目的:
安倍政権と小泉政権の成果の総括的比較を行ってみます。
ねらい:
小泉純一郎氏に再登板していただきたいですね。
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何とか「失われた20年・30年」を挽回できないものかと
日頃から考えている私がたいへん参考になる著書を見つけました。
それは、星岳雄他著「何が日本の経済成長を止めたのか」
(2013年1月刊)です。
小泉政権の実績 2001年4月26日から2006年9月26日まで
時期 |
名称 |
内容 |
備考 |
2001/6 |
日米首脳会談 |
ブッシュ大統領とキャンプデービッドで。 |
外交 |
2001/10 |
テロ対策特措法案 |
米国主体のテロ対策軍事行動に対する支援方法を定めた。 |
安全保障 |
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自衛隊改正法案 |
海上自衛隊の海外派遣を可能とした。 |
安全保障 |
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海上保安庁法改正案 |
海上保安官等が武器を使用する場合の要件を改正 |
安全保障 |
2002/9 |
北朝鮮電撃訪問 |
金正日に拉致を認めさせ謝罪させた。拉致被害者5人が帰還。 |
外交 |
|
金融機関の不良債権処理 |
不良債権の償却促進、健全化 |
内政 |
2003年 |
労働者派遣法改正 |
労働者派遣の規制緩和 |
内政 |
2004/6 |
民営化関連4法案成立 |
道路関係4公団の民営化等実現 |
内政 |
2004~ |
地方財政の三位一体改革 |
地方の中央依存を脱却し地方を活性化させる意図 |
内政 |
2003年 |
有事関連3法案成立 |
有事の対応を定める「武力攻撃事態対処法案」「自衛隊法改正案」「安全保障会議設置法改正案」 |
安全保障 |
2004年 |
有事関連7法案3条約成立 |
「武力攻撃事態対処法案」の具体化 |
安全保障 |
2004年 |
年金制度改革 |
年金財政の長期均衡 |
内政 |
2005年 |
郵政民営化法案成立 |
郵政公社の民営化 |
内政 |
2005年 |
新憲法草案発表 |
1955年の結党の際の綱領の一歩前進 |
憲法 |
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大規模農業の促進 |
補助金支給を大規模農家に限定する方針 |
内政 |
2004年 |
食糧需給等に関する法律改正 |
米の流通が完全に自由化された。 |
内政 |
2002年~ |
FTA締結 |
シンガポール、メキシコ、マレーシア、フィリピン、タイと締結 |
外交 |
2003年~ |
構造改革特区 |
サービス部門の規制を緩和する目的で創設された。 |
内政 |
まとめ 内政の成果(安全保障) |
有事対応の法制化 |
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内政の成果(経済) |
金融機関の不良債権処理促進 労働市場の流動化促進 年金財政の長期均衡方針設定 公社・公団の民営化 地方財政の自立性促進 農業の大規模化促進 構造改革特区の創成 |
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外交の成果 |
北朝鮮金正日総書記と会談 米国との信頼強化 FTAの複数締結 |
出典:内閣府「構造改革の考え方」
安倍政権の実績 2012年12月26日から2020年9月16日まで
時期 |
名称 |
内容 |
備考 |
2006年 |
QUADの原型提唱 |
第1次安倍内閣時に提唱。2007年の訪印時にもその構想を持ちかけている。 |
外交 |
2013年~ |
アベノミクス発表 |
大胆な金融緩和、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略 金融政策でデフレからの脱却を試み、財政出動で当面の景気を維持しつつ、その間に痛みを伴う構造改革を実施し、経済を成長軌道に乗せるという流れだったことが分かる。 |
内政 |
2013年~ |
安倍外交スタート |
ベトナム、タイ、インドネシアの東南アジア3カ国訪問 |
外交 |
「地球儀を俯瞰する外交」と自称し、中東、欧州、アフリカ、南米と、平均して一カ月に一回の割合で頻繁に外国へ飛び、しかも、外遊を単なるトップ会談で終わらせず、アベノミクスと直結させて、日本の優れたインフラ技術、食文化やポップカルチャーを売り込む |
外交 |
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2013年2月 |
オバマ大統領と会談 |
幅広い分野での日米間の協力強化を確認 |
外交 |
2013年4月 |
プーチン大統領と会談 |
経済協力、文化・人的交流の促進に加え、安全保障分野において「2プラス2」設置で合意 |
外交 |
2013年9月 |
2020オリンピック東京招致成功 |
56年ぶりの開催決定。 安倍外交の成果である、という評価もある。 |
その他 |
2013年12月 |
安全保障会議設置法改正 |
これまでの安全保障会議が国家安全保障会議に再編され、外交・安全保障の司令塔となる |
安全保障 |
2014年7月 |
限定的な集団的自衛権の行使容認を閣議決定 |
国民の生命と財産を守るため、憲法の許す範囲内で、同盟国たる米国や価値観を共有する国々と連携して日本はもとより、国際社会の平和と安全を確保することが可能となった。 |
安全保障 |
2015年 |
平和安全法制を成立 |
安全保障 |
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2014年4月 |
消費税率引き上げ |
5%から8%へ。 |
内政 |
2015年5月 |
オバマ大統領と日米共同ビジョン発表 |
引き続き、日米間の連携を世界規模で深めていくことが示された。
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外交 |
米上下両院議員総会で安倍首相演説 |
54年前の池田勇人首相以来の米国議会での演説。 「私たちの同盟を、『希望の同盟』と呼びましょう。アメリカと日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこうではありませんか」と訴えた。 |
外交 |
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2019年10月 |
消費税率引き上げ |
8%から10%へ |
内政 |
内政の成果(安全保障) |
集団的自衛権の容認化 国の安全保障体制強化 |
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内政の成果(経済) (アベノミクスの成果)
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アベノミクスの3本の矢のうち、成長戦略は具体策がなく、財政出動も不十分で金融政策のみの一本足打法となってしまった。 安倍首相在任期間中の平均GDP(国内総生産)成長率を計算すると、実質でわずか0.9%しかない(2020年はコロナ危機があるので除外してある)。小泉政権は1.0%、民主党政権は1.5%(リーマンショックの反動あり)、大型公共事業を連発した橋本・小渕政権は0.9%と、安倍政権は同率で最下位となっている(四半期ベースの実質GDPを基に年率換算)。しかも安倍政権下の個人消費はマイナスだった。国民の将来不安が原因であると想定されている。 |
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外交の成果 |
1)
対中国戦略では、インド・豪州・米国と中国囲い込み作戦であるQUADの創成に成功した。 2)
対ロシア戦略では、北方領土返還に対して成果が挙げられていない。 3)
米国との関係緊密化では、トランプ大統領とは緊密な連携を築き、日本の存在感を高めた。 2016年の大統領選に勝ったトランプ氏と安倍首相は約4年間で14回の対面会談と37回の電話協議を重ねた。首相は大統領選直後の同年11月、各国首脳に先駆けて会談。中国、北朝鮮を中心とした国際情勢を説明し、意気投合した。トランプ氏も首相を自らの「指南役」として重視。ともにゴルフを楽しむ仲で。「シンゾー」「ドナルド」と呼び合った。 4)
世界各国との交流では、80カ国を訪問し、日本の存在感をアピールできた(東京オリンピック招致はその一環である)。 |
3.近時の総理大臣の外国訪問実績
この実績には、首脳会議等への参加は算定していません。
以上の比較からすると、こういうことが言えそうです。
1.国葬とは何か 以下、Wikipedia
第二次世界大戦後、1926年に制定された国葬令が失効したことにより、
それによって規定された国葬はなくなりった。
第二次世界大戦後、天皇・皇后以外で国葬が行われた初めての例は、
2 件のコメント:
素晴らしい分析・比較です 一気に読みました
上野さんが、おっしゃるように小泉さんが返り咲いたら
良いと思います
匿名様
コメントありがとうございます。
このテーマについて、あまり反応がないので、
どうなのか、気になっていました。
内容に賛同していただいて嬉しいです。
ありがとうございました。
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