2022年9月18日日曜日

敬老の日の話題です!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 日本の100歳以上の方の状況を確認します。
 これまでの最高齢者田中カ子さんを偲びましょう。
 老衰とは何かを再確認しましょう。
ねらい:
 健康寿命を延ばしたいですね。
 (このブログはその役に立つかしら?)
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今年は9月19日が敬老の日です。
恒例の記事が出ました。
100歳以上が9万人突破(90,526人)
昨年から4016人増加
最高齢は115歳
2022年度中に100歳になる人は45,141人

そこで敬老の日に因んだ話題を取りあげました。

1.100歳超の生存仮説
恒例の上野仮説の表を作成しました。
「100歳過ぎると毎年半分の方が亡くなる」というものです。
その表がこれです。
100歳の実人数45,141から単純計算しています。











単純計算の合計は90,282人で、

実人数の90,526人とほぼ一致しています。

やはり、毎年半分の方が亡くなっているのです。










2.最高齢者

前掲記事で最高齢は巽フサさんで115歳です、となっています。
それで「おや、田中カ子さんはどうなったのだろう?」と
ネットで確認しましたら、以下の記事が出てきました。
(朝日新聞DIJITAL)
この4月に119歳で亡くなっていたのです。
上の表を見ても、119歳は奇跡です。
大往生のご冥福をお祈りいたします。

世界最高齢としてギネス世界記録に認定されている
福岡市の田中カ子(かね)さん(119)が2022年4月19日、
市内の病院で亡くなった。死因は老衰という。

田中さんは2019年3月、116歳で世界最高齢と認定されていた。
田中さんは夫婦で長くもち屋を営んだ。
100歳を超えた2005年から老人ホームで暮らしていた。

明治、大正、昭和、平成、令和の五つの時代を生きた田中さん。
炭酸飲料やチョコが好物で、
老人ホームでは親指を立てる「グッドサイン」で
職員とやりとりしていたという。
18年に国内最高齢となったときには取材に応じ、
何歳を目指したいかと聞かれると
「あと5年ぐらいかな。みんなのおかげ。死ぬ気がせんです」
と話していた。

以下は,NHKのNEWSWEB出典です。
田中さんの孫の英治さんはNHKの取材に対して
「去年の末から体調を崩しはじめ、入退院を繰り返していましたが、
寝たきりという状況ではなく、
病院からは『突然だった』と説明を受けました。
急なことだったので驚きました」と話していました。

以下のブログでは、「好きなものは何ですか?」と聞かれて
「オセロ。オロナミン、オトコ」と答えて記者を煙に巻いた
というご紹介をしています。(2020年2月)


田中カ子さんのお若い頃の写真を見て
ご冥福をお祈りしましょう。
20歳のときの写真です。
美人ですね。









3.老衰
田中さんの死因が老衰というのは納得できます。
しかし、まだ若い方(80代)の死因が老衰と言われますと、
違和感があります。

私の級友でジャスコの社長や日本体操協会の会長を長く勤め
旭日重光章の叙勲を受けた二木英徳氏が、
8月10日に85歳で亡くなった死因の発表が「老衰」でした。
別項の「椿正明博士の偉業を偲ぶ!!」でご紹介した椿博士は
86歳でやはり「老衰」でした。
8月24日に90歳で亡くなられた稲盛和夫さんの場合は
「老衰?そうかな」と思えます。

そこで、老衰とは何だろう?と調べてみました。
以下のような解説がWikipediaに載っていました。

その解説にないことで、最近の老衰死の方の状況で
分かったことがあります。
それは「前日まで元気だった」ということです。
田中カ子さんの場合も、前掲のようにそうでした。

そこでそれらをまとめますと、老衰とはこういうことになります。
 老衰死とは、
 特別な病的死因が特定できない死亡を言う。
 (いわば「死因不明」です)
 多くの場合、苦痛なく安らかに死を迎えている。
 (理想の死に方です)
 死の前日まで元気である。
 (死は突然やってくるのです)
 残念ながら老衰死は多くない。
 (老衰死できる方は幸せなのです)

老衰によって生命活動が終わること(死ぬこと)を、
老衰死(ろうすいし)とも言う。
加齢による老化に伴って個体を形成する細胞や組織の能力が低下し、
多臓器不全により恒常性の維持・生命活動の維持ができなくなることが
原因である。
100歳や90代の超高齢者が老衰死をしやすい。

老衰は世界保健機関(WHO)が死亡原因として認定、分類、統計している。
日本の厚生労働省も同様に死亡原因として認定、分類、統計している。

しかしながら、1948年にWHOにて採択された
「国際疾病、傷害及び死因統計分類表」より、
老衰は独立した項目ではなく、
診断名不適当の状態として一括され、
現在WHOで公表されている死因統計においては、
老衰死は死因不明死亡数として処理されている。

日本における老衰による死亡者は、
1947年(昭和22年)の約78,000人から
2000年(平成12年)には約21,000人まで減少したが、
21世紀に入ると反転し、
2017年(平成29年)には約101,000人まで増加している。

2012年(平成24年)の日本の死亡者総数のうち4.8%でランク5位、
80歳代前半までは死亡原因別ランク5位未満、
80歳代後半の死亡者数のうち5.3%でランク5位、
90歳代前半の死亡者数のうち11.0%でランク5位、
90歳代後半の死亡者数のうち18.7%でランク2位、
100歳以上の死亡者数のうち31.6%でランク1位である。
注:100歳以上でようやく死因1位になるのです。

4.長寿の秘訣
2022年4月30日の日経新聞に以下の記事が載っていました。
慶応大学医学部百寿総合研究センターの新井康通教授の説
が基になっています。
(1)長寿者の呼称
 100歳以上:百寿者
 105歳以上:超百寿者
 110歳以上:スーパーセンチナリアン

(2)スーパーセンチナリアンの特徴
 100歳時点でも日常生活の自立が保たれており、
 百寿者の中でも健康寿命が長い。
 その医学的特徴は3つある。
 1)認知機能が保たれている。
  100~104歳で亡くなった人、
  105~109歳で亡くなった人
  110歳以上まで生きた人 
   の100歳時点の認知機能は、
  110歳以上まで生きた人が最も高かった。
 2)心臓血管病になりにくいこと
  心臓や血管の老化が特に遅い(診断可能)
  (上野はそのために
   40年前からビタミンEを愛用しています)
 3)フレイルになるのが遅い
  健康寿命を長く維持している。

(3)長寿の要因
 遺伝の影響は20%程度。
 長寿・短命に結びつく遺伝子はあまり見つかっていない。
 APOE4という遺伝子は
 アルツハイマー病にかかりやすい傾向がある。
 しかし、高学歴者はこの遺伝子と長生きの関係が薄いと
 いう説もある。
 80%は後天的要因なので、
 生活習慣が重要であるということになる。

(4)長寿の対策
 1)身体活動が多い人は長生き。
  85歳以上で元気な人たちは
  7割くらいが散歩を普段していて
  体操やストレッチなどをする人もいる。
  何も運動していない人に比べ、
  意識して運動している人ほど死亡率は低下している。
 2)食事
  a)DHAとEPAの摂取
  DHA(ドコサヘキサエン酸)や
  EPA(エイコサペンタエン酸)の
  摂取量の多い人ほど、下肢の運動機能が保たれている。
  DHAは脳や神経組織の機能を高める働きがある。
  EPAは血栓をできにくくする血液サラサラ成分として
  知られる(鯖や鰯などの青魚に多く含まれる)。
  サプリメントが販売されている。
  (上野はこの記事を読んで、
   DHA/EPA錠剤を服用しだしました)
  
  b)たんぱく質の摂取
  たんぱく質の適度な摂取も重要。
  「高齢になっても血中のアルブミン濃度が高い人の方が
   長生きする」
  アルブミンは血中のたんぱく質で、
  アルブミン濃度が低下するとフレイルになりやすく
  死亡率も高くなる。
  高齢になれば、カロリーオーバーを気にするのではなく、
  筋肉量を維持するために肉や魚、植物性たんぱく質を
  きちんととることがよい。

3 件のコメント:

momiji さんのコメント...

長寿の秘訣は、運動と食べ物なんですね。まだ60代ですが、日常の生活大事にしたいです。

上野 則男 さんのコメント...


そうなんです。
いいと思われることを継続することが大事なんです。
努力しましょう!!

上野 則男 さんのコメント...

友人MT氏からのコメントです。

100歳超の生存者の生存仮設を面白く読みました。