歴そのものを否定しているわけではありませんよ。
    詳しくは後述しますが、
    この手の学歴は取れるものなら取っておいたほうがいい。
    まあ、ないよりはあったほうがマシという程度の話ではありますが。
    で、ストリート・スマートについてですが、
    日本語でいうと、いろいろな解釈があります。

    「ズル賢い」「世渡り上手」「抜け目ない」「すれっからし」……。

    う~ん、あまりいい表現にならないのですが、
    要するにストリート・スマートとは、
    自分の能力でサバイバルできる能力を兼ね備えている人で、
    人間関係の構築がうまく、困難に直面してもへこたれず、
    信念を曲げることなく自分の目標達成に向けて突き進んで行ける人
    ということになるのだと思います。

    ---------------------------------------------------------------

    あと二つ私が気にいった彼女の語り口をご紹介します。

    その1
    1ミリだけ自分の居場所をずらしてみる

    中略
    お金を稼ぐという点でもこの方法(1ミリずらして考える)は有効です。
    例えば、ビジネス用語に「レッドオーシャン」「ブルーオーシャン」
    という言葉があります。ご存じですか?
    (上野:こういうひとことを入れるのがなかなかニクイですね)

    レッドオーシャンというのは、中略

    これに対してブルーオーシャンは、
    競合相手がほとんどいないような、ニッチなビジネス分野を指します。
    この分野を見つけること自体が非常に難しいのですが、
    たとえばTENGAという会社などは、
    まさにブルーオーシャン戦略の最たるものです。

    えっ?TENGAって何の会社かって?
    それを女の口から言わすか?
    ご自身でお調べになってくださいませ~。
    (注:男性用オナニー器具です)

    その2
    破産したとき、愛人に捨てられる人、助けてもらえる人

    中略
    「金の切れ目が縁の切れ目」などと申しますが、
    これは愛人との関係にも当てはまります。
    愛人を囲うには、ある程度の資力が必要であることは
    言うまでもありません。

    殿方は女性に好かれようとして、
    資力に任せてさまざまな貢ぎ物をします。
    中略

    男性は、自分の好きな女性の喜ぶ顔を見るのが大好きです。
    そして、そうした貢ぎ物は男性の資力が続く限り、
    贈り続けられます。
    そういう同僚が、(キャバクラ時代)私の周りには何人かいました。

    え?私はどうだったのかって?
    聞くな!
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    肝心の㈱の儲け方についてもいくつか開陳されています。

    彼女の20年の投資経験から生まれたもので
    それなりに価値あるものだと思いますが、
    ほとんどはいわゆる「セオリー」どおりなのではないでしょうか。

    関心ある方は本書をお読みください。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    それよりも、彼女の真髄は人生哲学ですね。
    世の多くのハウツー本よりもはるかに説得力があります。
    よく40そこそこでここまでのことが言えると大感心です。

    終章の見出しをご紹介します。
    まったくそのとおりだと思います。

    人生は、何をやっても無駄なことなど一つもない!

    イヤだと思ったら来世志向で
    発想を変えてみよう
    働きたい人が働けばいい

    お金よりも好感度
    人を見るときはいいところを見るようにしよう
    お友達ネットワークは巨額の現金にも余裕で勝る

    失敗してもいいから、一度チャンスに飛びついてみる
    ギャップを三つ持てば、どんな世界でも生き残れる
    ソリが合わない上司でも悪口は言わない

    得意な分野を何か一つだけ作る


    2016年1月31日日曜日

    そうだ!!「世界の生産構造の大変化への対応」

    【このテーマの目的・ねらい】
    目的:
     日本経済の低迷の原因について考えていただきます。

    ねらい:
     日本の雇用制度改革に力を貸しましょう!!

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    本編は学士會会報2016‐Ⅰ号に掲載された
    松元崇氏(第一生命経済研究所特別顧問・元内閣府事務次官)
    の書かれた
    「世界の生産構造の大変化への対応」のご紹介です。


    その基本論を連関図に示しますと以下のようになります。
    (クリックすると拡大します)
    ---------------------------------------------------------------------------------
    問題点連関図 我が国低成長の原因 2016/1/29 上野





















    ---------------------------------------------------------------------------------

    これで見ると、終身雇用制度が諸悪の根源です。
    極めて明快ですね。


    この解雇をしない・できない日本の雇用制度は、
    高度経済成長時代には、
    安定的かつ高意欲・高スキルの労働力の確保手段として
    日本の経済発展を支えました。

    ですが、産業構造の転換期を迎え、
    その雇用制度が足かせになっています。
    高い生産性を実現できるはずの産業に
    労働力が向かっていかないのです。


    したがって、弾力的な雇用制度への転換が必要である。
     ↓
    そのためには、
    解雇されても路頭に迷わないセーフティネットの構築が必要である。
    (再教育の強化や失業中の保障など、北欧諸国にその例がある)

     ↓
    その財源は高齢者施策からの振り替えが有効である。

    と、持論を展開されています。


    以下は引用です。


    わが国の高齢者施策への支出はGDP比で見て、
    福祉先進国と言われるスウェーデンよりも多いのです。


    日本・スウェーデン・米国の高齢者向け施策と

    家族・現役向け施策のGDPに占める比率(2009年)


    日本
    スウェ
    ーデン
    米国
    高齢者向け施策
    (年金・医療・介護)(A)
    16.3
    15.7
    10.4
    家族施策(B)
    0.9
    3.8
    0.7
    現役施策(C)
    5.0
    10.2
    7.9
    (A)/(B)+(C)
    2.8倍
    1.1倍
    1.2倍

    (備考)
    1. OECD Social Expenditureより作成
    2. 医療費の高齢者・現役の内訳については
      日本は「国民医療費の概況」に基づく平成21年度の実績値、
      スウェーデン・アメリカの医療は高齢者とそれ以外の
      1人当たりの医療費を4:1と仮定して按分



    そんな実感はないと言われそうですが、
    今日65歳以上の高齢者は、
    年金、医療、介護で1人255万円もの給付を受けています。

    老夫婦2人なら510万円。
    正規雇用者の平均年収468万円よりも多い額です。
    (そうですか!高齢者の一人として申し訳ないですね)

    他方で現役世代への支出は
    小さな政府といわれる米国よりも少ないのです。
    (中略)

    柔軟な雇用の議論は

    幅広い国民レベルでの議論が望まれます。


    そのとおりです。
    投票率の高い高齢者からの反発を恐れていては、
    大局観を失い長期的視点での全国民の沈没を招いてしまいます。



    これは凄い!「日本経済再生の処方箋」

    [このテーマの目的・ねらい]
    目的:
     日本経済再生の決め手は地方の産業を興すことだという
     冨山氏の体験に基づく主張を聞きましょう。

    ねらい:
     地方の活性化に尽力しましょう。


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    著者冨山和彦氏は凄い方です。
    まず以下の略歴をご覧ください。

     1985年東大法学部卒業
     ボストンコンサルティング・グループ
     スタンフォード大学でMBA取得
     コンサル会社「コーポレイト・ディレクション」社長
     2003年産業再生機構COO担当
     2007年コンサル会社「経営共創基盤」設立CEO就任

    因みに、産業再生機構は4年間の活動期間で
    41案件を支援したが、3分の2は地方の百貨店、バス会社、旅館など
    地域密着型の会社だったそうです。

    経営共創基盤はその100%出資子会社で
    岩手県、福島県、茨城県、栃木県、鎌倉市の
    バス会社やモノレール会社を傘下に収め経営再建に取り組んでいます。

    また、AI産業にも乗り出して
    リクルートが配信する「受験サプリ」(AIが家庭教師になる)などにも
    取り組んでいます。

    冨山氏は実業家でもあるのです。

    一般に、私を含めコンサルタントは、
    他人のことはよくわかり指摘・指導しますが
    自分のことはうまくできないのです。

    大金持ちになった競馬評論家や株式営業もいないようです。

    ところが、冨山さんは
    地方のバス会社の経営をして軌道に乗せているのですから脱帽です。

    本論も明快です。

    経済・産業の世界には
    グローバル(G)とローカル(L)という
    全く別の世界があると言われます。

    Gの経済圏とは、
    貿易財を扱う製造業やIT産業などで、
    この領域は世界市場で常に激しい競争に晒されていて
    世界規模で「規模の経済性」が働きます。

    そのため資本集約的になり、
    高度な設備と技術集積を持つ企業が有利です。
    生き残った企業の労働生産性は
    世界トップクラス(よって高賃金)です。

    ただし、
    Gの領域の企業は生産拠点を世界最適地に建設するため、
    必ずしも自国に大量の雇用を生みません。
    自国で雇うのは国内上位数%のエリートだけです。

    また、海外で生産する限り、
    自国のGDPにも寄与しません。

    これらの企業が自国に残すのは本社機能、研究開発、
    マザー工場のみです。

    その結果、日本の高度成長時代には、
    中小企業が大企業の下請けでそれなりに存立できましたが、
    今や、生産拠点の海外移転で下請けの恩恵には与れません。

    Lの経済圏とは
    非製造業やサービス産業などです。

    この領域の多くは労働集約的なので、
    雇用を生み出しやすく空洞化しにくいのですが、
    一方でサービス内容の善し悪しや価格の高低よりも、
    「自宅から近い」「他に利用できる店(交通機関)がない」
    などの理由でサービスが選好されます。

    その結果、企業は生産性を上げる努力をするより、
    地域で濃密は寡占構造を作る方が儲かります。
    これを「密度の経済性」と言います。

    そのため労働生産性が上がりにくく(よって低賃金)、
    競争の不完全さ故に
    生産性の低い企業やサービスの悪い企業も生き残ります。

    GとLの大きさ
    グローバル化が進展して、
    今や日本の製造業全体がGDPや雇用に占める比率は3割未満です。
    (中小企業を含めても、です)

    日本のGDPと雇用の7-8割を占めるのは、
    地域密着型のサービス産業です。

    こうしたローカル企業の多くは労働生産性が低く、
    非正規雇用も多く賃金水準も上がりません。
    ここに現代の格差問題が生まれる構造的要因があります。

    GとLの日米欧の労働生産性比較
    Gの経済圏に属する製造業では日本の労働生産性は
    世界のトップクラスです。

    しかしLの経済圏に属するサービス業では、
    日本の労働生産性はアメリカの半分で、
    ヨーロッパと比較しても低水準です。

    Gの経済圏の成長戦略(本稿の主題ではありません)
    資本の生産性を高めること(詳細省略)
    新陳代謝を早める(ダメな事業を早く見限る)
    事業・経営ルールを世界基準に統一(詳細省略)

    Lの経済圏の成長戦略のテーマ
    新陳代謝による労働生産性と賃金の持続的上昇です。
    日本ではこの世界の新陳代謝は極めて少ないのです。

    しかし、M&Aによる新陳代謝を行えば生産性が上がることは、
    経営共創基盤がM&Aによって運営するバス会社の事例が
    示しています。
    4年で収益は倍以上、賃金は11%上昇し、
    設備投資も実施できているのです。


    (上野)いかに経営改善の努力がこれまで行われてこなかったか、
    ということを示しています。
    違う目で見て、その気になってアタマを使えば改善は必ずできるのです!


    これに関連して、
    日本企業の現状維持、無改革性について連想したことがあります。

    1)ある大手電気工事会社で
     半年で23億円の改善利益を実現した当社のコンサル
    2)「現状のソフトウェア保守業務は
     徹底的に改善すると2倍の生産性にできる」
     と当社が主張しているのに誰も真剣に取り組まないこと、
    などです。


    Lの経済圏、成長戦略の挑戦課題
    要点をご紹介します。

    1)スマート・レギュレーション(賢い規制)
    サービス産業の最大の業種は公共サービスです。
    交通、医療、介護、保育などです。

    現状で規制が非常に多いのですが、
    大切なのは既得権益保護に繋がる参入規制は緩和し、
    最低賃金・労働基準監督・安全監督などにかかわる規制は
    強化することです。

    (本稿の基になる講演時には、
    草津のバス事故は発生していませんでしたが、
    「安易な規制緩和をするとバス事故が多発する」と述べておられます)

    2)コンパクト・シティ化で消費密度を上げる
    地方の人口30万ー50万人の中核都市のターミナル駅周辺に、
    人口、都市機能、生活関連のサービス産業を集約する。
    そうしないと産業の生産性が高まらない。

    (もともと、日本の人口はそれなりに地域で集まっていたのを、
    戦後の引揚者と空襲で焼け出された都会の人々が
    過疎地に済むようになったものなので
    原点回帰すればよいのだと主張しておられます)

    3)中央に偏在する人材を地方に還流する
    江戸時代までは地方に優れた人材がいた、
    維新で一挙に中央集中になってしまった、
    元に戻す政策をとるべきである、ということです。

    4)一般大学を高度な職業訓練校へ転換する
    日本の高等教育は
    大企業で働く偏差値エリートを想定してきました。

    しかし、今や大企業で働く人の比率は10%台で、
    圧倒的多数は中小企業で働いています。

    そんな彼らの技能を向上させ、
    プロ意識とやりがいを持たせ、
    労働生産性と賃金を上げ、雇用を安定させるために、
    大多数の大学と学部を
    「プロフェッショナル人材を養成する実学専門の職業訓練校」
    に改変することが必要です。

    一方グローバルで通用する高度な人材の養成は、
    東大など一部のトップ校に限定するべきです。
    日本以外の先進国は、
    どこも基本的にこのような二山構造になっています。

    (上野)なるほど、それが現実的な対応策かもしれないと思いますが、
    強い抵抗勢力もあるでしょう。
    下村文部科学相だったら取り組んだでしょうかね。

    5)ゾンビ企業を生き残らせる制度を廃止する
    現在の信用保証制度は、
    市場から退出すべき企業の延命に利用されている。

    信用保証協会はローカルな経済圏で中小企業が
    穏やかに退出することの足枷になっています。

    ゾンビ企業が自ら退出を願っても
    保証協会は絶対に債務免除に応じませんし、
    経営者が個人保証をしていれば自己破産を要求してくるので、
    企業は延命せざるを得ません。

    今後はゾンビ企業の延命にではなく、
    「転廃業支援金」「事業譲渡促進支援金」などの名目で、
    彼らの円満な退出にお金を使うべきです。

    地方創生が持続的創生となるために
    現在地方から都市に人口が流れるのは、
    地方に有力な職場がないからです。

    しかし若者が都市に出てきても年収は200万円台なので
    夫婦で働いても400万円程度にしかなりません。
    これでは子どもを産み育てていくことはできません。
    東京は日本で最も出生率が低い都道府県です。

    そこで地方で世帯年収500-600万円で
    やりがいのある仕事が供給できれば、
    若者は地方に留まり、地方で就労、結婚、子育てをするはずです。

    地方創生のリアルな課題は、
    「平均的学力の若者の年収を、
    200万円から300万円に上げること」です。

    (上野)㈱経営共創基盤は小規模ながらその実現をしているのです。

    こういう意見も開陳されています。

    なお、近年観光業が脚光を浴び「おもてなし」と盛んに言われますが、
    弊社が旅館再建を多く手掛けてきた経験から言うと
    お金を取らずにおもてなしをしてはいけません。


    Lの経済圏の就業者の労働生産性をさらに下げるからです。
    これは経営者の責任です。

    (なるほどごもっともです。実践結果での発言ですから重みがあります)

    これからの産業の発展方向
    IT化の進展、特にAIの発展により、エレクトロニクスの世界で起きた
    スマイルカーブ現象が、
    自動車、重電、農業、医療などを含むすべての産業領域に拡大する
    と予想されます。

    そうすると製造業は、
    川下のニーズを把握して製品企画に活かして事業展開するようになる、
    (製造機能はキーコンピテンシーではなくなる)
    サービス業も
    技術装備率を高めて付加価値を高める事業展開する企業が生き残る。






    私個人は、
    新興のコンピュータ企業ではなく伝統ある大手製造業こそ、
    新時代に相応しい経営方式を生み出すと思います。

    と述べておられます。
    最後の点について、私は全面的には賛成しかねます。
    抵抗勢力に打ち克つ経営者の革新マインド次第でしょう。

    結びはこうなっています。

    千載一遇のチャンス到来
    人口減少は世界の先進国共通の課題ですが、
    日本がその最先端です(周知の事実)。

    日本の地方は、
    人手不足ですが移民の受け入れは少なく、
    高齢化とエネルギー災害という問題も抱え
    まさに「世界の課題の最先進地域」です。

    日本には高度な技術基盤や研究機関もあるので、
    今こそイノベーションと生産性革命の絶好の機会と思います。

    新しいビジネスの好機は地方にあります。

    コマツの無人運転の管理システムも、
    建設業界の人手不足に対する解決策として生まれたものです。

    医療や介護の分野でもイノベーションが起きれば、
    今度はそれが世界に売る商品になります。
    Lの経済圏で生まれたサービスや商品が,
    Gの経済圏を席巻するのです。

    Lの経済圏で革新を実現している著者の発言ですから
    説得力があります。
    冨山氏の言われる方向を産官学挙げて実現すべきですね。