2018年9月25日火曜日
「高齢者不眠の予防と対策」
【このテーマの目的・ねらい】
目的:
睡眠について幅広く知りましょう。
ねらい:
自分に合った対策をとりましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この題材は、
學士會会報2018-Ⅴ号掲載の
高橋清久公益財団法人神経研究所精神神経科学センター長
の講演記事からの紹介です。
以下、かっこは上野のコメントです。
1.加齢による睡眠への影響
1)眠りの深い時間が短く、睡眠のサイクルが短い
(睡眠の1サイクルが1時間半というのは若い人のことです)
2.遺伝による睡眠への影響
1)睡眠は遺伝による個人差が大きい。
9-10時間以上寝る人もいれば、5時間以下で済む人もいる
(やはりそうですか。
ナポレオンや明石家さんまさんは3時間睡眠だそうです)
3.高齢者の睡眠が不調になる原因
1)生理的要因
加齢により、代謝系、神経系、内分泌系、免疫系などの機能が低下し、
睡眠に影響する。
2)心理的要因
退職による仕事や地位の喪失、家族や友達の死など、
喪失体験が続くと孤独感が増し、睡眠に影響する。
3)ライフスタイル要因
退職後することがないと、早寝と運動不足が習慣化し、
睡眠に影響する。
4.一般的に不眠になる原因
1)精神生理性不眠(神経症性不眠)
心配事、不安、ストレスが原因で起きる。
2)生理性不眠
騒音、光、不快な温度や湿度、硬い寝具などの睡眠環境、
交代勤務、時差ボケ、徹夜などの不規則な生活習慣、
が原因で起きる。
3)精神病性不眠
統合失調症、うつ病、不安障害、パニック障害など、
心の病気が原因で起きる。
4)薬物性不眠
ホルモン剤、ステロイド剤、インターフェロン、降圧剤、
器官拡張剤、抗潰瘍薬など病院で処方された薬が原因でおきる。
5)身体因性不眠
痛み、かゆみ、高い熱、咳、動悸、呼吸困難
などの症状が原因で起きる。
「睡眠時無呼吸症候群」「むずむず脚症候群」に要注意。
6)高齢者特有の不眠
加齢により睡眠時間は短くてよいのに、
床にいる時間が長くなると中途覚醒や早朝覚醒が起きやすくなる。
5.高齢者不眠の予防対策
1)現実を受け入れる
「加齢に従い、睡眠の質が低下するのは仕方ない」
と腹をくくる。
2)自分に合ったリズムを知る
朝型の人もいれば、夜型の人もいる。
自分の型を知り、それに合わせた時間に規則正しく寝る。
3)昼間の活動を充実させ、人生を楽しむ
睡眠の過不足は、睡眠時間や就寝時間帯ではなく、
昼間の活動の充実度で測るようにする。
「昼間、元気にやるべきことをやった。楽しかった」と思えれば、
しっかり睡眠できる。
4)ポジティブ思考を身につける
(補足説明はありません)
6.不眠を招かない心得と工夫
1)適切な時間に光を浴びる
光は体内時計をリセットし、日中の活動性を高める。
光を浴びると、睡眠を促すホルモンが出やすくなるという研究もある。
蛍光灯の光でもよい。
寝付きの悪い人は朝、光を浴びる。
早期覚醒の人は夕方光を浴びる。
2)朝の食事をとる
朝食は体内時計をリセットし活動リズムを高める。
3)運動する
運動は代謝と体温を下げ体内時計をリセットし活動リズムを高める。
4)入浴する
風呂に入って体を芯から温めると体温が上がる。
深部体温は上がった分だけ下がろうとするので、
風呂から出ると深部体温が急降下する。
このタイミングで寝ると深い睡眠につながる。
シャワーだけではダメ。
5)短い昼寝をする
20-30分の昼寝は、身体能力が活性化され
夜の睡眠が深くなる。
6)リラクゼーション
呼吸法、瞑想、自律訓練法、漸進的筋弛緩、アロマテラピー、
ハーブティー、ヒーリング音楽、マッサージ、
ヨガ・座禅・気功、ストレッチは
交換神経系から副交感神経系への切り替えを促すので
就寝前に実施するとよい。
7)睡眠を阻害する因子を避ける
前掲4.の要因が発生しないようにする。
アルコールは、寝る前に飲むと寝付きを改善するが、、
アルコールが分解されてできるアセトアルデヒドが睡眠を妨げる。
さらに、アルコールには利尿作用や脱水作用があり睡眠を妨げる。
カフェインも睡眠作用のあるアデノシン受容体の働きを阻害する。
遅い時間の大食や、夜間にスマホで強い光を浴びることもよくない。
7.睡眠薬の副作用
睡眠薬の最大の副作用は、持ち越し効果(翌日に眠気が残る)である。
薬によっては前向健忘(前の晩の出来事を忘れる)が起きる。
緊張感が低下し、ふらつきや店頭も起きやすくなる。
依存症になる薬もある。
以上多岐に亘りましたが、高橋先生の好きな言葉が結びでした。
「眠りは蝶のようなもの、捕まえようとすると逃げるが、
静かに目を閉じれば、向こうからやってくる」
そのとおりでしょう。
あなたにとっては何が新しい情報でしたか?
皆様はどうされていますか?
私としては、「疲れて寝る。余計なことを考える余裕がない」
ということが一番の対策だと思っています。
精神安定剤代わりに「ほんの少し」アルコールを口にします。
それと、眠りを呼び込むツボがあるのをご存じですか?
かなり効きます。
ツボは左中指(左利きの人は右中指かもしれません)の爪の右下あたりで、
綿棒などで押すとピクリと痛い場所です。
ここをしばらく押すのです。
そうすると眠くなります。
ぜひ試してみてください。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿