2015年6月20日土曜日

「家族という病」ですって??

【このテーマ目的・ねらい】
目的:
 家族に関する論評を知っていただく。
 自分にとって家族ってどういうものかを考えていただく。

ねらい:
 今後の家族観の参考にしていただく。

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「家族という病」は下重暁子さんという
NHKのアナウンサーをされた評論家・作家の書かれた書名です。



帯にはこういうキャッチフレーズが並んでいました。

 家族ほどしんどいものはない。
 実は一番理解しがたい存在である。
 家族を盲信する日本人
 なぜ事件は家族の間で起きるのか
 子離れできない家族は見苦しい
 家族の期待は最悪のプレッシャー
 遺産を残してもいいことは一つもない
 家族の話は所詮は自慢か愚痴
 夫のことを「主人」と呼ぶおかしな文化
 「子どものために離婚しない」は正義か
 孤独死は不幸ではない
 家族に血のつながりは関係ない
 家族写真入りに年賀状は幸せの押し売り

このように、一般的な家族観を否定することばかりです。

5月時点で25万部突破ということですから、
「幸せでない家族関係」で悩んでいる方々に
一種の「安心感」を与えていることがあるのかもしれません。

下重さんのご家族はこういう構成でした。

父親
軍人の家の長男で陸軍将校だった。
戦後、大阪財務局の重要な地位についたが公職追放になった。
絵心があったのでその方面でアルバイト的な仕事をしておられた。

下重さんとしては
「日本が戦争に負けたら自分も生きてはいられない」
と言っていた父親が
おめおめと生きていることが許せなかった。
ということで、父親が病にたおれても
亡くなる直前まで見舞いに行かなかった。

母親
しっかりした女性だった。
「『軍人は嫌いだけど、絵をかく人だというので、
結婚する気になったのよ』と言っていたのに、
軍人の妻としての務めを完ぺきにこなし、
父親をを助け続けたけなげな態度がいやったのです」

「母親は我が子(下重さん)のためなら何でもした。
娘のために生きているような人で、
あらん限りの愛情を注いでくれることがうとましかった」




3歳上だが、再婚の父親の連れ子。
折り合いが悪いことはなかったが、
父親と意見が合わずに家出してしまったので、
あまり交流がなかった。

ということで、
下重さんは家族との心温まる交流というものがなかったのです。

それも自らの理屈で、両親を遠ざけたのです。
かなり情よりも理が先行する方です。

今のご主人(下重さんはつれあいと呼んでおられます)とも
お互いの仕事第1優先の
極めてクールな関係を維持しておられるようです。

家族大事人間の私としては、賛成できないご意見ですが、
そういう人間もいるのかな、という驚きが感想です。

親思う心に勝る親心(吉田松陰)
(29歳で命を落とした松陰がこういうことを言っているのです)

子を養いてまさに父の慈しみを知る(王陽明16世紀中国儒学者)

下重さんは、母親の二の舞(子供のために生きる人生)がいやで、
子供をつくりませんでした。

ですから、家族の慈しみや愛については
理解ができないのでしょう。
残念なことです。

家族は人間関係の基本ではないですか!!
どうすれば心の拠り所となる家族関係を築くことができるのか
の前向きの議論の方に期待したいですね。



3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

なんだか 心が暗くなる気がしました そんな考えの人ばかりだと人類は滅亡するのでは・・・

匿名 さんのコメント...

昔のNHKアナウンサー時代にテレビで観たことがあります。
帯のフレーズを読んだだけで何か家族を重視する一般人の考えを真っ向から否定し、センセーショナルに新しい最先端(極端?)の価値観を提示するような本ですね。
念のため、Wikipediaを繰って、過去の著書の題名をざっとみました。(読む気はありませんので)

ちょっと気の利いた大人のたしなみ      2015 青萠堂
老いの覚悟                     2011 海竜社 
恋する覚悟                     2011 中経の文庫
女50代美しさの極意               2008 大和出版
素敵に年を重ねる女の生き方         1992 海竜社
聞き上手話し上手 人に好かれる秘訣    1986 大和出版                    

人の価値観は多様ですし、思想・言論は自由ですが、率直に言って<何だかな~>という感じです。
著書の題名から勝手に想像すると、人の模範となる確固とした生き方を貫き、中高年での美しさの極意を会得し、聞き上手話し上手で人に好かれていると自負しているスーパーウーマンらしい。
どうも私とは別世界の住人のように思えます。

ついでに、上野さんが紹介されている父親との関係については、「終戦1週間後に、陸軍の幹部だった父が軍服に大きなリュックサックを背負って来て、話しもせずに庭で大量の書類を焼きだした。・・・戦後は公職追放になり、始めた仕事はことごとく失敗した。
父は落ちた偶像になったが、後に母とのラブレターを発見して見直したという。

2014年TBS「日曜劇場」<親父の背中>での発言、というのがあります。
(「余禄」毎日新聞2014年8月30日)

ラブレターの発見と見直しが、父親の生前か没後か分りませんが、どういう事情や考えであれ、病の父親の病気見舞いにも行かないというのは良いことではないと思います。

上野 則男 さんのコメント...

友人からのメールです。

アナウンサー時代の下重暁子さんを知っています。
彼女の言った「家族写真入り年賀状は幸せの押し売り」を見て
私は来年から、年賀状の写真を船や海の風景写真にします。

一部の人でも「押し売り」と感じる方達がいることは、
言われてみれば、ありなんと想像できます。
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そのメールを見た別の友人(女性)からのコメントです。

あなたの
「家族写真入り年賀状」も楽しく拝見しています。
押し売りと感じる人の方が少ないのでは・・・・
だから 家族写真・・。のも続けて下さい。
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このテーマは意見が分かれるところでしょうね。
しかし、人がどう思おうと、
自分がしたいと思うことをすればよいのだと私は思います。