2023年7月27日木曜日

DXに関する新たな情報のご提供です!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 DXで実現すべき事項(DX目的)につきましては、
 当然ながらビジネス特性によって異なるという点を
 ご紹介いたします。
ねらい:
 その前提で、適切なDX目的を選定しましょう。
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本項は、DX開発の企画ガイドである「MIND-DX」を
各社にお勧めしているうちに見つけました
DX検討の「新原理」のご紹介です。

それは、DXで何をするかは、ビジネス特性によって大きく異なる、
ということなのです。

これは気が付いてみれば当然のことなのですが、
そういうご意見は識者からは述べられたことがありません。
ご担当からすれば「当たり前だ!」ということかもしれません。

以下に、若干順序だててご説明いたします。

1.啓蒙段階でDXについて理解すべき事項

私は、システム関係者が一般的にDXについて理解すべき事項は、
以下の6項目ではないかと考えます。
皆様のところにもしこのような啓蒙ガイドがありましたら
比較してみてください。

DXの企画ガイドであるMIND-DXでは、
この表にありますように、その中にこの6項目を収録しています。

この第2項である「DXの基本的選択肢」(前掲「新原理」)
につきましては、
一般にそのような考え方を見たことがありませんので、
今回、ご紹介いたします。

ビジネス特性によって、好ましいDXの選択肢が変わるということなのです。
 

啓蒙段階で理解すべきDX事項

その内容

MIND-DXにある参照手法

1.DXの本質

DXは何であるかの理解

「DXの本質」

2.DXの基本的選択肢

各社のDXには選択肢があることの理解

「DXの基本的選択肢検討ガイド」

3.DXの成功事例

日本のDXの代表的成功事例の理解

「DX代表的成功事例」

4.DXの成功要因

日本のDXの成功要因の理解

「DXの成功要因」

5.DXの利用技術特性

日本のDXの主要な利用技術の理解

「DX一般的利用技術」

6.DXの検討手順

DX検討の進め方の理解

「MIND-DXのタスク構成」


注:MIND-DXの「DX代表的成功事例」では、
  下記のDXタイプを表示しています。

2.「DXの基本的選択肢」の内容
少し長いですが、以下のとおりです。

DXの基本的選択肢検討ガイド

 1)    DXの基本的選択肢の理解

   DXの基本的選択肢としては、以下のAタイプとBタイプが存在します。

DXの基本的選択肢

実現すること

検討の起点

DX目的・事業競争力強化の実現

成功時の効果

開発リスク

Aタイプ

(外向き)

お客様が望んでいる価値の実現

1)既存サービスの革新

または

2)新規サービスの開発

お客様の潜在的ニーズを、調査・分析によって引きだす。

直接的

Bタイプ

(内向き)

それを可能とする社内体制の整備

1)基幹業務の高度化・効率化

2)従業員能力・満足度の向上

社内基幹業務革新の有効性を、分析により把握する。

間接的

内容次第

内容次第

 

2)    DXの基本的選択肢とビジネス特性の組み合わせ

 ・ DXの基本的選択肢は、
   ビジネス特性との組み合わせで以下の4通りの選択肢
  (DXタイプ)ができます。
 ・ 個人向けビジネスのPはPrivateのPで、
   法人向けビジネスのQはQuantity(多数)のQです。

ビジネス特性

DXの基本的選択肢

Aタイプ

(外向きDX)

Bタイプ

(内向きDX)

個人向けビジネス P

PA

PB

法人向けビジネス Q

QA

QB

  ・IT協会と実施した54件の成功事例調査では、

   上野則男のブログ: 「DXはじめの一歩と成功への道筋」が出ます!!    (uenorio.blogspot.com)
   以下の構成比でした(一部重複を含みます)。
    PA 21件 39%
    PB 12件 22%
    QA 15件 28%
    QB 11件 20%

  3)    DXタイプの選択肢の優先度

   ビジネス特性による選択肢(DXタイプ)の選択基準は以下であると考えられます。

ビジネス特性

Aタイプ

Bタイプ

備考

個人向けビジネスの場合 P

PA

PB

事業競争力強化を目指すのであれば、まずはAタイプを検討すべきであるが、BタイプDXの期待効果が大きいのであれば、それも検討対象とする(以下の5)参照)

法人向けビジネスの場合 Q

QA

QB

両者の効果・リスクで判断する。(以下の4)5)項参照)

  ・ 個人向けビジネスのDXは、Aタイプを検討すべきなのですが、
   (前掲のデータでも,PAは最大です)
   法人向けビジネスの場合は、一概にそうとも言えない、
   ということです。

 

4)    法人向けビジネスAタイプDX(QA)の効果・リスクの判断の目安

QAの場合の「効果」「リスク」項目は以下が一般的です。
・ これを参考に、その大小を評価します。

現在のビジネスの状況等

効果

リスク

自社の主力ビジネスである

競合の多いビジネスである

 

競合に対して劣位にある

 

DX方式のヒントがある

 

注:法人相手のビジネスでのAタイプDX(QA)は、
  基本的には製品・サービスの提供方法に対する革新であり
  その多くは納期短縮です。
  (製品自体の改良や用途開発は
  ことさらDXの範疇には入らないのです)
  
  前掲のデータで,QAは16件ありましたが、
  そのほとんどは新サービスをビジネスとして提供しようとするものです
  から(お客様は売込相手)、当然お客様の価値を訴求します。

  ですが、DXは「事業競争力強化」を目的としますので、
  その新製品が売れて初めて「事業競争力強化』の実現になるのです。
  事業競争力強化になるほど売れるまでは,DXをした、とは言えないのです。
  正確には、「DX」ではなく「DX準備」と言うべきものです。

  そうではなく、
  自社のお客様に対するサービス改善の実現は、2件しかないのですが、
  その改善価値は、実質的に「納期短縮」でした。

  そのうちの1件の納期短縮は、
  社内業務の改善の結果実現しているもので、
  お客様に対する納期改善の目的で実現した納期短縮案件は、
  「富山の薬売り」方式を実現した原材料納入案件だけでした。

 5)   BタイプDX(PB、QB)の効果・リスクの判断の目安

  ・ PB、QBの場合の「効果」「リスク」項目は以下が一般的です。
  ・ これを参考に、その大小を評価します。

現在の検討対象基幹システムの状況

効果

リスク

安定して稼働している

 

利用者からの改変要望が多い

 

利用者のシステム内容に対する不満が多い

 

ソフトウェア保守の生産性が低い

システムの機能追加の際に時間がかかる

 

システム改革のヒントがある

 

稼働して20年以上経過している

 

システムの規模が巨大である(1万本以上)

 

システム内容の精通者がいない(少ない)

 

システムドキュメントが不備である

 


3.(ご参考)MIND-DXにおける検討指針を示す
  「タスク定義書」のサンプル


 

このように、タスク定義書から必要な「様式」「事例」「参照手法」が
リンクでご利用いただけるようになっています。

前掲の「参照手法」も参照できるようになっていることがお分かりいただけるでしょう。


もし、啓蒙段階で、参照手法のガイドを学んでいただいていますと、
啓蒙段階の基本的理解から具体的検討までがシームレスに
連続することになります。

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