2020年12月14日月曜日

隠された真実!その5:「2025年の崖」の正体 

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「2025年の崖」で提起された日本の情報システムの大欠点と 
 その原因・対策を確認します。
 その問題解決は至難であるという主張を確認いただきます。
ねらい:
 日本の企業は、少しずつでも前進していただきたいです。

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「2025年の崖」で提起された問題と
その原因・対策は以下のとおりですが、その解決は至難です。

(1)「2025年の崖」とは
「2025年の崖」は、
経済産業省が2018年9月に出した報告書
「DXレポート」の中で使われた言葉で、
現在の情報システムが
「田舎の温泉旅館」もどきの構造であるため、
利用法人の機動的ビジネス対応の足を引っ張るだけでなく、
2025年以降は日本全体で12兆円のロスが発生する、
というものです。

以下をご参照ください。
(2)その原因(一部上野見解)
 1)開発の際に、保守容易性を考慮していない
  (これは米国でも同じ)
 2)保守業務の標準化が行われていなく、
  その方法は個人任せになっている。
 3)保守担当者はっかく苦労して習得した保守業務手法を
  おめおめと変えたくない。
  (上野はこれを「変わりたくない症候群」
   と称しています)
 4) 保守業務の生産性を上げる活動が
  ほとんど行われていない。
 5多くの自治体・企業で保守業務を外注していて、
  発注者がその方法をコントロールできていない。

(3)保守業務改善の効果
そのような状況のため、
多くの法人の保守工数は、
本格的な改善を実施すれば半減できます。

現に、ニコンシステム殿では、
トップの陣頭指揮により2年間で保守・運用コストの半減に
成功しています。

以下をご参照ください。

(4)改善を阻んでいる要因の要約
以下のような複合要因です。
1)経営者・管理者が保守業務の実態及び改善可能性を
  理解していない。
2)保守業務に精通している識者がいなく、
  社会的にブラックボックス化している。

3)保守担当者は、
  標準化されていない業務を長年月かけて習得しているので
  改善したくないと思っている。
 (上野はこれを「変わりたくない症候群」と称しています)
4)改善の実績が社会的に知られていない。
5)改善を指導する専門家がいない。

(5)「2025年の崖」の抜本対策
・抜本対策はシステムの造り替え(再構築)ですが、
 莫大な工数・費用を必要とします。

・最近の再構築実施事例として、みずほ銀行の例が有名ですが、
 何度も完成時期を延期した上で4千億円以上を投入しています。
 そのため、多くの企業では、
 「崖」を意識しつつも「放置」の状態となっています。

(6)待たれる抜本的「再構築手法」
・そこで、リスクがなく、それなりの費用で実現できる
 再構築手法の実現が待たれています。

・しかし、現行システムを解析し、
 新しい構造のシステムに半自動で造り替える技術・手法に
 精通している人材は稀少で、
 その手法の開発は遅々として進んでいません。

その詳細は以下をご参照ください。
2019年12月23日




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