目的:
津波の恐ろしさを再確認していただく。
大津波が今度どこにいつ頃来そうかを研究いただく。
ねらい:
研究が深まることを期待いたしましょう。
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その書名の著書の紹介です。
著者は、
後藤和久東北大学災害科学国際研究所準教授です。
「千年に一度の次はどこか」は、
書籍の帯の言葉で、
どこに来るか書いてあるのかと気を持たせますが、
極めてまじめな内容です。
当然、次どこに来るかは書いていません。
どうみても、
そんなことが現在の科学で分かるわけがありません。
先生の専門は地質学で、
地層の分析をして過去に起きたことを明らかにしておられます。
一例は以下の図をご覧ください。
このように、過去の年代の津波の爪痕を分析されています。
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仙台平野での過去約3000年間の地層記録の一例(左)と地層中に
残る869年貞観津波と915年十和田火山噴火の痕跡写真(右)。
地層の中には、過去の堆積物がそのまま保存されていることがある。
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ただし、年代の推定誤差は数十年であり、
大昔の正確な津波発生時期は特定できないそうです。
1.津波の恐ろしさ
1)こんな大きな岩石が流されます。
津波石というようです。
例1 近くにある2011年と昔の津波石
海岸からの移動距離は750メートルです!!
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2011年東北地方太平洋沖地震津波により打ち上げられた津波石(上)と、
同じ地域にある昔の津波で打ち上げられたとされる石礫(下)。
岩手県宮古市摂待にて。
海岸からの距離はほぼ同じで、2つは150mほどしか離れていない。
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例2 石垣島の津波石
2)津波の高さ
2011年三陸地方で最大40メートルの高さまで到達
仙台地方海岸部で10メートルの高さ
1772年の眉山崩壊による津波は
熊本側で20メートルを超えた。
2004年インド洋大津波は30メートルの高さ
こんなに高い波が来たら
泳げても泳げなくても助かりませんね。
3)津波の被害
東北大震災 犠牲者は約2万人
眉山崩壊津波 犠牲者は15,000人
インド洋大津波 犠牲者は23万人!!
2.津波の発生原因
以下のように他の原因もあり、
地震原因は76%(過去4000年分の調査による)
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波は地震性と非地震性のものがあり、
特に非地震性津波は発生や規模の予測が難しい。
非地震性津波を発生させる原因として、
海底地すべり、山体崩壊、海底火山噴火(カルデラ崩壊)、
隕石衝突が知られている。
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隕石衝突原因では、
恐竜を死滅させたと言われる6550万年前のものが有名です。
3.津波発生原因の地震の予測
地震発生原因は、
陸地が乗っているプレートの境界の歪みの解消運動
によって起きることは衆知のことです。
しかし、本書にこのような記述があります。
「震災以降、
地震学の分野ではスーパーサイクルという考え方が
注目されるようになってきました。
宮城県沖で考えると、震災以前は、
約37年の周期でマグニチュード7.4程度の地震
が繰り返していて、
溜まっていた歪みは地震の度に完全に解放されると
考えられていました。
しかし、その時に毎回数センチずつすべり残しがあり、
歪みが完全に解放されていなかったとすると、
数百年の時間を隔てて
それまで蓄積されていたすべての歪みが一気に解放されて
超巨大地震が発生するという仮説です。
たしかにこの仮説では、たとえば短期間で繰り返す地震と
数百年から千年に一度発生する超巨大地震の関係を
説明することができます」
なるほど、と思えます。
そうだとすると、どの程度すべり残しがあるかなどは、
その時のいろいろな要因に因るでしょうから、
溜まっているエネルギーを直接測定する手法ができるまでは
とてもとても巨大地震の予測などはできるわけがありません。
「いずれ起きる可能性がある」
くらいのことしか言えないことになります。
そういうことでしょうね。
でも、真面目な著者が以下の図を示してくれています。
これによると、大きな幅をもって
地震の起きる頃の想定ができるということです。
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代表的な地域での、歴史記録、地質記録から推定された津波の来襲間隔と、
前回の津波からの経過年数のまとめ。
2011年の津波は、貞観津波以来とした場合を示している。
ただし、すべての事例において推定幅や誤差を含むため、
これより短い(または長い)間隔で津波が来襲する可能性は十分あり、
あくまで目安であることに注意が必要。
北海道は、前回の津波の発生時期が正確にわからず、
経過年数も幅を持った推定値としている。
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矢印の先端がメッシュのボックスに突っ込んでいる場合は
もう起きそうということを示しています。
さあどうしましょう!!
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