2020年9月19日土曜日

「日本の品種はすごい」その2

 [このテーマの目的・ねらい]

目的:

 日本の食料品種の概要を整理します。

 「大根足」のことも知りましょう。

ねらい:

 ご関心ある方は、この新書をお読みください。

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「日本の品種はすごい」は育種家竹下大学氏の著書です。

前回その中の、ナシとリンゴについて紹介させていただきました。

「日本の品種はすごい」その1ナシとリンゴ

http://uenorio.blogspot.com/2020/08/blog-post_23.html

今回はその続きなのですが、

ナシとリンゴほど一般に魅力的ではないので、

簡単な要約のみとさせていただきます。

日本の品種一覧

種類

品種

備考

ジャガイモ

アーリーローズ(マックのフライポテト専用)

ラセットバーバンク、男爵薯、メークイン(煮崩れしない)、キタアカリ、きたかむい、さやか、シストセンチュウ、カラフルポテト、インカ、デストロイヤー

 

北海道が全国生産量の77%を占める。

ダイズ

フクユタカ(豆腐向き)、ユキホマレ(煮豆。納豆向き)、エンレイ(豆腐、煮豆、味噌向き)、リュウホウ、タチナガハ、大袖振(菓子用)

 

縄文時代中期から存在。

産地は北海道、宮城県

カブ

代表品種は、大カブ=聖護院院かぶ、中カブ=天王寺蕪、小カブ=金町小かぶ、

耐病ひかり、白鷹、白根、たかね

かぶら寿司用百万石青首蕪

 

ヨーロッパ原産、

生産量日本一は千葉県、2位埼玉県

ダイコン

重さ世界一桜島大根(31.25キロ)。長さ世界一守口だいこん(233.5センチ)

青首ダイコン 現在は主流。「耐病総太り」

白首ダイコン 三浦大根、練馬大根(大柄1メートル以上にもなる)、聖護院大根、亀戸大根

辛味大根=ねずみ大根

葉を食べる、カイワレ大根、小瀬菜大根

弥生時代に中国から伝わった。準主食の位置づけ。

ダイコンの消費量で日本は世界一(世界の9割)。国民一人当たり1年間に1キロのダイコンを10本食べている。大正時代はその5倍だった!!

ワサビ

赤茎系(辛みが強い)「真妻」

青茎系 ダルマ系

安曇野のわさび(開墾で作られた)

類似品にワサビダイコンがある。粉わさびの原料に使われる。

日本原産

静岡県・長野県がワサビ生産量12位。

加工品として、粉わさび、ねりわさび(ヱスビー食品トップ)

 

 

逸話紹介

1.ジャガイモの品種改良 植物の魔術師ルーサー・バーバンク

「ラセットバーバンク」のもととなった

「バーバンクポテト」を生み出したのが、

のちに植物の魔術師と呼ばれるようになるルーサー・バーバンクである。

バーバンクは、人類の繁栄を目的として、

大がかりに植物の品種改良に取り組んだ歴史上初の人物。

かつてはトーマス・エジソン、ヘンリー・フォードと並んで、

アメリカの3大発明家と称えられたほどの男なのである。

バーバンクはありとあらゆる植物を育種し、

生涯育成した品種数は800とも1000ともいわれる。

将来の人口爆発や砂漠化による食料不足を予想し、

トゲナシの食用サボテンまでも作り出していた。

しかし大富豪にはなれなかった。

フォードは、

バーバンクにフォード製トラクターの第1号車をプレゼントした。

エジソンは、農作物の知的財産権付与に尽力した。

農作物に知的財産権が認められたのは、

バーバンクの死後4年がたってからであった。

エジソンもその後まもなくこの世を去った。

スゴイ人がいたのですね!!


2.大根足

大根足という単語は江戸時代に生まれたとされる。

その語源となったダイコンは、もちろん白首ダイコンである。

もっとも当初は白くすらっとした脚をたとえた誉め言葉であったのが、

その後に練馬大根や三浦大根のように太く改良された品種が登場したために、

陰口に意味が変わってしまった。

なるほどそうだったのですか。


9月27日追記

9月26日日経新聞夕刊に次の記事が載っていました。

【サツマイモ】
サツマイモがおいしい季節になってきた。
ねっとりした食感と甘い味わいは、幅広い料理やスイーツで活躍する。
古新聞に包まれた「石焼き芋」は
寒い日に食べたくなるもののひとつだろう。
焼き芋には新たなブームが到来している。
専門店も登場、しゃれたパッケージに入ったものも増えてきた。
今年2月には優れた生産者を選ぶ「日本さつまいもサミット」が
さいたま市で初開催されるなど、まさにいまが旬の野菜だ。

中南米が原産で、日本へ渡来したのは1600年ごろ。
中国から琉球を経て薩摩に伝わり、
飢饉を救う救荒作物として全国に広まった。
(上野:へーそうだったのですか!)
生産首位は鹿児島県だが、多くが焼酎やでんぷんの原料になる。
このため店に並ぶのは徳島、千葉、茨城産が中心だ。

今年の収穫量は平年並みの見込みで、
9月中旬の東京市場の卸値は昨年より1割安い。
サツマイモは、貯蔵するとでんぷんが糖に変わり、甘みが増す。
このため収穫後、
適度な温度と湿度で1か月程度寝かせてから出荷されている。

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