【このテーマの目的・ねらい】
目的
意図された余裕がビジネスの革新を生み出すという
主張「20%ドクトリン」を知っていただく。
ソフトウェア保守業務でも
「20%ドクトリン」の実行が必要だという主張を知っていただく。
ねらい
ソフトウェア保守業務が革新されていくことを期待しましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「20%ドクトリン」は書名です。
米国のライアンテイトという「WIRED」の記者が書いたものです。
私は「WIRED」を知りませんでした。
デジタル革命を引っ張って行こうとする雑誌のようです。
20%ドクトリン自体は
Googleが設けた社内の非明示ルールで、
「自分の勤務時間の20%を好きなこと(の研究)に使え」
というものです。
その成果として,Gメールやコンテンツ連動型広告アドセンスなど
多くの新商品・新サービスがあるのだそうです。
自由な時間があると、
ただし真剣に何かを生み出そうとする気がなければダメですが、
素晴らしい考案がなされるという主張です。
著者が整理した「20%ドクトリン」はこういうものです。
1)創造性を発揮する自由を与える
2)情熱を理解する
情熱は奇跡を起こさせる原動力になる。
3)製品は悪いほうがよい
時間をかけて良いものにするより、
ほどほどでスタートして多くの人の知恵を借りて
良くしていった方がよい。
4)再利用する
一から作ろうとするのでなく既存の物を有効活用する。
5)素早いイテレーションを繰り返す
3)とつながる。
6)学んだ教訓を伝える
他の人を巻き込むためにそれが必要である。
7)部外者を取り込む
外部の知恵の導入で活性化する。
1)以外はあまり目新しさはないですね。
Google以外の成功例も紹介されています。
「新しい時代のイノベータたちは
誰もビジネススクールに行っていない、
そういう知恵はイノベーションの足かせになる」
という主張は面白いですね。
たしかにそのとおりだと思います。
少し違った領域では
ニューヨークの廃校寸前の荒れた公立高校が
ジョアン・サリヴァンという校長の度量・裁量で
6年間で規模を7倍にし有名校になった、
という事例が紹介されています。
この中の逸話に興味深いものがありました。
新制度を取り入れた初日の登校日に
1期生79人のうちのかなりの人数が
支給された制服を着ないで登校してきた。
サリヴァン校長は断固その人たちを追い返して
制服に着替えさせた。
そうしたら、その次からは
生徒たちは次第に学校の制度になじんできた、
というものです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ソフトウェア保守業務にも
「20%ドクトリン」の主張は当てはまります。
当社が改善に力を入れているソフトウェア保守業務は
決められたルーチン業務をこなすのに精いっぱいで
そのため、何年経っても低生産性の方法で
業務が遂行されているのです。
そこで私は、
「保守業務をしている人たちに10%の余裕を与えて
業務の改善に取り組んでもらったらよい、
そうするとその分は高生産性の実現によって
元がとれるはずだ」
と主張しています。
ところが、「その投資は本当に報われるのか?」
という疑心暗鬼に阻まれて
その主張は日の目を見ていません。
「よしやってみよう!」という太っ腹が成功をGETするという
本書の主張に
保守業務の責任者・経営者は
耳を傾けていただきたいですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿