2011年11月29日火曜日

医療過誤2:プライマリケア医は難しい

本稿は別項「「なぜ医療過誤は起きるのか」の本質解明」の続きです。

プライマリ:最初の、初歩の、主要な
プライマリスクール:小学校

患者が初めに訪問する先の医師が
プライマリケア医です。

これについて、こう述べています。
「プライマリケアを入学レベル医学、
つまり普通の風邪とか患者の思い込みによる病気を診る
初歩的な医学とみなすことは誤りである。
専門医の方が医学的問題の複雑度は低い」

プライマリケア医の重要な役割は、
自分の手に負えないと判断する患者を
専門医に送り込むことです。
ところが、
「『わからない』ということに気づくには、
高度な知識が必要である」
そのとおりでしょう。

風邪の症状を呈している患者の1%以下に
重大な病いを抱えている人がいるのです。
「通り過ぎる電車の中の
特定の1人の顔を見つけるようなものだ」

私がよく知る人の中で2人に、
プライマリケア医の重大な「誤診」がありました。

1例は、もう40年近く前です。
私の帝人時代に同じ独身寮にいて、
毎朝ランニングを一緒にしていたIK君です。

学生時代ボート部で活躍し、
チャールトンヘストンに似た風貌体格の好青年でした。
彼が、30歳半ば前で
風疹(3日はしか)に罹りました。

医師の「風邪でしょう。しばらく休んでください」
という診断の数日後に
あっけなくあの世に旅立ってしまいました。

奥様からショックの電話第1報が入りました。
私は「とんでもない医師だ。訴えなさい」
と奥様に勧めましたが、
奥さまの「いいんです。
それで主人が帰ってくるわけではありませんから」
という言葉に、その時は納得がいかない私でした。

もう1件は、
私の実母で5年前のことです。
90歳近くまで医者嫌いで
医者にかかったことのないのが自慢の母が
体調を崩しました。

お腹が痛い不調が長いので
しぶしぶ近所の医院に行きました。
「風邪のウイルスが腸に入った急性胃腸炎でしょう」
と言われました。

約半年後、すい臓がんが見つかり
それから3カ月経たずにあの世に旅立ちました。

何を以ってそのような診断をしたのでしょうね。
きちんと調べもせずに!
オヤと疑いを持って適切な検査をしていれば
その段階ですい臓の異常は発見できたでしょう。
もしかしたら治療が間にあったかもしれません。

その時は、
「何たることか、このヘボ医者め」
と思いましたが、たしかに難しい面もあるでしょう。

著者は概ねこういうことを言っています。
(半分は私の意見かもしれません)

患者側で「これはおかしい」と自覚し、
それなりの対応をしなければならないのです。

「私は風邪をひいたことはないのです」
「いつもの状態と違う気がします」
というようなアピールをするのです。

ところが、患者側も「悪い病気」であってほしくない
という気がありますから、
「ただの風邪」という診断をうけると
ホッとしてそのまま引きさがってしまうのです。

だとすれば、医師側の
「通り過ぎる電車の中の
特定の1人の顔を見つけるようなものだ」
という状況を考えると、

誤診の責任の半分は
患者側にもあると考えなければならないのでしょう。

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