2014年6月2日月曜日

ビッグデータ?「真実を見抜く分析力」

【このテーマの目的・ねらい】
目的
 データの分析方法の
 素晴らしい参考書があることを知っていただく。
 データの分析の基本手順を知っていただく。
 離婚の可能性を想定できるモデルを知っていただく。
 

ねらい
 関心のある方は「真実を見抜く分析力」を
 ご研究いただく。
 離婚したくないなら離婚に至らない改善をしていただく。

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トーマス・ダベンポート、キム・ジノ著
「真実を見抜く分析力」(日経BP社)
この本は極めてまじめな本でしかも有益です。

まじめという意味は、
タイトルとか案内が客寄せ的なことがなく的確な書名である
という点です。

受け狙いをするなら
「ビッグデータ時代の」とか「ビッグデータを制する」とかの
タイトルを付けそうなものです。

そういうフレーズは付けていませんが、
十分、
ビッグデータ分析をやりたい人の的確な参考書となっています。

まず非常に興味深い分析事例をご紹介しましょう。

それは、
オックスフォード大学のジェームズ・マレーという教授が研究した
「離婚予備軍を予測する」という成果です。

700組のカップルに15分間、二人にとって重要なテーマを
話し合わせて観察しました。
そして以下の感情を測定しました。
 ユーモア +4
 同意 +4
 喜び +4
 愛情 +4
 関心 +2
 怒り  -1
 優越 -1
 悲しみ -1
 泣き言 -1
 好戦性 -2
 自己弁護 -2
 妨害 -2
 嫌悪 -2
 軽蔑 -4

その測定結果で5つのグループに分けました。

1)夫婦円満カップル
 落ち着きがあって親密で、互いを支え合い、
 仲睦まじい関係を共有している。
 個人単位の経験よりも夫婦で共有できる経験を好む。

2)回避型カップル
 対立や争いを避けることに最善を尽くす。
 相手に対してプラスの反応しか示さない。

3)一触即発型カップル
 ロマンチックで情熱的だが、
 時には激しく言い争うことも。
 結婚は安定しているときとふ安定な時があるが、
 どちらかというと不幸な状態の方が多い。

4)敵対的なカップル
 カップルの片方は話し合いをしようとせず、
 もう片方はただ相手の言うことに同意するだけであるため、 
 コミュニケーションがまったくない。

5)敵対的かつ無関心カップル
 カップルの片方はげ激しやすくて議論を好むが、
 もう片方は話し合うことに関心を持っていない。

そうして1)2)のタイプは結婚継続
4)5)のタイプは離婚、
3)は生活は不安定ながら結婚は持続すると予測した。

12年に亘り追跡調査をした。
結果は94%当った。
6%のミスは3)が離婚してしまったことだった。

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スゴイ精度ですね。
結果の精度もスゴイですが、
最初のスコアリングが興味深いです。

優越や泣き言、自己弁護がマイナス、
軽蔑が最高のマイナスであることです。

このような分析を
どのようなステップで行うのかが示されています。
離婚モデルの例で解説します。

第1段階 問題のフレーミング
 1.問題把握
   先進国では離婚率の上昇が深刻な問題になっている。
   その解明をしよう。

 
 2.過去の知見のレビュー
   これまでの相性論とかは厳密さに欠ける。 
   参考になるものはない。

第2段階 問題の解決
 3.モデル化
   
   相性に関係する要因を洗い出した。
   それが、上記「ユーモア」から「軽蔑」までの項目である。

 4.データ収集
   700組の10分間の会話を測定し、
   その内容でポイントを加算した。

 5.データ分析
   プラスの発言とマイナスの発言の差の比率がいくつで
   離婚となるかを推定した。

   
  
第3段階 結果の説明と実行
 6.結果の説明と実行
   その結果を公表し各界で役立てることを期待した。


創造的思考プロセスについても述べています。

創造的思考は定量的分析と相いれないものではなく、
相互補完関係があると言っています。

1.創造的思考の準備をする

2.どっぷり問題に浸る
 問題解決と手元のデータ分析に熱心に取り組む。
 解決策を見つけるための長い苦闘の時間が続く。

3.ひらめきを待つ
 問題に没頭して無意識に考えるようになると、
 意識していなかったところに
 意外な関係があることが分かってくる

 (思いつかずにストレスがたまり、
 もうダメだと諦めかけたときに起こりやすい。
 上野注:そうだと思います)

4.ひらめきが訪れる
 定量分析を駆使する中で
 問題解決につながる大きなひらめきを得る。












































この例として、
アルキメデスが困り果てて風呂に入った時に
アルキメデスの原理を思いついたという寓話が
紹介されています。
なるほど、ですね。

没頭」と「ハードワーク」がひらめきの源
であるとも述べています。

全編に亘って
豊富な事例で易しく重要な原則を伝えてくれています。
最近読んだ本の中で解説方法が秀逸です。

最後に章立てをご紹介しておきます。

第1章
 誰にでも分析スキルは必要

第2章 
 「何を解決したいのか」を明確に
 上野流の言い方だと「分析目的を明確に」です。

第3章
 分析手法について知っておく

第4章 
 分析結果を伝え、実行に移す

第5章
 分析には創造力が不可欠

第6章 
 数字を怖がるな!

第7章
 分析専門家と働くコツ

1 件のコメント:

  1. とても勉強になりました!
    これからの日本人が身に付けるべきは
    モデル化力ではないかと思います。

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