2018年12月10日月曜日

RPAと昔の「業務機械化」はどこが違う?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 RPAって何だろう?と考えてみます。
 昔の「業務の機械化」と比較してみます。
ねらい:
 「抜かればうまくいかない」のは昔も今も変わらないことを
  納得していただきます。
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RPAがもたらすインパクト 出典:Wikipedia

l  業務自動化範囲の拡大
伝統的な自動化取り組み(例えばERPシステム)でカバーしきれなかった
業務が自動化され、業務の効率・品質・コストが改善される。
l  リソースの効率的な再配置
業務部門のスタッフが業務オペレーションから解放され、
業務の改善やイノベーション等に取り組む時間が増える。
一方IT部門のスタッフはコアなITシステム、ITサービスに集中できる。
l  業務ソーシングの変化
RPAの出現によって、過去BPO業者にアウトソーシングされていた業務が
ソフトウェアロボットで自動化できる可能性が増えている。
企業にとってアウトソーシングされた業務を引き続きBPO業者に委託するか、
RPAを導入し内製化するかを再考する必要性が出てくる。
一方BPO業者は中国やインド等の低賃金リソースを利用してビジネスを展開してきたが、RPAの積極的な取り入れ等ビジネスモデルの転換が求められている。

RPA,RPAと騒いでいますが、
ただの「業務の機械化」ではないか、という批判について
検討してみました。


ご存じでしょうが、RPAとは
Robotics Process Automationプロセス自動化ロボット
の略で、今もてはやされているデジタル化の一環です。


こまごました処理のために、
これまでコンピュータ化の対象にならずに、
せいぜいExcel等で処理されてきた事務を
機械化するものです。


コンピュータ処理の前段の入力処理だったり、
中間または後工程の加工分析処理だったりします。


60年前に、ビジネスにコンピュータ利用が始まった頃に、
コンピュータ化の対象になったのは既存業務の機械化でした。
機械化して引きあう大量処理が対象です。


私がT社で経理部に配属された1961年には
経理業務は機械化されていませんでしした。
その頃の基準では、大量処理ではなかったのです。
じきに機械化の対象となりましたが。


「機械化」は、
それまで人間が手作業で実施している業務を
そのままコンピュータに置き換える、
ということで使われた言葉です。


今のRPAはそれと同じではないか、
なんでロボットと言うのか、というのが冒頭の疑問です。


違いはこういうことです。


業務の機械化とRPAの比較

 


業務の機械化


RPA


業務の分析


人間


人間


システム設計


人間


自動


プログラム作成


手作り


自動


マニュアル化


人間


人間

一部自動


利用者教育


人間


人間


フォロー


人間


人間


評価


人間


人間


 
昔の「機械化」は
システムやが業務を分析しその処理を定義(設計)し、
プログラミングを手作業で行い、
コンピュータ処理させていたのです。


RPAは、それ用の市販ソフトウェアがあり、
そのほとんどがシステム作りを自動化する機能を持っています。
人間のExcelなどでの処理を見て、
そのままを自動処理するソフトウェアを作ってくれるのです。


ロボットと言われるゆえんです。


共通しているのは、大きく言えば、
その業務が機械化またはRPAに向くかどうかの分析
が必要なことと、
利用者教育や実行のフォローを怠ると使われない、という点です。
最低限度のマニュアル化を怠ると、
システムの内容が分からなくなり、レベルアップが不可能となります。


昔の「機械化」では、
その処理が不十分だと現場で使ってもらえずに、
手作業がそのまま残る「二重処理」、ということがありました。
RPAでも同じことです。


昔の機械化の苦い経験が今でも再現しているのです。


全体的に見ると、
コンピュータを利用するプロセスで
自動化されている点はありますが、
やはりその本質は昔の業務の機械化と同じだ、
ということになります。
抜かればうまくいかないのです。


RPAの実践に関心のある方は、
日経コンピュータ誌2018.12.6号「特集 RPAの格言」を
ご参照なさるとよいと思います。

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