2021年7月12日月曜日

盛り土は危ない!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 人工の「盛り土」の危険性を確認します。
 水野一晴氏著「自然の仕組みが分かる地理学入門」をご紹介します。
 自然の「盛り土」について勉強します。
ねらい:
 家を入手するときには、地盤をしっかり確認しましょう。
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熱海市伊豆山の土砂災害の凄まじさが何度もテレビで放映されました。
どうやら、原因は土砂流の最上流部分での盛り土が崩れて流れたこと
のようです。
ここに宅地造成されて家ができていたら、
完全にアウトになるところでした。

盛り土による被害は、東北大震災の際に浦安で多くの家が傾きました。
私の知人も被害に遭いました。
その辺は埋め立て地で地盤が軟弱で「液状化現象」が起きたのでした。
埋め立ても一種の人工的盛り土です。
この近辺にあるディズニーランドでは、地盤が弱いことを知っていて
頑丈な杭を多数打って被害に遭わずに済んでいます。
一般人は、無責任な業者の分譲地で被害に遭ったのです。

最新刊である水野一晴氏著「自然の仕組みが分かる地理学入門」
を読みました。
そうしましたら、自然の「盛り土」のことが書いてありました。

著者は、京都大学大学院の地理学専修教授です。
世界50か国以上を探検調査されていて、その薀蓄がこの著書です。
本書は、以下のような構成で、図や写真が豊富で、
非常に理解がしやすい解説書です。
人文科学書の最高傑作だと思われ、
定価の990円はとてつもなく低価格です。

1.地形
 平野の地形
 山の地形
 断層と火山と地震
 海の地形
 世界の地質・地形と鉱産資源
2.気候
 気候
 気候変動
3.植生と土壌
 世界の植生と土壌
 山の植生

そこには、以下のような非常に興味深いテーマが解説されています。

琵琶湖はなぜ細長くて日本で一番大きいのか?
富士山は世界でただ一つの特異な場所にある
なぜアフリカと南米は植物が似ているのか?
北海道にはなぜ丸い湖が多くその脇に温泉地があるのか?
夏と冬ではなぜ風向きが真反対なのか?
日本でなぜ新潟県でもっとも雪が降るのか?
北海道と本州はなぜ生息する動物が違うのか?
森林を伐採するとなぜ洪水がおきるのか?

本号のテーマ「盛り土」に関しては、以下の記述がありました。

【なぜ新宿に高層ビルが集まっているのか?沖積平野と洪積台地】
氷河期に気温が下がるにつれ、大陸には氷河が広がって、
その広がった氷河の氷の分だけ、海に流入する水が減る。
つまり海面が下がるわけだ。
最終氷期のときには、日本付近では現在より120ー140mも下がった。
図1-3のように海面が下がるにつれ、海に流れ込むすべての川は、
海面が下がる分だけ川底を下に削っていく。
これを河川の下刻(かこく)作用という。
この河川の下刻作用によって、
もっとも海面が下がった最終氷期の最盛期(2万年前)には、
それぞれの河川が大きく深い谷を作ったのである。

図1-3


その後、氷河時代が終わって温暖化するにつれ海面が上がる。
それぞれの河川は海面が上がるにつれ、
その海面の高さに川の水が流れればいいので、下刻作用は止まり、
逆に河川が上流から運んでくる泥が谷底に堆積していくという
埋積作用が働いていく。
したがって、その谷底は泥がたまって地盤が弱いのである。

氷河時代最盛期である2万年前以前に
すでに海から顔を出していた高台を洪積台地といい、
その地層を洪積層という。
一方、最終氷期につくられた谷に泥がたまった地形を
沖積平野とか沖積低地とよび、その泥の層を沖積層とよぶ。

図 東京の洪積層と沖積層の状況
新宿は洪積層にあるので地盤がしっかりしているので
高層ビルが林立しましたが、
渋谷は沖積層にあるので、
しっかりした地層まで杭打ちをするのにコストがかかるので
敬遠されたということなのです。

つまり、沖積層は自然の盛り土で、
自然の盛り土も地盤としては弱いということなのです。
著者は、家を建てるならその地盤を確認しなさいと忠告しています。

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