2016年8月22日月曜日

深海底はどうなっている???

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 最近進歩が著しい深海の調査から分かって来ていることを
                 知っていただきます。
 深海底の調査に関心を持っていただきます。
ねらい:
 別項「富士山大噴火は起きるのか」をご覧ください。
 深海底の調査・探検を研究なさってみてください。
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本稿は、
學士會会報2016-Ⅰ号掲載平朝彦海洋研究開発機構理事長の
「未踏の海底下深部」のご紹介です。

この研究開発機構では、
2005年に建造された5万7千トンの海底探査機「ちきゅう」を使って、
深海底の調査を行っています。

東日本大震災の巨大津波の発生原因の解明や
海底地下の生命体の研究、日本海溝の解明などを行っていて、
その報告をされています。

著者にはたいへん申し訳ないのですが、
それらは割愛させていただいて、
その序論で述べられた、地球生成の過程やプレートの状況を
紹介させていただきます。

このことは、別項の「富士山大噴火はいつ起きるのか?」
の予備知識となります。

20世紀初頭にドイツの気象学者アルフレッド・ウエゲナーが
「3億年前には超大陸があったが、その後アフリカと南米に分かれた」
という説を発表しました。

しかし、当時は無視されました。
その後、戦後になって海洋調査が始まると、
大西洋の真ん中に中央海嶺があることが分かりました。

海嶺とは海底山脈のことで、
地下深部からマグマが湧きだしてくる場所です。

この発見を機に、1960年代初頭には、
「中央海嶺では新しい海洋底が形成され、
少しずつ左右両側に拡大している」
という「海洋底拡大説」が提唱されました。

その説はその後のアメリカの調査で実証されました。

実証された海洋底拡大説は、70年代初めに
「プレートテクニクス」に発展しました。

「地球の表面には厚さ約100キロの岩盤(プレート)が10数枚あり、
それらの移動が、地震、火山、造山運動、断層などを引き起こす」
というものです。

この説によれば、
「海嶺」ではプレートが発生して両側に拡大し、
「海溝」ではプレート同士が衝突して沈みこんでいるはずです。
(後者の実証を日本がしました)

40億年前の地球には海洋プレートしかありませんでした。
この海洋プレート同士が衝突すると、
周辺ではマグマができやすくなり、火山列島が出現します。

火山列島同士も衝突するので、
火山灰、粉塵、砂塵などが堆積し大陸プレートが形成されていきます。

こうしてできた北米プレートとユーラシアプレートに
新しく作られた火山列島である伊豆・小笠原列島が衝突し、
山脈(南アルプス)が造られ、そこから川(富士川)が流れ出ました。

一方、
フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込む場所では
海溝(南海トラフ)ができました。

富士川によって運ばれた泥流は海に到達した後、
高い密度流になり、このトラフに沿って約700キロ流れました。

この海底土石流による堆積物を「タービダイト」と言い、
フィリピンプレート上の南海トラフを埋め立てていきました。

フィリピン海プレートが沈み込む際、
このタービタイトがはぎとられ、
日本列島の西南部に次々と付着しました。

これが「南海トラフ付加体」です。
「日本列島は付加体で作られている」というのが
私(平氏)の学説です。

日本列島周辺のプレートがどうなっているかにつきましては、
Biglobeの(それ以上のことは分かりません)
<日本列島周辺のプレート>がたいへんわかりやすいので
そのまま転載させていただきます。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~miraikai/nihonnopureito.htm

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<日本列島周辺のプレート>

地球は10数枚のプレートで覆われていて、
陸地や海はその上に乗っています。
そして、私達の住む日本は、
次の四つのプレートの上に乗っかっています。
  ①北米プレート
  ②ユーラシアプレート
  ③太平洋プレート
  ④フィリピン海プレート

<プレートの境界>

1.糸魚川-静岡構造線

地球観測衛星から、日本列島のど真ん中を南北に横切る
大きな窪みが見えるそうです。
窪みの東側は、上越市付近から長野盆地を抜け、
千曲川沿いに南下して小田原付近にいたる線。

西側は、新潟県の糸魚川から松本盆地、諏訪湖、山梨県の韮崎を
経て富士川の河口にいたる線で、糸魚川-静岡構造線と呼ばれています。

この糸魚川-静岡構造線が、東北日本が乗っている北米プレートと
西南日本が乗っているユーラシアプレートの境界線で、
両プレートがここで押し合い圧し合いしています。

2.日本海溝

北海道の襟裳岬沖から房総半島沖にかけて、
日本海溝という水深8,000m以上の巨大な谷があります。
太平洋の沖合いから日本に押し寄せてきた太平洋プレートが
この日本海溝から日本列島の下に沈み込んでいます。

3.駿河トラフ、南海トラフ

伊豆半島の西の駿河湾には、駿河トラフという深い谷があります。 
駿河トラフは沖合いで南海トラフという深い谷につながり、
東海沖から紀伊半島沖、さらに四国沖へと延びています。

この駿河湾トラフ・南海トラフでフィリピン海プレートが
ユーラシアプレートの下に沈み込んでいます。

4.相模トラフ

伊豆半島の東の相模湾には、相模トラフという深い谷があって
沖合いに伸び、房総半島沖で日本海溝と出会っています。

この相模トラフに沿ってフィリピン海プレートが
北米プレートの下に沈み込み、さらにその下に日本海溝から
太平洋プレートが沈みこむという複雑な動きをしています。






















(日本の地震-震源地はどこ?)

日本の周辺で四つのプレートが押し合い圧し合いをしています。

また、日本列島にはかって地震を起こし、今後も起こると
考えられている断層(岩盤が壊れてずれている状態)が
大小とりまぜて2,000位あるといわれています。

このため、プレートの境界や活断層を震源地として
日本では地震がよく起こっており、地震王国とまでいわれています。

<主な震源地>

(1)プレートの沈みこみ場所

海のプレートが、日本海溝、駿河湾トラフ、 南海トラフ、
相模湾トラフから日本列島の下に沈み込んでいます。

そのとき、陸のプレートも摩擦によって少しずつ引きずり込まれています。

房総半島先端の野島岬、三浦半鳥の油壷、静岡県の御前崎、
四国の室戸岬などが毎年少しずつ沈下しているのはこの為です。

引きずり込まれた陸のプレートは、ひずみが溜まって
摩擦力の限界に達すると、一気に跳ね上がります。

そのとき、それまでのひずみエネルギーを一気に放出するので、
大変大きな地震が起こります。
 

(プレートの沈みこみ領域の地震)

(2)プレートの三つ重ね部分

南関東は北米プレートの上に乗っていますが、
その下に相模トラフからフィリピン海プレートが、
さらにその下に日本海溝から太平洋プレートが沈み込んできています。

従って、南関東の地下はプレートが三つ重ね状態になっていて、
お互いにこすれたり、衝突したりして絶えず地震を起こしています。

(3)プレートの衝突個所

糸魚川-静岡構造線で北米プレートとユーラシアプレートが衝突し、
押し合い圧し合いしています。

このため、日本列島は、東西に年1cmの割で縮んでおり、
また、中部地方から近畿地方にかけて岩盤にひび割れ(断層)が生じています。

(4)伊豆半島の衝突個所

千数百年前、日本列島のはるか南にフィリピン海プレートに
乗っかった島がありました。

この島は、フィリピン海プレートに乗って少しずっ北上し、
やがて駿河トラフと相模トラフから沈みこみ、消威するはずでしたが、
島が大き過ぎて沈むかわりにそのまま日本列島に衝突してしまいました。

これが今の伊豆半島です。

この衝突で、伊豆半島とそれに接する本州側の双方に沢山の断層が出来、
地層も大きく変形しました。

丹沢山地が生まれたのもこの時で、今も丹沢周辺で地震が多いのは、
このときの衝撃で断層がたくさん出来たからです。












(5)プレートの中の活断層

プレートの境界で生じた力がプレートの内部にまで伝わっていって、
岩盤をずり動かし、破壊することがあります。

また、かって大昔に破壊された所(活断層)に何かの力が加わり、
再びずれ動くことがあります。

これが地下の浅い所で起こると真上では大きな被害が発生します。
日本には、活断層が、2,000ほどあるといわれています。
その大きなものは、次の通りです。

《日本の活断層地図》



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