【このテーマの目的・ねらい】
目的
「はだしのゲン」問題の本質を知っていただく。
当問題の本来の解決方向を考えていただく。
形式的建前論の無益さを感じていただく。
ねらい
問題が生じた場合の検討に役立てていただく。
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「はだしのゲン」が問題になっています。
これまで、私は「はだしのゲン」のことを知りませんでした。
「洗濯やケンちゃん」なら知っているけれど、
くらいの認識でした。
ーー多くの方には「ケンちゃん」は意味不明でしょう?
「はだしのゲン」は、
中沢啓治さんという漫画家が
ご自分の被爆体験を基に書かれた漫画です。
原爆の悲惨さ、原爆がいかに多くの人命を損ない、
多くの人の人生を変えてしまったか、を訴えたものです。
今回の問題の発端は
その漫画シリーズ本を松江市の学校の図書室が
松江市の教育委員会の意向(「通達」)に従って、
閉架措置(オープン書架から引き揚げる)をしたということです。
読みたい人は申請をしないと読めなくなりました。
この措置に対して、「左寄り」の先生たちからクレームが出て
8月26日に開かれた松江市教育委員の臨時会議で
「この『通達』は正規の教育委員会の手続きを経ずに
事務局が勝手に出したものである」
という手続き不備でこの通達を全面撤回しました。
しかし、この事務局からの「通達」は
一部父兄からの
「『はだしのゲン』の描写は過激で教育上問題がある」
という意見に基づいていたものです。
日本図書館協会は、この閉架措置を批判して、
8月22日に以下の「要望」を公表しました。
「松江市教育委員会による閉架措置は
1979年の「図書館の自由に関する宣言」に違反している。
同宣言では国民の知る自由を保障することを
図書館の最も基本的な任務と位置づけ、
図書館利用の公平な権利を
年齢等の条件によって差別してはならないこと。
また、ある種の資料を特別扱いしたり、
書架から撤去するなどの処置が禁止されている」
というのです。
つまり、「見せるな」「見せろ」を争っているのです。
「見せるな」派の主張は、
1.死の描写が過激で小さな子供にはショックを与える。
2.日本兵が残虐な殺戮をしたこと、激しい強姦や
女性の局部に一升瓶を突っ込んで死に至らしめるなど
問題のシーンがある。
これらの多くは史実に基づいていないので、
誤った歴史観を子供たちに与える可能性がある。
というものです。
これは妥当な意見ではありませんか?
一般の雑誌の売り場だって成人向けというコーナ-があって
子供が見れなくしています。
図書館協会の主張は原則論を振りかざしているだけで、
現実を踏まえていない建前論です。
こんな建前論に屈してはいけません。
実は、この辺の情報はWikipediaで得たものなのですが、
そのレポートを読んでみて分かったことがあります。
因みに、今のWikipediaは大したものです。
私が当ブログを書くに当って知りたいと思う基本情報は
ほとんど得ることができます。
「はだしのゲン」は全8巻あるのですが、
前4巻は、原爆批判の正当なアピールであるようです。
ところが、かなり過激な面もあったために、
少年ジャンプが継続を拒否して、
作家の中沢さんは掲載誌探しに苦労されました。
その結果、見つかった掲載誌は左派系誌で、
そのため、内容が左派系に偏ってしまいました。
それと、読書の関心を引くために
かなりどぎつい内容・描写をし出したようです。
そこで、本件のあるべき措置は、
私が得意な目的論で考えると、
以下のようになるのではないでしょうか。
【本件処置の目的】
1.原爆の悲惨さを生徒たちにも知ってもらいたい。
2.それと関係のない残虐なシーンは生徒たちに見せたくない。
【解決の方向】
「はだしのゲン」1本で論ずるのではなく、
前半分と後半分を分けて論ずる。
前半は反原爆の主張として自由な閲覧を認め
若干死の描写が厳しいことは、
若い人を含めた読者に受け入れていただく。
しかし後半は反原爆の主張とも関係がないし、
それであれば、そもそもそのような過激な漫画本は
学校の図書館に置かないでしょう。
即刻廃棄処分をすべきです。
いかがでしょうか?
これがあるべき姿だと思われませんか?
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